では、どうぞ。
不意に聞こえてきた大きな物音で、目を覚ました。
俺の目の前には、その音の発信源を作ったであろう霊夢が、床に散らばっている皿の破片を、一枚一枚そっと片付けていた。
「・・・・・・霊夢、大丈夫か?」
妙な気だるさを感じながら、まだ此方に気が付いていない霊夢に話す。
「え、静次、おきた―――ッ!!」
俺が目を覚ましたのを確認した霊夢は、はっとした表情で此方を見ると、一瞬目を細めた。
皿の破片で手を切ってしまったらしい。
「大丈夫?」
「これくらい何とも無いわよ」
「駄目。ちょっとまってろ」
木製の引き出しから、香林堂で買っておいた消毒薬と絆創膏を取りだし、切ってしまった右手の中指に、消毒液をかける。そして絆創膏を貼りおえ、霊夢の方を見ると、ポカンとした表情で此方を見ていた。
「静次って以外とこういうの出来るんだ」
「これくらい出来なくてどうする」
「そうね」
クスッと笑った彼女は、絆創膏を貼った指を、左手で優しく撫でた。
「そういえば、静次」
「何?」
「ごめんね。昨日やりすぎちゃって」
「あぁ・・・そういえば」
昨日の事を思い出す。視力は悪いため、体のラインはくっきりと見えなかったが、確かに彼女のあれを見た。昨日の事を思い出すと、何だか恥ずかしくなり、彼女を真っ直ぐ見ることが出来なかった。
「・・・・・・あんた。何顔赤くしてんのよ」
五月蝿い。霊夢こそ赤くしてる癖に。
気まずい空気が漂い、沈黙が続く。彼女も俺も、互いに下を見てるばかりで、話が続かなかった。
「な、なぁ」
「何よ」
「俺の方こそ悪かった」
「べ、別に、気にしてないし」
互いに目が合い、俺が視線を外してしまう。どうにもこういうのは馴れてないため、どうしても上手く喋れない。
霊夢は気にしてないって言ったけど、表情が嘘だって語っている。
「ま、でもあれだな。霊夢のって意外と大きかったぁぁぁああっ!?」
「・・・・・・」
「真顔で腕ちぎるのやめてくれ!!痛い痛い!!」
あぁ、俺の二の腕が赤くなっちまってる。
しかも霊夢がそっぽ向いてるし。怒ったのかな。
「あの・・・・・・霊夢さん?」
「何?」
「怒ってます・・・・・・ね」
「当たり前よ」
さぁ、どうしましょう。取り合えず霊夢が怒ったときは、何か奢ってあげるとか、家事(料理以外)をやれば大抵機嫌が直るからな。
そういえば、皿の破片まだ片付けてなかったっけ。
「霊夢、皿の破片片付けておくから、ゆっくりすると良いよ」
「ええ、そうするわ。・・・・・・でも許さないわよ」
「で、では、どうすれば・・・・・・」
「そうね」
う~んと一つ何か考える素振りを見せた霊夢は、あっと何かを思い付いたようで、ちょっと恥ずかしそうな素振りを見せながら、俺に背を向けて、こう言った。
「こ、今度、里に一緒に行かない?」
「それはつまり・・・・・・何でも奢れと?」
「・・・・・・合ってるようで違う」
それじゃあ何だと言いたいが、それを言うより早く、霊夢は「は、早く片づけておいてよ!!」と言い、その場を早々と後にしてしまった。
「俺の貯金が消えませんように」
そんな事を願いながら、皿の破片を片づけはじめた。
・・・・・・本当に申し訳ありません。
何故長期休みなのに更新が全然できないんだ!!そうか!!夏の暑さのせいだ!!(白目)
では、次回