影技異伝~連環の幻影~   作:台風200号

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※前書きです。

本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。






第19話 絶望へ挑む

 

 

 

「・・・・・・」

 

レイは再び地面に倒れ伏していた。

しかし今度は呻き声を上げる事も出来ないでいた。

 

「この程度か?つまらん」

 

そんなレイに向かって王虎の冷たい声がかけられた。

 

「ある程度、教えていない技も出せるようだが、威力が足りん。

この程度とは期待外れだったか?」

 

(無茶言うな!そんなのはそれこそ魔導士(ラザレーム)でもないと無理な話だ!)

 

レイの内心を読み取ったのか王虎が語り始める。

 

「魔導士(ラザレーム)でも儂を殺す事は不可能だぞ。

連中は世界そのものを己の意志で書き換えるが、《己自身》を完璧に把握していれば《己自身》という世界は決して変わらぬ。

魔導士(ラザレーム)がどれだけ世界を変えても、それは周囲の環境を変えるだけだ。

水の世界、炎の世界、極寒の世界、毒の世界、光の世界、闇の世界。

《己自身》という世界を完璧に把握していればそんなものは何の意味もない」

 

「!?」

 

それは衝撃的な言葉だった。

 

(つまり《自分自身という世界を完璧に制御する事が出来れば、外部環境の影響は受けない》という事か?そんなバカな事が・・・)

 

そんな事を可能にするのにどれほどの意志力が必要なのか?

 

(意志力?つまり直接あのジジイをブン殴る事が出来れば・・・)

 

魔導士(ラザレーム)がどれ程周囲の世界を己の意志で書き換えても、王虎の肉体に直接干渉する事は出来ない。

魔導士(ラザレーム)に出来る事は、王虎に『魔導力で作った炎の刃をぶつける』『魔導力で作った風の刃をぶつける』『周囲を真空の宇宙と繋げる』『超重力で押しつぶす』と言った間接的なものでしかないのだ。

王虎の強大な意志力はそれらの魔導力の干渉を無効化しているのだろう。

それは呪符や真空波も同じだ。

直接肉体が行うのではなく、呪符や真空波といったものによる間接的な攻撃は、王虎の意志力によって全て無効化されているという事になる。

原作でも《虎王》シア・カーンが魔導力を無効化していたが、王虎はそれよりさらに一歩進んで真空波さえ無効化しているという事だろう。

 

(だったら、あのジジイを直接一発ブン殴ってやれば・・・)

 

視野狭窄で他の事が考えられなくなる。

何の確証も無い暴論である。

しかし、レイには他に縋るべきものが無かった。

 

(呪符でも駄目、真空波でも駄目、魔導士(ラザレーム)の魔導力でも駄目、だったら直接拳でブン殴れば・・・

よし!何としてもあのジジイを一発ブン殴ってやる!)

 

常人ならばとっくに心が折れて二度と立ち上がれなくなっていたであろう。

しかし、奴隷という環境でも、転生者という記憶でも、闘士(ヴァール)という能力でもない。

 

何度叩き伏せられても諦めない不屈の意志。

 

これこそがレイを常人と区別しているもっとも大きな違いだった。

 

レイは“ 絶望”に向かって再び立ち上がった。

 

 

 

 







※あとがきです。

お読みいただきありがとうございます。

本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。

王虎の無敵の秘密が明かされ、それによりレイはたったひとつの突破口を見出す事になります。

レイの見出した突破口は王虎に通じるのか?

次回お楽しみください。



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