機動戦士ガンダム:残響   作:片蔵清優

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■第4巻 第4章 「選択戦」

外縁宙域・核接触領域。

 

 

沈黙は終わっていない。

 

 

だが、

それは静けさではなかった。

 

 

■“二つの現実が同時に存在している”

 

 

 

フィロメラガンダムが停止する。

 

 

サイコフレームが、

二重発光を続けていた。

 

 

白。

 

 

赤。

 

 

交わらないまま、

重なっている。

 

 

 

■レイジ

 

「……まだ割れてる」

 

 

空間そのものが、

二つの答えを保持していた。

 

 

終わらない戦争。

 

 

終わった戦争。

 

 

どちらも、

“現実”として存在している。

 

 

 

■アマテラス艦橋

 

警報音が続く。

 

 

空間波形が、

二重反応を示していた。

 

 

 

■ミライ・ノア

 

「空間が……分岐してる!」

 

 

■セラーナ・カーン

 

「違う……」

 

 

モニターを見つめたまま、

静かに続ける。

 

 

■セラーナ・カーン

 

「もう、

“どちらも存在してる”」

 

 

 

ジョブ・ジョンが、

小さく息を吐く。

 

 

■ジョブ・ジョン

 

「来たな……」

 

 

一拍。

 

 

■ジョブ・ジョン

 

「選択戦だ」

 

 

 

外縁宙域。

 

 

戦場が二層化する。

 

 

■層A

“継続する戦争”

 

 

モビルスーツ群。

 

・再生ログ全域

 

 

撃墜。

 

再生。

 

再編。

 

 

終わらない。

 

 

 

■層B

“終わる戦争”

 

 

・静止した機体群

 

・無力化された戦場データ

 

・“人の気配”だけが残る空間

 

 

そこには、

怒号も爆音もない。

 

 

ただ。

 

 

戦争が終わった後の、

静けさだけがあった。

 

 

 

■レイジ

 

「どっちも……

見えてる……」

 

 

 

拘束状態のまま、

ブライト・ノアが静かに言う。

 

 

■ブライト

 

「迷うな」

 

 

 

■レイジ

 

「でも……!!」

 

 

「どっちも本物じゃないですか!!」

 

 

 

■ブライト

 

「だから選ぶんだ」

 

 

 

■核

 

揺れる。

 

 

今度は“圧”ではない。

 

 

■期待

 

 

 

■シャア残響

 

『続けろ』

 

 

 

■アムロ残響

 

『終わらせろ』

 

 

 

■レイジ

 

「うるせぇ……!!」

 

 

 

その瞬間。

 

 

干渉通信。

 

 

 

■ベルトーチカ

 

「アムロ!!」

 

 

 

層Bが、

強く揺れる。

 

 

静止していた戦場が、

わずかに光を取り戻す。

 

 

 

■レイジ

 

「また……!」

 

 

 

■ジョブ・ジョン

 

「いいぞ」

 

 

「現実が押してる」

 

 

 

■セラーナ・カーン

 

「違う……」

 

 

「これは戦場じゃない」

 

 

一拍。

 

 

■セラーナ・カーン

 

「意思の衝突よ」

 

 

 

フィロメラのサイコフレームが、

限界発光を開始する。

 

 

赤。

 

 

白。

 

 

二つの光が、

機体表面で“分離”し始める。

 

 

 

■レイジ

 

「選べって言うのかよ……」

 

 

 

■ブライト

 

「お前はもう中間にいる」

 

 

 

■レイジ

 

「中間……?」

 

 

 

■ブライト

 

「どちらにも属していない」

 

 

「だから決められる」

 

 

 

■核

 

初めて、

“迷い”に近い反応。

 

 

構造が揺れる。

 

 

まるで、

答えを持っていないように。

 

 

 

■シャア残響

 

『選べば片方が消える』

 

 

 

■アムロ残響

 

『選べば片方が残る』

 

 

 

■レイジ

 

「ふざけんな……」

 

 

 

■レイジ

 

「どっちも……

捨てられねぇだろ!!」

 

 

 

沈黙。

 

 

戦場が止まる。

 

 

再生機群が停止する。

 

 

空間全体が、

“答え”を待っていた。

 

 

 

■ジョブ・ジョン

 

「来たな……」

 

 

小さく呟く。

 

 

■ジョブ・ジョン

 

「核心だ」

 

 

 

■核

 

揺れが止まる。

 

 

そして——

 

 

■“問い”が形になる

 

 

 

■レイジ

 

「……なら」

 

 

一拍。

 

 

 

■レイジ

 

「どっちも残す」

 

 

 

空間反応。

 

 

激変。

 

 

二つの層が、

ゆっくり重なり始める。

 

 

戦争。

 

 

静寂。

 

 

終わり。

 

継続。

 

 

相反するはずの構造が、

融合を始める。

 

 

 

■セラーナ・カーン

 

「統合し始めてる……!」

 

 

 

■ミライ・ノア

 

「戦場が……

再構成されてる!」

 

 

 

ブライトが、

小さく目を閉じる。

 

 

 

■ブライト

 

「それでいい」

 

 

 

■核

 

初めて、

“沈黙ではない沈静”。

 

 

空間の軋みが、

ゆっくり止まっていく。

 

 

 

■シャア残響

 

『面白いな』

 

 

 

■アムロ残響

 

『……そう来るか』

 

 

 

フィロメラのサイコフレームが、

静かに明滅する。

 

 

白。

 

 

赤。

 

 

そして。

 

 

その境界に、

初めて“虹色”が混ざる。

 

 

『選択戦:進行中』

 

『現実層:再統合開始』

 

『レヴナント:構造変換』

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