東方仁無録   作:キーマカレー

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キーマカレーです。
今回は少し妄想が暴発。短いです。
では、どうぞ。


48話 宴会予告

「宴会・・・だと!?」

「何動揺してんのよ」

 

寺子屋の生徒たちも夏休みに入り、仕事が明日から休みの連続という、もはや仕事とは言えない仕事をやり終えて、神社に帰宅した時の事。

日はもう既に沈んでおり、三日月が夜空に顔を見せていた。

縁側の近くに取り付けた風鈴が、透き通るような音を放ちながら、夏の夜風に当たり、揺れている。

もうとっくに夜食を食べ終え、一日の疲労を風呂で洗い流し、大きな氷が入った、キンキンに冷えた水をのんでいる時、風呂から上がった寝巻き姿の霊夢が突然いい放った。

 

「・・・・・・それってどのくらい参加します」

 

大人数での騒ぎを好まないため、あまり多くの人妖ともに参加してほしくは無いのだが、現実は甘くなかった。

 

「そうね、全員の名前をあげるのが面倒なほど」

 

霊夢によると、俺がここに居候して一年以上いるが、俺が宴会など、多くの人々が騒ぐものが苦手なのを配慮して、宴会を出来るだけ避けていたらしい。

そんな事を言われると、流石に悪く感じてしまい、目が合わせずらい。

 

「天狗の新聞であんたの事を知ったヤツらが居るだろうから、適当に接しときなさい」

「え、俺って参加しないといけないのか?」

「当たり前よ」

 

あんたを見たがる物好きたちもいるんだからと、俺の隣に座りながら言った。

 

「霊夢、里で好きな物買ってあげるぞ」

「あら、ありがと。でも宴会には参加しなさい」

「・・・・・・そういえばアリスの家に用事が明日あるんだよな」

「宴会は明日じゃないわよ。良かったわね」

 

どうしても参加しないといけないようだ。先程から、隣に座っている霊夢が、口元を少し吊り上げてニヤニヤと笑っている。

縁側から少し離れた木々や草むらから、リーンリーンと鈴虫の鳴き声が聞こえ、昼間のセミたちの暑苦しさを感じる鳴き声とは違い、涼しさを感じることができた。

 

「なぁ霊夢、欲しい物あ「諦めなさい」・・・・・・はい」

 

無意味な逃避を諦め、今度はどうやって、人妖にあまり関わらずに宴会を過ごせるかなど、心の中で考え始める。それを見透かしたのか、霊夢は俺の後ろに周り、俺の腹に手をまわし、後ろから抱きつくような形になった。

 

「ちょ、れ、霊夢!!」

 

宴会での過ごし方を計画していた静次は、いきなりの出来事に驚き、今の状況を把握するに精一杯だった。

そんな状況にさせた霊夢は、静次の耳元に口を近づけ、小声で話す。

 

「私は静次に宴会を楽しく過ごして貰いたいの・・・」

「で、でもっ」

「静次は私と一緒に宴会過ごしたくないの」

「そんなわけ、ない・・・だろ」

 

霊夢の色仕掛けにより、だんだんと流されていくのを分かっていながらも、それを何とかできないのが現実。

抱きつく力を少し強めた霊夢は耳元で、軽く息を吹き掛けた。そんな事をされて、冷静を保てるはずもなく、霊夢と一緒に宴会参加しますと言う。すると霊夢は、満足したのか、静次から離れた。男としての最高の状況が終わってしまい、もう少しだけ粘れば良かったなと、彼女に聞かれたら、ドン引き間違いなしな事を考える。

急にこんな事をした霊夢はどうしたのかと、彼女の心配も少しあったので、聞いてみることにした。

 

「霊夢、どうしたんだよ。急にあんなことして」

「・・・・・・嫌だった?」

 

一瞬心配そうな顔つきになる霊夢

 

「嫌では・・・なかった」

 

しかし、俺の返事を聞いて、いまさら恥ずかしくなったのか、頬を少し赤らめた。

 

「それで、何で?」

「つい」

「ついって・・・」

 

少し緊張してしまっていたのか、背中にじんわりと汗が浮き上がっており、頭からも少し汗を流していた。

頬に垂れてきた汗を拭い、夜空を見上げる。

鈴虫はまだ鳴いており、静かになる気配はなかった。

 

「霊夢ってたまに可笑しくなるよな」

「そう?」

「何時だったかもさ、俺が刀に封印されていた妖怪に乗っ取られて、永遠亭に運ばれて帰ってきた日もさ、一緒に風呂にはいろうだとか、寝ようだとか言ってたよな」

随分と懐かしい事を言われて、遠い目をする霊夢。その時の自分の発言に覚えがあるのか、顔を真っ赤にし、俯く。

 

「あの時は・・・・・・色々と可笑しかったのよ」

「さっきも充分可笑しかったぞ」

「失礼ね」

 

逃げるようにその場から立ち上がり、障子に手をかけて、止まる。

胸に手を当てて、一息をついた彼女は、

 

「寝るわ」

 

とだけ言うと、とっとと部屋に入り、障子を閉めてしまった。

 

「綺麗な三日月だな・・・」

 

一人で夜空に浮かぶ三日月を見上げながら、残っていた水を飲み干した。




少し短かったですが、どうしでしたでしょうか。今日から少し暇が続くので、明日か、明後日にはまた更新すると思います。
では、また。
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