※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
「・・・・・・」
レイは再び地面に倒れ伏していた。
しかし今度は呻き声を上げる事も出来ないでいた。
「この程度か?つまらん」
そんなレイに向かって王虎の冷たい声がかけられた。
「ある程度、教えていない技も出せるようだが、威力が足りん。
この程度とは期待外れだったか?」
(無茶言うな!そんなのはそれこそ
レイの内心を読み取ったのか王虎が語り始める。
「
連中は世界そのものを己の意志で書き換えるが、《己自身》を完璧に把握していれば《己自身》という世界は決して変わらぬ。
水の世界、炎の世界、極寒の世界、毒の世界、光の世界、闇の世界。
《己自身》という世界を完璧に把握していればそんなものは何の意味もない」
「!?」
それは衝撃的な言葉だった。
(つまり《自分自身という世界を完璧に制御する事が出来れば、外部環境の影響は受けない》という事か?そんなバカな事が・・・)
そんな事を可能にするのにどれほどの意志力が必要なのか?
(意志力?つまり直接あのジジイをブン殴る事が出来れば・・・)
王虎の強大な意志力はそれらの魔導力の干渉を無効化しているのだろう。
それは呪符や真空波も同じだ。
直接肉体が行うのではなく、呪符や真空波といったものによる間接的な攻撃は、王虎の意志力によって全て無効化されているという事になる。
原作でも《虎王》シア・カーンが魔導力を無効化していたが、王虎はそれよりさらに一歩進んで真空波さえ無効化しているという事だろう。
(だったら、あのジジイを直接一発ブン殴ってやれば・・・)
視野狭窄で他の事が考えられなくなる。
何の確証も無い暴論である。
しかし、レイには他に縋るべきものが無かった。
(呪符でも駄目、真空波でも駄目、
よし!何としてもあのジジイを一発ブン殴ってやる!)
常人ならばとっくに心が折れて二度と立ち上がれなくなっていたであろう。
しかし、奴隷という環境でも、転生者という記憶でも、
何度叩き伏せられても諦めない不屈の意志。
これこそがレイを常人と区別しているもっとも大きな違いだった。
レイは“ 絶望”に向かって再び立ち上がった。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
王虎の無敵の秘密が明かされ、それによりレイはたったひとつの突破口を見出す事になります。
レイの見出した突破口は王虎に通じるのか?
次回お楽しみください。