東方仁無録   作:キーマカレー

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今回は真面目に書きます。長いので①と②にわけます。


13話 夏風邪①

俺は今、人々で賑わっている人間の里に夕飯の買い物をすませに来ている。

「だるい・・・」

この怠さは何のせいなのだろうか。夏の暑さのせい?違う。

頭から流れた汗が頬に伝わり、顎に溜まる。重力に耐えれなくなった大粒の汗が顎から離れて地面に落ちる。落ちてしまった汗は地面に丸模様を作っていく。

八百屋で目当ての物を買い、袋に食材を積めていく。

「静次くん、どうしたんだい?」

八百屋のおばちゃん、菊子さんが俺に聞いてきた。

「体調が優れないのかい?顔色が悪いよ?」

「そう、ですか?」

「ああ、そうさ。具合が悪いならさっさと帰って横におなり。」

「そうします。」

実際に怠い。でも、横になる程ではない。

帰るために、一歩一歩歩いていく。

「そう言えば霊夢に何か買ってやんないと・・・」

八百屋で用を済ませたらそのまま博麗神社に帰るつもりだったが、甘味処にも寄ることにした。

「すいませ~ん。饅頭六つ下さ~い。」

店内に入ると店員が居なかったので呼ぶ。すると、店内の奥から男性が出てきた。

「はいよっ、」

受け取った饅頭を店員から貰い、お金を出す。そして、そのまま店内から蒸し暑い外に出て、眩しい位明るい太陽の光を浴びる。

「暑い・・・・」

思わずそう口に出てしまう。

神社に帰るために、そのまま飛ぼうと、した瞬間体がぐらつく。

そのまま地面に膝をついてしまった。膝を少し擦ったが、気にしないでもう一度飛ぼうとする。しかし力が入らない。可笑しい・・・里に来る前は普通に飛べていたのに。

少し頭がボーッとする。風邪か?

夏に風邪を引いてしまうとは、何年振りだろう。

いつの間にか目の前に誰かがたっていた。

背は俺よりも低く、見覚えのある、銀髪だった。腰と背中には刀を着けている。その子の隣には透明な物体。半霊だ。

「こんにちは、妖夢。」

「こんにちは、変態。」

あの時の事をまだ根に持っているのか。

「俺の名前は静次だよ。ゲホッゲホッすまない。」

「風邪ですか?貧弱何ですね。」

「そう、みたいだ。それと、妖夢。お前霊夢たちの時と俺の時の態度が違いすぎるだろ・・・・ゲホッ」

「知りませんよ。そんな事」

「そうか・・・それじゃあ、俺は帰るから」

「・・・飛べないのにですか?」

「見られてたか・・・。飛べないから歩くよ。」

「時間、掛かりますよ?」

「それしか帰る方法がないからそうするしかないだろ。」

「そう・・・ですか。私は用があるのでこれで。さよなら変態」

「ああ、じゃあな。ゲホッ」

「・・・」

 

 

サーっと木々が風で揺れる音が聞こえる。そして、木々の葉の間から涼しい風が体に当たる。

「ふぅ。」

涼しい。歩くのは疲れたし、少し休むか。

ちょうどよく近くに日陰になっている倒木があったのでそれに深く座る。

サーっとまた木々が風で揺れる音が聞こえる。そして、それを邪魔するかのように数匹の蝉の声が聞こえる。蝉の声が無かったら落ち着けるのだがと、夏と実感しながらも蝉の声と木々の音を聞き続けた。

どれくらいたったのだろうか。急に騒がしかった蝉の声が聞こえなくなった。

「何か・・・くる?」

そんな気がした。食材と饅頭の入った袋を倒木の近くに置き、刀を鞘から抜いた。

カサカサカサッと草を掻き分け此方に来るのが分かる。

草むらから出てきたのは妖怪。熊のような妖怪だった。

その妖怪は俺を見たとたん目の色を変え、俺に襲いかかってきた。俺の刀はそれに反応し、避ける筈だった。

ズシャッと左腕を引っ掛かれた。あまりの痛みに刀を放してしまい。地面に落ちた。

引っ掛かれた所から血が流れ出してくる。

でも、そんなことをどうでも良かった。傷口よりも俺は刀を見た。

可笑しい、何故体が動かなかったのか。風邪を引いたからだろうか?違う。確信は持てないが、多分集中して居なかったからだ。刀に頼りすぎた罰か。勝手に戦ってくれるからと、集中なんかしなくても勝てると余裕に思っていた罰だろう。

左腕に力がはいらない。此処で死ぬのだろうか?

冗談は辞めてくれ。俺はまだ生きたい。でも、この妖怪は俺を逃がしてくれはしない。

妖怪は左腕を上げる。反射的に俺は右手を前にだし、身を守ろうとする。そんなことをしても無意味だと分かってる。だが、抵抗しないわけには行かない。なにもしないで殺されるとか笑えてくる。

グワァ っと、妖怪は叫び左腕を下ろしてくる。

俺は目を閉じた。自分が切り裂かれる所なんて見たくもない。と、思ったその時、ギギャア!?と、妖怪の方が悲鳴を上げた声が聞こえた。

目を開ける。俺の目の前には真っ二つにされた、見るも無惨な姿の妖怪と、片手に刀を持ち、俺の前に立っている銀髪の少女がいた。

「大丈夫ですか?変態」

俺の呼び方は相変わらずだが、妖夢は俺を助けてくれた。

「ありがとう。感謝する・・・」

「ただ目の前に人が殺されそうなのが見えただけですよ。」

「何も貴方を助けようとした訳では有りません。」

「それでも、俺は嬉しいよ。」

「そ、そうですか。ほ、ほら早くたってください。」

俺がお礼を言ったからだろうか、少し動揺している。

ああ。左手は使えない。だから刀を鞘に納めた後は右手で食材の入った袋を持つ。

少し痛みが走るが、これくらい大丈夫だ。

「ほら、行きますよ?」

「何処に?」

「神社に決まってます」

「いいのか?」

「仕方のないので一緒に行ってあげます。」

正直、かなり嬉しかった。少女に助けられるなんてどうかと思うが、今の俺にとってはとても嬉しかった。

「ありがとな。妖夢は優しいんだな。」

「は、早くしてください!!///」

照れてるのか?可愛いやつめ。

 

 

しばらく歩き進んでいると、博麗神社の長い長い階段が目の前に現れた。

一歩一歩上がっていく。怠さと痛みでどうにか成りそうだったが、5分程でやっと階段のいちばん上に着いた。その間妖夢は、俺のペースに合わせてゆっくりとゆっくりと階段を登ってくれた。

 

「やっと着いた・・・ゲホッケボツ」

今すぐにでも横になりたい。食材を台所に置き、霊夢を探す。

可笑しい、霊夢が何処にもいない。出掛けたのか?

居間のテーブルには一枚の紙が貼ってあった。

 

静次へ 今日はアリスの所に泊まることになっちゃったから、自分で作って適当に食べて頂戴。

 

じゃあ、今日は一人か。

「妖夢、今日はありがとな。」

「別に良いです。」

「後は一人で大丈夫だから帰っていいぞ。」

「今日は霊夢さんが帰って来ないんですよね?」

「そうだが」

「なら、私が貴方の面倒を見ます。その左腕では料理もお風呂焚くのも無理です。」

「いいよ、妖夢に迷惑は掛けらんない。お前確か庭師やってるんだろう?」

「今日は大丈夫です。幽ヶ子様は今日紫様と、一緒に居られますので。」

「でも「いいんです。私がそうしたいので。」・・・分かった。頼む。」

「分かりました。私は一回貴方の左腕を手当したら一度帰って幽ヶ子様の御飯を作って来ます。その後また此方に来ます。」

「ああ。」

本当に大丈夫何だろうか。

 

 

 

 

「怠い・・・」

妖夢が一度帰り、何もすることがないので布団を敷き、そのまま横になった。

段々と眠くなってくる。余程疲れたのだろうか。もう寝そうだ。

「少し、寝るか」

そのまま意識を手放した。

 

 

 

静次 side out

 

 




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