影技異伝~連環の幻影~   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。






第18話 終わらぬ絶望

 

 

 

「ぐううう、うううう」

 

レイは地面に倒れ伏していた。

ジュリアネスからさらに離れた深い山の中。

レイと王虎は魔導士(ラザレーム)の手によってそこにいた。

そこでは王虎による「技の確認」が行われていた。

レイは一度王虎から受けた技は躱せるようになっていたものの、やはり初見の技は躱すのは難しかった。

 

「まあ、辛うじて合格か。だが教えた事しか出来んようでは役に立たんな。

せめて儂を超えて見せろ」

 

(無茶言うな!そんなバケモノが世界のどこに居るって言うんだ!)

 

レイの内心に関わりなく、王虎は腕を振るった。

 

「もう少し、儂を失望させるなよ?」

 

そう言うと王虎はさらに強烈な一撃を放つ。

 

地面が弾け飛び、必死に躱して距離を取ろうとするレイの『眼』に次の技を繰り出そうとしている王虎の姿が映った。

 

ぞくり。

 

レイの背筋を悪寒が走る。

まるであの“空牙(クウガ)”を食らった時と同じような感覚がレイを襲った。

王虎のあの姿勢、重心のかけ具合、全身の力の伝わり具合、呼吸の仕方、視線の方向、腕の突き出し方。

間合いは“空牙(クウガ)”より遠い。

しかし、“空牙(クウガ)”と同程度の威力の技だ!

一瞬の内にそう判断すると、レイは逆に王虎に向かって突っ込んだ。

そのレイに向かって王虎の五指から“空牙(クウガ)”よりも細く、しかし極限まで集約された真空波が打ち出された。

 

《クルダ流交殺法陰流 口伝絶命技 霊悪(レイア)》

 

技の範囲は“空牙(クウガ)”に劣るものの、遠い間合いから“空牙(クウガ)”より遥かに圧縮された真空刃を打ち込む、

近距離では“空牙(クウガ)”をも凌駕する陰流の奥義だった。

 

周囲の山肌を貫き、レイを捉えるかに見えた真空波が貫いたのはレイの影だけだった。

 

「ぬ!」

 

レイは後先考えずに全力で“神移(カムイ)” で躱し、霊悪(レイア)を放った王虎の背後に頭上から降り立ちながら、王虎の背中に両の掌底で触れ、10本の指全てから全力を振り絞った“空牙(クウガ)”を放った。

両掌から放たれた真空波は大地を穿ち、地面を砕き、崩壊させ、周囲の景色を一変させていた。

レイの眼前には巨大な岩塊が転がり、瓦礫が周囲に舞い、以前と同じ姿を保っているものは何処にも存在しなかった。

それは《龍破》を除けば、相手に触れるほどの超至近距離でなければ真空波を放てないレイに出来る最大の威力の攻撃だった。

 

王虎は背後の、それも頭上から真空波を撃ち込まれた事で、地面との間に挟まれた形になり逃げ場を失っていた。

 

それは到底生身の人間の力で成し得たとは思えない光景だった。

王虎とレイの技により周囲の地面は崩壊し、それどころか山体が崩れ去り、山はその形を失っていた。

周囲に砕けた岩塊が散乱し、土埃が立ち込め一寸先も見通せなかった。

 

絶大な威力を誇る“空牙(クウガ)”を両手で行う。

レイが無意識に放ったのは《クルダ流交殺法陰流 口伝絶命技 “大牙(タイガ)”》だった。

 

(こ、これならいくらヤツでも無事には済まねえだろう・・・)

 

安堵で気を抜きかけたレイの耳に信じられない声が聞こえた。

 

「ふむ。まだ教えていない技を使うか?お前を『例の件』に選んだのは間違いなかったようだな」

 

その声と共に、王虎が腕を一振りしただけで周囲の土埃は消し飛び、王虎の姿が露わになった。

周囲が見通せるようになったそこには、何事も無かったかのように、無傷で佇む王虎の姿があった。

 

「!!!」

 

「さて、もっとよくお前の『力』を見せてみろ」

 

絶望はまだ終わらなかった。

 

 

 

 

 

 







※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

《クルダ流交殺法陰流 口伝絶命技 “大牙(タイガ)”》をもってしても、王虎には傷ひとつ付ける事は出来ませんでした。

レイは“大牙(タイガ)”でさえ通用しない王虎を相手に生き延びる事が出来るのか?

次回お楽しみください。




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