学園都市(キヴォトス)でも暴走は俺の物   作:アルトターボ

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プロローグ-① 辿り着いて学園都市

「達者で走れよ、テメェら…」

暴走魂と希望を胸に抱き、明日に向かって走らんとする頼りなくも可愛い子分達(サンシーター)を横目に、彼─ハシリヤン斬込隊長・マッドレックス─は、誰にも知られずその命に終止符を打った…

筈であった

 

しかし、彼は何処かも分からぬ場所で()()()()。しかも、復活時に左手に接合されていた筈の愛犬・ハシリ犬は其処にはおらず、嘗ての様に左脚に居た。

 

─そもそも、ここは一体何処だ?─

あの世とやらかもしれないが、窓から覗く景色は動いている。どうも乗り物か何かに乗せられているらしい。

目の前には、一人の少女の姿があった。水色の長髪にピンク色のメッシュが入っており、白色の軍服のような服を身に纏っているが、その軍服の右側は赤黒く染まっている。どうやら重傷を負っている様子であった。

 

『……私のミスでした。』

 

彼女が口を開いた。

 

曰く、己の選択によってこの状況がもたらされたと。

 

曰く、この状況になって初めて過ちに気づいたと。

 

曰く、幾度繰り返しても同じ結末を辿ったと。

 

『……図々しいかもしれませんが、後はお願いします。()()()()()()()()()

 

何故、俺の名前を知っている?

 

そう問おうとしたが、口が動かない。いや、それどころか()()()()()()()()()()()()()()今の彼に出来ることといえば、目の前の少女に視線を向け、彼女の言葉を聞くことだけであった。

 

『きっと私の話は忘れてしまうでしょうが、それでも構いません』

 

『何も思い出せなくても、おそらくあなたは同じ状況で、同じ選択をされるでしょうから……』

 

『ですから…大事なのは経験ではなく、選択。』

 

『宇宙一の暴走魂を持った貴方の選択。私が信じる大人である貴方なら、きっと…』

 

『この捻れて歪んだ先の終着点とは、また別の結果…そこへつながる選択肢は…きっと見つかるはずです。だから先生、どうか…――を…お願いします』

 

─何を言っているんだ。何故俺の事を知っているんだ。というかそもそも此処は何処なんだ。─

 

問い質したいことは山のようにあったが、彼女の声は段々と小さくなり、姿も遠ざかっていく。それとは対照的に、何処からか聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「パラリラ…パラリラ…」

 

──────────────────────────

 

「パラリラパラリラ!パラリラパラリラ!」

 

「おお、ハシリ犬!よ〜しよし、どうしたどうした?」

 

再び目を覚ますと、今度はさっきまでとも違う、小綺麗な部屋のようであった。彼は左脚の愛犬に声を掛け、椅子から立ち上がって辺りを見回した。

 

(さっきまでのは一体何だったんだ…?夢にしちゃあ随分現実味があったが…ってか、此処は一体何処だ?地球なのか、それとも…)

 

そう思っていたが、ふと気づいた。

()()()()()()()

 

「……ありゃあやっぱり夢だったのか?いや、そもそも俺は死んだ筈じゃあ…」

 

事実、彼には自分が死んだ時の記憶がはっきりと残っている。

一度目はブーンレッド達の新たな力(ブンブンジャーロボナイト )によって。

二度目は再建隊長(ディスレースの野郎)に改造された結果として、宇宙で。

しかし、其処から今に至った経緯は皆目見当もつかない。

 

(……それに、アイツは一体何者だったんだ?俺のことを知ってた様だが……)

 

そう考えていた時、部屋のドアが開いた。

「失礼します、先生。」

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