外縁宙域。
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未接続領域の中心へ。
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レイジは辿り着いた。
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だが。
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世界は崩壊しない。
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終わりもしない。
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変わったのは。
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戦場の意味だった。
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■レイジ
「……なんだよ」
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視界が白く染まる。
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次の瞬間。
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宇宙そのものが裏返る。
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■アマテラス艦橋
警報が乱れる。
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■ミライ
「座標系が……!」
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■セラーナ
流れる波形を見つめる。
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「違う……」
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「転送じゃない」
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「認識が変わってる」
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■ジョブ・ジョン
小さく息を吐く。
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「入ったか」
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■外縁宙域
それまで撃ち合っていた機影が止まる。
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いや。
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遠ざかる。
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存在そのものが、
一段向こうへ滑っていく。
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戦場だけが残る。
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■レイジ
「消えた……?」
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違う。
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消えていない。
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ただ。
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届かなくなった。
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戦火が広がる。
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爆発。
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閃光。
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無数の戦争。
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無数の記録。
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人類が積み上げた全て。
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だが。
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レイジは気付く。
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撃たれている。
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戦っている。
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それなのに。
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少しずつ前へ進んでいる。
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■アムロ残響
『そこだ』
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■レイジ
「どこだよ」
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■アムロ残響
『戦うな』
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レイジの呼吸が止まる。
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■レイジ
「……は?」
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■シャア残響
『戦う必要はない』
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一拍。
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『通れ』
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■レイジ
「またそれかよ……!」
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苛立つ。
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意味が分からない。
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だが。
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今度は止まる。
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右手が。
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引き金から離れる。
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撃たない。
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迎撃しない。
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壊さない。
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それでも。
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フィロメラは前へ進む。
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赤いサイコフレーム。
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白い光。
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二つが重なる。
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戦場の隙間を。
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戦争そのものを。
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すり抜けるように。
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■レイジ
「……進んでる」
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誰へ言うでもなく呟く。
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「戦ってねぇのに」
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■ノーネームガンダム
白い機体が見ている。
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コルヴス・クロウ。
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その双眼が揺れる。
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理解できない。
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最適ではない。
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合理的でもない。
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だが。
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レイジは前へ進んでいる。
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■コルヴス
『……なぜだ』
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問い。
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初めて生まれた疑問。
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■ガンダム・オブリヴィオン
赤黒い巨体。
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その奥で。
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シャル・ルージュは静かに見つめていた。
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レイジを。
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コルヴスを。
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そして。
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未接続領域の奥を。
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■シャル
『それでも進むか』
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怒りはない。
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嘲笑もない。
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ただ。
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観測。
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確認。
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■レイジ
「当たり前だろ」
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誰へ向けた言葉か分からない。
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それでも。
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迷いなく前を見る。
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フィロメラ加速。
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戦場の中心へ。
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さらに奥へ。
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まだ誰も観測していない場所へ。
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最深部。
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白。
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赤。
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二つの残響が静かに立っている。
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アムロ。
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シャア。
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二人は何も言わない。
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ただ。
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レイジを見ている。
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そして。
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世界がもう一度反転する。
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次の層へ。
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まだ名も無い領域へ。
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■機動戦士ガンダム:残響
第3巻『白と赤の境界』完