【キャラ募集中】英雄(ヒーロー)戦記 ジェット・ウォッシャー! 作:カレーうどん赤星
鎧大河さん、素敵なヒーローをありがとうございます!
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深夜、午前2時…俺…
店員は俺1人だが…この時間では、お客サンは殆ど来ない。
今いる立ち読み中のサラリーマンが帰ったら、店内はラジオしか聞こえなくなるだろう。
ドッガーン!!!
そう考えていた俺の耳に、この場にはまるで相応しくない爆発音が聞こえてきた。
「我は鬼魔軍団『針鬼』!生贄を貰いに来た!」
それは、伝承に出てくる筋骨隆々な青鬼をベースに、身体中に極太の針を生やした…一つ目の怪物だった。
「た、助けてくれー!」
サラリーマンは、怯えて針鬼から逃げ回る。
まさか、こんな所に怪人かよ…!
俺は、走って店員室に行き、ロッカーを開き、リュックサックから一升瓶を取り出し…中身を流し込む。
辛いし、痛いし、薬っぽい…物凄い拒否感を我慢しながら、呑み込む。
「クソ…変身!」
酒を飲んだ俺の身体が、変貌していく。
ガッ…ガガッ…
骨格が歪み、大きな筋肉を受け入れられるように膨らんでいく。
ただでさえ高い身長が、更に伸びる。
ギギッ…
その骨格変化に呼応するように、口に巨大な牙が生えていく。
そして、黄色に染まった、『鬼』のような角も。
急いで脱げなかったコンビニの制服が妖力により和装に変化。腰に、腰布のように巻かれる。
ゴリゴリッ…
そして、筋肉が何倍にも膨らんでいく 二倍、三倍、四倍、五倍…!
身体中の皮膚が『赤色』に染まる…まるで、『赤鬼』のように!
目の形が、グリンと大きく
最後に、俺の意識の奥底から、「ワシ」の人格が強烈に這い出てきた!
あぁ 口の中にまだ残る、辛く痛い酒が…酒が…旨いのぅ!
「クカカッ!いい気分じゃ!酔いが回ってきたわい!宴の時間じゃ!」
ドーン!
酔いが回ったワシは、店員室のドアをちと乱暴に開き、針鬼とやらの前に飛び降りてやる!
「ひっ、ひーっ!また一人、鬼〜!!」
「なんだ貴様は!貴様も鬼か!」
怯えるサラリーマンと、人を脅かす悪鬼の声が聞こえる。
ワシはそいつらに、自己紹介をしてやる事にした。
ワシは、一升瓶の酒を呑みながら、自己紹介をする。
「ワシの名は
ふぅーっ、しかし酒は旨い!辛く、キレがあり、のどにスゥーッと入っていく…!
ツマミも欲しいのう 奴を成敗したらここで買っていくか!
「あわわわわ…」
「怪人狩り、だと…小癪な、粉砕してやるわ!針千本激砲!」
ズドドドド…
針鬼とやらは、ワシに向かってクナイほどの針を、千本ほど身体中から射出する!
「破ァー!」
ワシは妖術で、空間に穴を開き…鋭利なトゲのついた三尺ほどの巨大な金棒を取り出す。
ガキン!ガキン!ガキン!
その金棒を振り回し、針の九割九分を正確に叩き落とす!二〜三ほど命中したが、蚊に刺されたほども効かん!
「どうしたどうしたぁ!?その程度でワシを倒そうなんぞ片腹痛いわ!出直すがよい三下ァ!!!」
「ぐっ…ならこれではどうだ!針張雷電波!」
奴は、身体中の針から電撃を放ち、ワシを狙ってくる!
その電撃の中を避けながら駆け抜け、脳天に向けて棍棒の会心の一発を振り落とす!
「甘いわあっ、
ゴンと重く鈍い音が鳴り、針鬼は一つの目を閉じて痛がる!
「ぐはぁーっ!!」
「なんだ、大した事ないのう 鬼を名乗る割にはちと、迫力が足らんわ」
「な、舐めるなーッ 瞬速!針千拳!」
奴の姿が、一瞬にして消えた。
次の瞬間、刺激音と、後頭部に強烈な痛みが走る!
高速移動から、腕の針で殴られたのか!
首を振り向き、針鬼が次にどこから狙ってくるかを探す!
冷蔵庫?違う、ツマミ売り場?違う、スナック?違う…
パサッ…紙が擦れる音が聞こえる 新聞か!
「フハハハーッ!遅い!針千拳!」
ワシは酒を口に含み、口から炎を出す!
「見切った!
針鬼の進行方向に、メラメラと赤く燃える炎の壁が置かれる!
おっと!まずい、商品棚に引火してもうたわい!奴を早くぶちのめし、直ぐに消しとかんと!
「ギャアーッ!」
針鬼は炎の壁をまともに喰らって、丸焼けになる!
自慢の身体中のトゲが、溶けて少し丸くなっている。
「では、終いにしようかのぉ…!」
ボウッ…
ワシは、妖力で金棒に炎を纏わせ…
痛みにもがいている針鬼に対し、金棒を叩きつける
「
鈍い、銅鑼を鳴らすような打撃音は、ワシの攻撃が相手を粉砕するに十分な威力を持っていることを証明していた。
「グゥゥゥ…!我が倒れど、悪鬼のかわりなど…幾らでも!」
そう言い残すと針鬼は爆散し、その後には何も残らなかった。
「これにて終宴じゃ!」
ワシは、声を張り上げ勝鬨を上げた。
「ひっひひひひひっ」
隠れていたサラリーマンは、ワシのこの姿に怯えていた。
まぁ仕方がない、慣れっこじゃ。
「お、お前も怪人か?それとも、ヒーロー…なのか!?」
「クカカッ!ワシがヒーローじゃと?御主、面白いこというのぉ!……怪人のヒーローがおるか?元とはいえワシは悪鬼。人を傷付けた過去など消えぬ。ヒーローを名乗る資格などワシにはない」
「じゃっ、じゃっ…ああっ!ひぃ…」
サラリーマンはワシの言葉を半分ほど聴いたところで気絶し、倒れてしまった。
このコンビニは、ワシのせいで今ボヤが起きておる。
ワシはサラリーマンを安全な場所に移し、消火器で初期消火を行い、念のためサラリーマンのスマホで火消しに通報すると…俺は…元の姿に戻り、ボロアパートに帰った。
その、次の日。
「えっ、クビ…?」
「そうだ!怪人が出た時、お前はいの一番に逃げて、お客様を見捨てたそうじゃないか!」
電話から、ゴロゴロと雷のような店長の怒鳴り声が聞こえる。
…店員室に防犯カメラはないので、俺が
まるで俺が店員室の窓から逃げたかのように映ったらしい。
しかも、窓を開けたせいで、もう一体鬼のバケモノが入ってきたようにも…
「マジ…ですか…」
「ああ、明日からは来なくて良い」
マジか…本格的にダルいぞ…
俺は、先週買ったばかりのバイト雑誌をもう一度開き、アルバイトを探す。
「川藤…クリーニング店…」
5分ほどすると、商店街のクリーニング屋の募集が目に止まる。どうやら、受付と服の仕分けを募集しているようだ。
俺は、クリーニング屋に電話する。
「もしもし、川藤クリーニングさんですか?バイトナビに募集があったので…」
「おお…アルバイトの方ですか?少々お待ちください」
電話に出たのは、高校生くらいの女の子の声だった。
電話での面接はとんとん拍子で進み、俺はなんと明後日から川藤クリーニングでアルバイトをするようになった。
どうやら本当に人手不足だったらしく、店長…(電話に出てくれた女の子のお父さん?らしい)は、しきりに来てくれたことへの感謝を伝えてくれた。
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