アベコベ少女ノヤンデレ裁判 作:MS
※ネタバレ注意
「あのー、メルル様?もうやることありませんし定時なので帰ってもよろしいですか?」
「そうですね……私も休みたいですし、今日のところはもう終わりにしましょうか」
「休みたいって……今日のメルル様は写真を眺めていただけではありませんか」
「もう!私だって思い出に浸りたい時があるんです!今回も大魔女様は見つかりませんでしたが、この写真が手に入っただけでも大収穫です!」
何度目かも分からない魔女裁判を終えて、色んな後始末も終わり次の魔女候補たちを待つ短い休み期間……私は牢屋敷の中で椅子に座って
「あぁなんて懐かしい……もっとも~っと念写してもらえばよかったです」
「メルル様にも思い出を振り返るなんて人間らしい一面があるんですねぇ」
意味ありげに羽をバタつかせながら軽口を叩くゴクチョーさん……一体何が言いたいんでしょう?
「今の私は機嫌がいいんです。あまり損なうような真似をしますと、夜食にして食べてしまいますよ?」
「おぉ怖い怖い、ですが少し気になってしまいまして……その写真は念写の魔法を持った子に撮ってもらったのですよね?一体いつの写真なんです?」
「むかしむかし、とっても昔の写真です。私と大魔女様、そしてかけがえのないパートナーの大切な日々のです……せっかくですから聞かせてあげましょう」
「余計なことを聞いてしまいましたか……はぁ、残業代出るんですかねこれって」
ふふっ、思い出はたまに振り返らないと忘れてしまいますからね。一枚の写真は私が大魔女様に膝枕されている尊い写真……そしてもう一枚は
「私と彼が二人っきりであげた結婚式……大魔女様にも見てもらいたかったです」
白いタキシードに身を包んだ○○さんと、その横で幸せそうにウェディングドレスを着ている私。一から作るのは大変でしたが夫婦の共同作業はとっても楽しかったですね。
「死がふたりを分かつまで、なんて誓いを立てましたが……私は信じています、生まれ変わっても前世の記憶を取り戻し、また私の前に現れてくれることを……!」
何処から話しましょうか……そうですね、やはり馴れ初めからゆっくり話していきましょうか。
「だ、大魔女様!は、浜辺に誰か倒れています……!に、人間みたいですがどうしましょう……!」
「落ち着きなさいメルル、まずはそこまで案内してください」
「は、はいぃいいっ!こ、こここちらです……!」
その昔、島へと人間が攻め込んできて大勢の魔女が死んでしまいました。そのせいでかろうじて生き残った原初の魔女は、私と大魔女様の二人になってしまったんです。
その後島でひっそりと生きながらえていた私と大魔女様だったんですが、ある日浜辺に一人の少年が倒れ込んでいました。それを偶然私が発見したんです。
「う"っ、ぐあぁ……どこなんだ、ここは?」
「ど、どどどどうしましょう……!?人間がこの島にいるってことは私たちが生き残っていることがバレたんじゃ……!」
「ふむ……遠くから見た限りですが、まだ子供みたいですね。メルルと同い年くらいでしょうか?」
「あ、一人で近づいては危険ですよ……!」
まだ未熟で非力だった私はいそいで大魔女様を呼びにいったのですが……その判断は正しかったみたいです。漂流して体力が底をついていたらしく、治療の魔法を使える大魔女様が駆けつけていなければ助からなかったでしょう。
「おや?メルル様は治療の魔法を使えたのではないのですか?」
「…使えるようになるのはもう少し後の話なんです」
「そうでしたか、いや気にせず続けてください」
えぇっと……治療の魔法によって身体にあったキズは治りましたが、疲弊していたようでそのまま眠ってしまいました。見殺しにするわけにもいかないので、一時的に私たちの家へと連れて行ったんです。
「ほ、本当によかったんでしょうか……」
「人間には恨みがありますが、子供を率先して殺したいわけではありません」
「で、ですがもし悪い子供だったら!」
「であれば私の魔法で操りますのでそう心配しないで下さい」
「あ、操るって、穏やかじゃないなっ……」
話している間に彼は目覚めていました。
まだ辛そうでしたが、子供らしからぬ余裕?を持っているように見えましたね。
「どうやら喋れる気力はあるようですね」
「は、ははは……絶世の白い美女が二人か、意外とオレは天国に行けるタイプだったのか……?」
「あ、あなた達人間は悪いことをしたので天国にはいけません……!」
「だ、だろうな……トラックに轢かれて、死んだはずなんだオレは。ここが天国じゃないなら、これは走馬灯か幻覚でも見ているのか……案外悪くない気分だが、な」
ベッドからよろよろと起き上がろうとしますが、まだ回復しきってないのかまた倒れ込みます。とっても辛そう……
「な、なんだそれにしても、身体が小さいぞ……?目線も低いし、声も高い気がするような……!?」
「どうやらまだ混乱しているようですね、話を聞くのは難しそうです。私は他の人間が来ていないか見回りに行くのでここはお願いしますよ」
「えぇっ!?わ、私一人でですかぁ!?」
大魔女様は気まぐれなところがありますし、急なお願いごとをされるのも珍しくはありませんでしたが……あの時は無理だって思いましたね。そうこうしている間に行ってしまいましたし……
「ごほっ、ごほっ……あぁ、結構楽になってきた」
「え、えっと、そのぅ……お、お名前を聞いてもいいですか?わ、私はメルルっていいます……」
「オレは○○だ、なんて言うか、死んだハズだしこんな若くも無かったんだが……とにかく助けてくれてありがとう」
「わ、私は何もしてないのでそんな……!そ、それよりもどうやってこの島にやって来たんですか?」
少し考えてから私の目をしっかり見ながら答えました。そういえば、男の人を見るのはこれが初めてでしたね。島には魔女……つまり女性しかいませんでしたし。
「――すまん!何も覚えてない!」
「え、えぇ……そんなのってありませんよぉ……」
「というかここは何処で何年何月何日なんだ?島って言ってたが孤島とかなのか?」
「も、もしかしてその説明も私がするんですか……?は、早く帰ってきてください大魔女様~!」
彼が来てから数日後、大魔女様と聞き出した情報を整理しました。とても興味深い内容ばかりで……それに唯一の男の人です。ワクワクしていたところもあるかもしれませんね。
「ふぅ……私も島の外には出たことがないので本当かどうかは分かりませんが、少なくとも嘘の情報ではないようですよ?」
「で、ですが大魔女様……彼が未来からやって来た人間だ、なんて信じるんですか?」
「魔法があるんですよ?はるか未来まで生きていた魔女が何かしらの方法で送り込んだ可能性もあります」
彼は自分自身が未来からやって来たこと、本来は子供ではなく大人だったこと、そして外の世界のことを教えてくれました。
「それに私の洗脳魔法で真実しか言わないようにしたので、嘘はついていません」
「ですがにわかには信じがたくて……」
「無理もありません、ですがこの狭い島に二人きりで退屈していたところでもあります。彼と一緒に過ごしてみるのもまた一興でしょう」
今思えば彼に嫉妬していたところもあるのでしょう、今までは大魔女様の恩寵を私が独り占めしていたのに……それが盗られてしまったのですから。
「わ、私は認めませんから!と、とととにかく彼と話してきます!」
「あらあら、可愛らしい嫉妬ですね」
対抗心を燃やしていた私は何かと彼と話す様になりました。やがて長い年月を過ごすうちに互いに惹かれていって……
「ってあれ?ゴクチョーさん?どこに行ってしまわれたのですか?話はこれからなのですが……」
付き合うキッカケや、大魔女様が去ってしまってから二人で慰め合いつつ孤独を埋め合うところなどまだまだ語り足りないのですが。
「仕方ありません、今日はもう寝てまた明日聞かせるとしましょうか。時間はまだまだあるんですからね」
写真を大切に懐にしまって寝室へと向かいます。あぁ、早く貴方にも大魔女様にも会いたい……
「大魔女様はきっと何処かにいるはずなんです、そして見つけ出すのが私の最後のお仕事!大魔女様さえ見つかれば生まれ変わった彼を見つけるのも簡単に……そしたらまた三人で楽しく過ごすんです!」
Q:じゃあなんスか、このメルルは愛した男の生まれ変わりを待つ未亡人魔女ってことなんスか?
A:そうなるユキねぇ!!!二次創作だから細かいことは考えないユキ!!!みんなも置き去りにされて一人のメルルを慰めたいユキよねぇ!?
そして感想や高評価も沢山いただけて非常に嬉しいユキ!来月どころか来週から毎日投稿ができるかアヤシイところではあるけれど……だったら今の内に好き勝手書きたいヤンデレを書くだけユキねぇ!!!評価が増えて疲れを上回るモチベを維持出来たら多分失踪しないので続きが気になる方は気軽にポチっと押してくれたら嬉しいユキ!!!
つ、次の方を選んでくださいぃ……!
-
黒部ナノカは疑わない
-
佐伯ミリアは奪わない
-
蓮見レイアは縛らない
-
沢渡ココは覗かない
-
宝生マーゴは真似しない
-
紫藤アリサは燃やさない
-
城ケ崎ノアは描かない
-
夏目アンアンは操らない
-
遠野ハンナは浮かれない