黒き殺意の凶弾   作:粉プリン

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今回の話は相当無理が出ています。なのでここのヒースクリフは別世界線上のヒースクリフと思ってください


デュエル

三日後、俺は55層の血盟騎士団のホームに併設されているコロッセオの様な決闘場に来ていた。周りはプレイヤーで溢れかえっているが殆どのプレイヤーはヒースクリフと黒の剣士のデュエルを見に来ているようだ。

 

「……考えてみたら知りたいなんて数えるくらいしかいないしな」

 

アルゴにシリカ、キリトに血盟騎士団のヒースクリフとアスナ、ロザリアにpHoと数えるくらいにしかいない。フレンドに区切ってみればわずか四人だ。情報屋とビーストテイマーと最強ギルドの団長と殺人ギルドの頭という濃いメンツではあるが。門兵に中に入れてもらうと入り口にヒースクリフが立っていた。

 

「来たようだね、それでは始めるとしよう」

 

「……説明の一つもなしに始まるのか」

 

「君とのデュエルはキリト君との後だ。彼が先に申し込んできたのでね」

 

「……ここにいる、時間になったら知らせてくれ」

 

「了承した。では行ってくるよ」

 

そのままヒースクリフは決闘場の選手門に向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして大きな歓声が響いた。おそらくヒースクリフとキリトのデュエルが終わったのだろう。それから少したって、血盟騎士団のメンバーが来た。

 

「そろそろ時間ですので移動をおねがいします」

 

「……了解した」

 

そのまま付いて行くこと1分、コロッセオの選手門のような場所についた。向こう側に小さく赤いのが見えるし、あれがヒースクリフなのだろう。

 

「時間ですので、お進みください」

 

案内役の指示に従って歩いて行くと、観客席から歓声が飛んできた。まぁ殆どがヒースクリフに対してのものだろうが。実際俺を見ても観客はわかっていなさそうな感じだし。

 

「それでは確認しよう。私が勝てば君は血盟騎士団に入団してもらう。君が勝てば私に対して一回だけ命令権を持つことができる。間違いはないかね?」

 

「……問題ない」

 

「そうか、それでは始めよう」

 

ヒースクリフが盾を構えたのでこちらも銃を出して構えた。本来なら血盟騎士団に入ろうが入るまいが関係ないのだが、ヒースクリフは茅場晶彦なのだ。この世界をあそこまでの盲信で創りだした男だ。自らのアバターが死ぬなら本気で自分も死ぬのだろう。それだけは阻止させてもらう。それにこれだけ沢山のプレイヤーが閉じ込められ、死んでいるのだ。遅かれ早かれ現実では茅場晶彦を捕まようと警察が動くのだろう。それまでに一度茅場と話してみたいものだ。そのために勝つ。

 

「では…………行くぞ」

 

掛け声も短くヒースクリフが駆け出した。同時にこちらも後ろに下がる。剣士相手に近接戦をする気はない。なら距離というアドバンテージを使って勝つしかない。

 

「流石は銃を使うだけとことはある。ならこれはどうかね?」

 

そう言って、ヒースクリフがスキルを発動した。

 

 

単発スキル:クイックダッシュ

 

 

敵モンスターとの距離を詰めたり、逆に逃げたりと誰もが使う地味なスキルだが、遠距離戦を好む俺からしてみれば厄介なことこの上ない。こちらのアドバンテージを食いつぶす勢いで近づいてくるのだ。悠長に銃なんて構えてられない。故に、

 

「……君も剣を使うのかね」

 

「……銃だけじゃない、剣くらい扱えるさ」

 

「それは済まなかった」

 

以前タイタンズハンドに潜入する前に作った短剣を取り出しヒースクリフと対峙する。これはブラッディリーパーという短剣で今まで作ってきたものの中でも一番の傑作だった。他にもいい剣はあったのだがこの武器には主に対人戦で有利になる付加効果があった。それは

 

「HPが減っている?!」

 

ヒースクリフもこれには驚いていた。この武器は刃の部分に接触している相手のHPを削り取り、自分のものにすると言うHP吸収やリジェネといった回復手段よりも質の悪いものがついていた。

 

「くっ!」

 

「……距離をとっていいのか?」

 

離れたヒースクリフに向かって反対の手に出したジャッカルを撃ちこむ。盾で防御されるがこちらに弾切れはない。逆に相手の盾はいつ壊れるかわからない。かと言って攻め込めば接触によるダメージが入る。

 

「……チェックメイトだ」

 

「確かに打つ手はないがそれが諦める理由にはならないよ」

 

ヒースクリフが再び斬りかかってくるが今度は一回一回、鍔迫りあいにならない様に弾きながら切りかかってきた。確かにこれなら接触ダメージを追わなくて済む。けれど舐めないでもらいたい。

 

「……こっちは戦場で命かけて生き残ってきたんだ。初心者に負けるはずないだろう」

 

弾き返す手を軽く引き手首を回す。急に剣が遠のいたため勢いを持って振っていたヒースクリフは一瞬たたらを踏んだ。その一瞬さえあれば十分だ。手首にスナップを効かせてそのまま無防備な体に向かって斬り上げる。ヒースクリフも驚異的な反射神経を見せこちらに剣を伸ばすが、ここからではすでに手遅れだ。ブザー音が響きデュエルの終わりが告げられた。

 

Winner:Draw

 

「……引き分けか。格好つかないな」

 

「いや、実際あの後続けていたら勝っていたのは間違いなく君だろう。そう考えるなら君の勝ちだ」

 

「……なら賭けはどうなる」

 

「この様なギリギリの戦いは初めてでね。

いいものを経験させてくれたお礼に賭けは君の勝ちでいい」

 

「……ずいぶん太っ腹なんだな」

 

「潔く負けを認めただけだよ。何にしてもおめでとう」

 

「……まぁいい、願いを聞いてもらう。俺は現実のお前と話をしたいのでな。このデスゲームを終わらせろ」

 

「君の望みは解放ではなかったのではないかね?」

 

「……ログアウトさせろという訳じゃない。ここで死んでも現実では死なないようにしろって事だ」

 

「それならもうすでに行われている」

 

「………………は?」

 

「私の望みは私の夢の中に浮かぶ鉄の城を再現し、観察し、記録することだ。君たちのような者を殺していては記録に邪魔が入るだけだ。死んでしまったプレイヤーは既に起きて家族のもとでリハビリ生活を行っているよ」

 

「……お前はどうなんだ?ヒースクリフ、いや茅場晶彦」

 

「私はある程度の罪には問われるだろうが、それでも私にはまだまだやるべき、いや、やりたい物がある。ここで捕まるようなことはしないさ」

 

「……それを聞いて安心した。」

 

「すまないな。それじゃあ今回のデュエルは君の勝ちだ」

 

 




クイックダッシュはオリスキルです。と言っても実際これくらいのスキルならRPGならデフォでありそうですけどね
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