■アマテラス・食堂
昼食後。
⸻
珍しく女性陣だけのテーブルが出来ていた。
⸻
■ベルトーチカ
「そうだ」
⸻
「女子会しましょう」
⸻
■ミライ
「あら、いいわね」
⸻
「やりましょやりましょ」
⸻
■ベルトーチカ
「セラーナも一緒にどう?」
⸻
■セラーナ
「私はちょっと……」
⸻
■ミライ
満面の笑み。
⸻
「もちろんやるわよね?」
⸻
■セラーナ
「は、はい……」
⸻
逃げ道消失。
⸻
■ベルトーチカ
「女子会と言えばもちろん恋バナよね♪」
⸻
沈黙。
⸻
■ベルトーチカ
「未亡人」
⸻
■ミライ
「幽閉中」
⸻
■セラーナ
「年齢=彼氏いない歴」
⸻
再び沈黙。
⸻
■ミライ
「ん、ん〜……」
⸻
「話題変えましょうか?」
⸻
その時。
⸻
食堂前を通過する男がいた。
⸻
■ミライ
「あ、ジョブ」
⸻
「こっちこっち」
⸻
■ジョブ
「嫌な予感しかしない……」
⸻
■ベルトーチカ
「ジョブって今何してるの?」
⸻
■ジョブ
「S.N.R.I.の特別技術顧問だ」
⸻
■セラーナ
「ですね」
⸻
「肩書きだけですが」
⸻
■ジョブ
「違うわっ!!」
⸻
「ちゃんと仕事してるわっ!!」
⸻
■ベルトーチカ
「で、結婚したの?」
⸻
■ジョブ
「してねぇよ」
⸻
■ミライ
「彼女は?」
⸻
■ジョブ
「いねぇよ」
⸻
■ベルトーチカ
「好きな人は?」
⸻
■ジョブ
「尋問か!?」
⸻
■ミライ
「そういえば」
⸻
「ジョブって若い頃モテたの?」
⸻
■ジョブ
「なんだその質問」
⸻
■ベルトーチカ
「だってホワイトベース隊の生き残りでしょ?」
⸻
「意外と人気あったんじゃない?」
⸻
■ジョブ
「ないない」
⸻
「俺は裏方だぞ?」
⸻
■セラーナ
真顔。
⸻
「いなさそうです」
⸻
■ジョブ
「お前容赦ないな!?」
⸻
■ミライ
「昔好きだった人とか?」
⸻
■ジョブ
「だから尋問か!?」
⸻
■ベルトーチカ
「いるんだ」
⸻
■ジョブ
「い、いねぇって言ってるだろ!」
⸻
■セラーナ
「動揺しています」
⸻
■ジョブ
「し、してねぇよ!!」
⸻
■ミライ
「あら?怪しいわねぇ〜
もしかして私だったり?」
⸻
■ジョブ
「違うわっ!!」
⸻
■ベルトーチカ
「んじゃ、フラウ?」
⸻
■ジョブ
「だから、違うってっ!!」
⸻
■セラーナ
「では、セイラさんですか?」
⸻
■ジョブ
「お、お前らしつこすぎるだろ!!」
⸻
周囲の整備員達が笑い始める。
⸻
■整備員A
「ジョブさん頑張れー」
⸻
■整備員B
「白状しろー」
⸻
■ジョブ
「なんで食堂全体が敵なんだよ!?」
⸻
爆笑。
⸻
■ミライ
「セラーナ…」
⸻
「早くいい人見つけないと」
⸻
ジョブを見る。
⸻
「こんな風にイジられてしまうわよ」
⸻
■ジョブ
「おい」
⸻
■セラーナ
真顔。
⸻
「それは絶対に嫌です」
⸻
■ジョブ
「おい」
⸻
■セラーナ
「悲しすぎます」
⸻
■ジョブ
「おい」
⸻
■セラーナ
「切なすぎます」
⸻
■ジョブ
「おいぃぃぃ!!」
⸻
食堂中が笑いに包まれる。
⸻
■ジョブ
「なんで俺だけこんな目に遭うんだ……」
⸻
■ミライ
「日頃の行いじゃない?」
⸻
■ベルトーチカ
「そうね」
⸻
■セラーナ
「私もそう思います。」
⸻
■ジョブ
「お前まで乗るな!!」
⸻
その日の食堂は、
珍しく遅くまで賑やかだった。
あとがき
第3巻『白と赤の境界』を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
ここまで作品を追いかけてくださっている皆様には、心から感謝しています。
第3巻は、これまで以上に「戦う」ことよりも、「向き合う」ことを意識して執筆しました。
敵とは何か。
戦争とは何か。
そして、人が過去とどう向き合うのか。
派手な戦闘よりも、世界の違和感や登場人物たちの心の動きを描く場面が多く、今までとは少し違った空気を感じられた方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、この巻で描いた出来事は、これから先の物語へ繋がる大切な土台でもあります。
そして今回も、本編の最後には『アマテラスの日常』を収録しました。
重たい空気が続いたあとだからこそ、少しでも笑っていただけていたら嬉しいです。
毎日読みに来てくださる方、評価や感想をくださる方、静かに作品を見守ってくださる方。
そのすべてが、次の一話を書く大きな力になっています。
本当にありがとうございます。
次巻では、物語はいよいよ新たな局面へと進みます。
ここから先も、一話一話を大切に紡いでいきますので、これからもレイジたちの旅路を見届けていただけたら幸いです。
それでは、第4巻でまたお会いしましょう。
――片蔵清優