次の日、食堂に行くとすでに数人の少女たちが食事をとっていた
(ん、あれは…二階堂に蓮見に…城ヶ崎?)
そう思いながら適当な席に着いた
(珍しい組み合わせだなあれ。二階堂が何かしたのか?)
「彼女たちをみてどうしたのかしら?」
二階堂達をみていると、向かいの席に小さなシルクハットを頭につけた少女『宝生マーゴ』が座って話しかけてきた
「ん、宝生マーゴか。ちょっと珍しい組み合わせだなと思ってな」
「珍しいって…ここにきて1日も立っていないのに、随分な言い草ね」
「言ってろ。…うーん不味い、目が覚めるわ」
「ふふふ、随分と正直に喋るのね」
「ん?わかるのか?」
「ええ、私、詐欺師なの」
「ふーん、そ」
そう言って俺は食事を食べ勧めた
「…あら、気にしないのね?」
「別に、前がどうだったとかは気にしねぇよ。…ごっそさん」
俺は食べ終えて、食後のリンゴを丸齧りし始めた
「あら、随分とワイルドなのね」
「切るのもいいけどな。たまには丸齧りしたくなる時もある」
「そう…」
「それより、食わなくていいのか?食わんと体が持たんぞ」
「・・・ええ、そうね」
そう言って宝生は食事を食べはじめた
俺もリンゴを齧り進め、さっさと食べ終えたところで食堂を出た
〜〜〜
「ぎゃあああああーーー!!!」
その後、本を持って屋敷内をぶらぶらしていると、誰かの叫び声が聞こえた
「…なんだ?」
声のしたほうに向かうと、看守が鎌を振り回していた
「おいおい…こりゃ一体何があった?」
看守の持っている鎌が振られるたび、その直線上のものは全て真っ二つになった。
(切れ味すごいな…ん?)
周囲を見回すと、廊下に出ていた少女たちが怯えているのが確認できた
「もうやめなさい!許しませんよ!」
そのまま周囲を見回していると、ゴクチョーの声が廊下に響き渡った
その声の方を見ると宝生が立っていた
(クオリティがすごいな…じゃなくて!)
看守はその声に反応するように、鎌を宝生の方に向けた
(まずい!間に合うか!?)
俺は瞬時に宝生の方に走り出し、鎌が振るわれる直前で宝生を突き飛ばした
「きゃっ…!?」
そして代わりに、俺が看守の鎌に切りつけられた
「あっ、がああっ…!」
「生駒!」
背中からドクドクと血が流れるのが感覚でわかる、息が荒くなる。
体が言うことを聞かない、背中が熱い。
周囲の音が気にならないくらい熱い、痛い、そして…すこし、眠い
視線をなんとか前に向けると、驚愕の顔をしているマーゴがこちらをみていた
(あー…流石に、蹴り飛ばしたのはまずったな…)
(おこってるかねぇ…ごめんな、さい…)
俺の意識がプツンと、シャットダウンした
〜〜〜
「・・・ん・・・」
「あ…起きましたか!」
俺が目を開けると、氷上が顔を覗かせた
「おう・・・氷上メルルか・・・。ここは・・・?」
「ここは医務室です。カケルさん、大体半日寝ていたんですよ」
「半日?・・・てことは、もう夜か・・・」
「は、はい。そうですね…」
「・・・あ、そうだ・・・氷上、近くに、本が落ちてなかったか?」
「本ですか?・・・いえ、気になりませんでしたけど」
「ん、そうか・・・」
(あらら、明日にでも探しに行くしかないかな…)
上半身を起こそうとすると、背中に痛みが走った
「っ、つつ・・・」
「う、動かないでください!治療したとはいえ、完治したわけじゃないんですから!」
「はいはい…」
(…背中切られたけど、両手は動くな。両足も動く…神経がイカれたわけじゃないのは暁光だな)
「ありがとな。明日の朝には動けそうだ」
「ダメです…!まだ安静にしていないと…」
「大丈夫だ、…まぁ、今日はここで一晩過ごすしかなさそうだが」
俺はベッドに寝転がった
「氷上も、疲れたら寝ろよー。おやすみー」
「は、はい…おやすみなさい」
俺はベッドに横になって寝始めた
〜〜〜
翌朝、目が覚めると先に氷上が起きていた
「あ…おはようございます、カケルさん」
「おう、おはよう氷上。…よっと」
俺はベッドから立ち上がると少しふらついた
「あっ…ま、まだ安静にしていてください…!」
「なーに、平気平気…いつつ」
「ああもう…」
そう話していると、医務室の中に二階堂が入ってきた
「失礼する…大丈夫か、生駒…」
「おう、二階堂か」
「…思ったより元気そうだな」
「ああ、この通り、問題無…いててて…」
「はぁ…正しくない、いいから傷が治るまで寝ていろ」
「動き回れるんだから大丈夫なんだが?」
「わかった言い換えよう、完治するまで寝てろ。もちろんメルルのOKが出るまでベッドから動くなよ」
「え、素直にやだ」
「カケルさん…?」
氷上が目をうるうるさせながら俺を見つめてきた
「…わーったよ。おとなしくしてる」
「ほっ…」
「それがいい。何かできることがあれば言ってくれ」
「…じゃあ、本を探してきてくれないか」
「本?」
「ああ、昨日朝飯食った後に襲われたからな。たぶんどっか落としたんだ」
「ああ、わかった。探しておこう」
「頼む」
「それじゃあ皆にも君が起きたことを言っておこう」
そう言って二階堂はスマホをいじり始めた
「…ん?L〇NEみたいなのがあんのか?」
「ああ、そういえば君はいなかったな…一応、君もトークルームに入っておいてくれ」
「おう、招待頼む」
俺は二階堂にスマホを渡し、トークルームに入った
その後二階堂は部屋を出ていき、俺はベッドに寝転がった
「じゃあ療養してるわ…寝てればいいか?」
「はい、包帯を変えるときに起こすので、それまでは寝ててください」
「りょーかーい」
俺はベッドに再び潜り、眠りについた
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「…んあ?」
体に何か触れる感覚で目が覚めた
「…なんだ?」
「あっ…」
体を起こすと、俺の背中に手を当てている宝生がいた