黒き殺意の凶弾   作:粉プリン

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75層攻略会議

「先遣隊が全滅した?!」

 

75層攻略会議の場で発したヒースクリフの言葉に誰もが驚いた。

 

「そうだ、報告によると先遣隊の半数がボス部屋に入った後突然扉が閉まり解除不能になったようだ。その後10分ほどで扉は開いたが中に誰もいなかったらしい。念のため始まりの町の石碑に確認に向かわせたが死亡が確認されている」

 

誰もが押し黙り会議に暗い雰囲気が漂い始めた。先遣隊でも50人体制で行っていた。それの半数が僅か10分ほどで全滅するなど到底考えられない事だった。クォーターポイントだという事を除いても、この上に後25層ある事を考えても絶望的な戦力差だった。

 

「そこで私から先に言っておく。今回のボス攻略戦は極めて危険だ。おそらく被害も甚大な物と予想される。だからこそ参加、不参加は各個人の自由とする。不参加の者だからといって何かあるわけではない。個人の賢明な判断に任せよう」

 

ヒースクリフがそう言うとそこらかしこで辞退者が手を挙げた。結果残ったのはヒースクリフを始め30人程度だった。それも士気は最悪の状態。キリトやアスナなどの上位組もいるがはっきり言って戦力差は大きすぎた。

 

「……こんなんで勝てるのかよ」

 

誰ともなく呟いた一言でさらに場が重くなった。だからこそ

 

「……一度でいい、俺にやらせてくれ」

 

レッドの発言に全員が首を傾げた。

 

「……何を言ってるの?先遣隊の半数が10分でやられたのよ。ここで一人で行って何が出来るの?」

 

「……俺一人がやられるなら損失はないだろう。情報は手に入る。可能性は低いがそのままボスを倒すかもしれない」

 

「レッド君、君も攻略組の戦力の一人だ。ここで失うのは十分に損失ではないのか?」

 

「……最後に俺が参加したのが67層だ。今更攻略組と言われてもな」

 

「……あんた一人で勝つ勝算はあるのか」

 

「……1層のボスを倒したのは俺だ」

 

周りがざわめいた。所々から嘘だろ、冗談を言うなと野次が飛んできたが

 

「全部本当のことサ、オイラが一緒に同行してこの目で見タ」

 

アルゴが証言したことで野次も収まった。それでも信じていなさそうではあったが。

 

「……とにかく、明日ボスに挑む。ついてくるなら来ればいい」

 

それだけ言って会議室から退出した。外に出てしばらくすると

 

「レン坊!」

 

歩いていると後ろからアルゴが走ってきた。

 

「……なんだ」

 

「なんだ、じゃない!一人でボスに挑むなんて無謀サ!」

 

「……1層でも同じ事をしただろう」

 

「それとは状況が違ウ、クォーターポイントのボスだゾ!自分から死にに行くようなもんダ!」

 

「……それがどうした。リアルとやる事は変わらない」

 

「……レン坊の分からず屋!」

 

アルゴが来た道を走って引き返していった。少し気になったが、結局は気のせいと思いホームに戻った。

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