東方仁無録   作:キーマカレー

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キーマカレーです。今回は短いです。すいません。
では、どうぞ


43話 燭台の元での出来事

昼間に比べると気温が下がり部屋に篭っていた熱が段々と収まり、少しは快適な空間になった部屋で頭を悩ませていた。

手を見ると一日中筆を持っていたせいか、それとも持ち方が悪いせいか、どっちにしろ疲労が溜まりに溜まった右手が悲鳴をあげていた。

「疲れたなぁ・・・」

不意にあの写真を見る。写真を撮った季節もこの頃なのだろうか。そんな事を考えたりする。

本当は仕事終わりに、手当たり次第写真の人物を知っていそうな人に聞いて回ろうとしたのだが、一体誰に効けばいいのかが分からない。写真にも写っている紫に聞くのが一番なのだろうが、その本人が神出鬼没なため困難なのだ。

今日一日中一人で愚痴りながら作った生徒たちの宿題の山を見る。一見そこそこ厚みがある紙の山に見えるのだがまだ半分しか出来ておらず、まだ何も書かれていない紙の山も同じくらいあった。

「明日にしよう・・・」

仕事も写真の件も今日は考えないで明日にしよう。

痛んだ右手を揉みながら外を見る。

日が山に半分隠れており、眩しいくらいの夕焼けが大地を赤く染め上げていた。

その赤い大地で自分達の影で遊んでいる子供たちを見ていると「静次、いるか」と大人の女性の声が聞こえてきた。

「はい、います」

後ろを見ると慧男が水らしき物を持ってきていた。

その水が入っているコップには水滴がコップを覆うよに付いており、水面には氷が浮いている。

「ほら、喉渇いただろう?」

水が溢れないようにとゆっくりと机の上に置かれたコップから水滴が垂れ、宿題の一部に滲みた。

「おっと、すまない」

「水ですから大丈夫ですよ」

ひんやりと冷たい水を飲むと身体中のぼんやりとした物が消え去り心の状態を良くしてくれるが、目の前の自分の課題を見ると急に絶望してしまう。

「仕事終わりそうにないか?」

少し苦笑いしている慧音は作成した宿題をパラパラとめくり何か考え事をしているようだ。

「なぁ」

「何でしょうか」

急に問題集を開いた慧音は徐々に申し訳なさそうな顔付きになっていき、俺の目に何かを訴えているように感じた。

問題集を机に置いた慧音はゆっくりと近づいてきて肩の上に手を優しくのせた。

「静次、宿題の範囲はちゃんと確認したか?」

「え?」

そう言うと慧音は目を瞑り、苦笑いを浮かべていた。

「悪いんだが・・・これはまだ習ってないところなんだよ」

急に空気の抜けた風船の様に脱力感を覚える。嘘だ嘘だと思いながらも宿題の範囲が書かれた小さなメモ書きを見ると、

「もうやだ」

全くの的外れで生徒たちが全くやっていないところを書いていた。

この脱力感、絶望的な状況を打破できるような出来事はないかと、楽しいことが起こらないかと必死に願いながら帰宅した。

「それでさ・・・」

神社に帰り夕飯を食べた後、お風呂から上がった白衣姿の霊夢に今日仕事であったことを半泣きで話した。

しかし、彼女は自分には関係ないといったような顔をしながら軽く聞き流す程度に聞いていた。

もう日がすっかりと沈み部屋の辺りを照らすのは、燭台に立ててある心簿粗ない蝋燭のみで、部屋にオレンジ色の弱い光を放っていた。

もう寝るかと心のなかで思い布団に入り、目を瞑ろうとした時隣から声が聞こえてきた。

「静次。貴方押入れに入ってたアルバムの写真とったでしょ?」

暗くて良くは見えないが確かに此方を睨み付けている霊夢がいた。

「・・・ああ」

どうしてばれたのかと内心焦っていると彼女は何処からかあの写真を取り出した。

「風呂に入る前に着ていた服に入っていたわよ。それとこの写真に写っている人を探すようなことはしないでね」

自分の思わぬ失態と彼女の刺さる目線と怒気。きっと探られたくない事なのだろう。それを俺は内緒で探そうとした。

「・・・ごめんな」

「いいわよ。おやすみ静次」

きつかった口調が優しい口調に変わり、笑みを見せる。でも、俺には必死に作った様な笑みにしか見えなかった。きっと、辛い事が昔あったのだろう。

何回も何回も心のなかで彼女に謝りながら意識を離していった。

 

 

 




短くて申し訳ないです。今けっこう忙しい汗
では次回
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