※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
レイは王虎を攻め込んでいた。
正確には攻め込まざるを得なかったと言って良い。
王虎は今までレイに対してはっきりとした殺意を向けてこなかった。
しかし今は違う。
レイを後継に指名し、開祖の命を果たした事で『秘伝書を渡さなければならない相手』という事で手加減する必要が無くなったのだ。
受ける側に回ったら一方的にやられる!
そう考えてのレイの速攻だった。
しかし実力差は如何ともし難く、レイの攻撃は尽く王虎に防がれていた。
そして同時にレイは王虎の攻撃を何とか躱す事が出来ていた。
陰流は対“
技と技の繋ぎ、コンビネーションや技を繰り出した後の隙など考慮されていない。
世界を己の意思のままに操る“
“
答えは言うまでもなかった。
そんなものが必要なのは“人間同士の闘い”の場合だ。
特に体重で体格差が制限されている“近代ボクシング”では「強さ」は修練の結果で現れる。
同じ体重、同じ体格同士の者が競い合う事で“技”が磨き上げられ技術は洗練されていく。
陰流の技は対人用としても強力なものであり、王虎の優勢は揺るがなかったが、“対人用の技”として磨き上げられた“近代ボクシング”の技術を駆使するレイを捉えるのは王虎にとっても簡単な事ではなかった。
「がっ!」
何度目かの王虎の一撃によって吹き飛ばされながら、それでもレイはまだ立っていた。
「やるものだ。まさかここまでお前がしぶといとは思わなかったぞ」
本気で感心しているように王虎が賞賛を口にする。
「へ、そりゃあどうも?ついでに俺の後継って話も無しにしてくれたらありがたいんだがな?」
「それは出来ん。やっと妻の元へ逝ける機会が得られたのだ。この機会を逃すわけにはいかん」
「妻って・・・」
「儂の妻の話は聞いているだろう?儂にとって妻のいないこの世界など生きていても意味がない。
だが“
それなら自分で死ぬしかないが、唯死ぬだけなのはつまらん。
それなら儂が死ぬ事に何か意味を持たせる事が出来れば大手を振って妻の元へ逝ける」
「・・・つまり俺はあんたの手の込んだ自殺の口実か?」
「そういう事だ。しかもお前を後継にすれば儂の一族は二千年の間続く開祖の“呪い”から解放される。
運が悪かったとあきらめろ」
「ふざけんじゃねえ!そんな適当な理由で殺されてたまるか!」
「では抗ってみろ。正当な理由だろうと、意味不明な理由だろうと、どれだけ理不尽な理由であっても
『抵抗できなければ死ぬ』という事実には何も変わりはない」
そう言って王虎は大きく踏み込むと、再び“
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
レイを理不尽な暴力が、その象徴とも言うべき“
かつて死の淵にまで追い詰められた“
次回、この二人の死闘の決着が付きます。
次回お楽しみください。