今回は少し妄想が暴発。短いです。
では、どうぞ。
「宴会・・・だと!?」
「何動揺してんのよ」
寺子屋の生徒たちも夏休みに入り、仕事が明日から休みの連続という、もはや仕事とは言えない仕事をやり終えて、神社に帰宅した時の事。
日はもう既に沈んでおり、三日月が夜空に顔を見せていた。
縁側の近くに取り付けた風鈴が、透き通るような音を放ちながら、夏の夜風に当たり、揺れている。
もうとっくに夜食を食べ終え、一日の疲労を風呂で洗い流し、大きな氷が入った、キンキンに冷えた水をのんでいる時、風呂から上がった寝巻き姿の霊夢が突然いい放った。
「・・・・・・それってどのくらい参加します」
大人数での騒ぎを好まないため、あまり多くの人妖ともに参加してほしくは無いのだが、現実は甘くなかった。
「そうね、全員の名前をあげるのが面倒なほど」
霊夢によると、俺がここに居候して一年以上いるが、俺が宴会など、多くの人々が騒ぐものが苦手なのを配慮して、宴会を出来るだけ避けていたらしい。
そんな事を言われると、流石に悪く感じてしまい、目が合わせずらい。
「天狗の新聞であんたの事を知ったヤツらが居るだろうから、適当に接しときなさい」
「え、俺って参加しないといけないのか?」
「当たり前よ」
あんたを見たがる物好きたちもいるんだからと、俺の隣に座りながら言った。
「霊夢、里で好きな物買ってあげるぞ」
「あら、ありがと。でも宴会には参加しなさい」
「・・・・・・そういえばアリスの家に用事が明日あるんだよな」
「宴会は明日じゃないわよ。良かったわね」
どうしても参加しないといけないようだ。先程から、隣に座っている霊夢が、口元を少し吊り上げてニヤニヤと笑っている。
縁側から少し離れた木々や草むらから、リーンリーンと鈴虫の鳴き声が聞こえ、昼間のセミたちの暑苦しさを感じる鳴き声とは違い、涼しさを感じることができた。
「なぁ霊夢、欲しい物あ「諦めなさい」・・・・・・はい」
無意味な逃避を諦め、今度はどうやって、人妖にあまり関わらずに宴会を過ごせるかなど、心の中で考え始める。それを見透かしたのか、霊夢は俺の後ろに周り、俺の腹に手をまわし、後ろから抱きつくような形になった。
「ちょ、れ、霊夢!!」
宴会での過ごし方を計画していた静次は、いきなりの出来事に驚き、今の状況を把握するに精一杯だった。
そんな状況にさせた霊夢は、静次の耳元に口を近づけ、小声で話す。
「私は静次に宴会を楽しく過ごして貰いたいの・・・」
「で、でもっ」
「静次は私と一緒に宴会過ごしたくないの」
「そんなわけ、ない・・・だろ」
霊夢の色仕掛けにより、だんだんと流されていくのを分かっていながらも、それを何とかできないのが現実。
抱きつく力を少し強めた霊夢は耳元で、軽く息を吹き掛けた。そんな事をされて、冷静を保てるはずもなく、霊夢と一緒に宴会参加しますと言う。すると霊夢は、満足したのか、静次から離れた。男としての最高の状況が終わってしまい、もう少しだけ粘れば良かったなと、彼女に聞かれたら、ドン引き間違いなしな事を考える。
急にこんな事をした霊夢はどうしたのかと、彼女の心配も少しあったので、聞いてみることにした。
「霊夢、どうしたんだよ。急にあんなことして」
「・・・・・・嫌だった?」
一瞬心配そうな顔つきになる霊夢
「嫌では・・・なかった」
しかし、俺の返事を聞いて、いまさら恥ずかしくなったのか、頬を少し赤らめた。
「それで、何で?」
「つい」
「ついって・・・」
少し緊張してしまっていたのか、背中にじんわりと汗が浮き上がっており、頭からも少し汗を流していた。
頬に垂れてきた汗を拭い、夜空を見上げる。
鈴虫はまだ鳴いており、静かになる気配はなかった。
「霊夢ってたまに可笑しくなるよな」
「そう?」
「何時だったかもさ、俺が刀に封印されていた妖怪に乗っ取られて、永遠亭に運ばれて帰ってきた日もさ、一緒に風呂にはいろうだとか、寝ようだとか言ってたよな」
随分と懐かしい事を言われて、遠い目をする霊夢。その時の自分の発言に覚えがあるのか、顔を真っ赤にし、俯く。
「あの時は・・・・・・色々と可笑しかったのよ」
「さっきも充分可笑しかったぞ」
「失礼ね」
逃げるようにその場から立ち上がり、障子に手をかけて、止まる。
胸に手を当てて、一息をついた彼女は、
「寝るわ」
とだけ言うと、とっとと部屋に入り、障子を閉めてしまった。
「綺麗な三日月だな・・・」
一人で夜空に浮かぶ三日月を見上げながら、残っていた水を飲み干した。
少し短かったですが、どうしでしたでしょうか。今日から少し暇が続くので、明日か、明後日にはまた更新すると思います。
では、また。