【キャラ募集中】英雄(ヒーロー)戦記 ジェット・ウォッシャー! 作:カレーうどん赤星
暗殺者に狙われた甲斐技術官の、運命はいかに……!
ヒーロー募集から、モフモフ毛玉さんのホーリーガーディアン/ストレリチア及び、ライラック/高野ライラを採用させていただきました!
モフモフ毛玉さん、素敵なヒーローをありがとうございます!
キャラクター募集は、まだまだ開催中です!
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……俺は全国ヒーロー連盟技術長官、
今日、俺の居るヒーロー連盟第六支部が、アシッドデューと名乗るアグリー・ダックリングの怪人に襲われた。
俺はアシッドデューを削除するため、『秘密兵器』のキーを取りに、地下二階の兵器保管庫に向かったのだが……
そこには、怪人の卑劣な罠が張り巡らされていた。
「…チッ、ここまで潜り込んでいたのか」
「甲斐ィ……お前には、散々煮え湯を飲まされ続けたからなぁ?だから今回はわざわざ陽動として大事件を起こして、そっちに注目させてやった♪」
俺が重々しい金属製の自動ドアを通り、兵器保管庫に向かうと……その中には、余計な連中が居た。
深緑のスーツに、赤と黒のネクタイを着けた、茶髪のマフィアのような二人組の怪人……シャドウ兄弟。
背の高いノッポな兄『エビデル』はヘッドホンを着用し、丸顔の弟『ガディス』は二丁拳銃を構えている。
彼等はアグリー・ダックリングと協力関係にある暗殺組織『ダーティ・
……骨の折れる相手だが、俺には、『最後の切札』による、確かな勝算があった。
「しかし、元から期待なんかしてなかったが……あの雑魚、たった4人でデスマッチリングを開きやがってヨ。これじゃ陽動になんねぇだろうが。
ま、俺達シャドウ兄弟が侵入すれば、あのヘボ陽動でもお前くらい八つ裂きにできるがな!」
「……お喋りが長すぎるぞ。非効率な奴だ。」
「ケッケッケッケ ジジイなんて、片手でも倒せるぜ!」
「……殲滅しろ、ホーリーガーディアン。これはオーダーだ」
「そして……ライラック。ホーリーガーディアンの補助を司令する。」
俺がそう言うと、シャドウ兄弟の背後にあるシャッターが大きな音と共に開き、白煙を上げながら、二体の機械の英雄が現れた。
「…連盟の要請、承諾。敵、確認…排除を、開始する」
一つは、身体に密着するバトル・スーツを着用し、四肢に重武装マシニング・ウェポンを付け、
それでいて、優美な姿をした金髪のメカニカルヒーロー……ホーリーガーディアン。
ヒーロー連盟が多額の建造費をかけ、『
「承諾。……対象の排除を開始します。」
もう一つは、バイザーで目元を隠し、全身の各部を機械に置き換えている、まるで、人間の女性のような、茶髪の生体兵器……ライラック。
振り返り、この2機を見たシャドウ兄弟は、それぞれ表情が変わる。
「なんだいアニキ!甲斐の野郎……女みたいなロボットを、したり顔で突きつけてきやがったぜ!
まさか、こんなのが『アレ』なわけ、無いよなァ!」
「待てブラザー、油断は禁物だと教えたはずだゼ?
どんな姿をしていても……な。
……甲斐ィ、これ、アレだろう?『機械のヒーロー』」
ふむ……兄は実力を見抜いたが、弟はまだ笑っているな。
では、貴様らが『機械のヒーロー』と呼んだそれの性能の一端を教えてやろう。
「彼の指摘した通り、今出撃させたのは俺が開発した、ロボット・ヒーローだ。
この両機は、前年の演習で……警察が運用するロボット『ナンバー16』及び『ナンバー15』に勝利を収めた事がある。
演習開始のホイッスルから5秒で、警察側の2機は大破した。
試合を見ていた警察関係者の顔はキュウリのように青くなり、16は余りの恐怖に自我が目覚め、修理後に警察から逃げ出したらしい。
更に、人工衛星と連携した高度な追跡能力を持ち、地獄の果てまで殲滅対象を追う事が出来る。
貴様らは、既に命を捨てているも同然だ。」
それを聞いても、シャドウ兄弟の目は死なない。
「今日の俺達はなァ、仕事だけじゃなくて、仲間の『お礼』にも来てんだ!
高性能?実に結構!何を持っていかれようが、お前をぶち殺せれば満足なんだよォ!……必殺『貫通ナイフ』!」
俺の挑発に、エビデルは声を荒げ、ホーリーガーディアンへ急接近し、超合金ナイフで攻撃を仕掛ける。
「……ミッション、スタート。
【特殊異能電磁波】発動。近接攻撃……排除。」
しかし、冷淡な機械音声と共に、ナイフはホーリーガーディアンの巨大な鉄の腕に掴まれ、エビデルは床に投げられる。
ガシャーン!
「チッ!何故だ、俺の能力を纏ったナイフが、貫通せず掴まれやがった!」
「大丈夫か、アニキ!」
ズガン!ズガーン!
ガディスは二丁拳銃で、ライラックを狙う。
「……能力【反発】発動。」
しかし、銃弾の全てはライラの能力……【反発】によって弾き返される。
「……!」
ガディスは夢中で、ライラックの方に二丁拳銃を放ち続けるが、全く当たらない!
全ての銃弾は、重々しい金属の自動ドアの前に立つ、ガディスの側に跳ね返ってくる。
「ふむ、銃士としてその視野の狭さは致命的だな?
お前は、誰を殺しに来たんだ?」
ドン。
俺はガディスの背後というポジションを利用して、手持ちの銃で背中を撃ってやる。
「……クソジジイが……!」
「落ち着け、ブラザー!バイザーの方は俺がやる!
お前は甲斐だけを狙え!勝算や計画は、こっちにあるんだ!」
「イリュージョン・ナイフ!」
エビデルは能力波を手持ちのナイフ五本に纏わせると、指で挟んでライラックに放り投げる!
「……能力【反発】発動……」
ジャキン!
エビデルの放り投げたナイフのうち三本は、ライラの持つ反発の壁をすり抜けると、両膝と胸に突き刺さる!
「解除!刺さりやがれェ!」
「……処理……脚部に、金属片が混入!」
バチバチと騒ぐ火花を立てながら、ライラックはナノマシンによる回復シーケンスに入る!
そして、残り二本は、背後に立っていたホーリーガーディアンに向かう。
「不明。退けたものと大差のない攻撃。同様に処理……」
「弾けろ!ナイフ・ロケット!」
その号令と共にナイフ内に仕込まれていた火薬が点火され、ナイフは加速する!
……しかし、届かない!
能力で全ての障壁を貫く『はず』のナイフは、唯のビンタによって弾き返される!
だが、その弾いた一瞬の隙を見計らって、ガディスは二丁拳銃で俺の脳天と腹部を狙う!
「くたばれ、甲斐のジジイ!」
「単調な攻撃だ!」
俺は横腹に一発銃弾を受けるが、脳天狙いは自らの銃弾で弾き飛ばす!
……しかし、ドシュッという音と共に、俺の肩から突如、血が吹き出す!
「二発だと思ったか!流石に鈍ったな!ジジイ!」
能力による、透明な銃弾かっ!
俺は、肩への重い衝撃で、銃を落としてしまう。
まぁ良い……コイツら『3人』がただの三下でない事は、これまでの戦闘で分かった……
ライラックは、殺されかけた俺のカバーに入る。
「離れなさい。」
掌底に触れたガディスは、反発の能力により2機を格納していたシャッターまで、勢いよく吹き飛ぶ。
頭が揺れ、失神し動けなくなる。
ホーリーガーディアンは、エビデルを攻撃する。
「起動『マッハ・ナックル』」
メカニカル・アーマーの巨大な拳から放たれる、音速を超える拳の、20連続攻撃。
エビデルは、悲鳴を上げる間もなく、最後のアッパーで鋼鉄の天井に打ち上げられ、身体中にダメージを喰らう!
「次……決定打。」
「ギッ……ガッ……だが!」
しかし、エビデルの目はその天井で、何者かと目が合っていた。
そして……
「誘導及び、ドアの破壊ご苦労。
ハッチから逃げて良いぞ。」
そして……頭上から、まるでアナウンスのように『三人目』の声が聞こえる。
それは、黒い防弾チョッキと、ヘルメットを装備、懐には日本刀を差し、地味な眼鏡を着用した、彫りの濃い30代ほどの男……
「来たか、『ダーティ・
暗殺者キルブレードが……天井から……2機の機械の英雄の背後へと、降り立った。
「……どうやら、見立て通り、天井裏のハッチに隠れていたようだな……っ!」
奴は、アグリー・ダックリングや国際マフィアの依頼で、これまでに724人を殺害し、闇に葬ってきた腐れ外道だ。
おそらく……最初から、この地下二階に隠れていて、俺が来るのを待っていたのだろう。
そして、シャドウ兄弟との戦いで消耗し、手札が尽きた頃合いを見計らって、俺を殺しに来た……そんな具合だな。
「俺達の殺しは……本当の『無辜の人』には向かない。
依頼者も、ターゲットも同じ悪人だ。
それは、分かってんだろうな?」
「今更、そんな当然の事を聞いてどうする?
清廉潔白を、主張するとでも?
お前こそ、そんな理由をつけ……所詮、
悪人を殺すと言うのなら、まず最初に禍禽を殺したらどうだ?……金の亡者め。」
「……そうかい……貴様らしい答えだな。
じゃあ、行くぜ?」
奴が懐から日本刀を取り出し、構えた瞬間、新規の殲滅対象を発見したホーリーガーディアンと、ライラックが迫る。
しかし、奴はその追撃を、剣一つで弾き返す。
「紙一重の『
ドガシャッ!
返す刀で『殴られた』2機は、猛烈な勢いで格納シャッターまで吹き飛ばされる。
激突した跡には大きなクレーターが出来、2機は膝をつく。
「!?エラー……!」
「不明な攻撃……『闇鋼』による別系統の能力無効化と判断」
「……能力の無効化は、お前らの特権じゃねぇぞ。
さぁ、覚悟するんだな?」
『闇鋼』……あらゆる能力を受けつけない、異界の物質。
魔女の工房が、無効化を広範囲に撒ける特殊異能電磁波を発見するまでは……こちらを採用する予定だった。
「……危険、アタッチメント【エール・オール】の使用許可を申請。」
「認めない。……ポケット・ボット、出撃!」
俺の白衣のポケットから、4機の小さな戦闘用人型ロボットが飛び出し、キルブレードに向かっていく。
4機は空中で小型銃を取り出し、キルブレードを撃つ。
「『
しかし、最小限の動きで弾丸ごと斬られる。
キルブレードが、冷酷な眼で俺の眼前に立つ。
「年貢の納め時だぁ……甲斐スルベ、ヒーロー名……ディスマントル!」
ズバァーン!
全く迷いのない刀が振り下ろされ、俺の胸と腹が捌かれる。
『自身の死』を感じるその瞬間は、まさに無限だった。
八十年近くの生の、走馬灯がよぎる。
……俺は、連盟の掲げる『正義』のために……
様々なものを、犠牲にしてきた。
俺を守るため、こちらに駆け寄ってくる『二人』も、
正義の為の、犠牲のひとつだ。
その『補填』を払う時が、ついに来たのだ。
俺の人生には、いろんな日があった。
一番素晴らしかった日は、ライラ……娘が生まれた日だろう。
そして、その娘が怪人によって殺された、数十年前のあの日が……一番、最悪だった。
「斬られた気分は、どうだ?
様々な人間を犠牲にしてきた、その生が終わる感想は
自分の『命』の重さは……」
キルブレードは、俺に最後の言葉を聞いてくる。
俺の答えは、こうだった。
「……なに……払ってきた、犠牲に比べれば、安いモノだ……そもそも、俺は……もっと無惨に死ぬはずだったがな……最後は一人のヒーローとして……俺の死の損失…その『補填』として、俺を殺した貴様だけは、同じ地獄に堕ちて貰う……!」
俺は……心臓の中に仕込まれていた『最後の切札』を放った。
「何?……まさか、これは!」
キルブレードは、俺の心臓に貼られた『呪札』を見た瞬間、一瞬硬直し、戦慄した。
呪札から放たれた禍々しい紫色の閃光は、キルブレードの胸を貫き……
奴は、よろけながら血反吐を吐いた。
俺の『最後の切札』
……それは、死亡するその刹那に起動する、呪術兵器。
対象は、俺を殺害した者。
『報復』と『道連れ』が込められた原初の呪いが込められている。
俺を殺害した者は、心臓麻痺によって倒れ、じわじわと死に行く己の体に恐怖しながら絶命する事になる。
邪悪なる組織アグリー・ダックリングに与する、暗殺者キルブレードとの相打ち……俺にしては、素晴らしい死に様だ。
贅沢を言えば、キルブレードよりも更に強大な存在……『禍禽』の首を取りたかったが。
「ぐうっ……!」
最強の暗殺者キルブレードが、膝をついて倒れる。
声と表情は苦悶と憎しみに歪み、自分の死に絶望する。
「き、貴様……」
「ホーリーガーディアン!最早、フォローは無用だ!シャドウ兄弟を……殺せ!」
「……そして、ライラ。
封印を解除し、機能の修復後……ヒーロー・ジェットウォッシャーの護衛にあたれ。それだけだ……」
……
俺は最後の力を振り絞って、そう言い残す。
血を流しすぎた。
もう、喋ることもできないだろう。
ホーリーガーディアンは淡々と命令を受領し、シャドウ兄弟が逃げた排気口に向かった。
そして、私の娘、ライラは……
ダメだな、もう、それを見る力 も 消え…
——
「カシラ、今頃甲斐の野郎をぶっ殺してるんだろうな♪」
「ああアニキ!今日は記念パーティだ!」
第六支部の地下から、下水道に脱出した俺達シャドウ兄弟は、あのクソアマ共の猛攻でボロボロになった体を引き摺りなら、路地裏のマンホールの下に辿り着いた。
これを開ければ、いとしの高級車ちゃんが俺を出迎えてくれる。
きったねぇ血の匂いがするアジトへの帰り道も、この銀色の車さえあれば、楽しいもんだぜ♪
俺は、マンホールをそっと開き、上を見上げた。
そこには、先程俺たちと戦った、金髪の女みたいなロボット……ホーリーガーディアンが、夕陽を背に立っていた。
「なんっ……」
「チャージ・ショット。」
奴の腕は銃のように変形すると、俺の脳天を撃ち抜く。
ズダーン……グシャッ
「あっ、アニキッ」
ズダーン……
弟を葬る二発目の銃声を聞くと共に、俺の意識は永久の闇へと堕ちていった。
——
「……最後の命令(オーダー)を、確認……ジェットウォッシャーの護衛、並びに、封印を、解除……」
マスター命令、受諾。
ナノマシンによる身体の再生開始……
護衛対象を検索……
護衛対象:ジェットウォッシャー 氏名 川藤 閃
水菜町配属 17歳……検索完了。
個体に関する意識・記憶の封印を解除。
データ読み込み開始……
機体名 ライラック 氏名 高野……
個体の……私の……名前は……
……そうだった、私、私は……
病院のベッドで、ずっと眠っていたはずの私、高野ライラが目を覚ますと、そこには……
「お父さん…?」
胸が大きく裂かれ、乾いた血を吹き出しながら倒れている、お父さんがいた。
血の気が、ひいた。
「いや、いやぁぁぁ!なんで、お父さん、起きて……起きてよ……私を蘇らせて、自分は死ぬ気だったの……?……やだ、やだやだやだぁ……!」
私は、目に生気がないお父さんを、まるで駄々っ子のように揺らす。
ねぇ、起きてってば
起きてよ……
返ってくるのは、冷たい感触だけだった。
「なんでよ……なんでよ……」
父さんは、帰ってはこなかった。
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