フラグマン製機体に!!!勝ちたい!!!!!! 作:雨傘なななな
【機械工】ノーイ・デクステル
【精密作業補助機体:Mark Ⅲ】
装備制限:レベル500
装備補正:DEX15%
所有者設定:ノーイ・デクステル
形状:精密作業台
装備スキル:
《マシン・クリエイション+》
自身の所有するスキル《マシン・クリエイション》を強化するスキル。
この機体動作には所有者のDEXの70%が参照される。
「よっっっっっし!!!!」
ガレージに鎮座する十メートル四方程度の大きさの直方体を前に、僕は過去1の両手を振り上げて歓声を上げた。
Mark IではDEXの30%を参照するスキルだった《マシン・クリエイション+》の効果が70%へと上昇、装備補正も伸びた!!!!
僕ってやはり天才なのでは……?
当たり前の話だが、クラウディアから貰った素材の質が良すぎたこともある。
以降の僕は市場で購入する素材の質に満足できるのか……不安である。
「これでよーーーやくエルブレイン君の機体に着手できる!!」
何日かに分けて【精密作業補助機体】を作成したことにより既に依頼の期限は残りゲーム内で2週間に迫っている。
リアルの予定も含めれば、設計→素材購入→作成の工程を考えればギリギリといった所だ。
ていうかデンドロ内の3倍時間って色々狂うから苦手なんだよね。リアルも3倍になれば良いのに。
下級職を埋める【鑑定士】の《透視》スキルを駆使してMark IIIの最終確認と微調整をしながら色々と考える。
ティアンの技術者に一年ほど師事した経験とリアルでの時計技師としての腕前を合わせればパーツの噛み合わせ確認などはそれほど難しいことではない……が、やはり動力炉の問題や装備スキル付与の問題は大きい。
「案も設計もポンポン上手く行きはしないもんな……」
天井を見上げて思考にふけ……うーわ天井に穴空いたままだ……防犯終わってる店になってるぅ……気づかないフリしてたとはいえ2週間近くこのまま過ごしてたのかよ僕って。
「……仕方ない、思考ついでに大工ギルド行くか。金額知っとかないとだし」
ガレージの扉に鍵をかけ……まぁ鍵かけても侵入し放題なので金目のモノもそうでないものも全てアイテムボックスに収納し家を出る。
中から見たら一目瞭然とはいえ外からじゃ翼でも持っていないと大穴が空いてることは見えないわけで……大丈夫大丈夫、きっと大丈夫。
◆
と、言うわけで大工ギルドにガレージの修理依頼を出しに来たわけだが、受付のお兄さんは事故の内容と被害の概要を聞いてしばらくふんふんと頷いた後試算額を出してくれた。
「8000リルですねぇ」
「やっっす……くないか……安くない安くない」
「負けられませんぜ?」
「や、大丈夫! 一万リルの修理依頼で出してもらっていい?」
10万リル以上するイメージだったから今すぐとは行かないと思っていたが、10分の1であれば話は別だ。
そうだ、修理費用って色々高額な追加素材が必要なマジンギアと木材でできる建物じゃあ色々と違うのは当たり前か。
超級職持ちではないとは言え生産特化マスターとしてそこそこ名の売れている僕は生活する分にはお金に困っていないのである。生産用の素材買おうと思うと途端に困るわけだが。
「おっと、だいぶ多めですねぇ。それなら今日中に誰かが受注すると思うんで、日程もはやめに切っときますね」
「お気遣いどうも! 住所は……」
差し出された記入用紙に必要事項をいくつか書き込み、依頼発注成功である!
大工ギルドもそうだが、多くの生産系ギルドでは上級職の就職条件に依頼受注数があることもあって割の良い依頼は取り合いになりがちだそうで……後方で条件を聞いて嬉しそうな顔をしたマスターの気配がするし、今日中どころか僕がギルドを出て2分で受注される気がする。
「おじゃましましたー、依頼よろしくお願いします!」
「どうもどうも! またのご利用お待ちしております!」
などなどリアルと変わらないやり取りの後、大工ギルドを出て帰宅す「待って待って、さっき大工ギルドに来たお兄さん!」……?
僕か?まぁ僕だろうな……。
「………なんでしょう?」
「俺はマスターのタイクってもんで、お兄さんの依頼を受けたんだよ! 住所確認しながら向かうの大変だからこのまま一緒についていって修理していいかい?」
「あぁーー、おっけーおっけー、ここから5分ぐらいの所なんで。ささっと行きましょう」
行き道同様エルブレイン君の機体について考えながら帰るつもりだったが、どうせ息抜き。この5分で思いつくことなどどうせガレージに帰ってからでも思いつける……よね?きっとそう。大丈夫大丈夫。多分。
◆
タイク・ロビンソン。
今回僕のガレージ修理依頼を受けたマスターで、JOBはカンスト目前、エンブリオは第五形態だそうだ。
普段は引き篭もって好きなデザイン開発に勤しんでいるが、昨日ついに飯を食う金すらなくなってしまったらしく、仕方なくギルドで金稼ぎに良い依頼を探していたんだとか。
道すがらアイテムボックス内の建築デザインを見せてもらったのだが、他の色々なモノを犠牲にしてでも打ち込むだけはあると言える素晴らしいものばかりだった。特に宮殿の設計図は本当に素晴らしい。
次クラウディアに会ったらどうにか彼の設計を参考にするよう勧めようかなと思うほどだ。
きっと彼はリアルよりも長い時間を設計やデザインに注ぎ込むためにこの世界に来たのだろう。
「おーおー、派手にやったね」
「はい……」
「まぁこれくらいなら俺のエンブリオでちょちょいのちょいよ。ちょっと待ってなー」
先程も若干疑問に思ったのだが、彼のメインJOBは【高位設計士】だと聞いている。大工ギルドにいるには若干不適格というか適性違いというかそういう風に感じる。
当のタイクさんはガレージに到着して現場を確認するなり修理用の設計図を引き始めたわけだが、話しかけても問題ない範疇の作業だと言われていたため疑問を確かめることにした。
「タイクさんのエンブリオって?」
「おー、俺のエンブリオはリアルにある3Dプリンターに似たもんでな」
へ、へー。
いや別に羨ましいとか全然思ってない。めちゃくちゃ良いなとか思ってないよ。
「俺が引いた設計図と材料を突っ込めばそれをそのまま形にしてくれるんだ」
あー、リソースと設計図を外付けにする代わりに精度を向上させてるわけだ。
ふ、ふーん。
いや別に僕もそれが良いんだがとか思ってないよていうかどういう性格だったらそんなエンブリオになるんだよ。
「まぁ当然規模が大きいほど時間とより多くの素材がかかるけど……俺は機械はさっぱりだが、それこそマジンギアなんかの作成もできるだろうな。」
はーーーーん。
いやそりゃ僕もそれが良いけど!?!?
ていうか【設計士】系列夢のエンブリオじゃんか!!
「ま、戦闘に耐えうるほどの耐久性は作れんが。」
ちゃんちゃん。
じゃあいいや。僕は自由におもちゃのマジンギアが作りたいんじゃなくて自由に最強のマジンギアが作りたいんで……。
「よし完成!」
出来上がった天井修理の設計図とアイテムボックスから取り出したいくつかの木材をタイクさんがなにやらシュレッダーみたいな機械?のエンブリオに突っ込み、そのまま出口部を天井へと向けた。
ピー、ガガガ、ゴゴ、ガタガタ、ゴゴゴ、キリキリキリ、ガチャン。
まぁそんな感じだ。
気づいたら青空ガレージから普通のガレージに戻ってた。
こわっ!凄っ!やっぱ【設計士】垂涎もののエンブリオだろそれ!!
「ありがとうタイクさん。いやマジで。良い刺激になった」
「そーいつはどうも! じゃあ俺は1万リルで1週間缶詰生活に戻るんだぜ!」
最大限の感謝と共に、別れ際にギルドで払った1万リルに追加でもう1万リルほど渡しておいた。
良い仕事だったというのもあるが、彼が自由にデザインを生み出せる時間が1秒でも長いことは僕にとって喜ばしいものでもあると思ったからだ。
それと、本当に良い時間だった。
お陰でエルブレイン君に作る機体のアイディアも定まったのだから。
◆
新品の【精密作業補助機体:Mark III】に向かい合い、素材と数種類の設計図、いくつかの工具を横にある作業台に並べる。
「───────《
銘とは、武器の形を決定付ける一要素となり得る。
雷槍と名付ければ雷の能力を、聖剣と名付ければ悪を打ち砕く能力を持って、その武器はこの世に生まれ落ちるのだ。
「この機体の名前は……【極炎炉 ヘルフレイム】」
炎を増強するエルブレイン・ソーリスとムスペルの搭乗する機体に相応しいだろう。
必殺スキルを起動したことにより右目の義眼が輝き、代わりに【精密作業補助機体:Mark III】のマニュピレーターが僕の思考が要求する動きをトレースしていく。
マニュピレーターから伸びるツールは研磨、掘削、接着、コーティング、素材の合成などの作業を可能にするよう設計したもので……試作品作成段階ではその全てが要望通りに動いていた。
現在も……問題ない。
「所有者設定、エルブレイン・ソーリス」
そも、この機体の作成に当たってわざわざMP消費に比べて効率が特段に良いと言い切れるわけではない程度の動力炉を積む必要があるのか?
当然、ある。
マジンギア、特にマーシャル系列やガイスト系列では【操縦士】のMPを元にその出力を決定している。
操縦者が超級職であればともかく、そうではないマスターの機体においてはその継戦時間と戦闘能力の高さを天秤にかける形となる。
この問題は、一定数の【操縦士】系列のマスターが【生贄】の取得を検討するほどに深刻な問題だそうだ。
ここでなぜ技術者……言ってしまえばフラグマン以外の技術者達が動力炉を積むことで出力と継戦時間を両立しよう!とならないのかと言えばこちらも簡単。
それを成しうる性能の動力炉を設計できないのだ。
ここだ。ここにフラグマン製機体一強の理由がある。
怨念動力、魔力式動力、SP式動力など様々な方式が採用され!その全てがフラグマンの動力炉の出力の百分の一な辿り着くことすらできていない!
強いてフラグマン製以外で運用される実用的な出力での動力炉と言えばUBM討伐報酬のアジャストが上手く行ったパターンぐらいである!
「分かっている。理解している。僕の技術ではその足元にも及ばない。足元の足元の足元の足元だ、だが!」
今回はムスペルによる火力増強がある!!
それを前提に魔力回路を計算し、それを前提に出力を算出すれば!!!
「…………越えられない。越えられはしない。その程度の高さの山ではない。いわば蟻がエベレストに挑むための第一歩に過ぎない。」
それでも一歩ではあるのだ。
《マシン・クリエイション+》を起動。
設計図を元に基盤、回路、動力炉の内部機構パーツを作成していく。
外装を強化する方向性に進めれば、このあたりの内部パーツは精巧かつ複雑に作っても問題ない……!!
動力炉の出力不足、エンブリオの火力超過による自傷ダメージ、【操縦士】のMP量による継戦時間問題、その全てを解決する神の一機を今ココに……!!!!!!
◆◆◆
■【装甲操縦士】エルブレイン・ソーリス
「と、言うわけでお披露目です!!!!!」
テンションたけぇ……。
明らかに深夜テンションです!と言った感じの変人ことノーイ・デクステルに呼び出されてやってきた先、ガレージの扉を開けた瞬間に勢い良く走ってきてコレである。
俺とて新機体を楽しみにする気持ちはあるが、前回の大爆発のせいでコイツへの信頼は若干というかそこそこ失われている。
「今回はムスペルに爆発の出力制御なんてさせんなよー」
「まっっかせなさい!!」
大丈夫かコレ。
「会うのは2回目だけどテンション高いノーイって不安だねー」
「本当にそう。まじで不安だ」
「ではコチラをご覧下さい!」
不安を隠そうともしない俺達の反応など一切聞こえていないかのようにノーイがガレージのど真ん中に設置された赤色の機体をへと掌を向ける。
「少なくともデザインはマジで最強だな」
「あ、分かる? 最近知り合った天才みたいな大工?設計士?に相談したんだ。」
間違いなく低重心。【装甲操縦士】として防御力と安定性を重視した機体が欲しいって要望には間違いなく応えられている。
「細かい説明は後。《鑑定》は取ってる?」
《鑑定》《真偽判定》《看破》あたりのスキルは戦闘スタイルに関わらず取っておいたほうがいいスキルだ。JOB構成の許す限りのレベルで取っている。
ノーイからの確認に軽く頷き、手招きされるがままに機体に鑑定をかけた。
【極炎炉 ヘルフレイム】
『特殊装備品』
ノーイ・デクステルが作成した炎の属性を持つ素材と金属を練り込んだ素材を機体全体に使用したエルブレイン・ソーリス専用機体。
機体は暗い赤色にコーティングされ、地獄の牢獄を思わせる形状となっている。
装備制限:レベル500
所有者:エルブレイン・ソーリス
装備スキル:
《炎熱装甲》
パッシブスキル。
周囲の熱量を取り込むことでこの機体のENDに加算補正をかける。
……………………どこから突っ込むべきだ?コレは
ノーイに許可を取り予備のマジンギアを空いていた場所に出現させ、そちらの鑑定結果と見比べる。
「な、コレ、いやコレ、ていうか所有者って……特典武具の……?」
「それは僕の必殺スキルの効果ね。説明しても?」
理解不能な部分に混乱しつつも何度か頷けば、ノーイの奴は満面の笑みと言った雰囲気で演説でもするかのように語り始めた。
「まず動力炉には、先日の宣言通りに火力式のものを使っています。この時前回のような出力不足による爆発事故、そうでなくともムスペルのスキルとの兼ね合いで炎による自傷ダメージの恐れがありました」
「この機体ではそれを【炎熱装甲】という熱量を防御力に変換するスキルで補っています。
ムスペルで動力炉内の火力を向上させることで継戦時間、機体の出力、さらには防御力をも向上させ、火炎放射器により周囲に熱量を加えることでさらに防御力を加える!」
「イメージとしては周囲に炎を撒き散らし、煙と炎でボヤける視界の中で延々と戦い続ける地獄の門番ですね!」
「元より現在の動力炉作成技術ではわざわざ機体に搭載させるだけ無駄と言うしかないような出力増強具合のものしか作れなかったのですが、それを!」
「エルブレイン君、貴方のエンブリオであるムスペルにより解決!」
「ムスペルには火力を増強し過ぎる故に自傷ダメージ、及びマジンギアの機体が溶けてしまう問題がありましたがそれを!」
「この機体の装備スキルである【炎熱装甲】により解決!」
「さらにさらに所有者設定! ………これは別にそのままですね。必殺スキルの効果としてしょっぱい気もしますが、所有者を設定することで売買とか強奪みたいなことができなくなります。それと、装備制限みたく機体の汎用性を減らす行為でもありますので若干ながら機体の性能を上げる効果もあります。」
「以上、性能報告ですが……ご質問は?」
エルブレイン君?と、そう投げかけられ、ようやく思考が現実へと回帰する。
俺は分類的には準超級に入るわけだが、超級職も特典武具も超級エンブリオも持たない平々凡々なマスターである。金も潤沢とは言えない。いつかはとは思っていたが……まさか本当に自分専用のワンオフ機体に乗って戦えるようになるなどとは妄想こそすれ信じ切れてはいなかった。
「大丈夫だ。それで……試してもいいかい?」
「さすがに直したばっかのガレージの中では勘弁願いたいかも。とはいえ僕も試走の様子は見たいから、フィールドに出ようか」
「おーけー」
俺の、そう、俺の新機体であるヘルフレイムを追加で貰ったマジンギア専用アイテムボックス【ガレージ】へと放り込み、代わりに昨日まで必死に稼いだ二億リルと……モンスター素材は売っちまったな、なんかないか、渡せるもの、渡せるもの……ないな。ないから今度追加で一億リルぐらい押し付けてに来よう。仕方なく改めて二億リルをノーイへと引き渡し、ノーイのガレージを出た。
やばい。昔両親に最新型のゲーム機を買ってもらったときと全く同じ気分だ。30近くもなってまだこんな感情に包まれる日が来るとは、やばいぞこれは……!!!
「マスターまでノーイと同じテンションになるとは思ってなかったなー!」
ムスペルが苦情を呈すのをスルーしてそそくさと扉を閉めて歩き出した。
足が、全身がヘルフレイムを試したがっている……!!
◆
皇都周囲、ある程度炎を使っても問題ないフィールドにて、改めてヘルフレイムを【ガレージ】から呼び出す。
「余談なんだけど、動力炉の問題が解決したら次は補助AIの搭載問題が待ってるんだよね。うまくいったらヘルフレイムにも追加搭載しても良い?」
などと理解し難い質問をするノーイに適当に頷きつつ、ヘルフレイムへと搭乗する。
「ムスペル、ルール形態」
「まかせて! 動力炉爆発させちゃうよー!」
「……………そうはならないと思いますが、不安になってきたな。一応徐々に出力上げてもらってもいいですか……???』
搭乗口を閉めたことで、途中からノーイの声が内部スピーカーからの音声に切り替わった。
ワクワクしているのだから全力で行きたい所だが、俺としても速攻爆発させるのは本意ではない。
外部スピーカー機能、どこだ外部スピーカー機能……これね。操作UIは基本的に元のマジンギアと同じぽいな。有難い。
「分かった。それで、説明を頼んでも?」
『勿論です! その機体は基本的にマジンギアの操作感に則って作っていますが、装備と動力部に大きな違いがあります!』
装備は俺は火炎放射器を頼んでいたはずだが……どうなったのやら。火炎耐性の高い素材でマジンギアを作ってくれ程度の依頼がここまで別物になってしまうとは予想だにしていなかったわけで、奴なら装備方面の魔改造もしかねない。
『近接戦闘用の盾を両手に装備しているのが見えますか?』
「あぁ」
うむ。早速要望と違うな。いや【装甲操縦士】としては有難いが全然違うな。嘘だろ。人の話聞くって概念知ってんのか?
『基本的に攻撃はその盾での殴打と肩に設置した火炎放射器での熱量攻撃となります! 防御と状態異常火力で時間をかけて相手を倒す戦法が主ですね』
俺が火力で雑魚を蹴散らす戦闘スタイルを得意としている話って聞いてなかったんだろうか。
「聞いてなかったんだろーなぁ! ムスペルのスキルの説明した瞬間から目キラッキラだったしなぁ!!」
外部スピーカーをオフにして文句を叫ぶ。機体には文句ないぞ。機体には。人の話は聞こうな???
「【炎熱増強】の問題点も解決してるしー、火炎放射器も乗せてはいるしー、話は聞いてるんじゃなーい?」
「ムスペル……そういう問題……か。そうかもしれん。」
『出力なんかに関してはムスペルとの相談なのであまり詳しくは話せませんね!』
「あー、オーケー分かった。試しても?」
『じゃあ僕がある程度離れたら動力炉を起動してくださーい!』
カメラに向かって手を振ってそう叫んだノーイが走って離れていくのをカメラ越しに見つめつつ、操作管を握り締める。
「マスター!」
「ん?」
「ノーイは変な奴だけど凄い奴だから楽しみだねー!」
「……………………………ふ」
本当にそうだ、と思う。
爆発事故で吹き飛んだかと思えばクラウディア皇女を連れて戻って来た時から分かっていたことだが……アイツはきっと凄いやつなのだろう。
改めて操作管を握り直し、ノーイが離れたのを確認。
「クエストスタートってやつだ」
「だー!!」
────そして、後に皇国の準超級として名を馳せることになるエルブレイン・ソーリスの相棒機体【極炎炉 ヘルフレイム】の動力炉に炎が灯される。
・補足
ノーイ・デクステルは自身の作成機体の説明をする時だけ友人相手でも敬語になる。
多分本人の中では接客をしている判定であるため。