東方仁無録   作:キーマカレー

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課題をやっている途中でまた思い付いたので。


37話 お粥

静次が買い出しに行ってからアリスとこんな話をした。

「ここって力のある者は男より女の方が多いわよね」

不意にこんな事を聞かれても困った。たしかに幻想郷は男性より女性のほうが力を持っている者が多い。紫が裏で仕組んでるんじゃないかと思うほどに。

「急にどうしたの?」

「だから」

アリスはたまに意味不明な事を言ったりするけど今回はとても遠回しに何かを話そうとしているのがわかった。

「幻想郷の力を持った女性ってあまり出会いがないわよねって」

そういうこと。恋愛の話がしたいならそう言えばいいじゃない。そんな事を思いつつ頭の隅で静次の事を思ってしまう。

「アリスには気になる人がいるの?」

そういうとアリスは片手を横に振りながら「居ないわよ」とだけ言い空を見つめた。

「私はね貴女たちに会う前は人との関係なんて全くなかったわ。一人で森の奥で孤独に暮らしていたわ」

急に暗い雰囲気になってしまったことに少し戸惑ったけどこの話は前にも聞いたことがあるからあまり深くは考えなかった。

「今のところは出会いよりも友人を大切にしたいって感じだけど」

じゃあ何故こんな話をしようと思ったのかと謎に思ったけど気にはしない。

「それで霊夢は居るの?」

「・・・何が?」

「だから、貴女の気になる人」

アリスの目は全てを見透かしていると言わんばかりの目をしていて何だか腹が立ったが私自身の事だし誰が好きか嫌いか分かる。でも、それを見透かしている様にする魔理沙とアリスには溜め息が出る。

「どうでしょうね」

「あら」

濁すように喋ったのに対してそれを手で口を塞いでクスクス笑っているアリスは可愛らしかったが今の私にとっては腹立たしい他無かった。

「それじゃあそろそろ私は帰るわ。今度クッキーか何か焼いて来る?」

「・・・期待して待ってるわ」

「それじゃあね」

最後まで笑いながら飛んでいったアリスを見送りながらつい考えてしまう。

最近の静次は自由に飛べるようになってから前より外出する事が多くなった。ここに来たばかりの時はあらゆる事を面倒くさがってたのに今は自分から行きたい所に飛んでいっては面倒事を持って帰ってくる始末。

あいつは仕事をしてお金を稼いで来てくれているけど少しは私の手伝いをしてほしいわね。

・・・洗濯も最初は家族でもない男の下着を洗うのをかなり戸惑いがあったけど馴れちゃったし。

ぼんやりと外を見渡す。

自分の抱いている気持ちと静次が私に抱いている気持ちが分からないのに何だかむしゃくしゃしてしまう。

――静次が酒を嫌っていたから飲んだりするのを遠慮していたけど今日位良いわよね。

 

 

 

 

 

 

「霊夢はまだ寝ているのか」

目が覚め霊夢がまだ寝ているのを確認し、少し怠い気持ちを抱きながら外に出る。するともう日が暮れかかっていて夕日が眩しいくらい照らしてきた。

 

居間に戻ると酒の臭いがして少し嫌気が刺さるが霊夢の隣に座り顔を見つめる。まだ起きないのかと思いながら待っていると今晩の飯の事が頭に浮かぶ。

「ろくな物作れないんだよな」

ご飯こそ炊けるようになったが他のことなんて自分でも驚くほど出来ない。料理が作れたとしても、鍋か卵焼きか。

お粥位ならできるかな?

 

 

 

 

 

「その結果がこれと」

「はい・・・」

お粥を作り終わった後霊夢が起きたので頭を押さえてる霊夢に食べさせると微妙な顔をされた。

「味薄い」

「はい・・・」

「まぁ、今の私にとっては薄い方が良いけど・・・。別に無理しなくても良いわよ。ご飯は私が作るから」

まだ眠そうな顔をしている霊夢は良く頑張ったと誉めてきた。それが何だか心に刺さったのは秘密だが。

「じゃあ捨ててくるよ。食えたもんじゃないだろ?」

自分でも味が無いんじゃないかと思うほどに薄いと思う。俺って仕事と風呂を沸かす以外なんも出来ない気が。

「嫌だ」

否定的な答えに対して少し驚いてしまい、手に持っていたお茶を少し溢してしまう。

「え?・・・じゃあ塩持ってくる?」

「いらない」

否定的な霊夢にどうしたものかと腕を組んでいると霊夢は

「せっかく静次が私の為に作ってくれたお粥だから・・・」

と、頬を赤くしながら霊夢が喋った。

・・・俺もかなり照れ臭かったが。でも何だか体が温くなりとても嬉しかった。




休みが終わるヤバい。
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