※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
「何だって神様に挑もうとするんだよ?」
「それが我が流派が伝えられて来た理由だからだ」
レイの疑問に対する王虎の答えは簡潔だった。
「建国王はジュリアネスを聖地に変えたが、破滅も予見されていた」
「・・・どういう事だよ?」
「『忌地』と呼ばれていた頃のジュリアネスには膨大な魔導力が溢れ、周囲を魔境に変えていた。
一度に大量の魔導力に晒された人間は耐えきれず命を落とし、獣は獣魔へと姿を変えていった。
クルダの森の『月の王』など元はただの狼だ。
それが膨大な魔導力に晒され続けた事で、月光の下では首を切り落とそうが、上半身を断とうが即座に再生する無限の再生力を得るようになり、『最強の獣魔のひとつ』に数えられるまでになったのだ」
王虎の話にレイは疑問を持った。
魔導力は獣魔を生み出す?
ただの狼が『月の王』に変わるぐらいに?
・・・それが人間なら?
「まさか!」
レイの疑問を読み取ったのか王虎は言葉を続けた。
「その通りだ。努力でも才能でも修練でもなく、単に『膨大な魔導力に晒されても生き残った存在』。
それが“
衝撃的な答えだった。
「毒も適量を用いれば薬となる。
建国王はジュリアネスの魔導力を封印し、流出を最低限に抑えた魔導力を人間が活用できるようにする事で国を発展させたのだ。
同時にジュリアネスでは封印への悪影響を抑える為に
しかし、ジュリアネスが世界でもっとも魔導力の濃い場所である事は間違いない。
魔導力の使用が制限されていても、他国と比べれば魔導力で出来る事は遥かに多い。
そして世界中に流出した魔導力はジュリアネスに集められ、ジュリアネスを大地に繋ぎ止めている“聖鎖”によって再びジュリアネスに戻される。
他国からはそれはどう見えるか?
ジュリアネスは他国から奪った魔導力で発展しているようにしか見えぬだろう。
他国にジュリアネスの封印が渡れば世界の破滅だ。
それを防ぐ為には『力』が必要だ。
魔導力を操る“
そしてその“
「・・・」
予想もしなかった事実にレイは絶句した。
「“
そこには建国王の封印によって封じられた膨大な魔導力が貯め込まれている。
ひとまとめに“ジュリアネス”と呼ばれる周囲の王宮などは後から人間の都合で作られたものだ。
“ジュリアネス”に住む者共は『自分たちこそ“聖地”の守護者だ』とほざいているが、そんな物には何の価値も無い。
実際、50年程前には、“ジュリアネス”の聖騎士団でも、儂ひとりを停める事すら出来なんだ。
“聖地”を守る事も出来ような国に、そんな者共に何の価値があるというのだ?
本当に価値があるのは“
それなのに人は“ジュリアネス”という何の価値も無い物を、そこに住む役立たず共を敬い、怖れる。
愚かな事だ」
それは“力”を信奉する王虎の本心であり、王虎はその“力”を持たない“ジュリアネス”の者たちを無価値な物とみなしていた。
「“
『もっと強い力が欲しい』と思った“
「それは・・・」
「“
それは世界への魔導力の氾濫を意味する。水を得ている堤を破壊して自分だけ水を得ようとする愚行だ」
「・・・」
「そして“
建国王の予測ではおよそ四千年後、つまり現在から二千数百年後には“
建国王はそれに対処する手段をも既に構築されていた」
「・・・それはいったい?」
「“
これにより『魔導力』というものはこの世界から消えてなくなる。
魔導力が無くなる事を“
「それは・・・」
それは簡単に想像できた。
今まで自由に使えていた力が、“
「“
それを止める事が出来るのは我ら《陰流》だけだ。喜べ。お前はその後継と認められたぞ」
王虎の言葉とは裏腹に、王虎の全身から放たれる威圧感はさらに膨れ上がるばかりだった。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
“
“
これが世界を揺るがす秘密の一端でした。
これらを知ったレイは自分の意思と無関係に“
次回お楽しみください。