黒歌が言霊を使い、妹や仲間のために戦う物語。   作:ピック

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完結までよろしくお願いいたします。


第15話 いざ特訓!リアス眷属! ①導入

第24章 11体の幻影・・・10日間の特訓

 

オカルト研究部の部室。

 

いつもなら、放課後の穏やかな時間が流れているはずの部屋には、いつもとは違う緊張感が漂っていた。

 

そこには、リアス、朱乃、木場、ギャスパー、白音、一誠、アーシア、そして黒歌が集まっている。

 

全員が、部屋の中央に立つ黒歌へ視線を向けていた。

 

黒歌はいつものように穏やかな表情を浮かべている。

 

しかし、その瞳だけは真剣だった。

 

「これから、みんなには10日間の特訓をしてもらうにゃ。」

 

「10日間?」

 

一誠が目を丸くする。

 

「ずいぶん本格的ですね。」

 

木場も少し驚いたように言う。

 

「えぇ。」

 

リアスが静かに続ける。

 

「もうすぐ、私たちは大きな戦いを迎えることになるわ。」

 

その言葉を聞いた一誠たちの表情が変わる。

 

レーティングゲーム。

 

それぞれが自分の力をぶつけ合う戦い。

 

しかし、リアスはただ力を増やせば勝てるとは考えていなかった。

 

「だからこそ、ただ力を増やすだけじゃ足りない。」

 

リアスは仲間たちを見渡す。

 

「自分の役割を理解して、自分の弱点を知る必要があるわ。」

 

朱乃が静かに頷く。

 

「確かに、力が強いだけでは戦場では通用しませんものね。」

 

「そうにゃ。」

 

黒歌も頷いた。

 

「強さっていうのは、単純に力の大きさだけじゃないにゃ。」

 

黒歌は一誠を見る。

 

「いつ使うのか。」

 

次に白音を見る。

 

「どう使うのか。」

 

そして、全員を見る。

 

「誰を守るために使うのか。」

 

その言葉に、部室の空気が静かになる。

 

「そのためにゃ。」

 

黒歌が両手を広げた。

 

「言霊」

 

その瞬間、空気が震えた。

 

黒歌の周囲に、淡い光が生まれる。

 

1つ。

 

2つ。

 

3つ。

 

それは次々と増えていく。

 

4つ。

 

5つ。

 

6つ。

 

7つ。

 

8つ。

 

9つ。

 

10。

 

そして、11。

 

「・・・!」

 

アーシアが驚いたように息を呑む。

 

11の光は、まるで意思を持っているかのように宙を舞い、それぞれ別々の場所へと移動していく。

 

やがて光が強く輝いた。

 

そして・・・。

 

それぞれが、別々の幻影へと姿を変えていく。

 

白音の前には、暴獣二狼の幻影。

 

朱乃の前には、全王の幻影。

 

木場の前には、ジョアの幻影。

 

ギャスパーの前には、ノッキングマスター次郎の幻影。

 

一誠の前に、サイタマの幻影。

 

さらに。

 

アーシア。

 

レイナーレ。

 

カラワーナ。

 

ミッテルト。

 

ドーナシーク。

 

そしてリアス。

 

それぞれの前にも、異なる強者の幻影が立った。

 

その光景に、一誠は思わず口を開く。

 

「・・・11体?」

 

「そうにゃ。」

 

黒歌は笑った。

 

「みんな、それぞれ必要なことが違うからにゃ。」

 

リアスが幻影を見渡す。

 

「つまり、この11体は・・・。」

 

「それぞれが、みんなに必要なことを教えるための幻影にゃ。」

 

黒歌は答える。

 

「強くなるためだけじゃないにゃ。」

 

「自分の力を知ること。」

 

「自分の弱さを知ること。」

 

「仲間を信じること。」

 

「そして、自分自身で答えを選ぶこと。」

 

黒歌は、1体ずつ幻影を見渡した。

 

「白音には、相手の攻撃を真正面から受け止めるんじゃなくて、その動きを見て避けることを覚えてもらうにゃ。」

 

白音は、自分の前に立つ暴獣二狼の幻影を見る。

 

「そして・・・、避けるだけじゃないにゃ。相手の力を利用して、攻撃の流れを変えることも覚えてもらうにゃ。」

 

「攻撃の・・・、流れを?」

 

「そうにゃ。」

 

黒歌は微笑む。

 

「守るっていうのは、全部を自分の力で止めることじゃないからにゃ。」

 

白音は静かに頷いた。

 

次に、黒歌は朱乃を見る。

 

「朱乃には、持っている力が大きいからこそ、その力をいつ使うのかを考えてもらうにゃ。」

 

「いつ、使うか・・・。」

 

朱乃は全王の幻影を見つめる。

 

「そうにゃ。全部を消し飛ばせるからって、毎回そうする必要はないにゃ。」

 

黒歌は少しだけ真剣な表情になる。

 

「どこまで使えば十分なのか。どこで止めるのか。それを自分で判断できるようになってもらうにゃ。」

 

「ふふ・・・、分かりましたわ。」

 

朱乃は小さく笑った。

 

「力を使うことより、力を抑えることのほうが難しい場合もある、ということですね。」

 

「その通りにゃ。」

 

黒歌は次に木場を見る。

 

「木場には、たくさんの剣を扱えるからこそ、その中から迷わず答えを選ぶことを覚えてもらうにゃ。」

 

木場がジョアの幻影を見る。

 

「一番強そうな剣を選べばいい、というわけではないんですね。」

 

「そうにゃ。」

 

黒歌は頷く。

 

「その場で何が必要なのか。それを考えて、その答えに合った剣を選ぶにゃ。」

 

木場は静かに目を細めた。

 

「剣を選ぶことではなく、戦場に必要な答えを選ぶ。」

 

「そういうことにゃ。」

 

続いて、黒歌はギャスパーへ視線を向ける。

 

「ギャスパーには、自分の力を怖がるだけじゃなくて、自分の意思で扱うことを覚えてもらうにゃ。」

 

ギャスパーはノッキングマスター次郎の幻影を見る。

 

「僕の・・・、意思で?」

 

「そうにゃ。」

 

黒歌は優しく頷く。

 

「止めることが怖いなら、まずは短い時間だけ止める。必要な時に使って、必要がなくなったら自分で終わらせる。」

 

「自分で・・・、終わらせる。」

 

ギャスパーは、その言葉を噛みしめるように呟いた。

 

「それができれば、お前の力はもっと頼れるものになるにゃ。」

 

そして黒歌は、一誠を見る。

 

「一誠にはまず、強い一撃を真正面から受け止めるんじゃなくて、そもそも一撃を受けないことを覚えてもらうにゃ。」

 

「・・・俺が?」

 

一誠はサイタマの幻影を見る。

 

「そうにゃ。」

 

黒歌は笑う。

 

「強い攻撃を耐えることだけが、強さじゃないにゃ。」

 

「じゃあ・・・避ける?」

 

「そうにゃ。」

 

「でも、俺は攻撃を受け止めてから殴り返すことが多いんだけど・・・。」

 

「だからこそ、最初にそこを変えてみるにゃ。」

 

一誠はサイタマを見る。

 

「相手の一撃を受けてからじゃなくて、その一撃そのものを受けない。」

 

黒歌は静かに告げる。

 

「まずは、それを身につけるにゃ。」

 

一誠は拳を握った。

 

「・・・分かった。」

 

黒歌は次にアーシアへ視線を向ける。

 

「アーシアには、誰かを治すことだけじゃなくて、自分自身を守ることも覚えてもらうにゃ。」

 

「私自身を・・・?」

 

アーシアが驚く。

 

「そうにゃ。アーシアが倒れたら、治療できる人がいなくなるにゃ。」

 

黒歌は優しく続ける。

 

「だから、誰かを助けたいなら、自分が安全でいることも大切にするにゃ。」

 

アーシアは小さく頷いた。

 

「はい。自分を守ることも、みんなを守ることにつながるんですね。」

 

「そうにゃ。」

 

黒歌は次にレイナーレを見る。

 

「レイナーレには、真正面から戦うだけじゃなくて、相手がどう動くのかを考えてもらうにゃ。」

 

レイナーレは白面の者の幻影を見る。

 

「相手を動かす・・・?」

 

「そうにゃ。」

 

黒歌は笑う。

 

「相手に選ばせる。そして、その選択によって戦場そのものを変える。」

 

「力で押し切るんじゃなく、戦う場所や状況そのものを変える、ということね。」

 

「その通りにゃ。」

 

続いて、カラワーナへ向き直る。

 

「カラワーナには、自分の火力に振り回されないことを覚えてもらうにゃ。」

 

カラワーナは三虎の幻影を見る。

 

「振り回されない?」

 

「どれだけ強い力を持っていても、使う場所を間違えたら仲間まで巻き込んじゃうにゃ。」

 

黒歌は静かに続ける。

 

「だから、どこで使うのか。どこまで使うのか。そして、本当に最大の力が必要なのか。それを自分で判断するにゃ。」

 

カラワーナは拳を握る。

 

「・・・力を抑えることも、力の一部ってことか。」

 

「そうにゃ。」

 

次に、ミッテルトへ視線を向ける。

 

「ミッテルトには、速さをただの武器にしないことを覚えてもらうにゃ。」

 

「速さをただの武器にしない?」

 

ミッテルトが首を傾げる。

 

「速ければ、誰より先に攻撃できる。でも、それだけじゃないにゃ。」

 

黒歌は黄猿の幻影を見る。

 

「誰かが危ないなら、誰より早く助けに行ける。仲間が逃げる必要があるなら、道を作ることもできる。」

 

「速さを、守るために使う・・・。」

 

「そうにゃ。」

 

ミッテルトは黄猿の幻影を見つめた。

 

黒歌は最後から二人目、ドーナシークを見る。

 

「ドーナシークには、最初に決めた戦い方にこだわらないことを覚えてもらうにゃ。」

 

ドーナシークはガロウの幻影を見る。

 

「相手によって、戦い方を変える、ですか?」

 

「そうにゃ。」

 

黒歌は頷く。

 

「相手が速いなら、それに合わせる。守りが固いなら、別の方法を考える。」

 

そして、少しだけ笑う。

 

「最初の作戦が通じなかったら・・・、別の答えを選べばいいにゃ。」

 

ドーナシークはガロウを見つめる。

 

「つまり・・・、変わることを恐れない、ということですね。」

 

「その通りにゃ。」

 

そして最後に・・・。

 

黒歌はリアスへ視線を向けた。

 

「リアスには・・・。」

 

少しだけ間を置く。

 

「1人で全部を背負わないことを、覚えてもらうにゃ。」

 

リアスは、自分の前に立つ幻影を見る。

 

「・・・私が?」

 

「そうにゃ。」

 

黒歌は優しく笑う。

 

「リアスは、仲間を守ろうとする気持ちが強いにゃ。」

 

「それは・・・。」

 

リアスは少し戸惑う。

 

「悪いことではないでしょう?」

 

「もちろんにゃ。」

 

黒歌は即座に答える。

 

「でも、仲間を守ることと、全部を1人で背負うことは違うにゃ。」

 

リアスが目を見開く。

 

「仲間を信じて任せること。」

 

黒歌は、1人1人を見渡す。

 

「みんなが自分の力を発揮できる場所を作ること。」

 

そしてリアスへ向き直る。

 

「それも、リーダーの大切な役割にゃ。」

 

リアスはしばらく黙っていた。

 

やがて・・・。

 

「・・・分かったわ。」

 

静かに頷いた。

 

「私も、この10日間で学ばせてもらうわ。」

 

黒歌は満足そうに笑った。

 

「それでいいにゃ。」




感想や、誤字脱字の報告などお待ちしています!

次回「いざ特訓!リアス眷属! ②暴獣二狼VS白音」

黒歌が色々な世界に行き、強者から姿と力を(言霊として)借りる展開を書こうと思います。どちらで見たいですか?

  • 前日譚
  • 倒れた後に、目覚めた小猫(白音)に話す
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