黒き殺意の凶弾   作:粉プリン

7 / 13
アスカロン

朝起きると目の前にアルゴがいた。

 

「……………は?」

 

傭兵で戦場で生きてきたからかあまり驚くということがなかったが流石にこれは驚いた。と言うか、昨日寝る時に騒いでいたのはもしかしてアルゴなのか?

 

「………ん」

 

考えているとアルゴが起き始めた。このままじゃ顔を合わせて気まずくなりそうなので先に起きてるか。ベッドから降りて装備品やアイテムの確認をしてるとアルゴが起き出した。

 

「ふぁ……………えっ?……レン坊?」

 

「……なんだ?」

 

「………ななななんでここんなところに?!」

 

「……それは俺が聞きたい、なぜお前がいるんだ」

 

「ここ私がとった部屋だよ!」

 

「……そうなのか?」

 

確かによく見てみれば昨日とった時に見た部屋と少し違った。寝る前にアイテム補充をして部屋に入るとき眠くて間違えたのか。

 

「……すまなかった。俺のミスのようだな」

 

「わ、分かったから出てて!」

 

アルゴに追い出されるように部屋から出されて、自室に戻った。しばらく待ってるといつもの格好になったアルゴが入って来た。

 

「……さっきは済まなかったな」

 

「もういいヨ、今度なにか手伝ってもらうかラ」

 

「……そうか、ところでなにかいい情報はないか?」

 

「うーん、そう言えば39層で鍛冶屋専用のクエストがあったナ、レン坊は確かマスタースミスだったし行ってみれバ?」

 

「……どうしたんだ?お前がタダで情報を渡すなんて」

 

「どういう意味だイ!」

 

アルゴが怒る前に早く逃げるか。

 

「待ちなヨ!レン坊!」

 

 

 

 

 

 

 

39層の町に来たがクエストの場所が分からず街を歩いていると、プレイヤーが集まっている広場を見つけた。

 

「……それで、これは何をするクエストなんだ?」

 

「あそこにいる人がクエスト起動のNPCじゃないカ?」

 

見ると、確かに何人かのプレイヤーが話しかけていた。

 

「……俺も鍛冶のクエストを受けたいんだが」

 

「あんたも鍛冶屋なのか!それなら今から渡す素材だけを使って好きな武具を作ってみてくれ!作った物の中で一番いいと思った奴を渡してくれればそれをランキングに載せる。一番強いものを作った奴が優勝だ!優勝したら参加者が作ったもんを全部貰える。やってみるか?」

 

「……つまり負けても損はないわけか」

 

「面白そうだしやってみてもいいんじゃないカ」

 

「……お前は仕事はないのか?」

 

「今日は休みなんだヨ!」

 

「(祝日があるのか?)分かった、クエストを受けよう」

 

「なら名前をここに書き込んで、そうしたら素材を受け取って空いてる屋外用簡易鍛冶場で始めてくれ。注意だが4時までにここに持ってこなかったらランキングには乗らないからな。それと素材はこの街から出るか今日が終わったら自然消滅する。もちろん売ったり交換なんてできないからな!それじゃあ頑張れよ!」

 

「……それじゃあ始めるか」

 

「そう言えばレン坊は早い段階でマスタースミスになったナ、他にもスキル値がカンストした奴があるって聞いたゾ」

 

「……誰に聞いたんだ?」

 

「ただの噂だヨ、でも火のないところに煙は立たないって言うだロ?」

 

「……ただの噂だ、信憑性のない話を情報屋が信じていいのか?」

 

「こう言う噂も意外と必要なんだヨ、情報屋にはナ」

 

「……そうか」

 

「ところで、何を作ろうとしてんダ?」

 

「……両手剣だ」

 

「両手剣?レン坊は使ったことあるのカ?」

 

「……ある話を思い出してな、とある作家が書いた本を読んだ者が考えた話なのだが。『作中に登場する全長50フィートの悪竜が実在するものとして、その悪竜を切り殺すために必要な剣の理論値とは何か』というのを徹底的に計算し尽くして作り上げられた兵器だ。」

 

「そ、そんなものが実在するのカ?」

 

「……そんなわけ無いだろう、あくまで話を読んで計算をして設計しただけだ。実際に作ったら重さ200kgの鋼の塊だ。誰も持てないだろう。」

 

「そんなものを作ってるのカ?と言うか、作れるのカ」

 

「……鍛冶をしていての体験だが考えながらやればある程度方向は掴むことができる。」

 

「…………本当にそれだけなのカ」

 

「……それだけだ」

 

「まぁいいサ。いつか聞き出してやるからナ!」

 

「……そうか、出来たぞ」

 

「速いナ?!もう出来たのカ」

 

「……ユニークスキルではないがマスタースミスになると追求型か即急型か選べるんだ、追求型は時間はかかるが質が良く、即急型は質を犠牲に短時間で作り出すことが出来る」

 

「それは初めて聞いたナ、レン坊は即急型なのカ」

 

「……………………あぁそうだ」

 

「なんで今返事が遅れたのかは聞かないでおくヨ」

 

「……有り難い、行くぞ」

 

出来た両手剣をアイテム欄に入れて主催者のNPCのところに向かった。

 

「……出来たぞ」

 

「なら早速渡してくれ、渡したら最後取り消しはできないから注意してくれ!」

 

NPCに両手剣を渡すと壁の金具に飾りながら驚いていた。

 

「ずいぶんデカイ剣だな!こんなサイズは見た事ねえぞ。名前はなんて言うんだ?」

 

「…名前か。…………アスカロンだ」

 

 

 




マスタースミスの追求型かと即急型はオリジナルの設定です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。