「…ん?あれ…こんなとこに扉あったか?」
昼食後、牢屋敷中をぶらぶら散策していると、以前閉ざされていた部屋の扉がそこにあった
「いつのまできたんだ…?」
とりあえず俺はその部屋に入ってみることにした
〜〜〜
俺が部屋に入ると、そこは美術室みたいな部屋になっていた
「…アトリエ、みたいな感じか?こんな部屋だったのか…」
俺は試しに部屋を漁ってみることにした
「…ほとんどが画材と…ん?」
俺がふと一方を見ると、そこには最近書かれたであろう絵が立てかけられていた
「…誰かが書いた絵か?」
そこにはお世辞にも上手とは言えない絵が立てかけられていた
「…ふぅん」
俺はチラリと見ただけでその場を後にした
(…まぁ、誰かの練習かもしれないな。素人がどうこういうもんじゃないだろ。俺も大してかけるわけじゃないから、あれでも十分に上手い方だと思うが…ま、いいか)
そのまま引き続き部屋を漁っていると、部屋のドアが開けられた
「…あれ、君は?」
「…お前は、城ヶ崎か」
「うん、ノアはノアだよ?それで…えーっと…」
「生駒カケルだ」
「ああ、カケルくんね〜」
そう言って城ヶ崎は立てかけられた絵を回収して、手慣れたように壁の取手を開いてその絵をその中に入れた
(…あれ、城ヶ崎のか)
「…そこ、捨てる場所なのか?」
「うん。ヒロちゃんに怒られちゃったんだ〜、部屋はちゃんと掃除しないとダメだよって」
「まぁそうだな。使ったら綺麗にしないと」
「うっ…カケル君もヒロちゃんみたいにうるさくいうの?」
「…まぁ、俺もある程度部屋汚いからな。あまり口うるさくは言えん。だが流石に足の踏み場がないほどだったら片付けろとは言うが…」
「ええ〜?お掃除面倒くさい〜…」
「面倒でもやらんと後々面倒になるぞ。…まぁ、今は別にいいが」
俺が周囲を見渡すと、要所要所で確かにくしゃくしゃになった紙が散らばっていたが、しかし足の踏み場が無いほど汚れてはいなかった
「〜♪」
城ヶ崎は鼻歌を歌いながら準備をして、椅子に座ったかと思うと城ヶ崎の周りに液体が浮き出した
「…!?」
俺が目を見開いて驚いていると、浮いた液体がキャンバスにぶつかり、とても上手な絵が出来上がった
「…ああ、確か…バルーン、だったか?」
「んぇ?」
「ああ、悪い。邪魔したか?」
「ううん、大丈夫」
「そうか…にしても、みたことのない描き方だな…なんだこれ」
「う〜ん…ノア、こうした方がいいかなって…ダメだったかな?」
「いや、別にいいんじゃないか?そういった専門家じゃないからな、なんとも言えん」
俺も適当な紙を引っ張り出し、絵を描いた
「…俺なんてこんなだからな」
俺は描いた絵を城ヶ崎に見せた
「…なにこれ?」
「…一応、猫…」
「犬じゃなくて?」
「ゔっ…」
俺は膝から崩れ落ちた
「あっ…こ、ごめん…」
「いや、気にしなくていい…絵心とかなかったからな…これを機に練習してみるか…?」
「…そ、その…」
「ん?」
「の、ノアでよければ…一緒に、練習しても、いいよ?」
「いいのか?お前の邪魔になってなければいいが…」
「う、うん」
「そうか、助かる・・・ん?」
俺は自分のスマホに通知が来ていることに気が付いた
「…もう時間か」
「あっ…行っちゃうの?」
「おう、先約があってな。また今度だ、じゃあな」
「う、うん…」
俺は軽く片付けて、アトリエから出た
~~~
「…へんなひと」
私はカケルくんを見送って、自分のキャンパスに向き直った
「・・・えい」
私は自分の魔法を使って、白紙のキャンパスに絵を描いた
~~~
俺は少し駆け足で図書室に入った
「悪い、待たせたな宝生」
図書室には、すでにテーブルに座った宝生がいた
「…もう、遅いじゃない」
「悪いな、今までは入れなかった部屋を探索してたんだ」
「入れなかった部屋?…あら、どういう意味かしら?」
宝生はにやにやした顔で俺を見つめてきた
「物理的に入れなかったって意味だ。地図見ても入口が無かったからな、どうやって入るのか今まで気になってたから試しに入ってみた」
「…ちなみに、誰かと会ったのかしら?」
「ああ、城ケ崎と会ったな」
「ノアちゃん…まぁ、いいかしらね」
「何がだ?」
「こっちの話よ」
「そうか。…じゃあ始めるか」
「そうね」
俺は本を取り出し、ページをめくった
~~~
「…この単語はこういう…」
「いや…」
俺と宝生は本の和約について話し合っていた
「…少し休憩にするか」
「そうね…ふぅ」
俺と宝生は椅子に深く座り込んだ
机の上には様々な本が乱雑に置かれていた
「…流石に少し片づけるか」
「ええ、そうね…」
「ああ、宝生は座ってろ。誘ったのは俺だしな、片付けは俺がやる」
「…俺がやるって言っても、どこにどの本があったかわかるのかしら?」
「む…確かにな。じゃあ案内頼めるか」
「ええ、いいわよ」
俺は積み上げられた本を持ち、宝生に案内してもらいながら本を片付けた
片づけている途中、扉が開く音がした
「失礼しまーす!・・・あれ?マーゴさんとカケルさんじゃないですか!」
「あら、シェリーちゃんにハンナちゃん、それにエマちゃんじゃない」
「ん、お前らか」
図書室に、橘、遠野、桜羽の3人が入ってきた
「マーゴちゃんにカケル君…?」
「どうしてここにいるんですの?」
「ちょっと調べものをな。宝生、ここか?」
「ええ、その本はそこよ」
「ん、了解」
俺は宝生に指さされた場所に本を戻した
「…ふぅ」
「なんの調べものをしてたんです?」
「ああ、これだ」
俺は魔法について書かれた本を3人に見せた
「…これって…?」
「うーん…なんて書いてあるのかわからねーですわ…」
「このページを見てちょうだい」
「…あ!これって…ハンナさんの浮遊の魔法ですか!?」
「たぶんな。恐らくこれは魔法について書かれた本だろう、俺と宝生はこの本を解読できないかと試してるところだ」
「まぁ、私はカケル君に頼まれて手伝っているだけだけどね♪」
「それでもだいぶ助かってるがな」
「…」
宝生はふくれっ面をした
「どうした」
「…何でもないわ」
「お二方、仲がいいですね~!」
「そうか?」
「…まぁ、あなたがそう思うのならそうなんじゃない?」
「…なんで急に不機嫌に」
「あ、あはは…」
「これはカケルさんが悪いですわね…」
「俺が何をしたっていうんだ」
「カケルさん、実際どれくらい助かってるんですか?」
「…そうだな、とても助かってる。考えてることを言えば自分なりにかみ砕いて理解してくれるし、違う意見をもらうだけでもありがたい。行きづまっていても違う本とかを持ってきてくれて、気遣いもできるしな」
「…」
「それでそれで?」
「実際一人だとどれくらい時間がかかるか想像もつかん。…聡明な彼女がいて、とても助かっている」
「…へぇ~?カケル君は、私のことをそう思っているのね?」
「なにがだ?」
「私のことを彼女だなんて…大胆なところあるじゃない」
「そう言う意味じゃ…むぐぐ」
俺は桜羽に口を塞がれた
「あはは…ごめんね?」
「ふふふ♪」
宝生はとても上機嫌になった
~~~
その後、宝生/黒部の部屋にて
(…あ~…なんであんなことになったのかしら私…彼女って。彼女って!そんなの私のことを指してるに決まってるじゃない!なんであの時の私は勘違いして本物の彼女と勘違いしたの私のバカバカバカバカァ!そこまではまだいいわ、問題は…なんであんなに喜んじゃったのかしら私ぃ!?あんなに幸せそうにしちゃってアホなんじゃないかしら!?あ~もう!)
「…宝生マーゴ、ベッドが揺れて眠れないのだけれど」
「…あら、ごめんなさいね」
宝生は再度顔面を枕にダイブさせ、再び何かを考えて悶え始めた
「…寝れない」