【キャラ募集中】英雄(ヒーロー)戦記 ジェット・ウォッシャー! 作:カレーうどん赤星
採用候補の更新と各組織の詳細設定については、明日までに行います。
ヴィラン募集から、やみーねさんのNight parade及び、モフモフ毛玉さんのロスト教を採用させていただきました!
やみーねさん モフモフ毛玉さん 素敵な悪の組織を、ありがとうございます!
キャラクター募集は、まだまだ開催中です!
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私の名前は
水菜市で、パペットナースという名前の魔法少女に変身し、皆様と一緒に戦っていますわ。
そんな私は、今日……
「……少し、寂しいですわね。」
休み時間中、西日が気持ちいい教室の窓側の席で……
新しい服のデザインを、考えていました。
真っ白な自由帳に、鉛筆で理想を描いていく。
それは、まだ拙くとも、夢が広がる時間でしたわ。
「ここに、もう少しだけフリルを……」
私には、夢がありますの。
医師の家系に生まれた私ですが、病院を継ぐのは兄様と姉様という事になっていて、私には自由がありました。
選んだ夢……それは、ファッションデザイナー。
雑誌に載っていた、きらびやかで、素敵な服装たち。
水玉のかわいいワンピース、チェック柄のきれいなスカート、シックでかっこいいブラウス……
その輝きに満ちた姿は、着てみたいものが多すぎて、選べなくなってしまうほど。
そして、それを着る人たちは、とても笑顔で、幸せに溢れているのだろう……
私は、ファッションで幸せを作れる、という理想と夢を信じているのですわ……
「うん、我ながらよく出来たと思いますわ。」
……私は、あまりの気持ちよさに寝てしまいそうになりながら、休み時間の3分の2を使って鉛筆を走らせ、ガーリーな丸襟のブラウスの絵を描きました。
連盟第六支部から帰ってきたら、宗介さまと閃さまにも、見せたいですわね。
そう思っていると、クラスメイトから突然声をかけられました。
「結……今日は、何描いてるの?見せてほしい……」
「ふわ……あら
黒髪を腰ほどまで伸ばし、前髪に銀で出来たカチューシャを付けた、物憂げな琥珀のような黄色い目の
黒を基調としたこの学校の制服が、よく似合う小柄な少女……
……神戸総合工業の社長令嬢で、私とは幼稚園時代から一緒の仲ですわ。
ちょっと臆病で、少し寂しがりやで……でも、いつだって、心優しい小さな女の子。
私と同じように裁縫好きで、裁縫クラブのメンバーでもありましてよ。
私がぬいぐるみを作り始めた時も、基本的な作り方を教えて頂いた事もありましたわね。
そして、今日の彼女は何故か……紺色の制服を着て、胸には入校許可証を貼り付けたボディーガードと、一緒に居ましたわ。
彼女に何か、あったのでしょうか……
私は自由帳を開いて、ブラウスの絵を雪奈さまに見せると、目を輝かせて見てきましたわ。
「……かわいい、ね。」
「……ありがとう、ですの。」
私は感謝を伝えると、彼女の顔がいつもより曇っている事に気づきましたわ。
「どうか、しましたか?」
「……えっ!?えっと……」
「隠さなくても。私と雪奈さまの仲じゃありませんか。
隠すのは、優しさではありませんわ」
「お嬢様!」
彼女の背後に立ったボディーガードの方が、話すのを止める。
「ううん……話させて。」
しかし……彼女は、少し悲しい顔で話を始めました。
「……実は私……明日から神戸の実家に、ずっといなきゃいけないんだ。
昨日、『アグリー・ダックリング』から、私に、誘拐予告が、届いたみたいで……」
「えっ……」
私は、突然の告白に何が起きているのかわからず、恐怖に足がすくみ、鳥肌を立ててしまいました。
「うそ……ですわよね?」
「ううん、本当なんだ……」
そう言うと彼女は、涙目になりながら一枚の印刷用紙を鞄から取り出し、私に見せてくださいましたわ。
そこには、醜悪でおぞましい脅迫が盛り込まれていましたの。
"遠藤。お前の娘の命は、既に我々の手の中にある。
何人ボディーガードを呼んでも、セキュリティヒーローで実家を要塞化しても、全くの無駄だ。"
"明後日、準備が整い次第、必ず誘拐は達成される。
それまでに、どう動くか考えておくんだな。"
" 娘の命が惜しければ、全国ヒーロー連盟に納品する新兵器『ムラサメ』を4日後の16時までに我々に譲渡しろ。"
"娘との交換場所は
くれぐれも、約束を破ろうとは思うなよ?"
……今日、ボディーガードが付いていたのは、雪奈さまを守るためだったのですね。
理解が追いついてきた瞬間、私の中に『怒り』と『哀しみ』が込み上げ、腕が震え、喉が、かぜをひいた時のように詰まり……ほんの少し……涙が出ました。
「結……ちゃん?」
「なんでも……なんでも、ありませんわ。」
友の命を、まるで貨幣か、脅しの弾に使われる……
その気分は、とても胸に重くくるものでしたわ。
「……わかりましたわ。雪奈さま……ごきげんよう。
また……元気でお会いしましょうね。」
「……私、明日誘拐されちゃうの?殺され、ちゃうの?
死にたく、ないよ。」
私が別れを切り出すと、彼女は人目を憚らず泣き出す。
金色の目が、流れ続ける涙に歪んでいく。
「大丈夫。絶対に、悪は滅びますわ。
絶対……」
私は……それでも冷静に、雪奈さまに別れを切り出しました。
その理不尽への怒りを燃やしつつも、
こんな脅しができる相手に、私達の力だけでは、とても足らないという事は、理解出来ました。
セキュリティヒーロー……
雇われで、大企業のオフィスや工場、研究所、要人の屋敷を守るヒーロー。
……野良ヒーローでも、トップ級の成績と能力、そして適正が必要になる分野ですわ。
遠藤家の財力なら、ざっと五十人は呼べるでしょう。
ボディーガードも、戦闘用の異能や銃撃戦能力を持った強者で揃えられるでしょう。
それらを乗り越える計画を立てる相手と、下手に戦って刺激したら、雪奈さまどころか、一緒に戦う鬼塚さまや宗介さま、閃さま、シャオラ店長、ナユタさままで、危険が及ぶかもしれない……
それに『アグリー・ダックリング』は、宗介さま、閃さまの通う学校……ひびきの高校を破壊する程の兵力を持つ、巨大かつ危険なテロ組織。
警察と連盟には、もう既に連絡が入っているはず……
私にできる事は、何か一つでもないか。
そう考えつつも、何も思い浮かぶものは、ありませんでした。
どんな敵に対しても、小さな身体でいつも振り絞っていた勇気が、湧かなかった。
いつも打ち勝っていた恐怖に、負けてしまった。
……それは、冷静なのか、堕落なのか……
私は、分かりませんでしたの。
「もし、大丈夫だったら、メッセージアプリで私に連絡を入れてくださいまし。『大丈夫だったよ』と……」
「うん、分かった……ありがとう、結ちゃん
約束……だね。」
私は雪奈さまにこう言い残すと、休み時間の終わりを告げる鐘が鳴り、彼女はボディガードと一緒に、自分のクラスに戻っていった……
——
キーンコーンカーンコーン……
「うぅ……」
ボディーガードの運転する、防弾仕様のリムジンに乗った雪奈さまを見送った私は、失意に暮れながら、帰り道を歩き始めました。
とても優しい雪奈さまが、殺されてしまったら?
雪奈さまの命と交換される程の兵器が、あんな恐ろしい組織に渡り、無辜の人々を脅かしたら?
きっと……どちらが選ばれても、無限の悲しみが待っているでしょう。
私にできる事は、セキュリティが勝つ事を祈るしかありませんでした。
——
翌日。『大丈夫だったよ』のメッセージは届かなかった。
最高レベルの警備で固められた遠藤邸から、
雪奈さまは誘拐され、アグリー・ダックリングの人質になったのだ……
私が来ていたのは……駅前商店街の喫茶店、喫茶みかづき。
閃さまに教えて頂いた、パフェとケーキが美味しい喫茶店。
クラシカルで落ち着いた店内には、私含め6人の客と、優しそうなマスター。
緩やかな時が、流れる店。
私は、通うたびにこの店が好きになっていましたわ。
本当なら……雪奈さまも誘う予定でしたのに。
私は、何も出来なかったことが、悔しくて、彼女の命が奪われることが、恐ろしくて……
この行き場のない感情から、いつもより強く、身体中に力が入っていて、結局、勉強にも身が入りませんでしたわ。
いつもだったら、少し眠たくなってしまう昼休みも。
彼女の助けを呼ぶ姿が脳裏に浮かんで、結局、ずっと目が開いたままでしたわ。
「はぁ……アグリー・ダックリングから、彼女をどうにかして、助け出す方法はないのかしら……」
私らしくなく、項垂れていると、
「キミ、今アグリー・ダックリングと言ったかね!?」
……突然、隣の席から話しかけられました。
声の主は、シフォンケーキを食べている、ベージュ色の山高帽をかぶった、コートのおじさま。
な、何者ですの……!?
あっ……皆様が見ていますわ。
途轍もなく恥ずかしいですわ……
私は怪訝な目をしながら、コートのおじさまから目を背けましたわ。
「私は、人呼んでケーキ刑事こと、
!!デデーン!!
おじさまは、立ち上がって決めポーズをとり、警察手帳をかざす。
うわぁ……本物の警察手帳ですわね。
警察の威信が、今まさにスフレのように崩れていきますわ。
「は、はぁ……あの……少し、はしたない姿を見られてしまっているので、話の続きは別のところで致しませんこと?」
……自分の口で、デデーンという効果音まで鳴らす不審者に呆れながらも、私は会計を済ませて店の近くにある、公園で話を続けました。
アグリー・ダックリングという単語に、反応した
しかも警察の関係者。
知っている情報が、何か少しはあるはずですわ。
「では……神戸総合工業の関係者が、アグリー・ダックリングに誘拐されたという話は、ご存知ですわよね?」
私は、しゃがんだケーキ刑事に小声で耳打ちをする。
「うむ……奴等の狙いは、刀型対怪人高周波発生装置『ムラサメ』4振りというところも、知ってるぞ。」
……冷静に小声で、すんなりと返してきた。
少しは、信用できるかもしれない。
「では、アグリー・ダックリングから関係者とムラサメを守れる『作戦』のようなものはないか、お願いしますわ……」
私は、ケーキ刑事に切実に訴える。
「そんなものはない。」
ズコーッ……
私は、すっ転んだ。
しかし、ケーキ刑事は話を続ける。
「……あるとすれば、ムラサメそのものだけだ。
ムラサメが発する高周波は、奴等アグリー・ダックリングが纏う『機械』を効率的に破壊できる。
単純に威力も高く、警察のロボット……ナンバー15がムラサメを振った時は、一辺5メートルのコンクリートブロックを一刀両断する性能を見せた。
アグリー・ダックリングだけでは無く、悪魔帝国や、Night paradeも狙っている超強力兵器。
それがムラサメだ。」
「……では何故、先程は『無い』とおっしゃいましたの?」
私は立ち上がり、ケーキ刑事に話を聞く。
ムラサメ……それ自体が突破口になるなら、私達にも勝ち目があるかもしれない。
しかし、彼はそれを否定した。
「ムラサメはな……不安定なんだ。
先ほどのテストでは、振ったナンバー15の方にまで衝撃波の残滓が飛び、ナンバー15は中破した。
……人間が振っていたら、大惨事を起こしたかもしれない。
たった4振りしかヒーロー連盟に納品されないのも、今回は安全性を高める研究が目的だからだ。
まさかだが……ムラサメを使ってアグリー・ダックリングの連中を倒そうだなんて、無茶な事は言うなよ。
自爆して真っ二つになるのがオチだ。」
「では、彼女を救う方法は……」
私は心配になって、聞きだす。
「……心配するな、取引には……連盟や俺たち警察のステルス班も付いている。
もし何かあったとしても……殺させも、奪わせもしないさ。」
しゃがんでいたケーキ刑事は立ち上がり、夕日に向かって歩き始める。
「……さて、話は終わりだな。
俺も明日、取引現場に向かうからよ。
応援、してくれよな!」
私は彼の背中を、ずっと見ているしかなかった。
ムラサメ……
それさえあれば、なんとかなるのかもしれない。
けれど……それを知ると、気が気でなかった。
私は、それを知ったまま、何もできず帰ろうとして、
その時……
ザザーッ……という、木々が揺れる音と共に
私は背後から、また誰かに話しかけられましたわ。
「なぁ。」
……最近、背後から誰かに話しかけられる事が、やけに多いですわね。
私は振り向くと……
目が綺麗な紫と赤のオッドアイをしていて、髪はふわふわした白いミディアムヘアで、パーカーとズボンを着た、細身で華奢な男の子……
「白兎、さま?」
ヘアサロンオータムで、私達を助けてくれた
白兎というヒーローが、そこにいた。
「……お前……なんか、Night paradeが狙ってるらしい
ムラサメ……って武器について話してただろ。
全部話せよ。それ。」
白兎さまは、私の目をじっと見る。
……別に……言うなとは、言われてませんしね。
私に内容を明かせるものなら、彼が知っても問題はないでしょう。
「……良いですわ。」
私は、ケーキ刑事に聞いた、ムラサメについての話を、全て話しましたわ。
巨大なコンクリートを切断する能力を持つ事、その代償に振った人にも大きな衝撃が来て、大ダメージを負う事。関係者の身柄の交換条件に指定されている事。
それを全て。
「……良いね、最高じゃないか。『最強の武器』
あんな連中に、渡す必要無いよね?
ねぇ、こっそり引き渡し場所も教えてよ?
僕が4振り全部、奪い返すから。」
白兎さまは、閉じた口の前に小指を立てて、秘密のポーズをとる。
私は……それを話す事については断った。
「……お断りしますわ。話、聞いていましたの?
もし、それを使うつもりなら、貴方だってタダでは済みませんわ。
ロボットが中破するほどの衝撃が来ますのよ。
……あまり馬鹿な事は考えない方がいいですわ。」
私は、話をもう一度繰り返した。
しかし、彼は止まらない。
「使用者を傷つける……ね。だから?痛みを恐れて……誰かを救える筈も無い。」
大きな自信。
……いや、表情から見ると、捨て身なのでしょうか?
捨て身でしたら、簡単にお教えするわけにはいけませんわね。
……彼は私達の、命の恩人ですから。
「……それに、関係者の身柄はセキュリティや連盟のヒーローと、ボディガードで固められていたはずですわ。
それでも誘拐を成し遂げた相手に、一人で勝てる実力がお有りですの?それ程、強いんですの?」
捨て身でないか確かめる為にそう問うと、彼は暗い表情になり、小声で答えた。
「……強い訳が無いんだよ……もし、僕が強かったら、きっと……だとしても、確固とした作戦さえあれば、『勝て』はしなくとも、『奪う』事はできるはずだ。」
「なら、馬鹿な作戦はやめてくださいまし……命に価値がないなら、医師なんて必要ありませんわ。
命を粗末にする作戦なんて、絶対に認めませんから。
それに……ムラサメは貴方のものではなく、連盟の技術班が手にするべきものですわ。」
「……そっか。」
白兎さまは、離れていく。
私は、目の中の涙を堪えながら、黙る事を選ぼうとした。
……本当に、それで良いのでしょうか?
彼の身体能力は非常に高い。
二人がかりでも倒せない強豪怪人『リッパー』を、一人で簡単に倒してしまうほど。
そして、私が避けたい事は2つ。
雪奈さまが、殺されてしまう事と……人々の命を脅かすムラサメが、テロ組織アグリー・ダックリングに渡ること。
私が出来る事は、最早……隣町……山葵市78番倉庫での『取引』を潰す事しかない。
……雪奈さまが守れて、ムラサメが悪の手に渡らないならば……それで十分なはず。
「……条件次第では、教えなくもない、ですわ。」
「何?」
私は……彼と手を組むことにした。
私は鞄から、パペットナースへの変身に使う、金色の縫い針を取り出す。
それを見た白兎さまは、オッドアイを見開いて驚く。
「何?戦えって?……どうせ僕の勝ちなんだから、時間の無駄だ。」
「……条件は……私と一緒に、戦うこと。
私にはこのぬいぐるみで、偵察と撤退の補助を行うことができますわ。」
私は縫い針を持ちながら、鞄からぬいぐるみを取り出す。
小鳥の姿をした、色とりどりの数十羽の仲間たち。
平時からこの水菜町を飛び回り、怪人の出現を探知してくれている。
……隠密行動も、勿論可能。
「常にインカムをつけ、私が撤退を指示すれば、即時撤退する事。
そして、ターゲットの身柄を保護する為、襲撃は避難がなされた後に行う事……この3つ。」
私は、白兎さまと雪奈さま、ムラサメを守るために考えた3つの条件を、白兎さまに提示しました。
「メンドーだな……お荷物を増やした上に、指示まで受けるのか」
その冷ややかな反応は、予想通りですわ。
白兎さまは、誰とも群れない一匹狼……
互いに利益のない『連携』をとる事は、出来ないと思っていました。
ですが、『取引』なら。
「……呑めないなら、取引場所は教えませんわ。
私は一切戦闘には関与せず、後方からの支援に徹しますから、邪魔には、ならないのではなくって?」
私は、白兎さまへ条件をまっすぐに伝える。
それを聞いた彼は、少しうざったいという表情をしながらも、その条件を呑んだ。
「それを対価にされたら、僕に断る選択肢はない。
すぐ死ぬような弱い奴と組むのも最悪だけど、怪人の好きにさせるのはもっと最悪なんだよ。
言っておくケド、銀髪の奴を呼ぶとかは辞めてくれよ」
「もちろん、私達二人ですわ。」
私は笑顔のまま彼に一礼をし、顔を上げる。
「ふぁ……対等な取引相手なら、本名も明かしておくべきですわね。私は
「……
それを聞いた私は、真昼さまに望み通りの内容を伝える。
「場所は山葵市78番倉庫。時刻は明後日16時までのいつか。
最長2日間……張り込む必要がありますわね。
現在、倉庫の『小鳥さん』からは、何の反応もありませんから……準備する時間も、充分ございますわ。
インカムは私の兄様の私物。」
「……お前、学校は良いのか?」
真昼さまは、私のことを心配してくださりました。
……本当は、とても親切なのですね。
だから、弱い私を戦場に出したくなかったのでしょうか?
「ふわ……私の学校には、選択休暇制度がありますの。
企業の、有給休暇のように自由に選べる休暇ですわね。
両親には、それを使って友達と旅行に行くと言っておきますわ。」
私は安心して、少し眠くなりながらも、私が大丈夫である事を伝える。
舞台は整いました。
あとは、作戦の成功を祈るだけですわ。
——
同日、深夜。テロ組織アグリー・ダックリング
その基地の、さらに地下にある部屋……戦略室
木製の格式高いテーブルの上には、様々な書類が山のように積み上がっていた。
『改造職員に関する、バイオリズム・レポート』『B・Sドゥーガー ヒーロー戦闘視聴回数』『B・S・C契約ヒーローリスト』『上級戦闘員登用リスト』『各人にフィットした、改造パターン』『無人兵器生産拠点のカモフラージュ』
「にゃふふ……ヴォルソダイン先輩、ごきげんにゃーっ
人質の遠藤雪奈ちゃん、お望み通りちゃんと誘拐してきたにゃ〜」
「……キャットパルスか。」
そこでは、髪色が三毛猫のように変化し、その上で猫耳と猫の尻尾を生やしており、臍出しにホットパンツを合わせた、黒い軍服風でありながらも挑発的なコスチュームを着た怪人……キャットパルスと、
顔に5ℓの金属缶から170cmほどの渦巻く気泡柄の身体が生え、背中には様々な液体が入ったタンクを背負い、右腕には放水用のノズル、左腕には吸引用のバキュームが付いた威圧感のある怪人……ヴォルソダインが対角の椅子に向き合っていた。
「取引の護衛は、先輩に任せるにゃ!
生意気な連中がいたら、サクッと殺して奪えと……『装護収殻部の部長』から、伝言を預かっているにゃよ。」
キャットパルスは、半笑いしながら上司からの指示を伝える。
「そういえば、デーモン・ヴォルフの捜索はどうなった?」
「彼女はにゃー……にゃんと、プロフェッサー・13がひびき野高校を襲撃したとき、ヴォルフらしき影を見たとの情報が得られたにゃ。
悪魔帝国のバケモノのくせに、人間に化けて呑気に青春やってるなんて、ムカつく奴にゃ!
まぁ、勧誘ならちゃんとやるんにゃけど、一点、問題があって……」
突如、いつもの半笑いをやめ、深刻そうな表情をするキャットパルス。
「問題、とは?」
「……『ロスト教』の本と、『Night parade』の印章が、ひびき野高校の瓦礫に紛れていた事が分かったにゃ。
あそこの学生の中に、これら組織の
ホント、ロクでもねー連中にゃ!フツー高校生まで、毒牙にかけるかっちゅーの!」
「……」
それを聞いたヴォルソダインは、複雑な顔をした。
高校生を、毒牙にかける。
……脳裏に浮かぶのは、もうすぐ高校生となる、自らの子供達の姿だった。
「なぁ、キャットパルス。
……ウチの『契約ヒーロー』も、似たようなものじやわないのか?」
「何を言ってるんだにゃ?例え『ウソの戦い』『ウソの正義』だとしても、入ってくるお金は本物だにゃ。
不満を持つなんておかしいにゃ〜
ま、早く寝て明日の警備も頑張るにゃ!応援してるにゃ、ソーセージ工場の
キャットパルスは尻尾を振りながら、戦略室を後にする。
次回 第十四話「ムラサメ奪還作戦」では、ついにヴォルソダインとの初戦闘が始まり、結の新しいぬいぐるみが登場します。乞うご期待。
キャラクター募集は、まだまだ開催中です!
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