黒歌が言霊を使い、妹や仲間のために戦う物語。   作:ピック

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完結までよろしくお願いいたします。


第4話 全宇宙の最高神、幼き雷の巫女を助ける

冥界の一角。

 

黒歌は、堕天使総督アザゼルと並んで座っていた。

 

「いやぁ・・・まさか猫魈のお前が、こんな面白い力を持ってるとはな。」

 

アザゼルは興味深そうに黒歌を見る。

 

黒歌は苦笑した。

 

「色々な世界を旅しただけにゃ。でも、力はむやみに使わないって決めてるにゃ。」

 

アザゼルは笑った。

 

「その考え方があるなら安心だ。」

 

二人は異世界の話、神器の話、悪魔や堕天使の未来について談笑していた。

 

そして・・・。

 

「そういえば、連絡手段がないと不便だな。」

 

アザゼルが、懐から見慣れないデザインの携帯端末を取り出し、黒歌に放り投げた。

 

「それをやるよ。俺が作った特製品だ。三界のどこにいても傍受されず、足もつかない。」

 

黒歌は受け取った端末を見て、目を丸くした。

 

「魔王級の堕天使総督から、裏ルートの携帯を貰っちゃうなんて、・・・なんか変な感じにゃ。」

 

「細かい事は気にするな。これでいつでも俺を呼び出せるぜ。」

 

二人が通信登録を済ませた瞬間・・・。

 

黒歌の表情が変わった。

 

「・・・っ。」

 

アザゼルが気付く。

 

「どうした?」

 

黒歌は遠くを見る。

 

ユーハバッハから教わった「未来予知」の力。

 

それにより、頭の中に流れ込んできたのは・・・。

 

まだ出会っていない仲間たち。

 

リアスの眷属となる者たち。

 

その幼き頃の危機。

 

「・・・白音だけじゃない。」

 

「この世界には、守らなきゃいけない子がいる。」

 

黒歌は立ち上がった。

 

「朱乃・・・。」

 

「祐斗・・・。」

 

「ギャスパー・・・。」

 

「一誠・・・。」

 

「アーシア・・・。」

 

「ゼノヴィア・・・。」

 

まだ幼い彼らが、追手に襲われていた。

 

しかし黒歌は一人では間に合わない。

 

そこで、

 

「言霊。」

 

黒歌の周囲に六体の影が現れる。

 

それは黒歌自身の姿をした幻術であった。

 

「あなた達に行ってもらうにゃ。」

 

六体の幻術は、それぞれ別の方向へ飛んでいった。

 

アザゼルは驚く。

 

「・・・分身じゃない、幻術か。」

 

黒歌は頷いた。

 

「私は約束したにゃ。守るべき人がいるなら、力を使うって。」

 

そして未来を変える戦いが始まった。

 

山奥のある場所で、幼い姫島朱乃は追手に追い詰められていた。

母・朱璃は既に倒れ、まだ力も十分ではない朱乃に刃が迫る。

 

「いや、嫌・・・! お母様・・・!」

 

追手が残忍な笑みを浮かべ、朱乃にトドメを刺そうとしたその時、空間が揺れた。

 

現れたのは、ユーハバッハから教わった「未来予知」によって朱乃の危機を知った彼女が飛ばした幻術(1人目)だった。

 

「間に合ったにゃ。」

 

追手は笑う。

「一人増えただけか。邪魔をするなら、お前も一緒にあの世行きだ!」

 

しかし、幻影の黒歌は静かに言った。

「『生かすも殺すも気分次第』」と。

 

その瞬間、空間が爆ぜるような錯覚と共に姿が変わった。現れたのは、楕円形の頭部に灰色の筒状の耳、紫と青色の顔。そして『全』の字を上下対称にした模様が描かれた服を纏う――すべての宇宙の頂点に立つ存在、「全王」の姿そのものだった。

 

しかし、その小さな身体には「強いとか弱いとかそういった括りで話す事自体が間違い」だと確信するほどの力が宿っている。

 

追手は本能的に震えた。

 

「な、なんだ・・・、この力は・・・。」

 

黒歌は全王の姿のまま、真面目な顔で追手を睨んだ。

 

「こ、この存在に勝てるわけがない!」

 

それだけで、追手は一目散に逃げていった。

 

黒歌は元に戻り、朱乃と朱璃の元へ歩み寄る。

 

「もう大丈夫にゃ。」

 

朱乃は涙を流した。

 

「・・・あなたは・・・誰ですか?」

 

黒歌は微笑む。

 

「私とは、未来で会う事になるにゃ。」

 

「あなたはその時、とても強くて優しい悪魔になっているにゃ。」

 

幻影は消える。

 

しかし朱乃の心には、その姿が残った。

 

未来。

 

彼女がリアス・グレモリーの女王(クイーン)となり、大切な仲間たちと共に戦う時、彼女の脳裏にはいつも、自分たちを救ってくれた、理不尽なまでに優しく無敵だった「神」の光が、未来を照らす希望として残り続けるのだった。




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次回「闇の料理人、幼き魔剣使いを助ける」

黒歌が色々な世界に行き、強者から姿と力を(言霊として)借りる展開を書こうと思います。どちらで見たいですか?

  • 前日譚
  • 倒れた後に、目覚めた小猫(白音)に話す
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