東方仁無録   作:キーマカレー

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キーマカレーです。休んだ分頑張ります。



42話 写真

夕暮れ時、博麗神社の一室で博麗の巫女に押し入れの中の整理を頼まれ、そこで声にならない悲鳴をあげている男がいた。

「ッ~~!!」

鈍い痛みがする頭の箇所を両手で力強く押さえる。

怪我をする程でもないが涙が出るほどに痛いのは違いがなかった。

「いったい何がぶつかったんだ・・・ん?」

押し入れの前で無造作に置かれた大小様々な荷物の中に少しばかり古い本が一冊置かれていた。多分これが降ってきて当たったのだろう。

片手で頭を押さえながら散らかった押し入れの前で座り込み、その本を開く。

少し大きめの古い本は埃が被っており、手を汚したがそんな事は気にはせずに本の中身を見る。どうやらアルバムのようだ。

アルバムには写真が貼ってあり、どれも古いと思われる物ばかりだった。しかし、

「あれ・・・?」

可笑しい。最初のページには数枚写真が貼ってあるが、次のページからは写真がなく少し黄ばんだ白がページを埋め尽くしていた。

仕方のなく最初のページの写真を見ることにしたのだがまた気になるものが映った。

「霊夢・・・?」

写真に映っているのは全部幼い少女。しかしその少女は体の大きさに見合ったサイズの巫女服を着ており顔こそ幼いがハッキリ言える。これは霊夢だ。

写真の中には霊夢と思われる人物以外にも大人の女性が写っている集合写真と思われる物もあった。

「これは誰だ?」

集合には真ん中に霊夢。そして左隣には紫らしき人物そして右隣には博麗の巫女服を着ている人が笑顔で立っていた。

「博麗の・・・巫女?」

俺の頭の中でいろんな疑問が沸き出ている時に自分を呼ぶ声が響き渡った。

「晴次~!!ご飯できたわよ~!!」

「お、おう!!」

近づいてくる足音に何故か緊張しながらその写真を迅速かつ丁寧に剥がし、ズボンのポケットに入れる。

そしてアルバムを押し入れの奥に置き、箱詰めされている荷物でアルバムを隠した。

何故そんな事をしたのかは自分にもわからなかった。

でも、そうしなければならない気がした。

「まだ整理に時間かかりそう?私も手伝う?」

「い、いや、大丈夫。飯食ったらさっさと終わらすよ」

「そ、そう?」

少し戸惑いが表情に出ている霊夢を見て自分が焦っていることに気が付く。変に霊夢に勘づかれたりしていないかと心の中で思うが、やってしまった事はどうしょうもない。

「ほら、飯食おうぜ。霊夢の美味しいご飯楽しみだ」

こんな風に誤魔化しを入れ、霊夢の戸惑いを消すようにする。

「い、いきなり何を言うのよ・・・」

困った顔をしながら何処か嬉しそうにする霊夢の表情につい目が行ってしまうが、仕方がないと自分で納得させる。だって可愛いんだもん。

夕食を食べている時も、風呂に浸かっている時も、今も写真の人物が気になり中々寝つく事が出来ない。

隣に布団を敷いて寝ている霊夢を背に写真を取りだした。部屋が真っ暗で見えにくいが、誰かわからない巫女を見詰める。でも、答えは出るはずもなかった。

 

 

 

 

 

 

眩しい太陽の光が顔に当り、重い目蓋をうっすらとあけて起き上がる。

「やっと起きたわね。そんなに押入れの整理疲れたの?」

襖に手を当ててこちらを見ている霊夢が寝巻き姿で微笑んでいた。

「さぁね。つか霊夢も今起きたのか?」

「ええ」

小さな欠伸をする霊夢は両腕を上に伸ばし気持ち良さそうにしていた。

「それじゃあ着替えるから入って来ないでね」

と言うと少女とは思えない力で俺を両手で持ち上げ、縁側に出された。

「もう少し丁寧におろせよ・・・」

今から着るのであろう巫女服を片手に霊夢は俺に笑いながら「あんたは貴重品か何かか」とだけ言い、襖を閉められた。

「・・・やっぱり気になるな」

彼女の笑顔から思い出されるあの巫女の顔。美女と言えるほどに整っている顔立ちだが霊夢とは似ていない顔。

霊夢の母親なのだろうか。それとも違うのか。でも、確信している事があった。それは、彼女は博麗の巫女だと言うことを。

でも何で一緒にいないのか。それがどうしても気になった。

 

 

 

 

朝食を食べた後、仕事場に行くために里に飛び大通りに出た。大通りは今日も賑やかで客を呼び集めるために店の人達は張り切っていた。

「やっぱ菊子さんの所は人気だなぁ」

毎度お馴染みの八百屋の菊子さん。何時もどの店よりも安く買えるため、他の店よりも人が多く並んでいた。そして何故かその光景を見て、何かを忘れているような気がした。

寺子屋に着くと勝手に入り込み、作業場に行く。

「あぁ・・・夏休みが迫ってくる」

この仕事で一番嫌になる時期。大量の宿題制作。そして量産。嫌だ。嫌すぎる。

去年は手の感覚が無くなったんだよなぁ。

苦い思いでを思い出しながらも席に着き大量の紙と慧音特製問題集、そして筆を持つ。

本当は鉛筆を使いたいが、鉛筆で書くと残り数本しかない鉛筆が勿体無い気がするから筆を使うしかないのだ。

今香霖堂では鉛筆の在庫が無いらしいし・・・つか、殆んどは自分が使うらしい。

「よし、やるか」

今週中に終わらせて後々楽をしたいからさっさとやることにした。

 

 

 

「・・・続きませんけどね」

数時間。いや、数十分で力尽きた。誰か助けて・・・

少し暑い部屋のなかで一人孤独に呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 




そういえば休み中の課題やってねぇ・・・と今更気が付く。
では、次回
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