東方仁無録   作:キーマカレー

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今地味にテンションが高いキーマカレーです。
文が崩壊しています。ご注意ください。


33話 天人あらわる

「それじゃあお世話になったな」

紅魔館で朝食をご馳走になり咲夜に見送って貰っていると門の方から美鈴が手を振りながら歩いてきた。

「静次さんに霊夢さん、帰るんですか?」

早朝だというのに美鈴は眠そうな様子はなく、笑顔を見せていた。

「美鈴お前よく寝ないでいられるな」

紅魔館で朝食を頂いたが今の時間はまだ6時、霧の立ち込める湖は更に濃い霧を纏っていた。

「昨日の日が沈む頃からずっと寝ていましたから」

「あら、そうなの?」

一瞬にして顔が凍りつく美鈴。笑顔を崩さずにいや、笑顔を崩せずに声の主を見た。

「さ、咲夜さん、いつの間に居たんですか?もう~びっくりするのでいきなり現れないで下さいよ~」

「私はずっと居たわよ。話があるから後で私の所に来なさい」

無表情のまま美鈴を見つめる咲夜。それに対して美鈴はもうだめだと口にしながら肩を竦める。その光景を見馴れているのか霊夢は何も反応することはなく俺の隣に立っていた。

 

 

 

「静次、また来なさいよ?妹様が悲しむから」

「ああ、また来るよ。それじゃあな」

「ええ、また」

別れの挨拶をし、霧の湖上空を飛んでいると霊夢が不意に話しかけてきた。

「ねえ静次」

「何だ」

霊夢は何か考えているような顔をしながら俺の近くに寄ってきた。

「貴方ってあの吸血鬼のことどう思ってるの?」

「あの吸血鬼ってフランのことか?」

「そうよ」

何が知りたいのかよく分からないがフランをどう思ってると言われると考え込んでしまう。

「んー何だろうな。まぁあれだ。妹的な」

「ふーん・・・」

霧の湖を通り過ぎ森の上空に通りかかると霊夢は俺の目の前で止まり笑顔で

「ほら、早く帰りましょう?貴方とお茶がしたいわ」

と嬉しそうにした。

「別に良いけど急ぐ必要あるか?」

「良いのよ。ほら、早くして」

俺の腕をグイグイと引っ張り、急がせようとする霊夢。

俺は「分かったよ・・・」と力なく返事をし、少し急いで神社に帰ることにした。

 

 

 

 

 

神社に着くとそこには黒い尖り帽子を被った少女と青い長髪の少女がいた。地面に降りてその二人の近くに歩いて行くとあちらも俺たちに気がついたのか此方を見ていた。

「おーい、霊夢~!!珍しい客人だぜ!!」

元気な声で叫ぶ魔理沙。その隣には黒の帽子に桃の実と葉の飾りが付いている物を被っており、腰まで届く青髪の目は赤色。

服装は白の半袖に青のロングスカート。スカートの一部はエプロンのようになっていてその周りには虹色の飾りがついていた。

「うわぁ・・・・・・」

霊夢はその人物を見るなりとてつもなくめんどくさそうな顔した。

「あら、やっと帰ってきたの?随分ととろいのね」

うわ・・・めんどくさいやつだわこれ。

「何であんたがここにいるのよ」

「別に良いじゃない。暇なんだもん」

頬を膨らまし、腕を後ろで組む青髪の少女。霊夢と話していた少女は俺の存在に気が付いたのか声を掛けてきた。

「あれ隣に居る白髪頭のとろそうなやつ誰?」

「はぁ?あんたに言わなくてもいいでしょ?」

霊夢は何故か怒った様な声質で少女に言い放つ。

「なぁ!?良いじゃない言ってくれたって!!・・・それとも貴女の男?それは無いわね絶対」

途中から笑いながら霊夢を挑発する少女。それに対して霊夢はワナワナと震えながら

「あら、貴女が言えるのかしら?断崖絶壁の癖に」

と見事なまでに平らな胸を貶した。

「な、な、な・・・」

恥ずかしそうにしながらも怒気を体に纏わせた少女は体を震わせ今にも飛びかかりそうだ。

「な、なあ、二人とも落ち着くんだぜ?」

魔理沙は止めに入ろうとするが

「「何よペッタンこ!!」」

「な、何だって!!この!!」

・・・無理そうだな。そろそろ止めに入んないと神社が壊れてしまう。

この少女のことは会ったばかりだから良く知らないがどんな性格の子か分かった気がする。

「お前らそこまで大きさ変わらないんだからさ、そろそ・・・ろ」

この口論を止めに入ろうとするが自分が言ってしまったことに俺は後悔した。禁句じゃないか。

「あら静次。私の胸が小さいと?」

霊夢がケラケラと笑いながら近づいてくる。それに恐怖心を抱いた俺は思わず後ろに後退りをする。

「い、いや、霊夢はこの中で一番だと思うぞ?ほら、お前は今さらし着けてるだろ?」

とっさに頭に浮かんだ事をそのまま吐き出す。このままでは自分の命が危ない。

「流石静次!!そうよ。そうなのよ」

適当に言った事が霊夢にとっては嬉しかった様でご機嫌になった。

「ちょっと」

「忘れてた・・・」

危機が去ったと思っていたが怒りそうなヤツがもう一人居るのを思い出した。

「はぁ!?貴方私を舐めているのかしら?この天人に向かって!?」

「天人なのか。つうかお前の名前は?」

あまり驚いていなさそうに喋ったが、内心結構驚いている。天人って文字通り天に住んでいるのか?いまはそれよりもこれ以上胸の話をすると俺が痛い目見そうなので話そらす事にする。魔理沙はショックだったのか縁側に座り何処か遠くを眺めていた。

「人の名前を聞く前に自分の名前を言いなさい。もしかしてそれも出来ない馬鹿なのかしら?」

人を見下しながら話す青髪の少女は俺の方に踏み寄ってきた。その瞬間少女は俺の足を払いその場に無惨に倒れてしまう。

「ほら、自分の名前を言ってみなさい?ゴミ虫」

あまりにも酷い言葉使いに俺の中の何かが音をたてて切れた。

「調子に乗んなよこの!!」

すっと立ち上がり、右手に力を入れて少女の腹を力任せに殴るがそれに対して少女は避ける様子もなく直に受けた。

殴ってから覚めて何て事をやってしまったのだと自分に後悔したがその必要は無かったみたいだ。

「・・・え?もしかして本気だった?あらぁ・・・ごめんねぇ~」

目を細め口をつり上げてニタニタと笑う少女。

「・・・嘘だろ?」

かなり本気で殴った筈だがここまで痛く無さそうにされると自分に自信が無くなってくる。

「本当よ。何だか貴方が可哀想だから名前、先に言ってあげるわ。私の名は比那名居 天子。ほら貴方の名前は?」

「佐々木・・・静次」

「そ~。静次君って言うんだぁ~」

お、おおおおおおお・・・・・・

駄目だ。こいつと居ると頭が可笑しくなる。

「霊夢。お茶飲もうぜ魔理沙も」

一刻もこの空気から抜け出したい俺は話をいきなり霊夢に振り助けを求めた。

「そうね」

霊夢が察してくれたのか俺の意見に賛成し神社の中に入っていった。

この前甘味処で買った饅頭も一緒に食べてしまうか。これ以上食べないと味が落ちてしまう。

「ちょ、ちょっと!!」

後ろで騒いでいる天人を放っといて神社の中に入り饅頭が入ってある棚から饅頭を取り出す。

・・・三つか。

「霊夢。お茶一応天子の分もな」

「ええ、分かってるわ」

 

 

 

 

 

「遅かったじゃない」

縁側に行くと偉そうに腕を組座っている天子と、もう元の状態に戻っている魔理沙が居た。

「ほら、霊夢のと魔理沙の」

縁側に座り饅頭を分ける。残りの一つを天子に渡そうとしたが、俺の頭に変な物が思い浮かんだ。

「これは俺のな。天子、お前の分無かったわ。ごめんな」

「え!?ちょ、何でよ!!私がこんなお茶だけで満足すると思ってるの!?」

天子は意味が分からないという顔をしながら少し怒った様子になる。

「満足しないのか?」

「当たり前でしょ!!」

この礼儀を知らない小娘はどうやったら育つんだか。

見た目がいいんだからもっと可愛らしくすればいいのに。と、そんな事を心の隅で思いながらお茶を一口飲む。

「ちょっと!!」

俺の反応が無かったのに少し気に触ったのかもっと怒った様な感じになる。

「天子」

「何よ・・・」

「饅頭、欲しいか?」

俺の饅頭が乗った皿を天子の側に置く。

「これあげるけどさ、次からはもっと人を思いやってくれないか?」

饅頭を見て天子は一瞬明るくなるが直ぐに元の様子に戻り此方を横目で見てきた。

「別に、貰ってあげてもいいわよ」

「違うだろ?お礼を言うんだ。簡単だろ?ありがとうって」

日がもう山から完全に出て神社を照らす。日光に眩しさを感じながらも天子の赤い目を見る。

天子は顔をほんのりと赤く染めながら小さく息を吸い

「あ、ありがとぅ・・・」

と感謝の言葉を言った。

「良く言えました。ほらどうぞ」

天子はなんだか恥ずかしそうに饅頭を手に取り口に運ぶ。そして何かに気が付いたのか俺の顔を見てきた。

「ねぇ、静次。ひょっとして私をからかってるの?」

「ばれたか」

外でさんざん言われたので仕返しに上から目線で言ってみたのだ。これ位はさせてほしい。

「もうしらないっ!」

プイッと俺に背中を向けて饅頭を食べる天子。その様子が変に思えたのか魔理沙と霊夢はポカンとした顔で天子を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 




こんな天子もたまにはいいよね・・・?
意見、ご感想があったら宜しくお願いします。
ではまた。
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