現世に侵略してきた異世界人を撃退して世界を救ったら、世界と異世界から命を狙われるようになりました。 作:佐久間 譲司
アレーナ・ディ・ヴェローナでの決闘で人類が勝利した後、世界は大きく動いた。異世界側は公約通り、降伏を行い、撤退した。それと同時に、異世界への門戸も開放した。
彼らは、異世界にある一国の者達だった。リウドという大国らしい。ある時、偶発的にこちらの世界を感知し、研究が始まった。やがて、こちらの世界へと移動できる『門』が開発された。そして、複数回の敵情視察により、勝てると見込んだリウド国は、その『門』を使っての侵略を行ったのである。
しかし、予想だにしない逆転劇に敗北を喫し、彼らの侵略プランは音を立てて崩れたのだった。
異世界への門戸が開放された後、人類側とリウド国との間で平和条約が締結された。それはベルサイユ条約のように、リウド国に不利な条約だった。しかし、リウド国は、あっさりと受け入れた。そして、双方での交流が始まった。
だが、水面下での動きがあった。リウド国は、血眼で緑マントの人物を探していた。自分達の敗北の元凶に報復を考えていたのである。また、戦いを重要視する国であるため、その強さの根源に興味があった。
人類側も同じであった。依然として、リウド国の方が武力は上なのである。決闘に勝利し、彼らのポリシーのお陰で優位な立場を保持できているが、彼らがその気になれば、人類を滅ぼすことは容易いのだ。再び脅威が迫ることを予見し、早急に緑マントの人物を確保する必要があった。
国連が様々な言語で、多数の媒体を通じ、名乗り出るように呼びかけたが、無駄だった。
次は、映像の解析を行ったが、何も判明しなかった。異世界側も魔法を媒介にした映像装置で解析を行った。しかし、彼らの魔法は戦いに特化したものが多いため、映像の解析能力は人類より低く、やはり無駄に終わった。
いつしかこちらの世界では、緑マントの人物は『ロビン・フッド』と呼ばれるようになっていた。意図的なのか、服装が映画や小説に登場する『ロビン・フッド』に酷似していたためである。また、その『ロビン・フッド』の行動原理の通り、侵略者という悪を倒し、弱者を救った点でもそう呼ばれる根拠の一つとなっていた。
やがて、その呼び名はリウド国にも飛び火した。
ロビン・フッドは、人類からは英雄視されると同時に、唯一、異世界人に対抗できるシルバーバレッドとして狙われ、リウド国からは、不倶戴天の敵として狙われるようになった。
アレーナ・ディ・ヴェローナでの決闘から一年が経ち、直斗は高校二年生になっていた。
直斗が通う高校に、異文化交流として、リウド国から、二人の吸血鬼が留学して来た。