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2020.04.03 08:15 UTC / 南極 視点:アルヴェイル
着水と同時に、急いで周囲を確認する。
俺とほぼ同じタイミングで、ダルグレインも落下したはずだが……見つからない。
氷床をぶった切った影響で、海に落下した大量の氷の破片に紛れたのか、見失ってしまったのだ。
「大体、真っ二つになったなら普通は“死ぬ”と思うんだが……」
なぜか、そうは思えなかった。
胴体から撒き散らされた、あいつの「中身」を見ていたのに。
あの姿は――レゼフィルのそれと同じくらい、「死」を証明するはずなのに。
「……レゼフィル」
今になって、ようやく気付いた。
俺は彼女の声が、きっと「好き」だったのだ。
やかましく、甲高く、明るく――かつての俺の周りには絶対的になかった音を持つ、彼女が。
……失って初めて、ようやくそれに気付くことができた。
三年前――群れを失った、あの時と同じように。
俺の周りにあるものは、当たり前に在るものなんかじゃなかった。
この世界には、俺が知らなかったことが無数にあった。
皆でそれらを学び続けた数日間は、間違いなくこれまでの生で一番濃厚で、輝いていた。
だけど、そんな彼らの多くはもういない。
レゼフィル。アーチャー。ランサー。ナーガの先生たち。アサシン。
そして、ダルグレインは敵となった。
今になって思い出し、自らに問い直す。
南極突入前に、考えていたことを。
彼は、「学校」の時間をどう思って聞いていたのか――確認しようと。
あの質問は、まだできるだろうか。
レゼフィルを殺した、彼に対して。
……セイバーに念話の相談をする余裕はない。
令呪を通して、彼がキャスターとの激戦を繰り広げていることは伝わってくる。
本当に俺は、この状況を俺だけで乗り越えなければならないのだ。
(集中……集中して、波の感覚を探るんだ……! 近付くにしろ、遠ざかるにしろ、何かしらの反応が……ッ!?)
一瞬にして、全身が震え上がるのを感じた。
遠くの氷床に伝わる衝撃波。
規則的に打ち寄せていた流れが、突然歪んだ。
まるで、巨大な壁が海を押しのけて進んでくるような波の動き。
暗闇の中で、遠くに白が光る。
「――まず、いッ……!!」
体の奥からの叫びと共に、俺は思わず逃走を開始した。
その巨体は、同時に追跡の速度を上げてくる。
……振り向かなくても、感覚だけで分かる。
思い出したのは、数日前の「死」の授業。
アーチャーが作り出した、巨大な幻影。
長く黒い背中。白く輝く斑点。
――この海の「頂点捕食者」、シャチ。
(いや、俺は何をしているんだ……!?
心の中でそう叫ぶが、礼装は急に止まれない。
ただ――そうでなくとも、「足を止めてはならない」という予感があった。
(だったら、はっきりさせるんだ……その違和感の理由を。何も考えず動いて勝てるほど、俺は強いわけじゃないんだ……!)
泳ぎながらも、どうにか思考を巡らせる。
その中で思い至ったのは、「会議室」での特訓時の会話だった。
◇
確かあの時、バーサーカーは二人に分身して、俺の礼装の訓練とセイバーが「マルタの姿での戦いを完璧に身につける」訓練を同時進行していた。
「オラオラ、打ち込みが甘いぞ! そんな拳で金メダルを取れると思うなよ!?」
「目的が変わってるじゃねぇか!? 金メダルじゃなくて聖杯だ聖杯!」
「まあ似たようなもんだろ! いずれにせよ目的は優勝なんだろうが!」
「うるせぇなコイツ……!!」
隣がかなり喧しくやっている中、俺は水中機動の練習をやり終えていた。
指導をしてくれている、「分身」のバーサーカーに確認する。
「結構な速度だよな、これ。具体的にはどれくらい速いんだ?」
「ふむ。測った限りでは、およそ時速五十から七十……ま、大体シャチと同じかそれ以上ってところか。通常のペンギンが十前後と考えれば、最低でも五倍以上だな」
「おお……頑張れば、シャチより速くなれるのか」
「もちろん、魔力消費も相応だ。回復速度もかなりのものとはいえ、油断は禁物だぜ?」
「わ、分かった」
◇
――確か、こんな会話だったと思う。
今の俺は、最高速度で泳いでいる。
だが、あのシャチは少しずつ距離を詰めてきている。
……どう考えても、速すぎるのだ。
(絶対に、何かあるが……どうやってそれを確かめればいいんだ!?)
案①:潜水し続ける。確か、生物的にはシャチより俺の方が長く潜れるとバーサーカーは言っていた。
→駄目だ。時間がかかりすぎるし、呼吸はともかく俺の体力が持たない。
案②:近づく。攻撃されても、もし関係ないなら傷つけられないはず。
→却下。実は戦闘前、セイバーは念話で『契闘の竜印』に抜け道がある可能性を指摘していた。やろうと思えば、キャスターは自身の宝具でこの術を無効にできるはずだ……と。
つまり、リスクが大きすぎる。
案③:シャチを攻撃してみる。無関係のシャチなら、俺の攻撃も当たらないかもしれない。当たったなら、衝撃で驚いて逃げていくだろう。
→保留。攻撃するとしても、方法が難しい。
ターンすれば減速する。水の抵抗もある。砲撃もできれば温存したい。
しかし、中途半端な衝撃じゃそもそも確かめる意味がない。
案④:陸上に戻る。シャチは地上では活動できない。
→……アリかもしれない。
俺は問題なく水中から陸上に戻れるが、ダルグレインはそうもいかないはず。
仮に「真っ二つ」になっても死んでいないとしても、ぶ厚い氷の下にある冷たい海に落ちたんだ。
アイスランドでの「落下事件」を考えれば、オオカミという動物が「水中から陸上に戻る」のは相当困難……だと思う。
ただ、陸上に戻るのは「自分の有利を捨てる」ことでもある。
俺にとって有利な戦場は、どう考えても地上より水中だ。
「でもそんなこと言ってられる状況じゃ――ないよなッ!」
セイバーのように気合を入れて礼装を吹かし、「目的の場所」に突き進む。
地上へと戻るため、少しずつ軌道を変え、大回りにターンしていく。
――同様に、シャチも速度を上げ始めた。
しかも、それだけじゃない。
少し見えただけだが……シャチの頭部が、少し光っているような。
「一体、何――が、ぁッ!?」
次の瞬間、周囲の海水ごと「全身が震えた」。
周囲の水が震え、骨が軋む。
脳の奥を刺されるような耳鳴りが走り、視界が白く弾けた。
体が痺れ、方向感覚が消える。
呼吸の代わりに、泡と血が口から吹き出た気がした。
(何だ!? 今……俺は、何をされたんだっ!?)
体は言うことを聞かないが、「エアリアル・ドライブ」は止まらず、勝手に突っ走っていく。
状況は把握できないが、どうやらまだ追いつかれていないらしい。
(まさかこれは……音か!? 水ごと、震わせて……!?)
混乱の中、少しずつ回復していく視界の端に――再び、あの「光」が映った。
(まずい――もう一度来る……!)
そして、俺は。
◆
2020.04.03 08:20 UTC / 南極 視点:ダルグレイン
(――回避、しやがった。クソッ、勘のいい野郎だ……!)
アルヴェイルが「地上に戻る」つもりだろうということは読めていた。
ペンギンがシャチの追跡を逃れるには、それが最も理にかなう行動だ。野生のペンギンなら、間違いなくそうするはずだ。
奴が上昇姿勢を取った瞬間、音波を叩き込むつもりだったのだが……
次の瞬間、アルヴェイルは体を反転させた。
逆に、深海に向けて潜ったのだ。
オレが「上昇することを読んでいる」と読んで。
結果――奴は岩礁に姿を隠し、攻撃を避けることに成功した。
攻撃の正体とは、シャチの発するエコーロケーション音波を収束させたもの。
シャチは頭部の器官から「クリック音」を発し、水中での反響を分析することで周囲の状況を推定できる。
キャスターが捕獲・改造したこのシャチは、音波を収束させた「音の槍」と呼ぶべき攻撃能力を持つに至ったのだ。
そしてそれを、内部からオレが動かしている。
――「再生魔術」の応用だ。
両断されたオレは深海に潜ませていたシャチによって素早く回収され、呑み込まれた。
オレはその体内で、シャチと「融合しつつ再生」を行い、海中での戦闘に適応した。
ついでに「一体化」しているから
もし海中に落ちたときのため、アルヴェイルの生物的本能も揺さぶりつつ戦いを続行するための策だったのだが……
(さて、面倒なことになりやがった。奴は攻撃の正体を理解できたわけじゃないんだろうが、岩礁に隠れ続けたら手を出せねェぞ)
さっき放った「部分収束」の音波では、直撃でなけりゃダメージにならない。
肉体に当たれば内部から衝撃を与えられるが、岩を破壊するほどのエネルギーは「最大収束」の音波でなければならない。
(だが、「最大収束」は反動も大きい。再生できるオレはともかく、シャチの側が内側から壊れかねん)
ならば、次の手だ。
(――やれッ!)
指示を出すと同時に、シャチは黒いサンゴ礁にも似た岩礁に突撃した。
破片が飛び散り、隠れていた小魚が逃げ出す。
だが、シャチの側には擦り傷すらない。
(よォし、魔力はきっちり通せているな……!)
オレが発動した「強化」の魔術は、シャチの体にも適用されていた。
再生魔術までは発動しないようだが、これなら。
「このまま炙り出してやるぜ、アルヴェイル! 速度のないてめぇに攻撃力なんざ無ぇんだからなぁ……!」
口ではそう言いつつも、警戒は怠らない。
アルヴェイルは物を知らないだけで、実は観察眼と直感、そして何より天運に恵まれている。
そうでなければ、何の異能もなしで最後まで生き残れるものか。
……数日前のランサー戦。
あの時ヴァースキが発動した宝具、
オレとキャスターは「停戦」中にそれを少しでも削ろうと試みたが、結局最後まで活用されちまった。
とにかく「生存」することに対し、奴はずば抜けていると言える。
(まあ、いい。そんな天運なんぞ踏み潰すほどの準備を、オレたちはしてきたんだ。ここまで来て負けてたまるかッてんだ……!)
二度目の攻撃。
岩礁は想像以上に脆く、もう一度でぶっ壊せそうな雰囲気だった。
アルヴェイルは素早く隠れ場所を変えているようだが――これで終わりだ。
シャチの頭部には音波の「収束」が完了している。
三度目の攻撃で姿を見せたところに、すかさず叩き込んでやる。
(と、言いたいところだが――奴も、オレがそうしてくると考えているだろう)
奴には、礼装の「砲撃」がある。
地上での戦いで二門ある礼装のうち片方しか使ってない以上、もう片方にはそれだけの魔力が残っているはず。
礼装の本来の持ち主、セイバー・タラスクは水中戦を得意とする竜。
海底でも火薬は問題なく炸裂する、と考えるべきだ。
アルヴェイルが「音波」の正体に気が付いていないとしても、「溜めが必要な遠距離攻撃」ということは分かっているはず。
そして、「一度足を止めなければ使えない」ことにも気が付いているかもしれない。
水中における瞬発力では、奴の方が上。
三度目の攻撃及び「音波」に合わせて突撃し、「砲撃」をかましてくる可能性はある。
(だから――こうするッ!)
岩礁にシャチの体を叩きつけた瞬間、その勢いで一気に後退する。
距離を取れば、反動の大きい砲撃はそう当たらないからだ。
破壊と共に大量の泡や煙が立ち上る。
その中に、僅かに見覚えのある白黒の影が映った。
「見つけたぜ……! そこだ、アルヴェイルッッ!!」
――シャチに攻撃命令を出そうとした、その刹那。
シャチの肉すら貫いて感じ取ったのは、焦げた鉄にも似た臭いだった。
強烈な、腐った卵のような……
(確かこれは、硫化水素の――まさかッ!?)
次の瞬間、破壊した岩礁の下から、白濁した熱水が爆ぜるように噴き上がった。
高熱の奔流に感覚器を焼かれたのか、シャチの動きが一瞬鈍る。
――それは、凄まじい偶然だった。
今いる「エレバス山」の近海は、南極でも稀に見る活火山域だ。
その地熱で温められた水が亀裂から噴き出す「浅層型熱水噴出孔」が、海底では形成されている。
オレが岩礁だと思ったのは、その上に長年硫化物・氷泥・堆積物が蓋のように積もって形成された物体だったのだ。
外部からの衝撃で破裂したそれは、一気に百度以上の放射を――!
「うおおおおおおおお――ッ!!」
そして、その水流に乗ってアルヴェイルは加速した。
礼装の勢いも乗せた、想定以上の速度による突撃。
「ちィ……! 避けろッ!」
これだけ近くては「音波の槍」は当てられないし、やっている場合じゃねぇ。
収束を解除し、回避に専念する。
「強化」されたシャチに対してペンギンが突撃したところで大したダメージにはならないが、ゼロ距離砲撃でもされたら洒落にならん。
シャチが死ねば、オレはこの水深五百メートルの深海に放り出される。
いくら再生できると言っても、「死に続ける」ようなこの環境じゃ魔力が尽きかねない。
(……いや、違う! 奴の狙いは!)
アルヴェイルは突進の後、そのまま進み続けていた。
急いで追いかけるも、間に合わない。
海面に浮かぶ氷の欠片をすり抜けて――ジェットを吹かす。
「行けぇぇぇぇっ、エアリアル・ドライブ!!」
ペンギンが、再び空を飛んでいた。
自ら切断した氷の隙間をすり抜けて、地上に戻りやがった。
「くそっ、やられた……!」
シャチを使えるのは、当然海中限定だ。
地上に戻るとすれば、オレは融合を解除しなければならない。
この氷の下からぐるっと回って岸に向かうという手間もある。
その間、奴は魔力の回復に努めることができてしまい、礼装の砲撃が再度可能になる。
最悪の事態として、セイバーとキャスターの決着がつくまで、アルヴェイルに逃げられ続ける可能性もある。
(だからこそ、短期決戦が理想だったんだがな……しかし、奴はどこまで自覚してこれをやっているんだ? それとも全て運に身を任せた結果なのか?)
脳裏に浮かぶ、「抑止力」という言葉。
それが働いているならば、この世界に大規模な変革を起こそうとするオレたちは、間違いなく「排斥」の対象だ。
アルヴェイルが、その後押しを受けている可能性は十分にありうる。
かつて根源に辿り着こうとした数多の魔術師が、抑止力の影響を受けた者によって惨殺されてきたように――
「――ッッ!?」
突如、凄まじい殺気を感じ取る。
今、それを向けてくる奴なんぞ一羽しかいねぇ。
だが、その姿が見えな――ッ!?
「横だ! 横に飛びのけェェェッ!!」
急ぎ、シャチに指示を出す。
……決してオレに、油断や慢心はなかったはずだ。
ただ、奴の無鉄砲はオレの想像を超えていた。
確かに、アルヴェイルは地上に飛び出した。
そのまま礼装と落下の勢いを乗せて――再び空から海に、飛び込んだのだ。
「うおおおおおおおおおおおおああああああああッッッ!!!」
激しい水音と共に、白い閃光が着弾した。
自らへの衝撃も顧みず、氷の海面を突き破り――
まっしぐらに、標的へと突き進む。
……「カウンターシェーディング」。
コウテイペンギンの白い腹部は、下から見上げたとき海面の光に溶け込む「自然の迷彩」だ。
礼装によって概念的に強化された擬装は、海中から見上げるオレの視界を完全に欺いていた。
更に言えば、シャチのエコーロケーションの範囲は水中のみであり、空中にクリック音は絶対に届かない。
強烈な硫化水素の臭いのせいで、鼻も利いていない。
そして、噴出する熱水から逃れようと、シャチは海面へ向かって浮上していた。
そこに叩き込まれる、狙いすましたかのような突撃。
――恐ろしいほどに、全てが噛み合っている。
「何なんだ……アルヴェイル、テメェはァァァッ!!」
絞りだした声と、肉を貫く音が重なる。
憤怒に熱された砲口が、頭部へと無慈悲に突き立てられた。
「エアリアル・ドライブ――
◇
爆発。
冷水。
意識の混濁。
全てを振り払い、オレは言葉を紡ぐ。
……口惜しいが、使うべきは今だ。
出し惜しみは、もうできねえ。
「天地を渡れッ――
瞬間、景色が切り替わる。
暗黒の氷海から、白雪の斜面へ。
「なっ、ここは……!?」
「ハァ……ゲホッ、見ての通りさ。転移してきたんだよ、地上にな。クソッ寒ぃなオイ……!」
オレはキャスターから、三種類の魔術を「刻印」されていた。
予め発動した術を冷凍保存し、オレの詠唱で解凍するような仕組みだ。
それぞれ一度ずつしか使用できず、暴発を防ぐため「攻撃能力を持たない」術に限られている。
一つ目は、一対一の戦いを定める
二つ目が、決められた範囲で転移を行う
触れている対象も一緒に転送されるため、アルヴェイルとシャチの死体も来てしまったが。
そして転移先は――キャスターが事前に設定した地点、「エレバス山中腹」。
「平地ならともかく、この坂道じゃ戦いづらいんじゃねぇのか? アルヴェイルさんよォ」
「……ズタボロのくせに、随分と余裕そうだな。ダルグレイン」
「そりゃ、薄々勘づいてるとは思うが――オレは不死身だからな。これくらい、致命傷にも入らねえ。むしろ、随分無理をしたお前の方がズタボロに見えるぜぇ……?」
「くっ……!」
さて、これはブラフだ。
確かにオレは「死ななければ復活できる」が、厳密には不死身ではない。
魔力が切れれば、肉体を再生できずに死ぬ。
それに今は「冷水で濡れた体で、南極の吹雪に晒されている」。
全身凍傷どころじゃねぇ。
再生魔術で無理やり熱を保っているが、このままじゃ持たない。
(いつぞやの遠泳を思い出すぜ……“三つ目の術”ならどうにかできるだろうが、使うには時間が無ェぞ……!)
(……否。今、その術を使うべし)
突如、キャスターの念話が思考に割り込む。
オレに質問もさせず、急かすように声は続いた。
(これより、三日間“時間を飛ばす”。――
(……なるほど、それなら行けるか。分かったぜ、キャスター)
念話が切れると共に、大きく飛び退く。
その刹那、アルヴェイルも動いた――が、すぐに旋回した。
オレが飛び越えた、シャチの死体を避けるように。
恐らく「内部に何か仕掛けている」と踏んだんだろう。
オレならやりそうだし、警戒して損はない――普段ならば。
「だが、今は違う! 今必要なのは――詠唱のタイミングを合わせることなんだよォ!」
そして、大儀式の魔方陣が大きく輝くのが見えた瞬間。
オレは、腹の底から叫んだ。
「起動せよ、第三の術――