アベコベ少女ノヤンデレ裁判 作:MS
※ネタバレ注意、ヤンデレ注意
「ん~!やっと学校おわったぁ~!」
「今日は体育もあって疲れたからな、風呂入る時はマッサージも忘れるなよ?」
「これ以上ボクをもちもちボディにする気なの!?」
放課後、家までの帰路を彼女のエマと一緒に歩く。短い時間ではあるがこれも大切な二人の時間だ。
風に揺れるエマの髪からは甘い香りがして、付き合ってしばらく経つというのにドキドキしてしまう。
「そうだ、ちょっと調べたいことあるから図書館寄ってもいいか?学校の図書室でもよかったけど……学校の奴らがいるしな」
「もちろんいいよ!○○くんと図書館で放課後イチャイチャ勉強会……♡人気のない場所で聞こえてくるのはページをめくる音と二人の囁き声で……♡」
「口に出てるぞ。外であんまはしゃぐなよエマ」
……学校ではあまり話しかけられないせいか時折忘れてしまうが、ここは貞操観念逆転世界。男が女からスケベな目で見られるのが当たり前で、男女比だって偏りまくってるいびつな世界。
「えーっと図書館までの道のりは……ここから十分くらいだね!走れば五分くらいかな?」
「今時はスマホで調べればなんでも出てくるから便利だよな~、オレはすーぐ迷うからほんと助かってる」
「○○くんはふら~っとどっかいっちゃうからね、ボクが首輪付けて飼ってあげよっか?」
エマはナチュラルに怖いことを言う……しかも冗談ではなく本気で言ってるのがまた怖い。まだ夕暮れ時ではないが、エマの顔がほんのり赤らみよくないことを考えているのが手に取るように分かってしまう。
「あれ?これってもしかして結構いいアイデアなんじゃ……周りへのアピールになるのはもちろん手の届く範囲に○○くんを置いておけるし、何より首輪とリードっていう目に見えた拘束があれば屈服させるのだって容易になるってことで……」
「物思いにふけっているとこ悪いがもう着いたぞ?いきなり早歩きでどんどん進むもんだから驚いたぜ」
「ご、ごめん!ちょっと二人の将来について考えてたんだ!早速よりよい未来のために調べに行こっか!」
受付で手続きを済ませて中へ入る。扉を開ければ大量の紙の匂いが鼻孔をくすぐり、どことなく頭が良くなった気さえしてくる……辺りを見渡してもデジタル社会の影響か人はほとんどいないようだ。
「あれ?本じゃなくて新聞読むの?」
「気になることがあってな……ネットで調べても古い情報はあんまり詳しく書かれてないから、図書館みたいに古い新聞も残してるとこは助かるぜ」
特定の時期に絞って新聞を手に取っていく、三部ほど手に取って適当なイスに座って広げると……横からエマが覗きこんでくる。反射的にエマを見ればニコりと笑ってくれて可愛い。
「『少女連続失踪事件』?」
「あぁ、毎年三月から四月の間に複数の少女が失踪しているみたいなんだ」
「怖いね~……しかも失踪する少女はみんな卒業を控えた中学三年生ばかり?」
ネットサーフィンをしている時に見かけた陰謀論的な動画が妙にひっかかった。内容は荒唐無稽で証拠だってなかったのだが……中三の少女が失踪するっていうのは割と身近な気がして調べたくなったのだ。
「世間でも話題になっておかしくないはずだけど、ボク全然知らなかったや」
「オレが見た動画だと政府が圧力をかけてテレビで報道させてないとかなんとか……それにほら、昔の新聞だとデカデカと書かれてるが割と最近のだと見出しも小さい。これは政府の力が強まった影響でこういうメディアにも力がおよんでるとか」
「……○○くんって結構影響されやすいよね」
「待ってくれエマ、冗談半分だから」
ジト目で見られるが可愛いから悪い気分はしないな、ほっぺをもちもちしてあげよう
「あわわわわっ……もう!そうやって誤魔化そうったってそうはいかないんだから!」
「ごめんごめん、ただ可愛い彼女も同じ中学三年生だろ?なんだか知ったからには心配になってな。まぁ世の中には中学三年生の女子なんていっぱいいるし、失踪だってたまたまかもしれないからな」
「可愛い彼女、可愛い彼女かぁ……♡えへへ、そうだよね♡お似合いのラブラブカップルだもんね♡」
「そこまで言ってはないが……取り合えずトイレにでも行ってくるよ。ちょっと待っててくれ」
「図書館ってこの本の香りのために来る人も多そうだなー……なんだかあったかくて眠くなってくるし」
○○くんがトイレに行ってる間周りを見渡してみる。しばらく来ない内に本も増えてるっぽいかな?もし全部読み切ろうとしたらボクおばあちゃんになってそうだ。
「でも、こんな穏やかな場所に相応しくない人もいるかな~?さっきからそこの本棚で覗いてるのバレてるからね?」
座っていた場所の後ろ側に向かってそう声をかける。ボクの学校と同じ制服の子が出てきて……長い髪はボサボサ、猫背でそばかすメガネで顔は意外とカワイイ……うん、やっぱりだ。
「昇降口からつけてた子だよね?困るなぁ……ボクの彼氏なんだよ?誰かに渡す気も無いし奪われる気だってない、何もしないならこっちだって何もしないから回れ右して帰ったら?」
多分同じクラスの子かな?○○くん以外はほとんど視界に入れてないから記憶には……待って、確かしつっこく話しかけてた子じゃない?
「思い出した!ボクが用事とかで○○くんの近くにいない時に話しかけてる子だ!ボクが戻ってくると慌てて離れてたから見逃してたけど……うん、スリーアウトだね」
今まで見逃してあげてたのにストーキングまでされちゃったら、ねぇ?何をされるか分かったもんじゃないしやっておかなくちゃ。
「ボクなら身長も小っちゃいし非力だから無理矢理奪えるって思ったのかな?」
「――さわしくない」
「もっとおっきな声で言わないと聞こえないよ?」
「お、おおおお前みたいなやつは○○くんに相応しくないんだっ!」
ふさわしくないかぁ、傷つくなぁ。
「ねぇ聞いてるの!?そもそもあんたのせいで○○くん最近ヘンなのよ!だったら元凶のあんたを引き離せ――バチバチッ!いぎっ!?」
「わぁお、護身用と○○くんが別れようとか言い出したら使おうと思って買ったんだけど……ちょっと威力が強すぎるかな?○○くんには使わないようにしないと」
隠し持ってた護身用スタンガン使っちゃたけど……うん、正当防衛だよね。だって向こうは今にも襲い掛かってきそうだったし色々言われたし、それに放っておいたら○○くんだってきっと襲われてたもんね。
「あー……まだ起きてるよね?大丈夫?」
「くっ、かはっ、あぁ……!!」
「大丈夫そうだね!よかった~気絶とかしたら起こすの大変だからね。じゃあ今からボクの言うことちゃんと聞いてよ?」
倒れ込んだストーカーの前に座り込んで顔を近づける。うわぁ苦しそう……ボクは絶対スタンガン喰らわないようにしよっと。
「いい?二度とボクと○○くんにちょっかいかけたらダメだよ?処理が面倒だしボクも一線は超えたくないからやらないけど……邪魔するならもう容赦しないからね?」
「ぐうぅううぅっ……!!」
「うーん、聞こえてないならもう一発「わ、わかりましたっ!」……図書館で騒ぐなんて悪い子だね?」
脅す様にスタンガンをまたバチバチさせてみれば青ざめて震えだす。これならもう邪魔してこないかな?
「ボクの話を理解してくれたみたいでよかったよ!もう一人で立てるかな?手貸してあげよっか?」
「だ、大丈夫、です……」
よろよろと生まれたての小鹿のように立ち上がり、本棚に手をついて歩き出す元ストーカーちゃん。あーあ、せっかくの可愛い顔も涙でぐしゃぐしゃ……ボクの方が100倍可愛いけどね!
「これからは狙うにしても彼女持ちの男の子はやめときなよ~、ボクはまだ優しい方なんだから」
「はぁっ、はあっ……に、逃げなきゃっ」
「……あとさっきボクのせいで○○くんがヘンだって言ってたけど、もしかして代わりに助ける、いや救おうとしてたのかな?」
一瞬だけ歩みを止めたけど、振り返らずに図書館の出入り口へと逃げ出していっちゃった。本気で救いたいなら武器でも魔法でも何でも使えばいいのに
「それに無理に救わなくたって、一緒に堕ちてあげるのも愛なんじゃないのかな?」
「あれ、エマがいないな。本でも探しにいったか?」
「あ、戻って来ちゃった。でもちょうどあの子もいなくなったしいいタイミングだね」
スタンガンは電源を切って懐に戻してっと……服の汚れよし、髪の跳ねよし、靴も汚れてないね。何か適当な本で誤魔化そっかな
「ごめんごめん!本を探してたら面白そうなの見つけちゃって」
「たまに図書館来ると色々目移りして楽しいもんな。読み切れないやつは借りていくか?」
「そうだね!ボクはこの『バカ犬の躾け方』が気になるから借りて行こうかなって」
「……エマって犬飼ってたか?」
「これからおっきなの飼う予定かも?」
エマちゃんは他者排除型ヤンデレでこっそり邪魔者を消してるタイプだと思うユキねぇ。
あとあまりおっきな声を出すとバレますので小声で話すのですが、元々はエマちゃんが「これボクのぉっ!♡絶対お婿さんにするぅっ!♡」って言いながら主人公くんにドセクハラかます感じの頭空っぽで読める奴にしようと思ってたのですよ……そうしたらヒロちゃんが「正しくないし既にあるかもしれない」と止めてきたので、それならヒロちゃんの死に戻りに気付いた魔女化エマちゃんが、ヒロちゃんへの復讐として眠ってる間に開発しまくって起きた瞬間デスア○メさせてぐちゃぐちゃにするっていうのも思いついて……結局ヤンデレASMR聞きながら寝落ちして今のに落ち着いたんですね。
まぁ何が言いたいかといいますとよっぽど今作の需要があればあべこべ世界で性欲を爆発させた魔法少女たちに襲われる話を書くかもってことなんでユキねぇ!気になった共犯者さんは気軽に感想と高評価をくれるとモチベが上がって嬉しいユキねぇ!
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