ユウカ達がシャーレの部室を目指していた頃、マッドレックスは…
不良たちを粗方叩きのめし、デスロッドを一輪バイクの様な形に変形させて道路を猛スピードで爆走していた。
「………全く、揃いも揃って雑魚ばっかりじゃねぇか。」
不良生徒達は数は多いが、一人あたりの戦闘力は決して高くはない。彼にとって、いくら戦っても満足のいく相手では無かったのだ。
「シャーレの部室ってのも何処か分かんねぇし…おっ?…」
そう呟く彼の目に止まったのは1人の少女─狐の耳が頭から生え、狐面を被り、和風な意匠のセーラー服を身に纏った少女─彼は未だ知らなかったが、彼女こそが不良生徒達を扇動した首魁…七囚人が一人、"災厄の狐"狐坂ワカモその人であった。
「アァん?何見てやがんだテメェ?」
彼女の周りにいたスケバンの1人が、彼に気づいてそう質問して来た。
「あぁ、シャーレの部室ってのに用が有ってな。お前ら、知ってんなら教えてもらおうか。」
「嫌なこった。何でアタシ達が『お止めなさい』…あっ、ハイ。すいません、姉御。」
スケバンは彼に突っかかろうとしたが、ワカモによって止められる。
「シャーレの部室でしたら、丁度、私の後ろに有るのが其処ですわ。」
「へぇ、そりゃ良かった。じゃあ、ちょいと通して貰おうか。」
「そう言われて、私が従うとでも?」
「嫌だってか。じゃあ、どうやったら退いてくれンだ?」
「『力づく』。これに尽きますわ。」
「へぇ、それなら話が早えや。」
そう言って、デスロッドを槍形態に戻し、構えた。ワカモも、愛銃"真紅の災厄"を構える。
…と、其処にユウカ達と、重傷を負った不良生徒達がそれぞれ合流してきた。
「やっと追いついた……って、"災厄の狐"!?」
「すみません、姉御……って、うわぁぁぁ!!アイツはぁ!!」
ユウカ達はワカモと対峙したことに驚いていたが、不良生徒達の方はマッドレックスの姿を見るとそれ以上に激しく狼狽えた。
「姉御、アイツです!!アイツがアタシ達の乗ってた戦車を一撃で滅茶苦茶に…」
どうやら、この不良生徒達はクルセイダーに乗っていた面々だったらしい。
「………本当ですの?」
「あぁ、あのデケェのか。確かに俺がやった。」
その答えに、ワカモは密かに息を呑んだ。
(……見たところ、ヘイローは無さそうですが……戦車を破壊したのが本当だとすれば、一筋縄では行かなそうですわね。こちらの手勢が随分少なくなっているのも、彼の所為かしら?)
「私達も援護を…『要らねェよ』…先生?」
スズミはマッドレックスに加勢しようとしたが、当の本人はそう言うと彼女達を制止するように手を伸ばした。
「コイツは今までの雑魚共とは違ぇってことくらい、俺にも分かる。少し退屈してたんでなぁ…楽しませて貰おうじゃねぇか。スピードの向こう側までよぉ…!!」
一先ず、ここまでとします。