イズ「福添副社長の秘書であるシェスタは情報処理能力に特化したヒューマギアなのです。」
山下「ぶっきらぼうで無表情なのは相変わらずですけどね」
サヤ「無表情?」
山下「或人社長のギャグにもまったく笑わないんですよ」
サヤ「そうなのですか?」
イズ「では或人社長…どうぞ!!」
或人「えぅ…この流れでやるの俺!?やりにくいな〜」
或人社長が慌てた様子を見せて一瞬何かを考える仕草を見せる何故が名刺入れのケースを取り出した。
或人「名刺を見つめる名シーン!!」
不破「!?」
或人「はい!!アルトじゃーないと!!」
不破「ぶぅ〜げほっ…げほっ…」
シェスタに向かって或人社長は指を刺すが不破さんだけが吹き出してしまいそれ以外の全員が固まってしまった。
福添「は、はははははは…」
山下「はははははははは…」
シェスタ「ははははは、あはははは」
サヤ(笑ってない…これはただ副社長達の笑いを真似してるだけだ…)
或人「あぁ…もうこうなることはわかってたのに…」
福添「しかしシェスタの情報処理能力は素晴らしき能力だ…君もシェスタからラーニングするといい」
サヤ「は、はぁ…」
シェスタは私に再びぐいと顔を寄せると私のヒューマギアモジュールに触れた。
サヤ「これは!?」
私の頭の中に情報処理や演算能力のアップデートが行われていき、アップデートが完了するとシェスタは私から離れた。
シェスタ「元々備わっていた能力をアップデートしておきました。A.I.M.Sでもお役に立てるかと」
不破「サヤがさらに成長したのか…」
シェスタ「これで秘書の仕事も完璧にこなせるかと」
或人「え?」
不破「は?」
サヤ「秘書?私が?」
福添「あれ…秘書じゃないのか?彼女?」
不破「こいつは秘書じゃない…ただのサポートだ…」
イズ「スケジュール管理や電話、来客対応なども職務として当てはまらないので少し違うかと…」
サヤ「ですね…私は主に装備のメンテナンスや情報処理、後は戦闘記録の収集と解析ですね」
シェスタ「そうでしたか…私と同じ服装なので同じ秘書かと勘違いしてました。」
サヤ「服装…?」
ふとシェスタの服装をじっと見つめると色こそ異なるが私が身に付けている服装はシェスタと同じ種類のジャケットとスカートであった。
或人「そういえばどっかで見たことあると思ってたんだよなぁ!!」
不破「サヤがシェスタと同じ服装をしてるって事はサヤは秘書を想定したヒューマギアだったのか?」
イズ「それはどうでしょうか?恐らく設計者がどこかの会社の社長などの立場の人間の可能性もあるかもしれません」
サヤ「私の設計者が?」
イズ「設計…いえ、言い換えるなら手術をした人間といったところでしょうか…」
サヤ「記憶の中で私の名前を呼ぶ男性の声が微かに呼んでいるのは覚えているのですが…」
不破「そいつがサヤの父親の可能性で間違いないようだな…」
福添「まぁ、詳しい事はわからないがA.I.M.Sにはこれからもお世話になるだろう…シェスタ。後輩を激励してやれ」
シェスタ「頑張ってください。これからの活躍に期待しています。」
サヤ「頑張ります…」
シェスタ「……!!」
その後、私達は正面玄関までお見送りされたが遅れてやって来たシェスタが段ボールを抱えて私の元へとやって来た。
シェスタ「サヤ…これを…」
サヤ「わっ…何ですかこの段ボール!?」
シェスタ「一人前のヒューマギアになるために必要な物が入っています…ぜひ活用してください。」
サヤ「えっと…ファイリングについての本、ビジネス一般常識についての本に秘書検定の本?」
福添「シェスタ…しれっとサヤさんを秘書の道へ誘導しようとしてないか?」
シェスタ「仰っている意味がわかりません」
或人「うわっ…ブレないなぁ…」
サヤ「後は…服?」
本の横にはシェスタモデルの色のジャケットや赤いブーツなどが入っており私は思わず首を傾げた。
シェスタ「サヤは戦闘の場に同行するとの事でしたので念のため予備の服を持っておくと良いでしょう。」
サヤ「あ、ありがとうございます?」
私は段ボールの蓋を閉じると不破さんが段ボールを預かってくれた。
シェスタ「それでは…これからの活躍に期待しております。」
サヤ(あれ…シェスタが笑った?)
僅かにだがシェスタが笑みを浮かべており、どういう心境の変化だと驚きながらも私も頭を下げた。
サヤ「色々と丁寧にありがとうございました…それでは!!」
私達は段ボールを車に積み込むと乗り込むと或人 社長達に見送られながらA.I.M.Sへと帰還した。
或人「なぁ…シェスタ…サヤさんと何かあった?」
シェスタ「仰っている意味がわかりません」
或人「いや…あんなに熱心にサヤさんにラーニングさせようとしてたし本や服まで提供するなんて…」
イズ「サヤには無限の可能性がありどこへ行っても活躍出来るヒューマギア…そう感じたのかもしれません」
或人「サヤさんの可能性を広げようとしてくれたって事か?」
シェスタ「仰っている意味がわかりません」
或人「うわっ…ブレないなぁ…」
3人のやり取りを見ながら山下と福添は2人で3人には聞こえないようにボソボソと話し始めた。
山下「シェスタはサヤさんを自分色に染めようとしてるのではないでしょうか?」
福添「恐らくな…指導として直接ラーニングさせたり、服を提供したりと…間違いないな!!」
-翌日-
朝、A.I.M.Sのカフェにて不破と唯阿は朝食をとっていると2人の席にサヤが姿を現した。
サヤ「お二人ともおはようございます」
不破「よう。サヤ…イメチェンしたのか」
唯阿「おはよう。あれ…どうしたんだ?」
サヤ「たまには雰囲気を変えたくなりまして…どうですか?」
私は見た目の雰囲気を変えてみたくなり、シェスタと同じカラーのジャケットを身に纏い、髪型も変えて髪には白いシュシュを付けていた。
唯阿「似合っているぞ。なぁ、不破?」
不破「あ…あぁ…いいんじゃないか?」
唯阿「不破…素直になれとは言わないが、もっとマシな言葉はないのか?」
不破「…先に行くぞ…」
不破さんは顔を赤くしながら立ち上がると早々に立ち去ってしまい、私は不破さんの席に着席するとサンドイッチにかぶりついた。
唯阿「お前が食事とは珍しいな?」
サヤ「たまには…いいかなと思いまして…」
唯阿「本来、ヒューマギアは食事を必要としない。これはお前が人間でありたいと思っているからじゃないのか?」
サヤ「そうかも…しれないです…」
唯阿「そうか…そういえばサヤ…これを」
サヤ「これは?」
唯阿さんは私にA.I.M.S. SQUADと書かれたワッペンを差し出して来た。
唯阿「これからも不破を支えてやってくれ…」
サヤ「ありがとうございます唯阿さん。」
不破「刃…人を揶揄いやがって…」
不破は自身の装備を整えながらぶつぶつ呟いていた。
迅(君は僕の妹だ。人間を皆殺しにするんだ)
サヤ(嫌…だ…私は…A.I.M.Sの一員…不破さんのサポートが使命…だから…)
迅(フフッ…違うって。君の仕事は人類滅亡だよ。)
不破(サヤ…サヤぁぁぁぁ!!)
不破「あり得ない…あれはただの夢だ…サヤに限ってそんな事は…」
不破はサヤを失う悪夢を思い出してしまい、額からは滝のような汗が流れた。
それからしばらくして不破の不安が募る中でついに恐れていた事態が起こってしまった。