Fate/Draco―蛇竜王戦線―   作:ぴーらー

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第73話:Revelation

2020.04.06 11:37 UTC / 南極→溶岩の荒野/大河の上空 視点:セイバー

 

「今のは……霊基偽装時のバーサーカーの宝具!?マリアナ沖の戦いで、ルーラーが食らってたヤツかッ!」

 なぜ宝具をコピーできるのか、「キングゥ」にそんな逸話あったか?という疑問はあるが、できている以上納得するしかない。一応、バーサーカー当人が「入っている」からという理屈付けはできるが……とにかく、放たれた冷気は大渦を氷の柱に変えてしまった。ついでに、キャスターも完全凍結だ。

 

「あえて解説してやるが、この宝具は“対象が抱える罪悪感”に比例して威力が上昇する。――『呑星贖環・竜胎終界儀(ファヴニール・オムニウルス・オロボロス)』で南極の生命を吸い尽くしたこと、随分と気に病んでいるようで何よりだ」

 ……「人間による環境破壊が云々」なキャスターが、勝利のため「手段を選んでいられなくなった」ためにやったあの蛮行。アレのツケが、ここで回ってきたか!ざまみやがれッ!

 

(で、どうする!?このまま砲撃開始して構わねェか!?)

 そんな視線を向けると、キングゥは何も言わず顎でしゃくる。

 (それくらいお前なら分かるだろ時間がないからさっさとやれ)という表情だが、見た目がルーラーなので違和感が凄ェ。

 

「まあいい、了解だ!一斉砲撃――始めッ!!」

 川としての形状と、「流れ」を失ったことは大きかったらしい。少し前まで砲撃をものともしなかった水の壁は、いとも簡単に崩れ落ちた!

「くッ……『優雅なる(スキタリス・スキトゥ)玉虫の彩』(ルス・ヴァリエガートゥス)!さらに滞呪解放――『火の冥山に坐すもの(カイア・マトゥピット)』!!」

 

 だが、キャスターは術を完成させた途端、即座に氷を脱する。さらに、いつの間にか近づいていた「溶岩の波」に飛び乗って逃げやがった!

 

「スキタリスは……中世ヨーロッパの動物寓話集に出てくる怪物だったか!?玉虫色に発色し、極寒でも体温を維持できる“冬眠しない”竜らしいが――コキュートスの冷気にも耐えられんのかよ!」

「もう片方の術の影響もある。カイアは、ガゼル半島のトライ文化圏で信じられている火山の神。バーサーカーの情報が正しければ、お前の『懐想・大海嘯七罪哀歌(リヴァイアサン・ロストエレジー)』を逃れたのはこの術で“溶岩の中に転移した”ため。その時点から術を維持し続け、再び解放させたんだ」

「なるほど、ありゃ奴がカイアの術で呼び寄せた溶岩流か!尾の首を切らせたのも、詠唱速度が落ちようとカバーする自信があったからだな……!」

 

 分析しつつ、周囲の自律飛行状態の礼装を回収。空を飛んでキャスターを追いかけるが……キングゥの鬼気迫る表情は、焦りというより「苛立ち」に近い。直感だが、その矛先はワシでもキャスターでも、ましてやバーサーカーでもないように思えた。ワシの視線に気がついたのか、少し顔をしかめて舌打ちした後――

 

「作戦を言う。前提として、僕はライダーの宝具――『簒奪竜の呪欲牙(アンドヴァリナウト・グラエイジル)』を、コピーできる。発動条件の“自分が致命傷を与える”ことと、“牙による咬撃”は必須だが」

 キングゥは、そう切り出した。

「ああ、ルーラーがそれで『始源の海、幼年の終わり(タムトゥ・エンウム)』を奪われたんだもんな……ちょっと待て、それって!?」

 

 それができるなら、話は大幅に変わる。キングゥは小さく首肯し、

「思ったより察しがいいな。……理論上、キャスターから『終環記章・竜蛇胎蔵界(ドラゴン・リベレイション)』を奪うことが可能なはずだ」

 マジか。マジですか。唐突に勝ち筋が一本増えたんだが?!

 

「……ちなみにこれ、『いや最初からやれよ』って聞いたらダメなやつか?」

「……ルーラーでは、【変容】による宝具のコピーはできない。できるのは、非常時のバックアップたる『SSH-EX DKIN.GU』の僕だけだ。それに、ついさっき『模倣・嘆きの氷河に果ては無く(グラシエイト・コキュートス)』を成功させるまで確証はなかった。ルーラーが死ねばゲームオーバーなのに、そんな愚を冒せるか」

 

 それはそうだ。【変容】とやらは他の武装を停止する代わりに機能しているようだし、『簒奪竜の呪欲牙(アンドヴァリナウト・グラエイジル)』も「自分の手で重傷を与えた上で、最接近して噛みつく」必要がある宝具。

 本家ライダーの無法は、『毒竜の血鎧(ブロズハムル・ファヴニール)』という反則級の耐久力あってこその戦法なのだ。

 そのために、『天命記す竜筆の書版(ドゥブ・ナムタルラ・シド・ウシュム)』の問題を抱えた上で、いきなりリスクのでかい賭けには挑めなかったのだろうが……今は状況が違う。

 ――「できない」のではなく、「やるしかない」。

 

「とはいえ【狂化:EX】のバーサーカーなら、案外いきなりやりかねん気もするがな」

「まさか。アイツはああ見えて理論派だ、“狂うタイミング”はちゃんと見極めてる」

「あー、それは同感だな。……で。キャスターの奴、地面に降りたな」

 

 伝承によれば、カイアは火山の火口の下に棲み、噴火はカイアの霊力の発現とされ恐れられたという。さらに、世界の始まりにおいては「創造者」であったらしい。

 つまり「ティアマトにとっての海」と同じように、カイアにとっての火山は――奴の「領域」そのもの。冷え固まっていた溶岩の大地が、激しく煮え立ち始めていた!

 

「神の魔力を纏った溶岩か。まともに触れれば、僕たちでも熱傷を負いかねないな」

「しかもアイツ、『楽園剥落・豊穣の断絶(カハウシブワレ・バウロ)』まで張ってねぇか!?」

 

 少し前にキャスターが上空で発動していた、「楽園の終焉と労働の強制」の領域。自分以外の動きを遅くし、さらなる疲労と消耗を課す――という性質ゆえに、味方まで巻き込む暴れ馬な術。だが、もはや奴は単騎。そこを気にする必要はなくなってしまった。

 

「残留していたものを、ここまで引きずり降ろしたのだろう。これでは、接近戦でまともに戦力になるのは僕だけか」

「……そんな自信があるってことは、ルーラーと同じで術の影響は受けねェのか?」

「当然だ。……僕は、“人類”ではないからな」

 

 その発言の意図を問う間もなく、

『SSH-001 MUŠ.MAḪ――LIMITER OVERRIDE: ACTIVE.』

「……!『盾鋼の聖獣(クストーディア・タラスコニス)』ッッ!!」

 

 信じられぬほど力強く、背中の盾を踏みしめて――その「槍」は射出された。

 さらに、リミッターを解放した黒翼から放たれる黄金の粒子が、瞬く間に無数の分身を作り出す……!

 

(しかもあの分身、単なる見せかけじゃない。すべてが「闘気」じみたエネルギーを纏っている!触れただけで常人なら消し飛びかねん密度のッ!!――本気の姐さんに勝るとも劣らない気迫だが、何か拳法でも極めているのか?それとも【変容】か?本当に何者だ、アイツ!?)

 

 困惑しつつも、キングゥを追いかけるように加速。礼装を自律飛行に切り替え、その噴射で空を駆ける。これならば、ワシが領域の影響を受けようと礼装の勢いが落ちることはない!

「さあ、どうするキャスター! 二連続宝具を受けたズタボロ状態で! “小細工など押し潰す、シンプルな強さ”を耐えられるかよッ!!」

 この距離ではやることもないので、大声でキャスターを煽ってみるが……奴の表情は変わらない。回避を行う気配もなし。術を放ち、キングゥと分身を撃墜する気配も――

 

「……否。此の身の戦略など、本質は“小細工の集合体”。蚊柱のごときものに過ぎず。されど――」

 キャスターは、右手を高く振り上げる。いや、それは振り上げたのではない。

「その集合が“巨竜”と見え続けたならば、もはや――奥義も同然だろう」

 宝具を――『始原虚識・零文之書(ゼロ・アーカイブ)』を、真上に放り投げ。

「な……っ!?」

 即座に、それは無数の紙片となって炸裂した。明らかに、元の本よりも多いページ数で!

 

(まさか、『壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)』!?確かにあの宝具、強力だが射程がねぇよなーとは思ってたがこんな活用法が……!)

 あらゆる魔術を無効化し、打ち消す宝具は――「機械ではあるが、悪魔の魔術によって生成されたルーラーの近未来装備」にも通用したらしい。分身たちは、機雷原に突っ込んだかのように次々と自爆していく!

 

(だが、闘気の爆風すべてを凌げるわけじゃない! 着実にダメージが蓄積している中で、本体の追撃を耐えられるかッ!)

 既にキングゥは、技の構えに入っている。あれは姐さんの【ヤコブの手足】よりも、さらに攻撃性に特化した格闘法――!

 

「――絶招!『猛虎硬爬山(もうここうはざん)』ッッ!!」

「遡呪――『八首贄法(やつこうにえのほう)』……ッ!」

 

 放たれたのは、素手による八極拳の奥義。文字通り「必殺」の套路が、キャスターの胸元を突き抜ける! 

「ごッ……かハッ……!」

 八岐大蛇由来の「死を七度まで遅延する」術が、辛うじてそれを受け流すが……単純な「防御」では砕かれていただろう威力。

 たまらず吹き飛ばされたキャスターを、キングゥは追いかける。

 

「まだだ……! 溶岩よ、檻を成せッ!」

 キャスターの命令で、二者の頭上に降りそそぎ、足元から湧き上がる大量の溶岩。冷え固まったそれはまさに檻、というより大量の柱じみて邪魔をする。

 「翼を広げて飛んでいる」キングゥは、『火の冥山に坐すもの(カイア・マトゥピット)』で強化された溶岩をすり抜けるか、破壊しながら進まなければならない。だが、リミッターを解放している機械の翼に、そんな耐久力は期待できん!

 

「当然、そんなまどろっこしいことはさせねェ!やれ、『エアリアル・ドライブ』ッ!!」

 偶然だが、後ろを飛んでいたことが幸いした。ついでに「繊細さが必要でない作業」だったことと、「砲撃はいつでもできる状態にしていたこと」も。

 後方からの砲撃は、冷え固まった溶岩を加熱させ粉砕する。さらに水の弾丸をぶち込み、「これから湧き出ようとする」溶岩を抑え込む!

 そして、爆風と破片、溶岩が降りそそぐ中を金色の光は駆け抜けて――!

 

「これで終わりだ……!【変容】、『簒奪竜の呪欲牙(アンドヴァリナウト・グラエイジル)』ッ!!」

 

 既に「自分の手で致命傷を与える」という条件は満たしている。牙を剥き、キングゥはキャスターの懐に潜り込んだ!

(回避は――間に合わない!これで決まったか!?決まってくれ……!)

 半ば祈るように、光の軌跡を見届ける。鋭い犬歯が、キャスターの首筋に突き立てられ、

 

「――『不着の殻城(ルー・カルコル・ド・アスタング)』ッッ!!」

「――っ!?」

(なッ……滑った、だと!?)

 

 術を発動したキャスターの全身は、夥しい量の粘液で覆われていた。

 恐らくアレは、フランス南西部の洞窟に住むカタツムリ状の蛇、「ルー・カルコル」を元にした術。

 しかも、このヌメヌメした竜は「それを倒した聖人を称える系統の敵役」ではない。「危ないから洞窟に近づくな」、という警告に使う――「倒された逸話を持っていない」タイプの怪物!

(ゆえに――大量の粘液は滑稽に見えて、初見の相手に対して「あらゆる物理攻撃を受け流せるレベルの概念防御」として機能してやがるッ! アイツ、この土壇場でなんて隠し球を……!)

 

「……やはり。此方が少しでも“咬撃”に慣れていれば、勝敗は分からなかっただろうが――『竜胆爆涛(ホロファグス・ヴァヴェルスキ)』ッ!」

「ぐ、ぐうッッ……!」

 

 次の瞬間、キャスターが繰り出したのは「これまで受けたダメージを炸裂させる」、自爆の術だった。何せ、直近に一度死ぬほどのダメージを食らっていたのだ。それを間近で「返された」キングゥの翼は、ついに耐えきれず砕け散る……!

 

(「咬撃に慣れていれば」ってどういうことだ?奴は何を見ていた?――いや、それは今考えてる場合じゃねえ!『八首贄法(やつこうにえのほう)』がある以上、奴は死なずに復活を成し遂げている……どこだ?場所はそう遠くないはずだ!)

 急ぎ、周囲を見回す。だが視界内には、

 

「……後ろだ、セイバー! お前の、真後ろに――」

「ッッ!?」

 

 墜落したキングゥの声に、急ぎ振り返る。

(ちょっと待て、真後ろだと!?気付けないものなのか、そんなのッ――)

 

「当然。――それこそが、『穿天壊地・傾界洪禍(ゴンゴン・ヌーチュウ・ブージョウシャン)』の真価」

「そして――発動せよ。『紅罪融す墜天の薔薇(ルブラ・ペカトゥム・カタクラズマ)』ァッ!!」

 

 振り返り、そこにいたのは――「双頭」の状態で復活を遂げた、キャスター・リンドヴルム。その背後には、「赤く七つの頭を持つ巨竜」が揺らめいている。

 だが、そのことに驚く余裕などありはしなかった。

 

「ぐ……がッッ……!何だよ、これァ……!?」

 それは、ワシらを凄まじい勢いで圧し潰さんとする「重力場」。

 相当な防御力を誇るワシの甲羅が、少しずつひび割れていくほどの強烈な重さ。ワシもキングゥも、一歩も動くことすらままならない。

 ……だが、奇妙なことに「ワシらの周囲の地面が潰れたり、沈んだりする」ことはない。一体、何がどうなって――

 

 

(――繋がった! ちゃんと聞こえてるか、セイバー!?)

 この念話は……バーサーカー!? お前キングゥの燃料になったんじゃなかったのか!

 

(その理解は半分だけ正解だ。ちょいと裏で「説得」を続けていたんだが、進捗がな……いや、それは今話しても仕方ない! ――いい話と悪い話があるんだが、どっちから聞きたい?)

 

 お前、事ここに至ってまだそのテンションを保つの!?……いい話からでいいから早くしろ!

 

(了ー承。――まず、キャスターが「魂の分離」をして何をしでかそうとしたのかようやく判明した。結論から言うと、すべてはこの後に行う「最終奥義」のための仕込みだ。『紅罪融す墜天の薔薇(ルブラ・ペカトゥム・カタクラズマ)』は、それを確実に当てるための布石なんだよ)

 

 布石……!?この時点で相当な威力があるってのにか!?

 

(『紅罪融す墜天の薔薇(ルブラ・ペカトゥム・カタクラズマ)』はビーストⅥ/S……もとい、「黙示録の獣」「赤い竜」、及び「バビロンの大淫婦」が元になった術だ。

ヨハネの黙示録が示した「十本の角と七つの頭」とは、ローマ帝国と皇帝……即ち、人類の権力・傲慢・暴虐を示したものだと言われる。この定義を元に出力された「赤く七つの頭を持つ巨竜の影」が、重力場となって来ているわけだが――その重さは、「人類史が積み上げてきた罪の総質量」。

「傲慢・暴食・怠惰・強欲・嫉妬・色欲・憤怒」――それら七つの罪の重さを、形なき質量として現実空間に転写し、ヒトの世を押し潰さんとしているんだよ)

 

 ……そ、そんなものが前座なのか。いや、じゃあなぜワシらはそんな重量を受けて生きてるんだ!?

 

(いい質問だ。お前も知っているだろうが、新約聖書において「悪しき竜」は最終的に天使たち――即ち「善なるもの」によって打ち倒される定めにある。つまり、術の対象が「善性」であれば、その影響が軽減されるんだよ)

 

 な、なるほど……? いや、それより「黙示録の獣」ってほぼイコールでサタンのことじゃなかったか!?お前なら対策できそうなのになんでいねぇんだよ!!

 

(あー聞こえない聞こえない! 俺だって仕方なかったの! まだ話は終わってないから黙って聞け! ――こっから先、ほぼ全部悪い話だからな)

 

 ……おう。そんな予感はしてたがな。

 

(覚悟ができていてよろしい。まず、キャスターの分離した魂は、今ロンドンの地下深くにある。奴の持つ最強最大の術……『燦然たる白亜(レイ・オブ・ジ・アルビオン)』を発動させるために)

 







キャスターの竜種魔術リスト

・『優雅なる玉虫の彩(スキタリス・スキトゥルス・ヴァリエガートゥス)』
Scitalis scītulus variegātus。
中世、中世以前のヨーロッパにおいて、動物寓話集などに描かれた怪物「スキタリス」を元にした術。その名前はラテン語の「優雅な(scitulus)」を元にしている。
玉虫色に発色する美しい体を持つこと、体温を極寒でも維持することが出来、冬期であっても冬眠しないことから、
「人間相手の「魅了」バッドステータス付与成功率をアップ+魅了判定を行う」
「術の発動中は極寒、凍結状態でも活動可能になる」術として成立している。

・『火の冥山に坐すもの(カイア・マトゥピット)』
Kaia Matupit。
ニュー・ブリテン島ガゼル半島のトライ(Tolai)文化圏で信じられている蛇の神(精霊)、カイアを基にした術。
カイアは火山の神であり、火口の下に棲み、火山の噴火はカイアの霊力の発現とされ恐れられているという。また、世界の始まりには創造者であったらしい。
この術は「火山地帯はカイアの棲み処である=そこを自身の領域とする」。
溶岩の影響を受けず、一瞬で溶岩・火山内部に潜航することも可能。

・『不着の殻城(ルー・カルコル・ド・アスタング)』
Lou Carcolh de Hastingues。
フランス南西部ランデ県の町 アスタング(Hastingues)の地下洞窟に棲む巨大な殻を背負ったヌメヌメした“カタツムリ状の蛇、ルー・カルコルの守りを得る術。
殻による防御力上昇に加え、全身を覆う粘液が攻撃を「ぬめらせ、滑らせる」ことで命中精度を著しく低下させる。触れた武器や手足も粘着して動きを鈍らせ、攻撃力を削ぐ。
加えて、この粘液の「滑る」性質は熱や衝撃といった物理現象すら「受け流す」概念効果。
炎が触れても熱が定着せず、Aランク以上の攻撃でなければ焼き切ることも蒸発させることもできない。
相手の「防御貫通」系攻撃にも一定のダメージカット効果を及ぼすため、見た目の滑稽さに反してきわめて堅牢な守りを誇る。

・『穿天壊地・傾界洪禍(ゴンゴン・ヌーチュウ・ブージョウシャン)』
Gōnggōng Nùchù Bùzhōushān。
中国神話に登場する悪神、洪水を齎す黒き竜「共工(Gonggong)」の伝承を基にした術。
水神の共工は、帝位をめぐって顓頊(せんぎょく)と争ったが敗れ、怒りのあまり不周山に頭をぶつけたという。
怒れる共工は不周山を串刺しにし、天を支える柱を折り、世界の流れを傾けてしまった。そのために天も西北に傾き、星々も西北に移動し、大河は東南に流れるようになったという。この神話の題名を「共工怒触不周山(ゴンゴン・ヌーチュウ・ブージョウシャン)」といい、その伝承を元にした術の本質は「世界法則そのものへの干渉」。
一定の範囲における「流れ」の全てが一つの川のように「一本化」する。
天地を傾かせ、星々にすらも干渉する巨獣に対して、その間はいかなるものも干渉できない(カードゲーム的に言うなら「チェーン出来ない、スタックできない」みたいな感じ)。
ただし、その術が関係した攻撃が終わった後は干渉が可能となる。



「シューティングスター・ホライゾン」装備一覧
ティアマトの産み出した11の怪物、即ちムシュマッヘ、ウシュムガル、バシュム、ムシュフシュ、ラフム、ウガルルム、ウリディンム、ギルタブリル、ウム・ダブルチュ、クルール、クサリクをモチーフとした兵装。
それに母艦ティアマト、補佐ユニットにして秘密兵器たるキングゥが加わる。

SSH-000 DTI.AMAT 「母艦」
ティアマト本人。水爆級魔力炉心により、全兵装を同時運用して余りある程の電力供給が可能。
宝具『奏で謳うは厄災の調べ(リトニー・ド・ファムファタル)』を無差別攻撃ではなく、「指向性音響兵器」として運用可能になっている。

SSH-001 MUŠ.MAḪ 「黒翼」
超高機動推進翼。最大加速時には光の粒子を纏い、マッハ十を超える。
粒子は分身としても機能する。

SSH-002 UŠUM.GAL 「主砲」
右腕装備の高火力ビーム砲。連射モードと「溜め」を行い強力な砲撃を行うモードがある。

SSH-003 BA.AŠ.MU 「副砲」
左腕装備のサブアーム。毒の弾丸、もしくは毒液を発射する。
溶解液、神経毒、幻覚毒など、地球上に存在しうる様々な種類の毒を使い分けられる。

SSH-004 MUŠ.ḪUŠ 「大剣」
折り畳み式の大型剣。「聖剣」としての特性を持ち、悪属性に効果が大きい。

SSH-005 DLAḪ.MU 「光盾」
強力な光のシールドを展開する。自分だけでなく味方を守るのにも使用可能。元となった神格「ラフム」になぞらえ、シールド自体が「神性」を纏っている。

SSH-006 U4.GAL.LA 「弾幕」
六連装ミサイル×2。追尾機能を持つ。リロード速度が群を抜いており、事実上ミサイルを発射し続けられる。

SSH-007 UR.IDIM.ME 「魔拳」
左右の掌底部、及び両足裏に内蔵された超高火力ビーム砲。
射程が短いため、零距離攻撃が前提となる。

SSH-008 GIR.TAB.LU.U18.LU 「防壁」
自動防衛システム。一定の閾値を超えるまで、ティアマトへの攻撃を無効化するシステム。
武装が消耗した場合、自動防衛の代わりに自己回復を行うこともできる。

SSH-009 U4.MI DA.AB.RU.TI 「青嵐」
風力制御ユニット。風の動きを操作し、自身を加速させつつ防弾を行う。
風の抵抗や摩擦なども防ぐ役割を持つ。

SSH-010 KU6.LÚ.U18.LU 「流転」
水力制御ユニット。海の化身として、周囲の水を操作できる。
複数の兵装を「流れるようにタイムロス無く運用する」ことにも使われている。
加熱した兵装の冷却も担当。

SSH-011 KU.SA.RIK.KUM 「天殻」
圧縮した光の粒子を、自身を中心として周囲に開放。衝撃波で敵を吹き飛ばす。
強力な分、二度までしか使用できない。

SSH-EX DKIN.GU「旗手」
戦況解析を行い、最適な行動を行うための補佐ユニット。もしティアマトが意識を失った場合にはコントロールを交代し、自律稼働させられるシステムを持つ。
【変容】により、自身が受けたことのある攻撃をコピーして発動できる。
ティアマト本人は「コピー」を1度までしか使用できないが、「キングゥ」がコントロールしている場合は出力自体が下がる代わりに、武装の最適化を行いコピーの回数を増やすことができる。
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