※前書きです。
本話は独自設定・原作改変を含みます。
原作とは異なる表現、矛盾、人物が登場しますが
本作独自の創作ですのでご容赦ください。
レイは老人にこれからの計画を話した。
話を聞いた老人は絶句した。
「そ、そんな事が本当に出来るとでも・・・」
「出来なかったらずっと奴隷のままだぞ。奴隷のまま惨めに生きるのと、誇りを持って生命を賭けるのとどっちが良い?」
「・・・」
「それに失敗しても後の連中の為に、失敗した理由を教える事が出来るだろう?
後の連中は俺たちとは違う方法を選べば良い。それだけでも大きな違いだ」
「・・・」
「俯いて惨めなままの奴隷の後を継ごうというヤツはいない。
例え奴隷でも、人は誇りを持って気高く生きた者の後に続こうとするものだ。
クルダってのはそういう所じゃないのか?」
その言葉は老人の中の『何か』に火を付けた。
かつて見た独立の為に力を振るった闘士たち。
キシュラナに対し独立を挑み、ねじ伏せられた過去が脳裏に浮かぶ。
それと同時に、傷付きながら後に続く者たちの為に、唯ひたすらに前へ、一歩でも前へと進みながら倒れ伏していった闘士たちの誇り高い姿が老人の瞼の裏に甦っていた。
「本当に出来ると思うのか?」
老人の声は震えている事を隠す事が出来なかった。
「出来ると信じていなければ、出来る筈がないだろう?」
そのレイの言葉は老人の中に着いた火を全身に駆け巡らせた。
「・・・よし!では手筈を整えよう!五年だな?」
「ああ、話を聞く限りキシュラナ王はもう長くない。
その時に第三王子のくせに王太子の地位を狙うような奴が大人しくしているはずもない。
それに合わせればクルダの独立も可能だ」
五年。
それは短いようで、民の歴史を変えるにはあまりにも短い時間だった。
「王太子は自分を狙う第三王子を始末したい筈だ。
反乱で第三王子を引き止めれば王太子に有利になる。
第三王子の首を代償に独立を要求しても良い。
逆に独立を条件に第三王子に協力しても良い。この数年が勝負だ」
「第三王子にも始末したい奴、黙らせたい奴はいる筈だ。
そいつらを俺にぶつければ面倒事は一気に片付く。
第三王子がそうしない理由はない。
しかもそいつらが子供に負けたとなれば面目は丸潰れだ。
勝手に手筈を整えてくれるだろうな」
レイにはその時の光景が簡単に予想出来た。
第三王子が、王太子の用意したレイの対戦相手に一服盛るのは十分有り得た。
「第三王子には『子供に勝って何が自慢出来るのか?一人前の闘士になるのを待ってから倒した方が王者に相応しい』とでも言えば納得するだろうな」
第三王子を間近で見て来た老人の言葉は重かった。
「それと周囲の地形を教えてくれ。何処に何があるのか?
河や湖までどの位の距離があるのか?
軍を進める進路は何処が良いのか?
確認しなきゃならない事は山積みだぞ」
「軍?何処に攻め込むつもりだ?」
「決まっているだろう?キシュラナの王都だ」
「!!!」
それは老人には衝撃的な答えだった。
「こ、ここのキシュラナ兵を追い出せば良いのではないのか?」
老人の声は再び震えていた。
レイは鼻を鳴らすとつまらなそうに言葉を続けた。
「奴隷に反抗された連中がそのままにしておく筈が無いだろう?
何度も討伐軍を派遣してくるはずだ。
一々そんなのに付き合っていられるか!
王都まで軍を進めて大元から叩き潰してやる!」
レイの言葉に老人は「コイツなら出来るかもしれない」とレイへの信頼をさらに強くした。
もっともレイはそこまで考えていたのではない。
単に「王都まで進軍されればキシュラナの連中も少しはビビって大人しくなるだろう」と思っただけだった。
そんな事は深く考えずレイは老人と言葉を交わした。
「ではしばらくは力を蓄える期間だな。修行の為だ。人を手配してくれ」
「わかった。任せておけ」
老人とレイは手段を選ぶつもりは無かった。
老人は独立の為、レイは自分の生命の為ではあったが。
五年後。
クルダ独立の目標が定められた。
※あとがきです。
お読みいただきありがとうございます。
本話には本作独自の設定が多数ありますが、創作上の出来事としてご容赦ください。
本作の更新は不定期になります。
お手数をおかけしますが、拙作をお見捨てなくよろしくお願いします。
他にもガンダムseedの二次創作を投稿しています。
よろしければ、こちらもお楽しみください。
https://syosetu.org/novel/396797/
転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜
次回お楽しみください。