Fate/Draco―蛇竜王戦線―   作:ぴーらー

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第39話:覚醒

2020.04.03 07:22 UTC / 南極上空 視点:ユキネ

 

(あれ、もしかしてキャスターじゃないかな……!?)

 魔方陣の中央にそびえる、巨大な魔力砲台。

 そのそばに、ほんのわずかだが緑の影が見えた。

 翼を持つ蛇と竜の中間のような、怪物の影が。

 

(……! ワシにも見えたぞ! いやしかし、よく見えたなユキネ!?)

 セイバーが、私の視界を共有して確認したようだ。

 上手く説明できないが、昔から勘はいいのだ。

 「夢歩き」の資質によるものか、猫としての本能かは分からないけども。

 イレギュラーこそあったが、視界を共有してキャスターを探すという作戦はまだ続行中。

 アサシンの長髪はまだ全員の頭部に接続されており、視界・思考の共有が可能な状態にある。

 

(ただ、やけに素直じゃない? あの砲台が宝具クラスの威力を発揮するのに、そのそばにいる必要があるっていうのは妥当な話だけど……そんな露骨なこと、する?)

(奴は並行世界の観測を元にして、こっちの行動を予測するって話だ。なら、ワシらが隠れた相手を見つけ出す手段があると考えて、余計な真似はせずに砲撃に集中している……とかどうだ?)

(ありそうね。ついでに、砲台の巨大な魔力に自分の反応を隠す意図もありそうだけど)

 一瞬の間に、アサシンとセイバーの意見交換が行われる。

 恐らく、その考えは当たっているのだろう。

 そもそも、普通なら無数のワイバーンとライダーの攻撃で攪乱は十分に行えているのだから。

 

 アサシンは、まだ動かない。

 脚力に優れたアサシンとはいえ、距離がある。

 いま跳んでも、キャスターに届く前に砲撃を受けて終わるだろう。

 攻撃に移るタイミングは――ただ一つ。

 砲撃が、隕石に向けて放たれた瞬間。

 敵の攻勢の瞬間こそが、私たちの突破口だ。

 

(……キャスターがどれだけ並行世界の情報を持っていたとしても、「この聖杯戦争」はこの世界だけのもの。結局のところ奴は、「この世界でしか起こり得ない事柄」の情報は持たないはず)

 アサシンの念話は、自分自身に言い聞かせるようでもあった。

 敵について警戒することは大切だが、「考え過ぎ」と「過大評価」は想像上の敵を無制限に大きくし、不安によってこちらの首を絞めるだけ。

 とはいえ、この規格外の戦いにおいて「あり得ない」は「あり得ない」。

 可能な限り厳重な警戒を行いつつ、残りの数秒を待つ。

 アサシンは、砲撃地点にいるキャスターを注視する。

 跳躍、および砲撃発射予想時刻まであと2秒。

 

 その刹那。

(――注、視……まさか)

 彼女の脳裏によぎったのは、とある蛇の特性。

 そして、少し遠くを飛行するライダーの上に「誰がいるのか」ということ。

 

(「見ている」のは――私たちだけじゃ……ない……!)

 遥か遠く、魔方陣の中央が輝いた。

 ……砲台の方角からわずかに、白緑の閃光が走っ――

 

「――いかんッ!!」

 雷のような怒号が飛ぶ。

 彼は多分、音よりも先に動いていた。

 

 

 この2秒間には、あまりにも多くのことが起こったらしい。

 不明瞭なのは、この時の記憶がないからだ。

 後で話を聞いて、ようやく状況を理解できた。

 

 白緑の光を感知したかしないかという瞬間、まずアーチャーが動いた。

 彼はライダーに向けてではなく、私たちに向けて雷の矢を放った。

 厳密には、私たちの頭部に刺さる髪の毛に向けて。

 キャスターは【竜種魔術】と呼ばれる、人類の魔術とは異なる系統の魔術を使いこなすという。その魔術には、「他の竜種の能力を起源とした術」が多く存在した。

 

 あの時キャスターは、自身に向けてアサシンが注意を向けていることと、私たちが視界を共有しているらしいことを「ダルグレインの視界を借りる」ことで把握した。

 そして発動したのだ――『緘毒の凝視』(イビルアイ・バジリスク)という、蛇の邪視を再現した魔術を。

 伝承にもよるが、「蛇の王」とも呼ばれるバジリスクは「見ただけで相手を殺す」とまで言われる力を持つ幻想種らしい。

 それは「物語において倒されるべき怪物の恐ろしさを盛った」結果だそうだが……あの魔術は、その伝承を元に「目線を合わせた相手を殺す」術としてしっかりと成立している。

 魔術である以上、サーヴァントなら【対魔力】などのスキルで弾けるだろう。

 アサシンも、水で「目を覆う」ことで逃れた。

 だが、「視界を共有している」マスターたちは?

 ――無論、まともに見れば即死である。

 

(故にこそ、それだけは止めねばならぬ……!)

 アーチャーの未来予知スキル、【天脈流転】が辛うじてその回避を間に合わせた。

 放たれた雷の矢が、高熱を発しアサシンの髪の毛を焼き切ったのだ。

 ……だが。

 視界の共有は解除されたものの、その隙をダルグレインが見逃すはずはない。

 

「――やれッ!」

 それまでライダーは飛行しながら、口内に炎をずっと溜め続けていた。

 つまり、半透明になって攻撃が当たらない状態で……!

「■■■■■■■■ォォォォォォーッ!!!」

 ライダーの宝具、『灼熱竜息・万地融解』(アカフィローガ・アルグリーズ)

 咆哮と共に放たれた蒼炎は、右の隕石を完全に粉砕した。

 しかも、それだけではない。

 

「……これは」

 アーチャーの腕が、礫を操作しようとして一瞬止まる。

 破壊された隕石の破片が、なぜか次々と姿を消していくのだ。

 ――それはライダーの宝具、『黄金貪界・欲竜の宝蔵』(グニタヘイズ・アゥズガルズ)

 ライダーは自らの収集物を手放さないため、自らの宝物庫、巣穴を常にそばに置くことができる。

 つまり、応用すれば周囲にあるものを「宝物として価値があるなら奪ってしまい込める」。

 

 しかも、これはただの石ころではない。

 隕鉄の「ウィドマンシュテッテン構造」と呼ばれる幾何学模様は、地球上のどんな製鉄法でも再現は困難。

 すなわち、それは「宇宙でしか作れない模様」。

 ましてや宝具によって召喚された神秘の結晶だ。

 その価値は、同質量の貴金属にも勝るとも劣らない。

 威力を出すため、隕石の構成要素を鉄主体にしたことが裏目に出たのだ……!

 

 そして、この「サーヴァント三騎中、二騎に隙が生まれる瞬間」を縫うように、

「オイオイオイオイオイ、嘘だろォォォッ!?」

 極大の魔力砲撃と共に、「四つ目の隕石」が高速で着弾した。

 ――その宝具の名は、『焔輝咆聲・天哭之星』(ビャルトグリュム・リンドヴルム)

 

 さすがに想定外だったのか、セイバーが絶叫する。

 キャスターが持つ、流星や稲光と結びつけられた逸話が昇華された第四宝具。

 いかにしてか直前まで気配を隠しきったそれは、砲撃と合わせて中央の隕石を砕き切るのに十分すぎる威力だった。

 

 ……だが、四つ目の隕石は途中で軌道を変えた。

 セイバーの背から、銀色の閃光が迸ったからだ。

 もしかしたら、セイバーが思わず叫んだのはそれが原因であったのかもしれない。

 きっと、彼の体は自然に動いていたのだろう。

 一度やったことだったから、二回目をやるのは「おかしなことじゃない」と思ったのかもしれない。

 水銀のように輝いたアルヴェイルの翼が、流星を逸らしたのだ。

 

2020.04.03 07:22 UTC / 南極上空 視点:ダルグレイン

 

(……そうか、まだ残っていやがったな、三回分の「無敵効果」……ッ!)

 インドにおける、ランサーとの総力戦。

 その途中、『原初反転・乳海攪拌』(プリマヴァータ・マンタナ)の影響でアルヴェイルが得た、礼装「月霊髄液」(ヴォールメン・ハイドラグラム)に似た効果。

 それは、物理的攻撃を受け付けないどころか弾き返す、まさに「無敵」の状態。

 

 ランサーの巨大な槍の欠片すら無傷で逸らしたということを知り、アイスランドでオレは「ギャオ」で溺れたふりをして、無敵の回数を減らそうとしていた。

 奴の純朴な正義感なら騙せるかと思ったが、アサシンに助けられてしまったせいでそれは叶わなかったのだ。

 だが、隕石の纏う高熱や衝撃までも防げるわけではない――と言いたいところだが。

 

(……セイバーのスキル、【不屈の護獣】が起動した。アルヴェイルへの苦痛は、全て守護の獣が引き受けた形になる)

 オレの視界情報を元に、キャスターが状況を分析する。

 アサシンへの「邪視」は既に解除している。

 バジリスクの伝承を元にした魔術である以上、鏡さえあれば邪視は簡単に反射されてしまう。

 「水」の力で目の周りに鏡面を作成するくらい、楽勝だろう。

 そして、

(――来るぞ。憤怒の大河が)

 

 キャスターの念話と同時に、状況は動いた。

「行ってこい、アサシンッ!!」

 その赤熱する両足が、セイバーの甲羅を強く踏みしめる。

 『盾鋼の聖獣』(クストーディア・タラスコニス)が閃光を放つと同時、爆ぜたかのような衝撃が空を裂いた。

 その跳躍は視界の端すら置き去りにし、ワイバーンも対空砲も、反応すら許されない。

「……ッ! そうか、「影」か!」

 遅れて、その絡繰りに気付く。

 アサシンが持つ力の一つ、「影」。

 奴は、さっき発射された魔力砲の真下に生じた影を道のようにして滑走したのだ。

 それを辿れば、根元には当然キャスターがいる。

 

(だ、だがキャスターの周囲には三層の結界が張られている! 『龍環閉塞・天地封鎖』(ヴリトラ・アーヴァラナ)とかいう、インドの邪竜の力を象った概念防御だ……!)

 水を堰き止め、干魃を引き起こす「堰界竜」(いかいりゅう)を元にした魔術。

 「障害」を意味する名を冠したそれは、特に大河の化身たるアサシン・八岐大蛇を抑え込むため念入りに準備された結界で――

 

「――邪魔ッ!!」

 破壊音と、遅れて理解が訪れる。

 

(……あぁ!? 一撃だと!?)

 さすがに、驚愕せざるを得ない。

 アサシンの手に握られた大剣。

 そこから発せられた三色の雷が、それを纏った刃が――まるで紙を裂くように、結界を叩き割ったのだ。

 

 確かに、キャスターから聞いたことはあった。

 歴史を積み重ねた武器は、それだけで魔術に対抗できる神秘になると。

 例えば五百年の歴史を持つ刀なら、最高位の魔術師の結界すら破壊できる――

 だが、それはサーヴァントならざる人間の魔術師の場合だろう。

 ならばあれはどれだけ旧く、歴史を重ねた代物なんだ……!?

 

「――『鱗突』(Skaldbiti)!」

 キャスターは怯むことなく、素早く迎撃の魔術を行使した。

 砕けた結界と氷片が瞬時に硬質化し、無数の鱗弾と化してアサシンに殺到する。

 だが、それらは大剣の一振りでたやすく薙ぎ払われた。

 勢いを殺さず回転し、縦一文字の斬撃が振り下ろされる。

 山一つすら両断できそうな一撃を、

『煌鱗』(Glyrskjǫldr)ッ!」

 キャスターは、前足で受け止めた。

 衝撃で、足元の氷が深くひび割れる。

「……『強化』の魔術によるものだけじゃないわね、その怪力!」

「然り。此の身は既に――儀式の魔力と渾然一体なれば……!」

 

 宝具『終環記章・竜蛇胎蔵界』(ドラゴン・リベレイション)の「完成」には、まだ時間がかかる。

 その代わり、発動さえすれば儀式とキャスター自身が接続されるため、圧倒的な力を得ることができるのだ。

 その事実を、キャスターは『丸胴潜影』(がんどうせんえい)の術でこの瞬間まで隠しきっていた。

 隕石の気配すら直前まで誤魔化せる、「ツチノコ」という日本の幻想種の力を模した竜種魔術で。

 秘匿の術を解除すると共に、キャスターはアサシンに引けを取らない速度で翼を広げる。

 即ち、『蛇竜展翅・虚滅之翼』(スヴァルティル・ヴェンギル・リンノルムス)の発動。

 ライダーに奪わせたのは、オレがキャスターとして振る舞う際に「三割だけ借り受けた」宝具。よって、残り七割をキャスターは問題なく使用できる。

 狙いは当然、動きを止めたアサシンの頭部にいるマスターだ……!

 

 アサシンは――剣から手を離し、頭部の防御のため両腕をかざす。

 だがどんな術で腕を保護しようと、『蛇竜展翅・虚滅之翼』はそれを無効にして攻撃する。

 しかも、キャスターの攻撃には「強化」が無効にならず適用される。

 お得意の馬鹿力なら耐えられると思ったのかもしれないが、そうはいかねえ。

 

(へへ……その腕は貰ったぜ、アサシンッ!)

 間違いなく決まった、痛恨の一撃。

 奴が命を複数持とうと、再生は阻害される。

 その腕で、剣は当分振れはしない。

 いくらアサシンの怪力でも、全力の斬撃は封じたも同然だ。

 

 だがオレの喜びと裏腹に、キャスターの表情には訝しみが浮かんでいた。

「……何のつもりだ、八岐の蛇」

 キャスターの翼は、確かにアサシンの腕を貫いた。

 ――貫いたまま、動かなかった。

 腕の筋繊維が、翼を強く締め付ける。

 まるで、至近距離にキャスターを釘付けにすることが目的だったかのように。

 

 キャスターの困惑は、「そうまでする理由が分からなかった」からだ。

 アサシン・八岐大蛇に、そこまでして至近距離で発動したい能力があるとは思えなかったからだ。

 懸念事項はあの大剣、「草薙の剣」だったが、それを手放してまでやることなど――

 

「ええ。「並行世界の私を見ただけ」の貴方には分からないでしょうね」

 

 突如、異常な魔力が空気をかき乱す。

 その源は、アサシンの頭部からだった。

 厳密には――頭部にいる、「髪飾り」。

 即ち、ユキネからだった。

 

「お前を倒すのは、アサシンじゃない」

 無力なはずの白猫が、大戦士のように告げる。

「――お前を倒すのは、「私たち」だ」

 そして、奴らの姿は光の中にかき消えた。

 最も近い距離にいた、キャスターと共に。

 

 オレは、キャスターの耳を介して聞いた。

 奴らが言い放った言霊を。

 

 ――固有結界、『渦巣顕界・幽蛇叢雲』(かそうけんかい・ゆうだむらくも)と。

 









サーヴァントマテリアル⑤(真)
真名:リンドヴルム(原初の蛇竜)
属性:中立・中庸
筋力:C 耐久:C 敏捷:C 魔力:EX 幸運:B 宝具:EX


 保有スキル
【陣地作成:EX】
土地そのものを自身の“皮膚”として編み直す。あらゆる干渉が可能な超高性能の魔術要塞を築く。

【道具作成:B】
スキルとしては保有しているが、必要に迫られない限り活用しない(大量生産や資源の浪費を嫌うため)。
いざとなると、緻密で拘り抜かれた道具を時間をかけて作る。

【竜種魔術:EX】
神秘そのものである竜が行使する、「魔法」一歩手前の魔術。
桁外れの魔術回路と魔力によって放たれる超常の術は、対魔力スキルを容易に貫通する。

【竜種:EX】
始まりの竜にして蛇。幻想の頂点に立つもの。

【記録する者:EX】
千里眼の亜種スキル。あらゆる並行世界における事象を観測した彼は、そのデータを元に相手のサーヴァントの行動を予測し先手を打つことができる。
ただし、「この世界でしか成立しえない事象」や「あまりにもありえない行動」の前には対応が遅れることもある。
また、行動の予測の際は直接相手を「見る」ことによって微調整を行う必要があり、「予測」は同時に一人に対してしか行うことができない。
そのため、「そもそも相手を見れない」「相手が複数人」「自律攻撃する機械などが相手」「相手が自分の意志以外で動いている」場合には「予測が外れる」ことがある。

【高速神言(竜):A】
大魔術であろうとも一工程(シングルアクション)で起動させられる。
それが伝説の竜の力を再現するという、宝具級の魔術だとしても。

 宝具
・『始原虚識・零文之書(ゼロ・アーカイブ)』:C
種別:対魔術宝具 レンジ:1  最大捕捉:1人
効果:彼が記録し続けた、ありとあらゆる魔術の理論が記載されているとされる本。
その魔術を行使できるわけではないが、真名解放時には相手の発動したあらゆる魔術を無効化し、成立しなかったことにする。攻防一体の宝具。
限りなく「第二魔法」に近い概念武装。

・『蛇竜展翅・虚滅之翼(スヴァルティル・ヴェンギル・リンノルムス )』:B
種別:対軍宝具 レンジ:1~20  最大捕捉:50人
効果:Svartir Vængir Linnorms 。
真名解放と共に巨大な蛇竜の翼が出現し、広がる一撃で斬撃を放つ。
この翼には『始原虚識・零文之書』の文字が全面に書き込まれており、命中した相手の魔術やスキル、宝具の効果をキャンセルして攻撃することができる。
……実のところ、「リンドヴルム」にそういった逸話はないため、『始原虚識・零文之書』を元に「ダルグレインに貸し与え、ファヴニールに奪われてもいい宝具」としてでっちあげたものなのだが、「本当に奪われてしまった」ことで逆に「宝具として存在が確立させられた」という出自を持つ。

・『焔輝咆聲・天哭之星(ビャルトグリュム・リンドヴルム)』:B
種別:対軍宝具 レンジ:10~99  最大捕捉:300人
効果:Bjartr Glymr Lindwurm。
リンドヴルムという存在が流星や稲光と結びつけられた逸話が昇華された宝具。
竜種魔術により、流星を召喚・操作する。
「リンドヴルム」という真名を被って召喚されたことにより獲得した。

・『終環記章・竜蛇胎蔵界(ドラゴン・リベレイション)』:EX
種別:対人理宝具 レンジ:0~99  最大捕捉: レンジ内全て
世界の情報構造そのものを“蛇の胎”と見做し、再び産みなおす再誕の大儀式。
儀式のためには念入りな下準備と複雑な手順を必要とする。最低でも「世界を一つ作り直す」分の魔力リソースを必要とするため、宝具発動までの難易度は非常に高い。
その代わり、発動さえすれば儀式とキャスター自身が接続されるため圧倒的な力を得ることができる。

本編においてはティアマトの『始源の海、幼年の終わり(タムトゥ・エンウム)』を材料として起動した。その合わせ技により、「儀式を守る」ための「名を持たぬ竜」たちを大量に召喚・使役している。
魔方陣はエレバス山を中心として、直径100kmの大きさを持つ。

この宝具の目的は「竜の因子で世界を再構築すること」。
抑止力による「人類の世を続ける」という抵抗、世界そのものによる剪定を振り切り、「ヒトのいない竜の世界」を完成・編纂事象として固定させようとしている。

そもそも、彼の「リンドヴルム」という名前は自身を定義し、聖杯戦争に呼ばれるための殻でしかない。
彼の本性とは、世界において最初に発生した「竜の原型」。幻想の始まり。
世界の裏側に降り立ち、地球の変化を記録する中立の存在となった彼は、あらゆる並行世界を観測し続けた。
そして、彼は数多くの世界における「聖杯戦争」の乱立を見た。亜種聖杯戦争のように小規模に乱発する世界までがあった。

神秘はヒトの道具として貶められ、その意味を辱められ続けた。
それは、自分たち幻想種の根幹をも左右する行いだ。

一つの世界において、人理焼却を超えた「その時点における全人類の消滅」が発生した時、彼は世界の裏側から飛び立った。
その世界を固定し、幻想種による世界を完成させるために。
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