異界渡り、ビカム -伝説のエルフは今日も勝手に深読みされる-   作:鹿紅 順

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第一章 第5話「〝クリーナー〟」

   ***

 

 

 

「――ジャガンの生体反応、消失しました」

 

 薄暗い室内。

 天井の照明の光量が絞られた代わりに、前方の壁一面を占める巨大スクリーンと、等間隔に配置されたPCモニターが部屋の光源となっていた。

 見る者が見れば、そこは指令所のような感想を抱くだろう。それは正しい。巨大スクリーンに表示された情報はリアルタイムで更新を続けており、作戦の進捗状況を正確に反映する。

 

 スクリーンから最も離れた反対側の壁際、全体を俯瞰するために高く設けられた席上から声が飛んだ。男の声だ。

 

「電波障害の可能性は?」

 

「エリア内の通信状態は良好です」

 

「監視カメラの映像を出せ。不審な人物を検索しろ」

 

「シティ管轄外地域のため設置台数が少なく、割り出すのは時間がかかります」

 

 男の問いに、オペレーターの女の声が応じた。

 

「チッ、これだから掃き溜め(・・・・)は……」

 

 ことごとくのネガティブな回答に舌打ちが響く。

 

「仕方ない。何者か知らないが、目撃者は全て抹殺しなければ――〝クリーナー〟を出撃させろ」

 

 室内の音が一斉に止んだ。

 

 モニターの前にいたオペレーターの一人が、信じられないという表情を顔に貼り付け、今の指示を発した男に振り向いた。

 

「ば、場所はシティ管轄外地域ですが、シ民の居住が認められ、」

 

シ民(・・)とは」侮蔑を含んだ男の声が質問を断ち切る。「完璧に管理され秩序が保証された壁の中に住む人間のことを言う。あんなジャンクにまみれた世界に生きる猿どもは断じて違う。そうだろう? それとも貴様、奴らに感情移入を――」

 

「い、いいえ! 仰る通りです、保安部長。……〝クリーナー〟、起動します。」

 

 男の指示を受けたオペレーターは震える手でコンソールを操作した。

 

 

 

 

 

 指令所から飛んだ起動信号が到達した瞬間、暗闇に包まれていた格納庫に照明が灯り、そこに眠っていたソレは約七千時間ぶりの覚醒を迎える。

 

 長期間の待機を感じさせず、二秒後にはタイヤを駆動させ、〝クリーナー〟は勢い良く放たれた。

 

 

 

   ***

 

 

 

 霊剣フェーレが引き抜かれると、宙に吊り上げられていたジャガンの死体は床へと崩れ落ちた。

 ビカムの手からフェーレは消失し、ハイテク銃は背中の納まるべき位置に納まる。まるで何事もなかったかのような平静さ。リンは瞠目せずにいられなかった。

 

 だがそれ以上に、ぎりぎりと奥歯を噛みしめずにはいられない悔しさが、彼女の心を責め苛んでいた。

 

「何も……出来なかった」

 

 サムライになってからも、自惚れていた瞬間は無かった。

 自分は弱輩だ、上には上がいると、頭では分かっていたつもりだった。

 だから、挫折するような苦境にも耐えられると思っていた。

 

「何も……」

 

 しかし嘲笑うかのように、たかだか十七歳の少女の覚悟などあってなきものと、現実は残酷な事実を運んでくる。

 今日、二度もリンを助けてみせた美しい剣士は、ジャガンの死体に向き直ったまま視線を伏せている。

 それはまるで、葬った敵へ死後の冥福を祈っているかのようであり……。

 

「……(最後、ちょっとクサい(・・・)返しをしてしまった。恥ずかしい)」

 

 リンの抱いた感想は、おそらく間違っていないだろう。

 この超然とした男にとって、己の命を奪いに来た相手でさえも慈悲は分け隔てなく与える対象なのだ。

 戦う者の理想を体現したような振る舞いが、リンに一層己の未熟さを突きつける気がした。

 

 ――だが、その感傷を吹き飛ばすような驚きが視界に飛び込んでくる。

 

 落下の衝撃でジャガンの被っていたヘルメットが外れて、隠されていた素顔が白日の下にさらされていた。

 

「じ、獣人⁉」

 

 そう――フルフェイスのヘルメットの下には、漆黒の毛並みに覆われた頭部が存在したのだ。

 

 縦に細長い黄色の瞳孔は、ジャガンが猫系の獣人である事実を如実に表している。

 リンダリアル人がチキュウ世界にいるのは珍しいものの、ありえない事ではない。

 しかし、一般には出回らないだろうあの蜘蛛のごとき軍用補助碗を何の伝手もなしに手に入れられるとは考えにくい。それに、今際の際に発した〝あの方〟とは? 謎は尽きない。

 

 考えても詮無き事と行動で示さんばかりに、ビカムは店主の遺体に近づくと片膝を着き、つぶさに調べ始めた。

 

「何をしているの?」

 

「……なるほど(そういうことか)」

 

 ビカムはおもむろに店主の遺体を裏返した。リンは緊張に身を貫かれた。

 もし、万が一……ビカムが亡骸を粗末に扱おうものなら、強靭な意思をもって彼を咎めなければならないと決意したからだ。

 しかしその心配は杞憂に終わり、彼は素早くかつ丁寧に遺体の位置をズラすと、それ以上手を加える様子はなかった。代わりに遺体が横臥していた床を触診し始める。

 

 答えは唐突に現れた。

 ビカムの指が床材の継ぎ目へと延び、遺体が横たわっていた部分の床材を剥した。

 

 ――そこにはなんと、鋼鉄製の扉があった。隠し扉だ!

 

「そうか、だからこの人は……」

 

 合点がいったとリンは息を吐く。

 この店主が苦痛に苛まれながらも這いずり、ここで死んだ――否、ここを死に場所に選んだ理由が分かったからだ。

 ……己の死体をもって蓋にするとは。店主の壮絶な覚悟を思い、リンは身が震える思いだった。

 

 鋼鉄の扉はダイヤル式の鍵が付いていた。これがもし電子式であればハッキングで開錠する余地もあるのだろうが、超科学の時代に電源を不要とするアナログ型は逆に信頼できる保管手段の一つだろう。

 

 ダイヤルには百番まで数字が割り当てられている。何の手掛かりもなしに開けようと思えば総当たりしかないが、何個の数字が必要か分かっていない状態では途方もない時間を要するだろう。答えを知る店主は既にあの世に召されている。

 

 ――しかし、いかに非電子的に守られていようと、魔法的手段に対する備えはどうだろうか。

 

 ビカムが指でダイヤルをとんと軽く叩くと、正解の数字目がけてダイヤルは勝手に動き出したではないか。

 右に左に何度も忙しなく回転し――カチリ、という音とともに隠し扉がわずかに浮き上がった。鍵が開いたのだ。

 

 ビカムが扉に手をかける。

 

「あ、ま、待って!」

 

 止める間もなく、出現した縦穴に飛び降りたビカムの姿が消える。リンも慌てて後を追う……ただし、壁に設けられた梯子を使って、安全に。

 

 足の着いた先、秘密の地下室は照明が灯されており、中の様子が露わになっていた。

 地上の倉庫と比して狭く小さい。壁際に棚が設置されているのと、部屋の中央に、寂しく一冊の本が置かれたスチール製のテーブルがあるだけだ。ただ、注目すべき点として、一階の様子とは違い、棚にはしっかりと商品物が収められていた。

 この隠し部屋の商品までは犯人も見つけられなかったのだろう。

 

 そう推測しながら――抜き放った高周波ブレードの切っ先をビカムへと突きつけた。

 

「……(!?!?!?!?!?)」

 

「貴方に恩義はあるけど、それとこれとは話が別」サムライの目でリンは言う。「店主が亡くなっていようと、ここの商品は貴方のものではないわ。不届きを働くつもりなら、私は貴方を拘束する。抵抗するなら……」

 

 果たして、斬れるだろうか。

 思い浮かぶのは、あらゆる剣術で斬りかかる自分――を一太刀にて両断するビカムの影。

 だが、リンは挑むしかない。出来る出来ないではなかった。

 ここで剣を抜けないなら、サムライたる資格はない。

 

「(どうしたのだ急に⁉)……何を懸念しているか分からないが」

 

 悔しいほどにビカムの動揺はなかった。

 彼はテーブルの上の本を撫でる。

 

「……注文していた商品を、受け取るだけだ」

 

 包装された本には伝票が貼り付けてあった。『ビカム 様  料金受領済み』と印字してあるのが読める。

 慌ててリンはブレードを納めた。

 

「は……早とちりを……ごめんなさい」

 

「……(いや、立派な倫理意識を持っていて)素晴らしい仕事ぶりだ」

 

「……っ」

 

 今度こそリンは顔から火が出る思いだった。

 礼を失しておきながら仕事を褒められるなど、皮肉以外の何ものでもない。甘んじて受け止めるべき厳しい鞭撻(べんたつ)である。いっそ怒られていた方がどれほど楽になれただろうか。

 

「……(なぜリン殿は顔を曇らせているのだ?)」

 

 ビカムは無言のまま、腰に下げた鞄に本を収納した。本の大きさよりも底が浅い鞄ながら、あっさりと中に仕舞い込んだではないか。

 これこそリンダリアル世界を代表する物品の一つ、魔法の収納袋だ。

 掛けられた魔法の効果により、本来以上の収納容積を有するこの袋は、一度チキュウ世界のオークションに出品したならば、最低でも十億レジット以上の値段が付く。

 

 リンは、ビカムがそれ以上何も取ることなく地上への階段に手をかけたことに安堵し、自身もその後を追いかけた。

 

 

 

 

 

 さて、地上に戻ったものの、このままリンダリアルに直行……というわけにもいかなくなった。

 

「まずは事件があったことを自警団に通報しないと」

 

 リンは端末を取り出す。

 

「店主の殺人と、私たちへの殺人未遂。誰が犯人か皆目見当つかないけど、このまま立ち去ることはサムライとして看過できない。ビカムさん、申し訳ないけど事情聴取に協力してほしいの。安心して、貴方は犯人と無関係であることは私がしっかり証言するから」

 

 通報しようとして――横合いから伸びた腕が制止する。

 

「……こちらから出向く必要はない(事情聴取……知らない人から根掘り葉掘り詰められる……嫌だ……)」

 

 ビカムの口からまろび出たのは、まさかの拒絶の言葉であった。

 リンは動揺し……すぐに冷静さを取り戻した。

 ビカムの瞳には、深謀遠慮を湛えた光が宿っていた。

 

 ――この美貌のエルフは明らかに、この事件について何かを掴んでいる。

 

 面倒を嫌って事情聴取を避けようとしたのではないか、と一瞬でも想像したことをリンは恥じた。

 ビカムは唐突に背を向けた。残酷な真実を告げる衝撃を少しでも和らげようとするかのように。

 

「(マズい、怪しまれている)……遠からず、向こうから接触してくるだろう(多分。知らないけど)」

 

向こうから(・・・・・)……」

 

 その抽象的な表現にリンは正直戸惑った。

 だがしかし、真相を手繰り寄せている雰囲気を同時に感じ取った。たとえるなら、麓から見上げた時、山中は霧がかっているが山頂は晴れ渡っている。至るべき場所は見えている。そんな不思議な感覚。

 ビカムを知る者ならば、さもあらん、と唸らざるをえないだろう。彼が紡ぐ言葉は常に深みを帯びるからだ。

 

 天啓にも等しく、リンの脳裏に可能性が閃いた。

 

「まさか――ビカムさん、犯人の目星がついてるっていうの?」

 

「……(なぜそうなる……?)」

 

 ビカムの無言は、同意の証か。

 

「(上手く切り抜けられる言葉はないか……ことわざとか、それっぽい)……〝灯台下暗し〟……」

 

 灯台下暗し――身近な事情は逆に分かりにくいことを意味することわざ。祖父から昔教えられたような気がする。奇跡的に記憶に引っ掛かっていたおかげでリンは意味を解することができた。

 ビカムが暗に告げる真実に手を掛け――リンは衝撃に打たれた。

 身近な存在だが、自分でも知らないうちに犯人候補から外している存在――

 

「そんな、犯人はまさか、シティ……企業なの……?」

 

「……(そうなの……?)」

 

 ビカムの無言には、言葉にならない肯定が含まれていた。

 

 無意識のうちにリンは企業関係者の関与を可能性から排除していた。

 ジャンク・タウンに対してシティ運営者たる企業はあからさまに差別的であるが、わざわざ治安を乱すようなマネをしてくることはないと無意識に信じていた。

 

 まだそうと決まったわけでは――リンの表情には苦悩と逡巡がありありと浮かんでいた。

 

 無理もない。リンはジャンク・タウンの生まれであれど、間違いなくシティの恩恵を受けて育ってきた。

 皆がそうだ。文明再興後の世界は確かに飛躍的発展を遂げ、人類の生活はより便利になったが、それはシティの手の届く範囲だけである。

 天然の動物はほとんど死に絶え、戦後遺棄されたアンドロイドとミュータントとに置き換わり、わずかな生き残りがクローニングされてシティの動物園で飼育されるのみ。

 人々は初等教育の段階から外界への恐怖を叩き込まれると同時に、シティがいかに人類の楽園であるか、企業がその守り手であるかを、丁寧に教育される。

 

 たとえ自分の親は疑っても、シティを疑うことはできない――

 それほど強力な固定観念と戦う運命に、リンは予期せず飛び込もうとしていた。

 

「……!」

 

 しかし、少女の決断を待ってくれるほど、状況は甘くなかった。

 突如として倉庫の壁の一角が轟音と共に破壊された。

 

 飛び込んできたのは、大型トレーラーほどもある車両。運転席にあたる窓もドアもなく、全面が凹凸の無い鋼鉄に覆われていた。

 長方形の箱にタイヤを付けただけ……そんな異常な無機質さ。ただ一つ明らかなのは、人間が乗る造りをしていないことぐらいであろう。

 

 この状況を咀嚼する暇も与えず、事態はさらに変遷する。

 倉庫だったものの破片を撒き散らしながら大型トレーラーは白煙を上げながらドリフトし、進行方向の先端を身構える二人へと向けて停止した。

 

『――対象ヲ補足。殲滅形態へ移行』

 

 聞き捨てならない機械音声が発せられ、トレーラーの壁面に複雑な切れ目が生じる。

 残虐なプログラムに従い、トレーラーは第二の姿へ変形を遂げようとしていた。内蔵した武力を振るうため、最適な形へと。

 

「これって――!」

 

 リンが呻くように呟く。

 ビカムとリンの眼前に、全高八メートルにも達する巨大人型兵器が出現した。

 頭部にあたる部位のカメラアイに凶悪な赤光(しゃっこう)が灯る。

 

『――執行ヲ開始シマス』

 

 ロボットの背部からせり上がった筒状の部位が、右肩を台座にして照準する。

 バチバチと(いなづま)が弾け、

〝クリーナー〟の背面武装――短距離式汎用電磁砲(レールガン)が火を噴いた。

 

 

 

   ***

 

 

 

「……う」

 

 耳鳴りの感覚と共にリンは目を覚ました。

 

(一瞬、気を失った)

 

 サムライの勘が命ずるまま、強化外骨格の出力をフルに解放して電磁砲の射線から退いたはずだが、衝撃の余波が脳を揺らしたのか。

 

「ビカムさんは……!」

 

 慌ててさまよわせた視線の先。

 彼が直前まで立っていた位置には、ドーム状の電磁障壁(バリヤー)が生じていた。

 

『エネルギー残量17%。もうこの規模の電磁障壁は使えないわ』

 

「……分かっている(吃っっっ驚(ビッッックリ)した……!)」

 

 障壁が消失すると、無傷のビカムの姿が現れた。

 突然の奇襲にも動揺した気配はない。その冷静沈着ぶりにはもはや呆れざるをえない。

 

『ビカム、あれは〝クリーナー〟! 対市街地戦を想定した、シティの殲滅兵器よ!』

 

 ビカムの左腕、高性能AIのアイが告げる。

 

「……(本当に企業が黒幕かもしれない……)」

 

 全てはビカムの見通したとおりとなった。

 この狙い澄ましたタイミングで現れたシティの殲滅兵器……ジャガンが与する勢力からの刺客と判断して間違いないだろう。

 

 即ち――企業。

 

 シティを支配する巨大組織がビカムの前に立ちはだかろうとしていた。

 

「そんな……何がどうなって……」

 

 混乱の極致に、リンはいた。

 犯人の推測を裏付けるように出現した、シティが保有する兵器。

 それが、いかにジャンク・タウンの住人といえど、壁の中の人間にその銃口を向けたのだ。

 

「あ、あ……」

 

 再度レールガンを照準する〝クリーナー〟を目の前にして、それでもリンは動くことができなかった。

 収束する雷光――

 解き放たれた第二射は倉庫の床を大きく吹き飛ばし、林立するアングル棚ばかりか構造上重要な柱まで破壊した。

 もうもうと立ち込める煙、怪しい軋み音を鳴らし始めた倉庫。

 

 ――粉塵を切り裂いて、一頭の白馬が飛び出した。

 

 鞍上にビカムはいた。

 その後ろ、彼の背にしがみつくようにしてリンが。

 

「……逃げるぞ、リン殿」

 

「逃げるってどこ⁉」

 

「……(とりあえず)シティの外へ」

 

 言い終える間もなく、白馬が跳躍する。

 ビカムの通り過ぎ去った残り香を掻き消すように、電磁加速された弾体が空間を貫き、射線上の構造物を幾つも破壊する。

 

「(住人の有無に関わらず攻撃してくる)……お構いなしか」

 

〝クリーナー〟の動きに、周囲への配慮は一切見られない。砂場の城を無邪気に蹴り飛ばす気軽さで電磁砲を撒き散らしている。

 射線上に何が立ち塞がろうと、プログラムが停止を命じることはないだろう――ビカムとリンの生命活動が停止するまでは。

 

 瞬く間に白馬の疾走は最高速度まで到達し〝クリーナー〟を置き去りにする。

 だが、そうは問屋が卸さないのが世の常だ。

 変形時、脚部に移動していた大型タイヤが回転し、〝クリーナー〟も走行を開始。左右の外壁を破壊しながら追いすがってくる。

 

 馬体が急に傾き、ビカムの腰にしがみ付いていたリンは小さく悲鳴を漏らした。電磁砲がすぐ脇を通り抜けて焦げ臭いを撒き散らしたのと、幾棟もの建物が破壊されるのは同時だった。

 

「……(振り切れない……!)」

 

 ビカムだけならいざ知らず、強化外骨格を着込んだリンの今の重量は、同年代の少女の平均体重とは比較にならない。その分だけ白馬の脚が遅れるのは避けえなかった。

 

「……(ならば!)」

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