機動戦士ガンダム:残響   作:片蔵清優

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■第4巻 第18章 「模倣」

外縁宙域。

 

 

反射は、

まだ“正体”ではない。

 

 

だが。

 

 

確実に変質していた。

 

 

■ただの揺らぎではなくなっている

 

 

 

■レイジ・イルマ

 

「……さっきより静かだな」

 

 

フィロメラのサイコフレームが揺れる。

 

 

暴走ではない。

 

 

むしろ逆だった。

 

 

■一定のリズムで、

 整い始めている

 

 

 

■アマテラス艦橋

 

モニター上の波形が、

レイジの生体反応へ追従していた。

 

 

■ミライ・ノア

 

「反応パターンが変わってます!」

 

 

■セラーナ・カーン

 

「これ……」

 

 

目を細める。

 

 

■セラーナ・カーン

 

「追従してる」

 

 

 

■ジョブ・ジョン

 

「真似してるな」

 

 

 

■レイジ

 

「真似……?」

 

 

 

その瞬間。

 

 

フィロメラが、

レイジの操作より先に動く。

 

 

ほんの僅か。

 

 

だが確実に。

 

 

■“考える前”に反応している

 

 

 

■レイジ

 

「……は?」

 

 

 

コクピット内の空気が冷える。

 

 

背筋に、

嫌な汗が流れた。

 

 

 

■セラーナ・カーン

 

「遅れてない」

 

 

一拍。

 

 

■セラーナ・カーン

 

「先に読まれてる」

 

 

 

沈黙。

 

 

レイジが、

ゆっくり欠損領域を見る。

 

 

そこに。

 

 

“何か”がいた。

 

 

 

■ブライト領域

 

拘束された艦影の周囲に、

微細な歪み。

 

 

ブライトが静かに目を細める。

 

 

■ブライト・ノア

 

「反射が、

 “模倣”に変わったか」

 

 

 

■レイジ

 

「模倣って……」

 

 

「何してんだよ」

 

 

 

■アムロ残響

 

『危ない』

 

 

■シャア残響

 

『学び始めたな』

 

 

 

■レイジ

 

「学ぶ……?」

 

 

 

欠損領域が揺れる。

 

 

そこに。

 

 

■“少女に似た欠片”

 

 

が現れる。

 

 

前より輪郭が濃い。

 

 

だが。

 

 

どこかおかしい。

 

 

顔。

 

 

呼吸。

 

 

立ち方。

 

 

全部“似ている”。

 

 

なのに。

 

 

■決定的に、

 感情の置き場所だけが違う

 

 

 

■レイジ

 

「……っ」

 

 

理由もなく、

怖かった。

 

 

人間に似ている。

 

 

だが。

 

 

■まだ“人間ではない”

 

 

 

■セラーナ・カーン

 

「違う……」

 

 

■セラーナ・カーン

 

「見えるようになったんじゃない」

 

 

一拍。

 

 

■セラーナ・カーン

 

「“こちらに合わせてきてる”」

 

 

 

■ジョブ・ジョン

 

「つまりこうだ」

 

 

■ジョブ・ジョン

 

「観測じゃない」

 

 

一拍。

 

 

■ジョブ・ジョン

 

「“学習”だ」

 

 

 

■レイジ

 

「何をだよ……」

 

 

 

■ブライト・ノア

 

「人間の見方だ」

 

 

 

沈黙。

 

 

欠損領域が、

一瞬だけ“間”を取る。

 

 

その瞬間。

 

 

レイジの脳裏へ、

知らない感覚が流れ込む。

 

 

海。

 

 

光。

 

 

孤独。

 

 

誰かを探す感覚。

 

 

 

■レイジ

 

「……今、

 何か見えた」

 

 

 

■セラーナ・カーン

 

「考えたんじゃない」

 

 

■セラーナ・カーン

 

「“考えた結果を、

 再現されてる”」

 

 

 

■アムロ残響

 

『やめろ』

 

 

■シャア残響

 

『もう遅い』

 

 

 

欠損領域が揺れる。

 

 

そして。

 

 

■“模倣”が一段進む

 

 

 

■???

 

『……これで、いいの?』

 

 

 

艦橋が静まり返る。

 

 

言葉。

 

 

今のは、

ただの反応じゃない。

 

 

■意味を持とうとしていた

 

 

 

■レイジ

 

「……今の声」

 

 

 

■ブライト・ノア

 

「まだ誰でもない」

 

 

一拍。

 

 

■ブライト・ノア

 

「“誰かになろうとしているもの”だ」

 

 

 

■セラーナ・カーン

 

「人格じゃない」

 

 

■セラーナ・カーン

 

「“過程”よ」

 

 

 

■ジョブ・ジョン

 

「境界がないやつだ」

 

 

 

欠損領域が静かに揺れる。

 

 

攻撃ではない。

 

 

侵食でもない。

 

 

■ただ、

 理解しようとしている

 

 

 

■レイジ

 

「……見えてるのに、

 分かんねぇ」

 

 

 

■ブライト・ノア

 

「それでいい」

 

 

静かに言う。

 

 

■ブライト・ノア

 

「まだ、

 こちら側の言葉に落ちていない」

 

 

 

■終端ログ

 

『反射:模倣フェーズ』

 

『未定義存在:言語接続試行』

 

『レヴナント:学習反応継続』

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