では、どうぞ。
酒の臭いが染みきったこの部屋で、アリスを布団に横にさせると、まだ自我があるのかアリスは一言、ありがとう。と言うと、そのまま寝てしまった。
何本空けたのか分からないが、空になった酒瓶が散乱してあり、中には酒瓶が倒れていて、中に残っていた少量の酒が畳に染みていた。
明日が思いやられるな、と誰に対して言ったわけではないが、酔い潰れた巫女と魔法使いを前にして言った。
「おい、魔理沙。寝るなら布団で寝ろ」
肩を揺すると、手を振り払われた。何度起こそうとしても起きない魔理沙に呆れながらも、諦めずに肩を揺すり続けた。
「ん~~うるざぁいなぁ・・・・・・」
一瞬起きたかと思いきや、また眠りにつく。
もう無理だ。諦めよう。
白黒の魔法使いを無視して、今度は霊夢をターゲットにする。お風呂に入った後に飲んだらしく、霊夢は寝巻き姿で寝込んでいた。
「よぉ~し」
魔理沙を布団に寝かせるのは失敗に終わったが、霊夢こそ寝かせてやろう。
魔理沙と同じように肩を揺すると、案外早く起きた。
「あれ、静次じゃない。どうしたの」
霊夢の顔を見ると、そこまで酔っているわけではなさそうで、頬を朱に染めている以外は普通だった。
「私を襲いに来たの?」
「まさか」
やはり酔っているのは間違いなさそうだ。普段の霊夢なら、こんな事は言わない。霊夢が可笑しくなるのは、酔った時か、何か事件が起こったとき。
「ほら、アリスが廊下で寝てたから、寝かせに来たんだよ。それで霊夢たちが酔い潰れてそうだったから、寝せようと」
「何だ。別に私は大丈夫よ。結構酒に強いから」
「寝てた癖に?」
「五月蝿い」
じゃあ、寝に戻るわ。と言うと、引き留めるように、俺の服を掴む霊夢。
「どうした。何かあるのか?」
「ちょっと縁側で待ってて」
「別に良いけど・・・」
言われた通り、そのまま縁側に行くと、昼間の暑さとは一変。涼しげな風が吹き、酒臭さから自然の匂いに変わる。暗闇を照らす、月明かりに照らされながら、縁側に腰を降ろし、月見をする。
数分すると、寝巻き姿の霊夢が、手に酒瓶を何本か持ちながら、俺の方に向かってきた。
「・・・・・・俺は酒なんか飲まないぞ」
俺の言葉を聞いていないのか、または聞こえるけど無視をしているのか、どちらにせよ、彼女は微笑みながら、隣に座る。
「明日、掃除ちゃんとしろよ」
「分かってるわ。ほら、少しで良いから」
酒が入っている、まだ開けていない小さな酒瓶を、俺に手渡す。
これは飲まないといけないのか、そんな空気になる。
彼女を見ても、俺の顔をじっと見つめ、少しは試してみてと言うだけだった。
まぁ、少しなら試しても良いかなと思い、蓋を開ける。酒の臭いが鼻をつき、一瞬顔をしかめてしまうが、瓶を落とさないようにしっかりと持つ。
一息つき、瓶を傾けた。
むせる覚悟で口に酒を入れると、予想とは違い、不味いと言うつもりが、口が勝手に美味しいと動かしていた。
「あれ、美味しいなこれ」
「でしょ?買って良かったぁ~」
とても嬉しそうに喜ぶ彼女。他の瓶とは一回り小さいこの酒瓶が気になり、霊夢に問う。
「これ、高いやつだったりする・・・?」
「さぁ?そういうのは聞かない方がいいわよ」
月を見ながら一杯。美味しそうに酒を飲む彼女は何処か嬉しそうだ。
ごくごく休みなく飲み続ける霊夢を見ていると、此方が何だか負けている感じがして、酒なんて全く飲めない癖に、一気に酒瓶をあける。
「うぅ・・・あぁ・・・」
「・・・大丈夫?」
心配する彼女を隣にして数分。飲んだ直後はなんとも無かったが、だんだんと眠気が襲い、いつの間にか寝てしまっていた。
短いですね。はい。しかも酒なんて飲んだことないのに、酒を飲む所を書くという。(後悔はしない)
次の話からは、少し文字数を多くしますので、これからも宜しくお願いします。