黒歌が言霊を使い、妹や仲間のために戦う物語。   作:ピック

12 / 12
完結までよろしくお願いいたします。


第11話 リアス、オカルト研究部を創る

時は流れる。

 

かつて幼かった少女は、いつしか1人の立派な悪魔へと成長していた。

 

名は、リアス・グレモリー。

 

名門グレモリー家の令嬢であり、強大な魔力を持つ彼女には、やがて1つの夢が生まれていた。

 

それは、ただ強い者を集めることではない。

 

身分や能力に関係なく、互いを信頼し、支え合える仲間を作ること。

 

どんな危機に陥っても、決して仲間を見捨てない。

 

誰か1人が傷ついたなら、残りの全員がその人を支える。

 

リアスが望んでいたのは、そんな仲間だった。

 

「私は・・・、そんな仲間を作りたい。」

 

そう決意したリアスが最初に出会ったのは、1人の少女だった。

 

雷の力を宿し、黒い翼を持つ少女、姫島朱乃。

 

彼女は優しい笑顔の裏側に、深い苦しみを抱えていた。

 

それでもリアスは、彼女の強さだけを見たのではない。

 

誰かを思いやる心を見た。

 

「朱乃。私と一緒に来てくれない?」

 

「・・・私で、よろしいのですか?」

 

「もちろんよ。」

 

リアスは迷わず答えた。

 

「私は、あなたと一緒に戦いたいの。」

 

朱乃は少し驚いたあと、柔らかく微笑んだ。

 

「・・・はい。喜んで。」

 

こうして、最初の仲間が生まれた。

 

次にリアスが出会ったのは、聖剣によって運命を狂わされた少年、木場祐斗だった。

 

彼は多くの苦しみを経験し、それでも前へ進もうとしていた。

 

「あなたには、まだやりたいことがあるのでしょう?」

 

「・・・はい。」

 

「だったら、その道を私と一緒に歩きましょう。」

 

木場は静かに頭を下げた。

 

「ありがとうございます、リアス様。」

 

さらにリアスは、時間を操る特殊な力を持つ少年、ギャスパー・ヴラディとも出会った。

 

臆病で、人と接することが苦手だった少年。

 

だが、リアスは彼を恐れなかった。

 

「あなたも私の大切な仲間よ。」

 

「・・・僕でも、いいんですか?」

 

「ええ。」

 

リアスは微笑む。

 

「力があるから仲間にするんじゃない。あなた自身を仲間にしたいの。」

 

その言葉は、ギャスパーの心に深く残った。

 

そして、もう1人。

リアスが出会ったのは、1人の猫魈の生き残りの少女だった。

 

白音。

 

かつて黒歌が命懸けで守った、妹だった。

 

白音は最初、リアスの前では緊張していた。

 

だが、リアスが差し出した手を見つめると、小さな手でそっと握り返した。

 

「・・・よろしく、お願いします。」

 

「ええ、こちらこそ。」

 

こうして少しずつ仲間が増えていった。

 

リアスは思う。

 

まだ人数は少ない。

 

でも、ここには自分が求めていたものがある。

 

信頼や友情。そして、家族のような絆。

 

こうして、リアスの最初の眷属たちが集まった。

 

ある日のことだった。

 

リアスは学園の廊下を歩いていた。

 

その時、不意に懐かしい気配を感じた。

 

その気配は、人間でも、普通の悪魔でもない。

 

しかし、敵意もない。

 

リアスは足を止める。

 

「・・・まさか!」

 

振り返った先には、1人の女性が立っていた。

 

黒い髪に猫のような瞳。

 

そして、昔と変わらない、どこか優しげな笑顔。

 

「久しぶりにゃ、リアス。」

 

「あなた・・・!」

 

リアスの目が大きく見開かれる。

 

忘れるはずがなかった。

 

幼い頃、森の中で1度だけ見た少女。

 

圧倒的な力を持ちながら、その力を誰かを守るために振るった存在、黒歌。

 

リアスの記憶の中に残り続けていた、不思議な女性だった。

 

「黒歌・・・なの?」

 

「そうにゃ。」

 

黒歌は笑う。

 

「大きくなったにゃ。昔はこんなに小さかったのに。」

 

「もう、昔の私じゃないわ。」

 

「分かってるにゃ。」

 

黒歌の瞳が、リアスの背後にいる仲間たちへ向けられる。

 

朱乃。

 

木場。

 

ギャスパー。

 

そして、白音。

 

黒歌の表情が、わずかに柔らかくなった。

 

「白音・・・。」

 

「姉様!」

 

黒歌は、嬉しそうに駆け寄った妹の頭を優しく撫でる。

 

「元気そうで安心したにゃ。」

 

「うん。みんなが助けてくれたから。」

 

その言葉を聞き、黒歌はリアスを見る。

 

リアスは少し緊張しながら口を開いた。

 

「・・・ずっと探していたわ。」

 

「私を?」

 

「ええ。」

 

リアスはまっすぐ黒歌を見る。

 

「あなたがどこで何をしているのか、ずっと気になっていたの。」

 

黒歌は苦笑した。

 

「私を探して、どうするつもりだったにゃ?」

 

「決まっているでしょう。」

 

リアスは1歩前へ出た。

 

「あなたに、私たちの仲間になってほしいの。」

 

「・・・。」

 

黒歌が目を瞬かせる。

 

「私は危険な力を持っているにゃ。」

 

「知ってるわ。」

 

「普通の悪魔とは比べ物にならない力もあるにゃ。」

 

「それも知っているわ。」

 

「それでも、私を仲間にするの?」

 

リアスは頷いた。

 

「それでも、仲間にしたいのよ。」

 

そして、ゆっくりと言葉を続ける。

 

「幼い頃の私は、あなたを見て怖いと思ったわ。」

 

黒歌は黙って聞いていた。

 

「でも、同時に思ったの。」

 

「あなたは、誰かを傷つけるために力を振るっていたんじゃない。」

 

「誰かを守るために戦っていたんだって。」

 

リアスは自分の胸に手を当てる。

 

「私は、あなたのように強くなりたいわけじゃない。」

 

「私が欲しいのは・・・、強いだけの仲間じゃない。どんな時でも、互いを支えられる仲間よ。」

 

黒歌は黙ったまま、リアスを見る。

 

そして、視線を白音へ移した。

 

白音は微笑んでいる。

 

「姉様。」

 

「・・・何にゃ、白音?」

 

「この人たちなら、大丈夫だと思う。」

 

「・・・そうかにゃ。」

 

黒歌は空を見上げた。

 

青い空。

 

その向こうに、これまで旅してきた異世界の記憶が浮かぶ。

 

一龍。

 

ノッキングマスター次郎。

 

二狼。

 

三虎。

 

全王。

 

フリーザ。

 

兵主部一兵衛。

 

二枚屋王悦。

 

ユーハバッハ。

 

リジェ・パロ。

 

獅子目言彦。

 

サイタマ。

 

そして、白面の者。

 

それぞれ違う世界、それぞれ違う出会い、それぞれ違う力と教え。

 

それでも、彼らから受け取った言葉には共通するものがあった。

 

力を持つ者には責任がある。

 

その力を、自分勝手な欲望のために使うな。

 

大切な者を守るために使え。

 

黒歌は静かに目を閉じる。

 

「・・・みんな、見てるかにゃ。」

 

そして、目を開ける。

 

「私は・・・、まだ約束を守れているにゃ。」

 

黒歌は微笑んだ。

 

「分かったにゃ。」

 

リアスの顔が明るくなる。

 

「本当!?」

 

「ただし、1つ条件があるにゃ。」

 

「条件?」

 

「私は、あなたの眷属にはならない。」

 

リアスは少し驚いた。

 

だが黒歌は続ける。

 

「私は私のやり方で戦いたいにゃ。」

 

「それに、白音とも約束してるにゃ。もう勝手にどこかへ行ったり、誰にも相談せずに無茶したりしないって。」

 

「だったら・・・。」

 

リアスは笑った。

 

「協力者という形ではどう?」

 

「協力者?」

 

「ええ。」

 

リアスは手を差し出した。

 

「グレモリー眷属と黒歌。」

 

「互いに助け合う関係よ。」

 

黒歌はその手を見つめた。

 

昔なら、誰かを信じることなど考えなかったかもしれない。

 

だが、今の黒歌には、守りたい妹がいる。

 

大切な仲間がいる。

 

そして、異世界で出会った者たちから託された言葉がある。

 

黒歌は差し出された手を握った。

 

「よろしくにゃ、リアス。」

 

「ええ。こちらこそ、黒歌。」

 

その光景を、朱乃たちも笑顔で見つめていた。

 

「これで、また一人・・・、大切な仲間が増えましたね。」

 

朱乃が微笑む。

 

「そうですね。」

 

木場も頷いた。

 

「黒歌さんが協力者なら、これほど心強いことはありません。」

 

「・・・お姉ちゃん、強いから。」

 

白音も嬉しそうだった。

 

ギャスパーは少し離れた場所から黒歌を見る。

 

「す、すごく強そうですけど・・・優しそうです。」

 

黒歌は笑った。

 

「怖がらなくてもいいにゃ、ギャスパー。」

 

「は、はい!」

 

その日。

 

グレモリー眷属に、黒歌という新たな協力者が加わった。

 

異世界を旅し、数え切れないほどの強者と出会い、常識では測れない力を身につけた猫魈。

 

彼女が持つ力の一端すら、リアスたちはまだ知らない。

 

未来を見通す力。

 

未来を変える力。

 

言葉によって姿や力を変える力。

 

異世界の強者たちから託された、数々の力と教え。

 

そして、世界そのものを揺るがしかねないほどの力。

 

しかし、黒歌はそれらを誇示することはなかった。

 

力を見せつける必要などない。

 

強さとは、誰かを従わせるためにあるものではない。

 

守るためにある。

 

それを、彼女は知っていた。

 

それからの日々。

 

黒歌はグレモリー眷属の活動を陰から支えた。

 

戦闘訓練では、必要以上に手を出さない。

 

リアスが迷った時には、必要な時だけ助言する。

 

朱乃が無理をしそうになれば止める。

 

木場には敵の動きを見抜く方法を教える。

 

ギャスパーには自分の力を恐れすぎないように伝える。

 

そして白音には、姉としていつもそばにいる。

 

「姉様。」

 

「何にゃ?」

 

「私・・・、強くなれますか?」

 

ある日、白音が尋ねた。

 

黒歌は笑った。

 

「もう十分強いにゃ。」

 

「でも・・・。」

 

「強さっていうのは、敵を倒す力だけじゃないにゃ。」

 

黒歌は白音の頭を撫でる。

 

「誰かを信じることも、立派な強さにゃ。」

 

「・・・うん。」

 

「だから、一人で全部背負おうとしなくていいにゃ。」

 

その言葉を聞いたリアスは、少し離れた場所で静かに微笑んでいた。

 

自分が作ろうとしていたもの。

 

それは、確かにここにある。

 

誰か一人がすべてを背負うのではなく、互いに支え合う。

 

それこそが、リアスの望んだ眷属だった。

 

そして黒歌もまた、その輪の中にいた。

 

眷属ではない。

 

しかし、誰よりも頼れる協力者。

 

やがて彼らは、数々の強敵と出会うことになる。

 

悪魔同士の争い。

 

異形の怪物。

 

神々や魔王すら関わる戦い。

 

世界の運命を左右するほどの事件。

 

そのたびに、リアスたちは成長していく。

 

そして、黒歌は必要な時だけ力を振るう。

 

未来を見据え。

 

仲間を守り。

 

必要ならば、自ら最前線へ立つ。

 

誰も知らなかった。

 

目の前にいる一人の黒髪の猫魈が、いくつもの異世界を渡り歩き、想像を絶する強者たちと出会ってきたことを。

 

そして・・・。

 

その身に宿る力が、世界の常識を遥かに超えていることを。

 

それでも、黒歌自身にとって、最も大切なのは力ではなかった。

 

妹。

 

仲間。

 

そして、共に笑える居場所。

 

「みんな、準備はできた?」

 

リアスが振り返る。

 

「もちろんにゃ。」

 

黒歌が笑う。

 

「行きましょう。」

 

朱乃が微笑む。

 

「はい。」

 

木場が頷く。

 

「僕も行きます!」

 

ギャスパーが拳を握る。

 

「私も・・・!」

 

白音が一歩前へ出る。

 

リアスは仲間たちを見る。

 

そして、力強く笑った。

 

「私達は、グレモリー眷属よ。」

 

「誰1人として、仲間を見捨てない。」

 

 黒歌はその言葉を聞き、嬉しそうに目を細めた。

 

「いい言葉にゃ。」

 

そして、全員が歩き出す。

 

その先に待っているのが、どれほど恐ろしい敵であろうとも。

 

どれほど絶望的な未来であろうとも。

 

彼らは決して1人ではない。

 

仲間がいる。

 

守りたい家族がいる。

 

その仲間たちのすぐ隣には、1人の猫魈がいる。

 

異世界の強者たちから託された、力と教えを持ちながら、それを決して自分のためには振るわない少女、黒歌。

 

彼女が選んだ道は、ただ1つ。

 

大切な者たちを守る。

 

その信念は、これから始まる数々の戦いの中でも、1度たりとも揺らぐことはなかった。

 

こうして・・・。

 

グレモリー眷属と、その協力者・黒歌。

 

強い絆で結ばれた彼らの物語が、今、本当の意味で始まった。




感想や、誤字脱字の報告などお待ちしています!

次回「ついに始まる!一誠とアーシアとの出会い」

※黒歌が幼少期から関わっていたことで、リアスたちの人間関係や眷属形成の時期は、原作とは異なります。

黒歌が色々な世界に行き、強者から姿と力を(言霊として)借りる展開を書こうと思います。どちらで見たいですか?

  • 前日譚
  • 倒れた後に、目覚めた小猫(白音)に話す
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

俺は兵藤一誠、呪術師だ!(作者:朝日)(原作:ハイスクールD×D)

もしもイッセーの祖父が呪術師で、そんな祖父がイッセーの体に眠る『神器』の波動を感じ取って幼少期から彼に稽古を付けていたら。▼※原作イッセーからスケベ成分を抹消して、呪術師成分を追加しているためご注意ください。


総合評価:1510/評価:8.25/連載:19話/更新日時:2026年07月12日(日) 17:00 小説情報

神域の料理人が往く食戟のソーマ(作者:あさやん&あさやん)(原作:食戟のソーマ)

▼【グルメ界】の『エリア6』に住む『貝王 ジャイアントシェル』。その中にある文明『ブルーグリル』で、気が遠くなるほどの長きに渡り『魂の交換』を行ってきた男。▼『美味なる食材』と『優れた調理技術』を求め『人間界』『グルメ界』と旅を続け………………遂には【食戟のソーマ】の世界までやってきてしまう。▼全ては『人生のフルコース』を完成させるために!!!▼※【トリコ】…


総合評価:8171/評価:8.07/連載:37話/更新日時:2026年08月21日(金) 18:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>