東方仁無録   作:キーマカレー

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更新遅れて申し訳ありません。
今週本当に忙しかった(泣)
では、どうぞ!!


39話 悪夢と悪魔

私は今目の前に広がっている状況に唖然としていた。

目の前に広がるのは私の背を軽々と越すほどのお金の山。死ぬ前には見ることが出来ないであろう大金。

「わあ・・・」

今自分の顔がどのようになっているかなど今はどうでもいい。ただただ金の山の一部を取って両手一杯に抱き締める。

このお金があれば何ができる?

里の美味しい食べ物をお腹一杯食べれる。

手が出せないほどの高級なお酒を飲める。

大きな家を買うこともできる。

古くなった布団やテーブルなども買い換えることができる。いっそ神社ごと建て替えても有り余るほどのお金。

妄想が止まらない。段々と興奮してくる。

金の山に横になったり、山を崩したりしているうちに後ろから声が聞こえた。

「霊夢」

聞きなれた少し太い声。なんだか気持ちが安心するような声。私の大好きな人の声。

「静次!!」

お金を両手一杯に持ち、静次の元へと向かう。

「これだけのお金があれば何でも出来るわよ!!」

普段の生活が余り贅沢できない状態の静次も喜ぶかと思っていた。でも・・・

「・・・・・・静次?」

人形のようにその場から動かず顔の表情をピクリとも動かさない。まるで魂の抜けた死体の様な立ち姿。

「霊夢、お金が一杯で嬉しい?」

「え?」

何の感情も入っていない声。そんな声につい彼の瞳を見てしまう。目には光が灯っておらず深い影がその瞳を覆っていた。

「それじゃあ俺はもう必要ない?」

「・・・何を言ってるの静次?」

「それじゃあね」

「え・・・?ちょっと、静次?ねぇ、まってよ!!」

段々と静次と私の距離が開いていく。追いかけようにも体が動いてくれない。必死に手を伸ばしても彼の身体には触れない。

「静次、静次!!、せい・・・じ・・・待ってよ。ねぇ・・」

もう見えなくなりそうな静次。その場からは動けずにただ見つめる。そして段々と視界が暗くなっていく。

彼が見えなくなる頃には既に視界は黒に染まっていた。

 

 

 

 

 

「ん・・・」

目を覚ますと何時もの部屋の布団に横になっていた。

部屋の襖は開かれており、外の光が布団に差し込んでいた。

「夢・・・?」

さっきまでの事をハッキリと覚えている。余程印象に残ったのか。

正直言ってもう見たくない夢だ。悪夢に等しい。

そういえば静次は何処に行ったのだろう。いつも隣に布団を敷いて寝ているけど今は静次の姿が何処にも見当たらず少し雑に畳まれた布団だけがそこにはあった。

布団を片付けて外に出る。そして、井戸から水をくみ顔を冷たい水で洗う。 すると寝起きの気怠さを一瞬で吹き飛ばしてくれた。日光の光を浴び体が暖まり気持ち良くなるのだが、少し太陽の傾きが気になった。

空を見上げると太陽は私の真上に昇っており、そこから光を照らしていた。

「もしや・・・」

珍しく昼間で寝ていた事にようやく気が付きあわてて居間に走る。居間の襖を乱暴に開けて部屋の真ん中に置いてあるテーブルを見ると一枚のメモ書きが置いてあった。

 

 

 

おはよう霊夢。お前が起きないから先に仕事に行ってきまーす。

 

 

 

 

「起こしてくれても良いのに・・・」

静次に少し苛立ちを覚えたが寝惚けていたのは自分だと分かっていたので直ぐにその苛立ちを心の奥底に終い、昼飯を作ることにした。

その静次が書いたメモは捨てようかと思ったがまだ裏に書いてあることに気がつきぺらっと捲るとそこには

 

 

 

 

 

どうせ「起こしてよって」って思ってるんだろうけど、お前起こすとキレるじゃん。

お土産に何か買ってくるから許して

 

 

 

 

 

と、まるで私の心を見透かしているようで苛立ちを覚える他なかった。

「悟り妖怪でもないのに心を読まれると腹が立つわ」

居間に行く途中でメモ書きをバラバラに破き捨てておいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある図書館で静かに読書に没頭する少女が居た。

「む~・・・」

その少女は何か深刻な顔をして、時折小さな欠伸をしながらある青年を思い浮かべる。

「静次ぃ~遊びたいよ~」

「・・・最近遊んだばかりでしょ」

ポツリと呟いた少女の言葉に対して大きな古い本を大きな机に置き紅茶を飲む魔女、パチュリーが若干ながら少し呆れた口調で返した。

「だって・・・遊び足りないんだもん」

「貴女が遊び足りた頃にはアイツはぶっ倒れて使い物にならなくなってるわよ」

こんなやり取りを続けて十数分。パチュリーはフランの話し相手となり時間を潰していた。

「静次もこのお屋敷に住めば良いのに・・・」

「そんなことになったらどっかの巫女が物凄い形相で阻止してくるわよ」

「何でそんなに否定するのよ!静次が嫌いなの!?」

高く幼い声が図書館に響きその後に静けさが戻る。図書館にはこの二人と先程から忙しそうに本棚を整理する小悪魔以外いないせいかこの声以外は聞こえることもなかった。

「きゃあ!?」

小悪魔のミスを除いて。

「ちょっと、こあ。本をもっと大切に扱って頂戴。それとフラン。私は別にアイツが嫌いな訳ではないわ」

「じゃあなんで」

頬を膨らませているフランはパチュリーに近より、読んでいた本を強引に閉じる。

「どんな人にも都合って物があるでしょ?」

「そうだけどさ・・・」

余程会いたいのかまだ静次静次と病気かと思うほど連呼していた。

「別に静次だけが遊び相手じゃないでしょうに。魔理沙もいるでしょう?」

「魔理沙最近全然来ないじゃん」

「確かに・・・何時もは頻繁に本を盗って行く癖に、最近は全然来ないわね」

確かに珍しかった。最近は図書館が五月蝿くなることが無く、静かな空間がずっと揺らぎなく続いているのだ。

「まぁ、そんなに会いたいのなら私からレミィに言っておくわ。これ以上五月蝿くされても困るし」

「本当!?」

「ええ。だから此処では静かに」

「うん!!」

長く生きていてもまだ中身は子供なフランは素直に静かにしそれにホッとするパチュリーだったが、直ぐに騒ぎ始めたフランに頭を抱え、その場に伏せた図書館の主だった。

 




どうでしたでしょうか。今週から更新を頑張って行きます!!
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