口悪男子ノ魔女裁判   作:しがなくない

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有名人

「…バルーン?」

 

「ええ!なんと城ヶ崎ノアさんが、あのね世界的に有名なバルーンだというのです!」

 

食堂に食器を置きに来ると、看守に襲われそうになっていた3人、桜羽エマ、橘シェリー、遠野ハンナの3人が話しかけてきた

 

「…なにそれ?」

 

「えーっ!?知らないんですか!?」

 

「知らん」

 

「あなたも知らないんですの…?」

 

「おう、知らんもんは知らん」

 

「えーっとね、『バルーン』っていうのは世界的に有名なアーティストで…」

 

「そのアートはどこからか現れ、描くところを見たものはいない…正体は謎に包まれ、そこ芸術的なアートは若者を中心に多くのものを魅了している…」

 

「ふーん」

 

「ふーんって!あなた正気ですの!?」

 

「さっきも言った通り、知らんもんは知らんし…まぁ、そんなのがいるんだなーってだけ」

 

「ええ…?」

 

「んじゃあ行くわ。この牢屋敷を見周れてないからな」

 

「う、うん…」

 

俺は食堂を出た

 

〜〜〜

 

牢屋敷をぶらついていると、2階の部屋で違和感を感じた

 

 

「…ん〜?」

 

俺は壁に手を当てた

 

「…マップだとここに一つ部屋があるはずなんだが…どこにも入り口がないな。どうなってんだ?」

 

「…あれ、君は…」

 

声のした方を向くと、派手なゴスロリ風な服を着た少女『佐伯ミリア』がいた

 

「ああ、たしか…佐伯ミリア、だったか?」

 

「う、うん。それで君は…えーっと、ごめんね。おじさん人の名前覚えるの苦手で…」

 

「いや、気にすることはない。生駒カケルだ」

 

「ああ、カケル君ね…怪我は大丈夫?」

 

「おう、これでも体は丈夫でな」

 

「いやいや、あんな背中をざっくりやられてたら、普通はまだ寝てるはずじゃないかな…」

 

「まぁ気にすんな」

 

「ははは…」

 

「それより、佐伯ミリアはどうしてここに?」

 

「娯楽室で映画を見ててね。ちょっと気分転換に部屋の外に出てきたんだ」

 

「映画?映画があるのかここ」

 

「うん。ホラーが中心だけど、案外色々なものがあるよ。覗いてみる?」

 

「おう、んじゃあ邪魔させてもらうわ」

 

「まぁ、娯楽室はみんなのものだから…」

 

俺と佐伯は娯楽室に向かった

 

〜〜〜

 

「ほー、なかなか広いな」

 

「だよね、私も初めてきた時はそう思ったよ」

 

「んで、これが映画…をみる機械か。…なんというか、随分と古い機材じゃないか?年季を感じるというか…」

 

「あ、やっぱりそう思う?おじさんもそう思ってたんだけど、案外使えるもんだよ?」

 

「…まぁ、劣化は感じなさそうだが」

 

俺は娯楽室の中を散策した

 

「…ん、これはレコードか。しかも洋楽。ってことはどこかに…」

 

「レコーダーだね?ここにあるよ」

 

佐伯がレコーダーを取り出した

 

「お、やっぱりあったか」

 

「洋楽好きなの?」

 

「まぁよく聞くな。…そうだ、行けるか?」

 

「なにが?」

 

俺が自身のスマホを操作すると、スマホから洋楽が流れた

 

「お、いけたいけた」

 

「…えっ!?ちょっ、今何したの!?」

 

「おう、俺の魔法の応用でな」

 

「ま、魔法?カケル君の?」

 

「おう。俺の魔法は『再現』って言ってな、俺が体験したことのあることを再現できんだよ。再現させる媒体が必要だけどな」

 

「そ、それじゃあ。その魔法を使って外と連絡が取れれば…」

 

「あー…期待を持たせている様で悪いが、多分無理だ。前の携帯は誰とも連絡先交換してないし、電話していたとしてもその内容の再現にしかならん。すまんな」

 

「あ…そ、その。大丈夫だよ」

 

「まぁ俺の使っていたスマホを再現するから、それに入っていた曲とかは流せるけどな」

 

「うーん…それだけでもだいぶ優遇されてるなぁ…ねぇ、どんな曲が入っているか聞いてもいい?」

 

「おう、いいぞ」

 

そう言って俺は前のスマホに入っていた曲を流した

そして数曲を流して、曲を止めた

 

「うーん、見事に全部英語とか、外国語系の曲ばっか…でも、聞けてよかったよ」

 

「なら何より」

 

「…ねぇ、よければなんだけど、連絡先交換しない?利用する様で悪いんだけど、聴きたくなったら連絡させて欲しいな…なんて。あっ、でも!こんなおじさんと連絡先交換したくないっていうんだったら、全然断っても…」

 

「別にそれくらいいいぞ」

 

俺はスマホを佐伯に渡した

 

「え…?」

 

「悪いがその辺りのやり方とかわからんから、やっておいてくれ」

 

「あ…う、うん!」

 

佐伯はスマホを操作して、俺に手渡した

 

「は、はい」

 

「おう、ありがとうな」

 

「ううん、いいの…えへへ」

 

「…じゃあ、そろそろ行くわ。次はおすすめの映画教えろよ」

 

「うん!」

 

俺は娯楽室からでた

 

〜〜〜

 

「…んで、気が付かなかったけど配信してんだな」

 

夕食後、俺は図書室に行って適当に本を読むことにした

そしてスマホを開くと、蓮見レイアが配信していることがわかった

 

「まぁbgmとして聞くか…」

 

その後、図書室で適当に本を読みながら聞こうとしたが、なぜかスマホから視線を離せなくなった

 

(…なるほど、蓮見レイアの魔法はスマホ越しでもいけるのか)

 

そのまま読書は捗らずに、配信が終わるまでスマホに釘付けになった

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