※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
剛剣死(士)に勝利したレイは周囲にもみくちゃにされた。
「勝利を祝うのも良いが、まずは休ませてくれ」
そう言って傷の手当てをしてもらうと元の檻の中ではなく、豪華な個室に案内されると今まで触った事もない
ふかふかの布団に包まれるとそのまま眠りについた。
目が覚めると今までとは比べ物にならない豪華な食事が出され、旨さに感激しているとクルダの奴隷を束ねる奴隷頭の老人が部屋に入って来た。
「目が覚めたようだな」
「おかげさんで」
子供に似つかわしくない返事に老人は眉をひそめた。
「お前は状況を理解しているのか?」
「さあ?昨日の今日の事だから何もわからないな?教えてくれないか?」
老人は苦笑するとレイに昨日からのクルダの動きを話し出した。
レイを担ぎ上げてキシュラナをクルダから追い出そう。
キシュラナから独立しよう。
そう言いだす者がどんどん増えている。
このままでは弾圧がもっと酷くなるだけだ。
キシュラナからの独立など何年やっても無駄だったのだ。
今回も同じだ。
お前を適当な剛剣死(士)の相手に差し出して終わりだ。
短い夢を見せてくれた礼にそれまでは良いものを食わせてやる。
それで満足しておけ。
老人の話はそのようなものだった。
話を聞いていたレイは老人に尋ねた。
「クルダには何人の人がいる?」
「何?」
「人だ。人間は何人いる?」
「ここには一万人ほどだ。だが半数は女子供だ。戦える男は五千人ほどだ」
「キシュラナは?」
「ここにいるのは1千程度だ。だが周囲からすぐに数千から下手をしたら万単位の兵が集結する。
どちらにせよ勝ち目はない」
「ここにいるキシュラナの頭はどんな奴だ?」
「王都から追放された第三王子だ。王太子の地位を狙ったという話だがな。詳しい事は分からん」
その後もレイの質問は続き、クルダに来る商人、キシュラナへの道程、クルダ周辺の地形にまで及び、その他細々とした質問は日が暮れるまで続いた。
「・・・」
「気は済んだか?後はその日が来るまでせめてゆっくりしているがいい」
レイの質問に付き合った老人はそう言って部屋を出ていこうとした。
「おい、じいさん?」
「なんだ?」
「もし本当に『クルダが独立できる』と言ったらやってみるかい?」
「!!!」
それは老人が子供の頃から、いや老人の祖父が、その祖父が、先祖代々の悲願とも言っていいものだった。
「・・・できるのか?」
意識していないのだろうが老人の声は震えていた。
手が震えていた。
それは怒りでも恐怖でもなく、長い年月の果てに忘れかけていた“希望”の震えだった。
「・・・このままだったら俺は殺されるんだろう?だったらやってみる価値はあるさ?」
最もレイの内心はそんな殊勝なものではなかったが。
(ほっとけば殺される?冗談じゃない!だったら纏まった戦力が見込める今のうちに独立するべきだ!
深紅の王?虎王?歴史?知った事か!せっかく生まれ変わったのにまた死んでたまるか!俺は絶対に生きてやる!)
こうしてクルダの夢と、希望と、悲願が、クルダの歴史に大きな足跡を刻む事になる。
その始まりは、取るに足らない矮小な欲望によるものだった。
※あとがきです。
私の拙い作品に目を通していただきありがとうございます。
本作の更新は不定期になります。
具体的には数日更新が続いた後、週一から月一、また週一と一定しない事が考えられます。
お手数をおかけしますが、拙作をお見捨てなくよろしくお願いします。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
他にもガンダムseedの二次創作を投稿しています。
よろしければ、こちらもお楽しみください。
https://syosetu.org/novel/396797/
転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜
次回お楽しみください。