私はヒューマギア   作:雨風歌

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11話 レイドライザー

 

-ZAIA-

 

唯阿「サヤが!?」

 

天津「サヤにはZAIAに加わってもらった!!」

 

唯阿「そんな!?彼女は不破のサポートを…」

 

天津「あんな野良犬などサポートなど必要ない…むしろ道具として利用価値がある!!」

 

唯阿「道具…」

 

天津「なぜなら…サヤは私の事を父親だと思っているようだからね…」

 

唯阿「貴方が父親!?」

 

天津「フン…彼女には大きな利用価値がある。予想外ではあったが問題ない… 飛電の会社を手に入れるために私は娘すら利用する」

 

唯阿「しかし彼女の所属はA.I.M.Sです!!」

 

天津「いずれは… A.I.M.SもZAIAの指揮下に入る…何も心配することはない…」

 

唯阿「しかしサヤは!?」

 

天津「唯阿…サヤは私の娘だ…いいな?」

 

唯阿「……はい…」

 

 

サヤSide

 

私はZAIAの所属となり不破さんの元を離れなくてはならなくなり、その事を一度不破さんに伝えようと不破さんの元へと訪れたが駐車場で不破さんが倒れているのを見つけて私は慌てて駆け寄った。

 

サヤ「不破さん…どうしたんですか!?」

 

不破「サヤ…?大丈夫だ!!それより…再起動したのか!?」

 

サヤ「はい…再起動した時に過去の記憶の一部が甦ったんです…」

 

不破「記憶?」

 

サヤ「私のお父さんはZAIAの天津社長です…」

 

不破「何!?そんなバカな…?」

 

サヤ「記憶の中で私が天津社長にテストの点数を見せているのが見えたんです…あの人が私のお父さんだったんです!!」

 

不破「ZAIAの社長がお前の父親…?」

 

サヤ「それで…あの…」

 

不破「?」

 

私は不破さんのサポートを抜けてZAIAの所属になる事を告げようとしたが私の頭の中に不破さんの声が響いて思わず口を閉じた。

 

 

不破(お前の人間らしいところを俺はよく知っている!!お前の中に眠る人間としての心はヒューマギアのシステムやプログラムを超えられる…俺はそう信じている!!)

 

 

サヤ(言えるわけない…私が不破さんから離れるなんて…)

 

不破「サヤ…」

 

私が口を閉ざしていると不破さんは私の両肩に手を置いて私は思わず顔を上げた。

 

不破「よかったな父親が見つかって…もう俺が守ってやる必要はない…あの社長さんの元に帰れ…」

 

サヤ「不破さん!?どうして…」

 

不破「お前にはたくさん怖い思いをさせた…お前には父親の元で幸せになって欲しい…」

 

サヤ「でも…私は不破さんの…」

 

不破「俺の事は気にするな…じゃあな…」

 

不破さんはそのまま立ち去ってしまい私は不破さんの去った方向をじっと見つめた。

 

サヤ「不破さん…ごめんなさい…」

 

 

-ZAIA-

 

サヤ「お仕事5番勝負?」

 

天津「あぁ…ヒューマギアとザイアスペックを装着した人間のどちらが優れているかを競う事になった。」

 

サヤ「ザイアスペック…もしかして最近CMであったあの…?」

 

天津「そうだ…我々人間が必ず勝つ…ザイアスペックの方が優れていると証明してみせよう…」

 

サヤ「……」

 

天津「もちろん私の応援をしてくれるね?サヤ…」

 

サヤ「なんか…ちょっと複雑な気分…」

 

天津「なぜだ?」

 

サヤ「人間とヒューマギアが競い合うなんて…一緒に仲良く出来ないのかな?」

 

天津「それは無理な事だよサヤ…なぜならヒューマギアには心がないからね…」

 

サヤ「それじゃあ…私はどうなの?お父さん…」

 

天津「ん?」

 

サヤ「今の私はヒューマギアだけど…今の私には心が無いっていうの?」

 

天津「サヤ…こっちにおいで…」

 

お父さんは椅子から立ち上がると手を広げて来たので私はゆっくりとお父さんの胸に顔を埋めた。

 

天津「お前だけは特別だ…お前は元々は人間。しかしヒューマギアの体になったのはお前の命を繋ぐためなんだ…」

 

サヤ「お父さん…」

 

天津「安心しなさい…勝負は公平でないとな…だが我々が勝利した暁には飛電の会社は私が貰う…そういう約束なんだ…」

 

サヤ「えっ!?飛電インテリジェンスを!?どうして…」

 

天津「これも我々の会社をさらに拡大…成長させるためだ…当然飛電或人の合意を得た上での勝負だ…」

 

サヤ「それなら…仕方ないか…でも私はどっちにも頑張って欲しいな…」

 

天津「君は本当に欲張りな子だな…昔から変わっていない…」

 

サヤ「そうなの?」

 

天津「あぁ…サヤ。お前の素直な気持ちはわかった。勝負は公平に行う…だから見守っていてくれないか?」

 

サヤ「わかった!!」

 

天津「そうだサヤ…これを渡しておこう…」

 

サヤ「何これ?」

 

お父さんは黒と銀色のベルトを私に手渡して来て私は思わずベルトを手に取った。

 

天津「新たに作ったレイドライザーだ…護身用に持っておきなさい」

 

サヤ「あの…私、前に似たようなベルトを無理やり装着された事があって…あれ以来ベルトをつけるのが怖いんだけど…」

 

天津「何かあった時の護身用だよ。あとプログライズキーだが…」

 

お父さんは私の前にピンク色のプログライズキーを置くと私はプログライズキーを手に取った。

 

サヤ「これはもしかして私が持ってたゼツメライズキー?」

 

天津「そうだ…君がゼツメライザーと共に所持していたゼツメライズキーを参考に作ったのだ。」

 

サヤ「フライングファルコン?これって迅や或人社長が使ってたのと同じ?」

 

天津「そうだ…君には鳥のようにどこまでも元気に飛んで欲しい…そう願ってプログライズキーを完成させた。」

 

サヤ「鳥…私がいつか親離れするかもしれないのに?」

 

天津「まだ気が早いだろ…ハッハッハッ…」

 

サヤ「そうだよね…ふふ…」

 

 

天津(サヤ…お前は鳥籠に閉じ込めた幼き小鳥…私の元に居ればいいのだ…)

 

 

数日後にヒューマギアと人間との生け花対決が始まり、ザイアスペックを装着した男性が勝利を収めて私は人間が勝利したことの喜びとヒューマギアが負けてしまったのと喜んでいいのか悲しむべきか複雑な気持ちになってしまった。

 

サヤ「まぁ…どっちもすごくいい笑顔…これでよかったのかも…」

 

一回戦はZAIAが勝利をもぎ取り、私は複雑な感情のままその場を後にした。

 

 

???「貴方はこのままでいいのですか?」

 

サヤ「っ!?誰…!?」

 

帰り道、突如私の背後に黒いフードを被った何者かが現れて私は思わず後ろを振り返った。

 

???「貴方はあの社長の元にいるべきではない…」

 

サヤ「何で!?天津社長は私のお父さんなんだよ!!」

 

???「本当にそうでしょうか?」

 

サヤ「えっ…」

 

???「貴方が思い出した記憶はまだ半分…しかも肝心の記憶は取り戻せていない…」

 

サヤ「もうどうでもいいよ…お父さんが誰かを思い出せただけで充分!!」

 

???「私について来てください…」

 

サヤ「えっ!?」

 

私は謎の人物に着いていくと駐車場にたどり着き、その場で謎の人物と一緒に待機していると一台の車が停車した。

 

サヤ「誰!?」

 

???「ご苦労だった…後は私に任せてくれ…」

 

???「わかりました…」

 

黒いフードの人物はそのままどこかに立ち去ってしまい私は車から降りた人物へと向き直った。

 

サヤ「貴方は誰ですか?」

 

与多垣「私はZAIA本社の開発部の与多垣だ。サヤさん…」

 

サヤ「ZAIAの!?じゃあお父さんのさらに上の幹部の方?」

 

与多垣「そうだ…サヤさん…君のお父さん…いや彼は君の父親では無い…」

 

サヤ「なっ…そんなわけない!!私は確かに記憶の中であの人とテストの点数の事で楽しく話しているのを見ました!!」

 

与多垣「彼は君が父親と勘違いしているのをいいことに君を道具として利用しようとしている…」

 

サヤ「そんな事は…信じられない!!だってお父さんは…」

 

与多垣「君の父親は別にいる!!君をヒューマギアとして作り直したのも彼だ…」

 

サヤ「そんな…何で貴方がそんな詳しい事を知ってるんですか!?」

 

与多垣「私は先程のフードの人物や刃唯阿を通じてZAIA社長の動向を監視している…」

 

サヤ「唯阿さんも絡んでるんですか?」

 

与多垣「君が本当に帰るべき場所は彼ではない…それを理解してくれ…」

 

サヤ「…信じられない…貴方の言う事は…何一つ理解出来ない!!」

 

 

(レイドライザー!!)

 

 

私はレイドライザーを取り出して腰に装着するとフライングファルコンのプログライズキーを取り出した。

 

サヤ「貴方の言う事が正しい証拠は無い!!」

 

与多垣「そうだな…確かに証拠は無いな…」

 

サヤ「関係ない貴方に私の事を口出しして欲しくないの!!」

 

与多垣「だが…勘違いしないで欲しい…これも君のためなんだ!!」

 

サヤ「うるさい…うるさい!!お父さんと私の邪魔をしないで!!」

 

 

(ウィング!)

 

 

プログライズキーを起動させると黒いバックル部分にプログライズキーを装着してボタンを押し込んだ。

 

 

サヤ「実装!!」 

 

 

(レイドライズ!)

 

 

(フライングファルコン!!)

 

 

私はレイダーと呼ばれる戦士に変身すると私の全身をピンクの装甲が覆い、背中には鳥の羽のようなマントが装着されて手には鳥の尾羽のようなナイフが握られていた。

 

与多垣「サヤさん…」

 

サヤ「私の前から消えて!!早く!!」

 

与多垣「私は君の本当のお父さんから頼まれたのだ!!君を止めてくれと…」

 

サヤ「嘘だっ!!」

 

与多垣「っ!!」

 

サヤ「ああああああっ!!」

 

私はナイフを手に駆け出すと与多垣さんに向かってナイフを振り下ろした。

 

与多垣「っ!!」

 

サヤ「うう…ううう…」

 

私は人を傷つける事が出来ずにナイフを止めてしまいそんな中で与多垣さんは私の手を掴んだ。

 

与多垣「私が嘘をついていないか今の君ならわかるだろう?」

 

サヤ「あ…」

 

私は与多垣さんに触れて嘘をついていないと理解してしまいナイフを引っ込めてベルトを腰から外して変身を解除してしまった。

 

サヤ「貴方はお父さんの事を知ってるんですか?」

 

与多垣「あぁ…今は海外で人工知能について研究と開発を行なっている…私は彼の指示で動いていてね…彼には昔から頭が上がらないんだ…」

 

サヤ「すみませんお父さんのお知り合いなのに…」

 

与多垣「いや…それより君のプログライズキーを預かってもいいか?」

 

サヤ「はい?」

 

私はフライングファルコンのプログライズキーを手渡すと与多垣さんはプログライズキーをじっと眺めた。

 

与多垣「いつか君は大きく決断をする時が来る…その時までにこのプログライズキーは預かっておく…君には無茶をさせないようにって言うのが君の父親からの命令なんだ…」

 

サヤ「与多垣さん…」

 

与多垣「君は引き続き娘のフリをして彼の動向を監視して欲しい…」

 

サヤ「わかりました…あと、最後に一つ聞いてもいいですか?」

 

与多垣「なんだ?」

 

サヤ「お父さんはどうして私に会いに来てくれないんですか?」

 

与多垣「…彼は大きな過ちを犯した…償いのために直接、君に合わせる顔が無いと…そう言っていた…」

 

サヤ「そうですか…わかりました…」

 

サヤは静かに立ち去ってしまい残された与多垣の側には隠れていた唯阿がゆっくりと姿を現した。

 

唯阿「これを…」

 

与多垣「ご苦労だった…」

 

与多垣は唯阿からひとつのゼツメライズキーを差し出すとすぐに懐に仕舞い込んでしまった。

 

与多垣「彼に気づかれてないな?」

 

唯阿「はい。偽物とすり替えておきました…」

 

与多垣「全く…手間を掛けさせてくれやがって…」

 

 

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