ヒースクリフとのデュエルが終わって一週間した日、前触れなくアルゴからメッセージが来た。55層の血盟騎士団の本部に集合して欲しいとのことだ。理由は特に書いていなかったがクエストを受けているわけでもないため消費したアイテムを補充してから向かった。辿り着くと見知った顔が何人かいた。最もこちらから話しかけるような事はしないが。だいぶ人数が集まり始めると大きな机を囲んで椅子に座り始めたので自分も着席した。すると隣にアルゴが座ってきた。
「おっ、レン坊来たネ。もうすぐ会議が始まるヨ」
「……なんの会議だ、こっちは前情報も貰っていないぞ」
「ラフィンコフィンってギルドの事、前に話しただロ?そのギルドを今日倒そうって話しらしいゾ?」
「……お前は参加しないだろう?なぜここにいる」
「普通に呼んでもレン坊は来なかっただロ?だから私が呼び出す役だっただけサ」
「……好きにしろ」
どちらにしろ自分はPohに協力している身なので時間さえ分かればそれでいい。いつの間にか膝上にちゃっかり乗っていふアルゴを尻目にバレないよう眠った。
「レン坊起きてるカ?会議とっくに終わったゾ」
頬を叩かれたので目を覚ますとアルゴが目の前にいた。どうやら会議も終わったらしい。立ち上がり外に出るとアルゴが話しかけてきた。
「レン坊は討伐戦出るのカ?」
「……会議に出たんだ。これで来なかったら情報を流したとでも疑われるぞ」
「それはそうだけド……」
そのままアルゴは一言も発さず俺は転移門の方へ歩き出した。
「レン坊、また明日。午後の八時だからナ」
「……あぁ」
転移門を使い、その後転移結晶で前にPohに連れて来られた下層の洞窟に来た。仲に入ってみるとラフィンコフィンのメンバーだと思われるプレイヤーが沢山いた。
「誰だお前?いや、誰でもいいや。どっちにしろ部外者がここを知っちまったんだ。殺すしかねえ」
一人のプレイヤーが短剣を片手にニヤニヤしながら歩いてくるがはっきり言って隙だらけだ。なので、
「……殺すならこうだ」
「ハァ?……!グッ」
速攻をかけ足を払うと頭を地面に叩きつけて腕を捻り、膝で押して手は足を固定する。残った片手でプレイヤーの首元にブラッディリーパーを押し付ける。
「……これが手本だ」
「Congratulations!流石だよ、鮮やかな手際だった」
「……いたならさっさと出てこい」
「いやぁ、レッドがどれだけ殺れる奴か試したかったの」
「……まあいい、ラフィンコフィン討伐の日付が決まった。明日の午後八時だ」
「ふーん?夜中に殺しに来るなんて馬鹿な連中なのかな。いいよ素敵な素敵なパーティだ!」
「……用はこれで終わりだ。帰らせてもらう」
「はいはい、明日ねー!イッツ・ショウ・タイム!」
監視の目から逃げ出せることにテンションが上がったのか、Pohが飛び跳ねてるが明日は自分がいないとそれも水の泡になるのでさっさと宿に帰ることにした。
次の日の夜、予定されていた時刻に全員で集まると早速下層の洞窟へ向かった。昨日の宣言通りアルゴも着いて来ていた。本人は戦わずバックアップ的なポジションらしい。しばらく歩くと昨日来た洞窟に辿り着いた。メンバーの半分を入り口に残し残りの半分を中に突入させる。中に入ると洞窟特有の湿った空気が流れこんでくる。最も昨日来たばかりなのであんまり珍しくもなんともなかったが。
「そろそろだ、気をつけろ」
キリトが注意を促しメンバーが頷いたと同時に、ラフィンコフィンのメンバーが斬りかかってきた。そこからはあちらこちらで乱戦状態になった。さっさと終わらせるためPohを探すとちょうどキリトと戦っていた。Pohの斬撃を防ぎキリトがこちらまで飛ばされたので銃撃し、こちらに意識を向けさせた。
「ワォ、銃使いまで出てくるなんて。私人気者で困っちゃうなー!」
「……随分減らず口を叩くんだな」
こちらで会話をしつつキリトから意識を逸らす。後ろからキリトが回りこんで隙を伺っているので一発撃ち込んだ。Pohは簡単に避けるがその瞬間を突いてキリトが突撃した。少し焦ったらしくPohが反撃とばかりにメイトチョッパーを合わせて振るうがそこに銃弾を撃ちこむ。当然避けられず直にくらい吹き飛んだ。そのまま倒れ伏したPohの頭に銃を突きつけた。
「………………いいか?」
「オッケー♪」
小さく尋ねると返事が返ってきたので少しずらし背中に三発撃ちこんだ。その攻撃で纏っていたコートがポリゴン状に破裂した。Pohも消えたので上手く転移できただろう。他のラフィンコフィンのメンバーも聞かされていなかったらしくPohが消えたことにより明らかに戦意が落ちていた。そこから崩れるのは早く被害が出ることなく二人ほど逃したがおおよそ全員を捕え監獄エリアに投獄することとなった。なんとも演技臭かったが仕方ないだろう。誰も気づいている節がないので成功だろう。正直どうでも良かったので入り口で待機していたアルゴと一緒に帰った。