黒歌が言霊を使い、妹や仲間のために戦う物語。   作:ピック

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完結までよろしくお願いいたします。





第25話 いざ特訓!リアス眷属と仲間達! ⑪ガロウVSドーナシーク

第35章 ドーナシーク・・・ガロウとの10日間

 

特訓の始まり

 

ミッテルトの10日間の特訓が終わり、次に黒歌が呼んだのは、堕天使ドーナシークだった。

 

「次はドーナシークにゃ。」

 

「今回の先生は、武術の天才にゃ!」

 

黒歌が指を鳴らすと、訓練場の中央に光が集まり、一人の青年の姿を形作った。

 

逆立つ銀灰色の髪、鋭い眼差し、引き締まった身体。黒い長袖の上着に白い武術用のズボン、腰には黄色い帯を締めている。その姿からは、いつでも戦いに対応できる武術家ならではの緊張感が漂っていた。

 

『ワンパンマン』に登場する、最強の怪人を目指す武術家・・・ガロウ。

 

ここにいるのは本人ではない。黒歌の言霊と幻術によって、その姿と戦闘技術を再現した特訓用の幻影だった。

 

「こいつが今回の相手か。なるほど、ただ者じゃなさそうだな。」

 

ガロウはドーナシークを見据えた。

 

ドーナシークは相手の立場や敵味方にかかわらず、礼節を重んじる姿勢を崩さなかった。彼はガロウの目を見て、丁寧に一礼する。

 

「初めまして、ガロウ殿。ドーナシークと申します。本日はご指導を賜るとのこと、よろしくお願いいたします。」

 

「へえ。ずいぶん丁寧な挨拶だな。」

 

「礼を尽くすことは、相手の立場によって変えるものではありません。もちろん、戦いになれば手加減するつもりもございません。」

 

「口だけじゃないってところを見せてもらおうか。」

 

黒歌が二人の間に入り、特訓の目的を説明した。

 

「ドーナシークは光の槍を扱えるし、戦闘経験もあるにゃ。でも、今回は攻撃力を伸ばすだけじゃないにゃ。」

 

「相手の動きを読み、攻撃を受け流して、仲間が反撃できる状況を作ることを学んでもらうにゃ!」

 

「承知しました。自分の力を磨くだけでなく、仲間を守るために何が必要なのか、改めて学ばせていただきます。」

 

「守るってのは、相手の攻撃を全部まともに受けることじゃねえ。10日間で、それを身体に叩き込んでやる。」

 

「ご指導、よろしくお願いいたします。ガロウ殿の技を、ただ真似るだけで終わらせるつもりはありません。」

 

「へっ、言うじゃねえか。」

 

「だったら、どこまで身につけられるか見せてみろ。」

 

こうして、ドーナシークの十日間の特訓が始まった。

 

1日目

 

ガロウの拳が迫る。ドーナシークは両腕を交差させて受け止めたが、衝撃に押され、足元の土がえぐれた。

 

続く攻撃にも耐えようとしたものの、腕に衝撃が蓄積し、ついには蹴りで体勢を崩される。

 

「防御してるつもりか?それじゃ、いつか身体がもたなくなるぜ。」

 

「ご指摘のとおりです。受け止めることばかりに意識を向けすぎました。」

 

「真正面から受ければ、相手の力が全部お前に返ってくる。少し角度を変えれば、力を逃がせるんだ。力比べをするんじゃねえ!」

 

次の攻撃では、ドーナシークは拳の軌道を斜めに逸らした。しかし、身体まで大きく回ってしまい、次の攻撃に対応できない。

 

「腕だけ動かせばいいってもんじゃねえ!足の位置も考えろ!」

 

ドーナシークは何度も挑戦し、少しずつ動きを修正していった。訓練の終わりには、攻撃を逸らしたあとも姿勢を保てるようになった。

 

「守るために必要なのは、耐えることだけじゃねえ。」

 

「はい。相手の力を利用し、余計な衝撃を受けずに済むよう工夫することが大切なのですね。」

 

「分かったなら、明日もやるぞ。」

 

「承知しました。」

 

2日目

 

 

 

ガロウは肩を動かして拳を放つと見せかけ、足払いを仕掛ける。ドーナシークは拳に意識を奪われ、何度も転倒した。

 

「拳だけ見てるから、足元をすくわれるんだ! 肩、腰、足、重心。身体全体を見ろ!」

 

「攻撃が始まる前の兆候を捉える、ということですね。」

 

「そうだ。攻撃が来てから考えてたんじゃ遅え!」

 

ドーナシークは、ガロウの動きを注意深く観察した。拳を放つときには腰が回り、踏み込むときには重心が前へ移る。足払いの前には、片足へ力が集まっていた。

 

次の攻撃では、肩の動きだけで判断せず、腰と足も確認した。拳が頬の横を通り過ぎる。

 

完全に見切れたわけではない。それでも、最初より早く反応できるようになった。

 

「相手の動きを読むってのは、未来が見えるようになることじゃねえ。起こりそうなことを考えて、対応できるようにしておくことだ。」

 

「予測が外れた場合にも備え、次の動きへ移れる姿勢を保つ・・・。理解いたしました。」

 

3日目

 

ガロウは攻撃を受け流した直後の行動を試した。

 

ドーナシークは拳を逸らすことには成功したが、その直後に安心して動きを止めてしまう。ガロウはすぐに体勢を立て直し、反撃を繰り出した。

 

「防いだ瞬間から、次に何をするか考えておけ! 敵はお前の都合なんか待っちゃくれねえぞ!」

 

「申し訳ありません。防御に成功したことで、気が緩んでしまいました。」

 

再挑戦では、ドーナシークは攻撃を受け流した直後に位置を変え、ガロウの進路を制限した。相手を倒すほどの反撃ではなかったが、一瞬だけ動きを止めることに成功した。

 

「そうだ。反撃は、必ずしも相手をぶっ倒すことじゃねえ。敵を止め、味方が動ける時間を作る。それも立派な戦果だ。」

 

「敵の動きを止めることも、仲間を守るための大切な手段なのですね。」

 

この日、ドーナシークは防御と反撃を別々に考えるのではなく、一連の動きとして捉えることを学んだ。

 

4日目

 

訓練場に4体の敵の幻影が現れた。

 

正面の敵を防いでいると、側面から別の敵が迫る。背後にも敵が回り込み、ドーナシークはあっという間に包囲された。

 

「1人だけを見てるから、周りが見えなくなるんだ! 移動して敵の連携を崩せ!」

 

ドーナシークは、敵全員を同時に倒そうとするのをやめた。訓練場の岩柱を背にし、背後から攻撃される危険を減らす。さらに、敵が互いの進路を妨げる位置へ誘導した。

 

1体の攻撃を受け流すと、その敵が別の敵の前へ踏み込む。後方の敵は攻撃のタイミングをずらさざるを得なくなった。

 

「いいぞ!敵の数に押されるんじゃねえ。敵同士の位置関係を利用しろ!」

 

「全員を倒すことだけにこだわらず、敵の連携を崩すことが重要なのですね。」

 

何度も失敗しながら、ドーナシークは戦場全体を見る視野を広げていった。

 

5日目

 

修行中、敵の幻影は攻撃を受けて片膝をついた。

 

ドーナシークは、必要以上に傷つけるべきではないと考え、追撃を控えた。しかし敵は突然体勢を立て直し、隠していた攻撃を放つ。

 

ドーナシークは間一髪で防御したものの、優位を失ってしまった。

 

「なぜ止めた?」

 

「相手を必要以上に傷つける理由はないと判断しました。」

 

「なら、どうして次の攻撃を許した?」

 

「お前は仲間を守るために戦ってるんだろうが!」

 

ドーナシークは、自分の判断を振り返った。

 

「相手を尊重することと、好きに攻撃させることは違うぜ。危険な行動を止めなきゃ仲間が危ねえなら、迷わず止めろ。」

 

「確かに、そのとおりです。礼儀を守ることを理由に、必要な判断から逃げてはいけませんね。」

 

再試験では、ドーナシークは敵の武器を弾き、進路を塞いで動きを封じた。必要以上の打撃は加えず、危険な行動だけを止める。

 

「礼儀は捨てなくていい。だが、警戒まで捨てるんじゃねぇ。」

 

「はい。敵に対しても礼節を保ちつつ、仲間を守るために必要な行動を選びます。」

 

6日目

 

この日の修行は「味方役を守る」ことだった。

 

ドーナシークは正面の敵を制圧しようとしたが、その間に別の敵が味方役へ接近してしまう。

 

「目の前の敵に夢中になるな! 味方への道を塞げ!」

 

「申し訳ありません。敵を制圧することに集中しすぎました。」

 

再挑戦では、ドーナシークは味方役の位置を視野に入れ、敵と味方の間に立つことを優先した。攻撃を受け流して敵の進路をずらし、味方役が安全な場所へ移動する時間を作る。

 

側面から別の敵が迫ると、彼は追いかけず、味方役との間に入れる位置を保った。

 

「守るってのは、ただ攻撃を受けることじゃねえ。仲間が危険にさらされない状況を作ることだ。」

 

「私自身が倒れることだけが、仲間を守る方法ではないのですね。」

 

「そういうことだ。自分が無事でいることも、守るためには必要なんだよ。」

 

ドーナシークは、守備役としての自分の役割を少しずつ理解していった。

 

7日目

 

この日の修行は「力自慢、俊敏な敵、遠距離攻撃型の敵と順番に戦う」だった。

 

力自慢の敵には、真正面から力比べをせず、攻撃の勢いを利用して進路をずらす。

 

俊敏な敵には、追いかけるのではなく、接近する経路を予測して先回りする。

 

遠距離攻撃型の敵には、岩柱を利用して射線を遮り、攻撃の間隔を見極めて距離を詰める。

 

最初はどの敵にも同じやり方で挑み、失敗を重ねた。

 

しかし、敵の特徴を観察して戦い方を変えることで、少しずつ対応できるようになった。

 

「覚えた技を、誰にでも同じように使えばいいってもんじゃねえ。相手を見て、勝てる形を探せ!」

 

「相手を尊重することと、相手の得意な戦い方に付き合うことは別なのですね。」

 

「そうだ。意地を張ってるだけじゃ勝てねえぞ。」

 

ドーナシークは、技術を増やすだけでなく、状況に応じて選択することの重要性を学んだ。

 

8日目

 

この日の修行は「次々と敵が現れる持久戦」だった。

 

初めは順調に対応していたドーナシークも、時間が経つにつれて呼吸が乱れ、足取りが重くなっていった。それでも無理に戦い続け、ついには攻撃を受け流しきれず膝をついた。

 

「覚悟と無謀は違うぜ!お前が倒れたら、誰が仲間を守るんだ?」

 

「私は、最後まで役割を果たすことが責任だと考えておりました。」

 

「なら、自分の状態も把握しておけ! 必要なときに動けなくなったら、守れるもんも守れねえ!」

 

再挑戦では、ドーナシークは無駄な動きを減らした。

 

危険な攻撃を優先して防ぎ、避けられる攻撃はかわす。

 

敵を倒すことに固執せず、必要なときには距離を取って呼吸を整えた。

 

「体力を温存することも、仲間を守るための判断なのですね。」

 

「そうだ。戦いは根性比べじゃねえ。必要なときに動けるようにしておく。それも実力のうちだ。」

 

9日目

 

この日、ガロウは最後の実戦形式の訓練を用意した。

 

「今日は敵を全員倒すことが目的じゃねえ! 味方を勝たせろ。敵の連携を崩して、味方が動ける道を作れ!」

 

三体の敵が味方役を取り囲み、進路を塞いでいた。

 

ドーナシークは敵の配置を確認し、まず正面の敵の攻撃を受け流して位置をずらした。

 

その隙に味方役が移動する。

 

別の敵が追いかけようとすると、ドーナシークは進路を塞ぎ、追撃を止めた。

 

さらに岩柱を利用して敵同士の連携を崩し、味方役が反撃できる距離まで近づけるように誘導した。

 

「今なら攻撃できます!相手の体勢が整う前に!」

 

味方役の反撃が成功し、敵の連携は崩れた。最後には味方役が残る敵にも勝利した。

 

「お前が全部片づける必要はねえ。」

 

「仲間に任せられるところは任せろ。」

 

「仲間の力を引き出すのも、守る側の役目だ。」

 

「はい。自分一人で戦いを終わらせようとせず、仲間と協力して勝利をつかみます。」

 

10日目

 

最後の修行では、複数の敵が連携し、前衛が接近戦を仕掛ける一方、後方からは遠距離攻撃が放たれた。さらに一体の敵は、味方役を優先して狙うよう設定されていた。

 

「これまでの修行で習ったことを全部使え!敵を全員倒す必要はねえ!味方を守りながら、勝てる状況を作ってみろ!」

 

「承知しました。10日間で学んだことを、すべて実践いたします」

 

最後の修行が始まると、ドーナシークは敵全体の位置を確認した。

 

前衛の攻撃を受け流して敵同士の進路を乱し、遠距離攻撃は岩柱を使って避ける。

 

味方役へ向かう敵が動き出すと、ドーナシークは目の前の敵を追撃せず、その進路を塞いだ。

 

攻撃を逸らし、敵が味方から離れる方向へ体勢を崩す。

 

その間に、味方役が安全な位置へ移動した。

 

しかし、戦いが長引くにつれ、疲労が蓄積していく。

 

それでもドーナシークは焦らなかった。

 

危険な敵を優先し、無駄な動きを減らし、味方が反撃できる隙を作る。

 

敵の連携が乱れた瞬間、彼は味方役へ声をかけた。

 

「今です!相手の体勢が崩れています!」

 

味方役の反撃が成功する。

 

残る敵が最後の攻撃を仕掛けたときも、ドーナシークは真正面から力比べをせず、攻撃を受け流して進路をずらした。

 

味方役がその隙を突き、最後の敵を倒した。

 

最後の修行終了の鐘が鳴り響いた。

 

ドーナシークは周囲に敵が残っていないことを確認してから、ようやく構えを解いた。

 

「・・・これで、終了でしょうか。」

 

「終わりだ!よくやったな。」

 

「ガロウ殿、10日間、本当にありがとうございました」

 

ガロウは腕を組み、ドーナシークを見た。

 

「最初は攻撃を受け止めるだけで精いっぱいだったくせによ。」

 

「今じゃ、敵の動きを読んで、味方が動ける状況まで作れるようになったじゃねえか」

 

「皆様のご指導があったからこそです。」

 

「私は、守るためには相手の動きを読み、必要なときには迷わず反撃することも大切なのだと学びました」

 

ドーナシークは一度言葉を切り、真剣な眼差しで続けた。

 

「敵であっても礼節を失わないこと。そして、礼儀を守ることを理由に、仲間を危険にさらしてはならないこと。その両方を忘れずに、これからも戦ってまいります」

 

「その考えを忘れるな。だが、俺から学んだ技を使うだけで満足するなよ。実戦で自分のものにしてこそ意味があるんだ。」

 

「はい。もしお許しいただけるのであれば、あなたを師匠と呼ばせていただけないでしょうか」

 

「・・・師匠、だと? 好きにしろよ。ただし、これからも自分で考えて鍛え続けろ。」

 

「承知しました、師匠。いただいた教えを、自分自身の技術として身につけてまいります。」

 

そこへ黒歌がやってきた。

 

「にゃはは!ドーナシーク、10日間よく頑張ったにゃ!」

 

「黒歌殿、このような機会を設けてくださり、ありがとうございました。学んだことを、必ずレーティングゲームで生かしてみせます。」

 

「これなら頼りになる守備役になれそうにゃ! 敵の動きを読み、仲間を守り、反撃の機会を作る。大切な役割にゃ!」

 

「はい。皆様が安心して戦えるよう、最善を尽くします。」

 

ガロウの幻影は、満足そうに口元を上げた。

 

「これからどう成長するか、楽しみだな。」

 

やがてガロウの姿は光に包まれ、静かに消えていった。

 

10日間の特訓は終わった。しかし、ドーナシークにとっては、ここからが本当の始まりだった。

 

相手の力を見極め、無駄な衝撃を受け流し、味方が勝てる状況を作る。そして、必要なときには迷わず行動する。

 

「師匠から学んだことを、必ず実戦で生かしてみせます。」

 

ドーナシークは深く一礼した。その姿には、以前と変わらぬ紳士的な態度に加え、仲間を守る者としての確かな自信と覚悟が宿っていた。

 

こうして、ドーナシークの10日間の特訓は幕を閉じた。




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次回「いざ特訓!リアス眷属! ⑫兵主部一兵衛とリアス・グレモリー、麒麟寺天示郎とリアス・グレモリー」

リアス眷属とライザー眷属とのレーティングゲームの結果

  • リアス眷属の勝利
  • ライザー眷属の勝利
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