東方仁無録   作:キーマカレー

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どうも、キーマカレーです。
何だか夜は寒いです。
今回はフランと静次がメインです。
では、どうぞ。


47話 手作り

紅魔館の中に静次とフランドールが密着した状態で入ってきた。

相変わらず大きく、豪華な造りになっている廊下を歩く二人に十六夜 咲夜 が、目の前に能力を使い現れた。それに驚く静次と、馴れたと言わんばかりの目で見るフランドール。

一礼したメイドはフランドールに近づき、耳元で呟く。

 

「妹様、例の物は温かい紅茶と一緒にテーブルに置いておきましたので」

 

それに二度頷くフランドール。手にじんわりと出てきた汗をスカートに拭い、頭を上げて静次の顔を見る。

 

「せ、静次。あ、私ね、お部屋移したの」

「部屋って、フランの部屋か?」

「うんっ」

 

若干緊張している様子を伺えた静次は、緊張気味のフランドールが少し可笑しいのか、口元を少し吊り上げて笑っていた。それを見た咲夜は冷たい目で静次を黙らせ、失礼な事はするなと、目で訴える。それに気付いた静次は、何故睨まれているのかが分からず、首を傾げた。

何かを諦めた表情をした咲夜は、ではこれで失礼します。と言うと、能力を使いその場から消える。

 

 

 

「じゃあ、新しいフランの部屋に行こうか」

 

返事を声にはせずに頷くフラン。それを確認し、来た時と同じように少しくっついた状態で移動した。

紅魔館の二階に移動するために、階段を上がる。階段を登り終えて、そのまま右に曲がり直進する。すると、『フランの部屋』と書かれた小さな木の板が、ドアに貼り付けられた部屋が見えた。

部屋に入ると咲夜が毎日綺麗に掃除しているのか、散らかっている様子は無く、棚や本棚も整理ささっており、ベッドは大きく、カーテン付きだった。

部屋の真ん中には、小さな木製の円上のテーブルが置いてあり、その上には、花の模様が印象的なティーポットに、同じく花柄の綺麗なカップが二つ。ティーポットの隣には真っ白な皿の上に、クッキーが沢山並べてあり、形は若干不恰好ながらも、部屋中に甘い匂いを散りばめていた。

 

「静次、い、椅子に座って」

 

言われた通りにフランと向き合うようにして座る。

するとフランは立ち上がり馴れない手つきで紅茶を入れ始めた。

 

「今日はお茶会をしたいのか?」

「・・・違うけど違わない」

 

何だそれ。今日は少し可笑しいと思っていたが、何となくだが、フランが何故何時もと違うのかが分かった気がする。綺麗に並べられたクッキー。これだろう。

咲夜が作るクッキーは、機械で作ったんじゃないかと思うほど綺麗に出来ているが、今目の前にあるのは、形が少し違ったりしていて、手作り感が満載だった。

 

「は、はい静次、紅茶、ど、どうぞ」

「ありがとう、フラン。それとそんなに緊張しなくても良いよ」

 

若干笑いながら、フランから紅茶を受けとる。フランも自分の分を入れると、そのまま座った。

 

「きょ、今日は良い天気だね」

「そうだね。・・・このクッキー美味しそうだな。食べていいか?」

 

自然に食べて良いかと聞き、表にはわざとフランが作ったということを出さないようにする。もしこれが、「実は私が作ったんだよ!!凄いでしょ!!」というやつだったら、フランを悲しませてしまう。

一枚取り、口に運ぶ。それをフランは、じっと見つめていた。

半分ほど口に運ぶ。味は普通に俺好みの甘めで、サクサクしていて普通に美味しかった。

 

「フラン、これ美味しいな」

 

と言うと、パッとあかるい顔になり、口元を緩めて体をもじもじさせていた。

 

「実はね、そのクッキー私が作ったの。口にあって良かったわ」

 

あの義故知のない緊張感がなくなり、いつも通りのフランに戻った。よっぽど口に合うか気にしていたのだろう。

あっというまに時は過ぎ、綺麗に並べてあったクッキーは完食してしまった。

 

「このクッキーは初めて作ったのか?」

「うん!!咲夜に教えて貰った」

「またこのクッキー食べたいな」

 

フランの喜ぶ顔がもっと見たくてまた作って貰うように頼んでみる。実際にクッキー自体は美味しかったからまた食べたいというのは嘘ではない。

 

「また作ってみる!!」

「ありがとう。今日はもう時間だから帰るな。それじゃあまたな」

「楽しかったよ!!また、また遊びに来てね!」

 

今日のフランの笑顔が可愛かったな。さて、さっさと帰って寝るかな。

部屋を出る時にフランと別れ、一人で廊下を歩いている時、隣に咲夜が現れた。

 

「・・・正直な感想を聴きたいのですが、今日のクッキーどうでしたか?」

「普通に美味しかったぞ。俺好みの味だったし」

 

そういうと咲夜は、手を胸に合わせ、ホッと息をつく。

廊下の窓からは、夕日の赤い光がさしており、そこを通る旅に照らされる咲夜が大人びて見えた。

 

「実はあれ、私はたいして手伝っていないのよ」

 

その場に立ち止まり、嬉しそうな表情をしながら話を始めた。

 

「妹様は何がなんでも自分の手で作って食べさせてあげたいとおっしゃってて、私はただ作り方を教えただけで手は加えてないのよ」

「凄いな。どこかの誰かさんは自分の従者が作った物を自慢げに話してるけど」

「・・・・・・私としては嬉しいのですが、少しは身の回りのことをお嬢様自身でもやってくれたら嬉しいんだけど」

 

深いため息をつき、再び歩き出す。少しすると、大きな扉が見えてきた。それを咲夜が開けると、外の夕日が眩しいくらい照らしてきた。

門の奥に見える湖が夕日を乱反射し、とても綺麗だ。

 

「妹様は貴方のことを好んでるわ。その期待に答えてあげてね」

「遊ぶ位なら何時でも良いよ」

 

居眠りをしている門番を素通りし、湖の方へ飛んだ。

 

 




人の照れている所とかってやっぱり少し表現するのが難しい・・・。
誤字、感想などありましたら気軽にどうぞ。
では、また。
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