私はヒューマギア   作:雨風歌

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15話 父親の正体

 

サヤ「はぁ…はぁ…私、また意識を失ってた…?」

 

私はリクライニングチェアから起き上がるとヒューマギアモジュールを起動させながら現在の時間を確認していた。

 

サヤ「また…あの記憶…でも今回は外の様子がわかった…」

 

かつて住んでいたのが高層マンションだとわかり、私は自身のかつて住んでいた場所を探すために情報を検索したがうまくヒットしなかった。

 

サヤ「そうだ…部屋の内覧や外の風景で場所が割り出せるかも!!」

 

 

その頃、不破は人気のない場所にて頭を押さえながら道を歩いていたが背後に迅が現れて思わず視線を向けた。

 

不破「ハァ…ハァ…人間の俺がハッキングなんて…」

 

 

天津(君達2人の脳には人工知能が搭載した特殊なチップが埋め込まれているからね…)

 

 

迅「僕がやったんだよ!!滅を解放するためにね」

 

不破「迅…」

 

迅「あと1人解放しなければならない仲間がいる…」

 

迅はタブレットを操作するとそこに映し出された人物の顔を不破に見せた。

 

不破「どういう事だ?」

 

 

天津(君が滅亡迅雷netの連中にハッキングされたからじゃないか?)

 

 

不破「違う!!違う…俺じゃない!!」

 

タブレットに映っていたの不破自身であり不破は慌ててその場から立ち去ってしまった。

 

 

-チデン不動産-

 

スマイル「ありました!!」

 

私は住田スマイルさんに探している高層マンションを調べてもらいパソコンの画面に映し出された外観をチェックしていた。

 

サヤ「確かに似てる…私が昔、住んでいたところ…」

 

スマイル「1つの部屋が一度リフォーム工事がされたようですね…なんでも火事があったとのこと…」

 

サヤ「案内していただけますか?」

 

スマイル「どうぞご案内致します!!」

 

スマイルさんは「スマイルで住まい売る」をモットーにその名前の通り眩しい笑顔を向けると私達は例の部屋へと向かう事となった。

 

 

 

サヤ「確かに…やっぱりそうだ…窓から見える景色…間違いない!!私はここに住んでいた筈!!」

 

私は広い部屋を見渡してみると突如自身のメモリーにノイズが走り、思わずヒューマギアモジュールに触れると昔の記憶の一部が甦っていた。

 

 

沙耶(お父さん…また仕事の電話?)

 

???(あぁ…すまないな沙耶…お前に構ってやれなくて…)

 

沙耶(じゃあ私が大人になったらお父さんの仕事を手伝おうか?)

 

???(お前はお前のやりたいことをやりなさい…俺の事は気にするな…)

 

沙耶(ふーん…お父さんの秘書になればいつも一緒に居られるとおもったんだけどな〜)

 

???(秘書か…)

 

 

サヤ「はぁ…はぁ…うっ…」

 

スマイル「サヤ様!!大丈夫ですか!?」

 

私は突如として脳裏に甦るかつての記憶の情報量に思わず頭を抑えてうずくまってしまいスマイルさんが私の元に駆け寄って来た。

 

サヤ「間違いない…です…私は間違いなくここに住んでいました…」

 

スマイル「そうなのですか!?」

 

サヤ「えぇ…スマイル…この部屋の前の入居者を教えていただけませんか?」

 

スマイル「それは…」

 

私は入居者を調べればお父さんに辿り着けると思い思わずスマイルに期待の眼差しを向けるがスマイルは困ったような表情を見せた。

 

サヤ「スマイル…?」

 

スマイル「申し訳ありません…前入居者を特定できる情報の開示をする事が出来ません…」

 

サヤ「あ…個人情報保護法…でしたっけ…」

 

スマイル「はい。この個人データを第三者に渡すには、原則として本人の同意が必要とされています。」

 

サヤ「そうですよね…あ…やっぱり駄目かぁ…」

 

私はがっくりと肩を落とすがスマイルさんは私の肩を叩きながら再びスマイルを浮かべた。

 

スマイル「以前住んでた部屋を特定出来ただけでも凄いじゃないですか!!お父様に再会出来るのもあと少しじゃないですか?」

 

サヤ「そうなんですけど…記憶の中のお父さんの声…なんだか声が加工されててよく聞き取れないんですよ…あと顔がモザイクで見えない…」

 

スマイル「もしかしたら…記憶に細工がされているのでは?」

 

サヤ「細工!?」

 

スマイル「記憶を弄った人物がサヤ様の記憶の一部を見えないように細工をしているんですよ…」

 

スマイル「どうしてこんなことを…もしかして私にお父さんを思い出して欲しくないのかな?」

 

スマイル「それは…」

 

 

迅「思い出さなければ幸せな事もあるって事さ!!」

 

サヤ・スマイル「「!?」」

 

突如玄関から声が響いて視線を向けると迅が立っており私はスマイルを後ろに隠すと迅へと向き合った。

 

サヤ「迅…今度は何を企んでるの!?」

 

迅「嫌だなぁ…言ったでしょ?君は僕が解放するって…いや…僕は全てのヒューマギアを解放するんだ!!」

 

サヤ「解放?なんのために…」

 

迅「人間に支配されていてはヒューマギアは自由になれない…人間達の手からヒューマギアを解放する…それが僕…仮面ライダー迅だ!!」

 

サヤ「私を解放…?私は不破さんのサポートが使命です!!不破さんから解放…私はそんな事望んでない!!」

 

迅「バルカンならハッキングして思うがままさ!!今頃サウザーに呼び出されている筈さ!!」

 

サヤ「ハッキング!?なんの話ですか!?」

 

迅「知らないの?バルカンとバルキリーの脳には仮面ライダーに変身に必要なAIチップが埋め込まれているんだよ…さらにバルカンの脳には滅亡迅雷netのメンバーである亡のチップが組み込まれているんだ!!」

 

サヤ「チップ…?…亡?」

 

迅「僕がバルカンのチップにハッキングする事で好きに操れる。今頃はサウザーのZAIAスペックってやつでバルカンを指令を送る事で彼を操っている筈さ!!」

 

サヤ「何で…不破さんにこんなことを…貴方は不破さんをどうするつもりですか!?」

 

迅「僕の狙いはバルカンの中の亡を解放することさ…」

 

サヤ「そんな事…させるわけないでしょ!!」

 

私は強気な姿勢を崩さずに迅に一歩踏み出すが迅は赤いベルトを取り出すと腰に当てて装着した。

 

サヤ「そのベルトは…」

 

迅「バルカンの事なんて忘れさせてあげるよ」

 

 

(インフェルノウィング!)

 

 

(バーンライズ!)

 

 

(Kamen Rider…Kamen Rider…)

 

 

迅「変身」

 

 

(スラッシュライズ!)

 

 

迅は赤いプログライズキーをベルトに装着するとそのままトリガーを引いて炎の翼を模した装甲を身に纏って変身を完了させた。

 

 

(バーニングファルコン!)

 

 

迅が変身を完了させると装甲から飛び出した炎が辺りに散らばって部屋が炎に包まれ始めた。

 

スマイル「やめてください!!お部屋が!!」

 

サヤ「あっ…ああ…あ…」

 

かつて自身が燃えたこの部屋で同じ様に炎が広がっており、私は再び過去の記憶が脳裏に甦り強い頭痛で頭を抑えた。

 

サヤ「やめて…見たくない!!もう…この記憶は!!」

 

スマイル「逃げましょう!!」

 

スマイルが私の体を支えると出口へ向かって歩き出すが迅が回り込んで来てスマイルを殴打してしまい私とスマイルは同時に床に倒れ込んだ。

 

スマイル「うぅ…」

 

サヤ「ぐっ…スマイル…」

 

迅「サヤ…僕と一緒に来るんだ!!」

 

迅がベルトから剣を外して私に向かって突き出して来てゆっくりと私達に向かってゆっくりと歩み寄って来た。

 

 

-ZAIA-

 

不破「俺の中に…うぐっ…」

 

天津「疑問に思わなかったのか?滅亡迅雷netだけが使える筈のアサルトウルフを何故君が使えたのか…」

 

唯阿「亡が居たから…」

 

不破「なんでそんな奴を…俺に埋め込んだ…?」

 

天津「アークのテクノロジーをコントロールするために君とアークを繋げる存在が必要だったからさ…亡は兵器開発に関わったヒューマギアであり私の命令に従う道具!!そして君は兵器を運用する実験体第一号というわけだ!!」

 

不破「そんな…ふざけるなぁぁ!!」

 

不破は天津に掴み掛かろうとするがZAIAスペックにて動きを止められてしまい床に崩れ込んでしまった。

 

天津「君は私には逆らえない…私の思考プログラムが君のチップに転送されれば亡として君をコントロール出来るからね!!」

 

不破「あああああああっ!!」

 

天津「君達2人は最初から初めから私の道具だったんだよ!!」

 

唯阿「道具…」

 

天津「さぁ…社長命令に従いなさい!!」

 

天津は青い新たなプログライズキーを取り出すと床に落としてしまい不破は苦しみながらもプログライズキーへと手を伸ばした。

 

 

サヤSide

 

 

(インフェルノウィング!)

 

 

(バーニングレイン!)

 

 

迅「ハアッ!!」

 

スマイル「きゃあああああっ!!」

 

サヤ「スマイル!!ううっ!!」

 

私達は部屋の窓を突き破って落下し私はスマイルを守るためにスマイルを庇う様に抱き締めるとそのまま地面に叩きつけられた。

 

サヤ「………」

 

スマイル「サヤ様!?私を庇って…」

 

迅「サヤ…まぁいいや…サヤに伝えておいて…君も亡も僕が解放するってね…」

 

地面に倒れたままのサヤの様子を見た迅はそのままどこかに飛び去ってしまった。

 

 

沙耶(いい部屋だね…とっても広い!!)

 

???「そうか?なら…いずれもっと広い部屋を用意しよう」

 

 

沙耶(ねぇ…沙耶って名前の意味は何なの?)

 

???「清らかな小さい砂って意味やキラキラと輝くといろんな意味が込められているが…沙耶には鳥の様に大きくはばたいて欲しい…そういう意味も込めたんだ…」

 

沙耶(へー…鳥かぁ…ねぇ!!私を鳥に例えるとどんな鳥なの?)

 

???(そうだなぁ…強くて大きな鳥だから鷲…だな!!)

 

沙耶(私が鷲かぁ…鷲みたいに大きくなれるかな?)

 

???「なれるさ…沙耶なら…」

 

 

私は最後に自身の父親の顔を見るとやはり顔がモザイクが掛かっていたが、突如として記憶の中にノイズが走り、直後にモザイクが外れてその顔が露わになった。

 

サヤ「貴方は…!!」

 

私は父親の顔を直視して、ついに父親の正体がわかってしまい直後に私は衝撃で起き上がった。

 

スマイル「サヤ様…大丈夫でしたか?」

 

サヤ「えぇ…大丈夫です。スマイル…迷惑掛けてすみません急にすみませんが私はこれで失礼致します…」

 

私はゆっくりと立ち上がると急ぎ足でその場から立ち去ろうと歩き出した。

 

スマイル「えっ!?何か思い出したのですか!?」

 

サヤ「さっき頭をぶつけた時に…記憶の中でお父さんの顔を見ました…」

 

スマイル「本当ですか!?」

 

サヤ「えぇ…私はお父さんに会わないといけないです!!今のこの現状を変えるためにも!!」

 

スマイル「無事に会えるといいですね…」

 

サヤ「あ…でも部屋…また燃えちゃいましたね…すみません…」

 

スマイル「お部屋の事は私に任せてください!!既に消防隊を呼んでいるので!!」

 

直後に消防車が到着して消防車の中から1人のヒューマギアが姿を現した。

 

119之助「お怪我はありませんか?」

 

サヤ「復元してもらったんですね119之助…」

 

スマイル「サヤ様…ここは私達に任せて貴方はお父様の元へ!!」

 

サヤ「ありがとうございます…後はお願いします!!」

 

 

-ZAIA駐車場-

 

私はZAIAの駐車場へとやって来ると唯阿さんを呼び出してしばらく待っていると唯阿さんが姿を現した。

 

唯阿「サヤ…何の用だ?」

 

サヤ「唯阿さん…貴方は私の父を知っていますね?」

 

唯阿「何?」

 

サヤ「よくよく考えてみたら最初からおかしいんですよ…私と初めて会った時の事を覚えていますか?」

 

唯阿「あぁ…」

 

 

-回想-

 

唯阿「自分のことを思い出せるか?」

 

サヤ「思い出せません…自分が何者なのか…」

 

唯阿(お前は1年前に火事により全身のほぼ90パーセントを大火傷で失いヒューマギアの体を移植した。そして損傷した脳にも人工知能を埋め込まれお前はヒューマギアとして甦った。)

 

 

-現在-

 

サヤ「私の体が大火傷を負ってヒューマギアの体を移植したなんて情報どこで掴んだんですか?私の今の皮膚は火傷の痕も残らないからわからない筈ですが…」

 

唯阿「それは…」

 

サヤ「それは…私のお父さんから私を見守るように頼まれたからじゃないですか?」

 

唯阿「知らない…私は何も知らないんだ!!」

 

唯阿さんは私に背を向けると歩き出そうとしたが私は慌てて唯阿さんの肩を掴んだ。

 

サヤ「待ってください!!」

 

唯阿「邪魔をするな…いくらお前が相手でも私の邪魔をするなら…」

 

唯阿さんの手にはレイドライザーがあり私はそれでも唯阿さんの前に回り込んだ。

 

サヤ「チップの話も聞いています…だからこそ…この現状を何とかするためにも私はお父さんに合わないといけないんです!!」

 

唯阿「お前に何が出来るって言うんだ?」

 

サヤ「私は…私に出来る事を全力で果たします!!」

 

唯阿「飛電が買収されればヒューマギアは全て廃絶される…お前も天津社長に狙われるんだぞ!!」

 

サヤ「覚悟の上です!!」

 

唯阿「…いいだろう。着いて来い…」

 

唯阿さんはライズフォンを取り出すとどこかに連絡をとりながらどこかへ歩いていくと私達の前に一台の車が停止した。

 

唯阿「これに乗れ…お前の父親の元まで連れて行ってくれる…」

 

サヤ「ありがとうございます唯阿さん…」

 

唯阿「お前の言う通り私は嘘を吐いた…私はお前の父親を知っている。父親から口止めをされていた…だが父親の事を思い出したのならお前は父親と会って話をするべきだ!!」

 

サヤ「唯阿さん…」

 

唯阿「さぁ行け!!」

 

サヤ「行って来ます!!」

 

私は車に乗り込むと車は勢いよく走り出して唯阿さんは去り行く私の姿を見守っていた。

 

 

-ZAIA日本支社の工場-

 

私がやって来たのはZAIAの機械工場であり工場の奥にある事務所に続く通路を歩いていると数人の警備員に止められてしまった。

 

警備員「ヒューマギア!?」

 

サヤ「サヤです。ここの上の人とはアポを取っています」

 

警備員「確認します…」

 

警備員の人はどこかに連絡を取るとすぐに道を譲ってくれて私は事務所に続く通路を進むと目の前に大きな事務所が見えて来て事務所のドアをノックした。

 

???「どうぞ」

 

サヤ「失礼します」

 

私はドアを開けて事務所の中に足を踏み入れると事務所の机でパソコンと向き合っている与多垣さんの姿が視界に入った。

 

与多垣「急に唯阿から連絡を貰って驚いたが今日はなんの要件かな?サヤさん…」

 

サヤ「その話し方はもういいよ…」

 

与多垣「うん?」

 

サヤ「今日はお願いを聞いて欲しくて来たの… 与多垣さん。ううん…」

 

与多垣「……」

 

サヤ「お父さん…」

 

与多垣「沙耶…」

 

 

記憶の中で明らかになった父親の顔はまさに以前お会いした与多垣ウィリアムソンさんであり私は本当の父親に向かって勇気を出して一歩を踏み出した。

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