東方仁無録   作:キーマカレー

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キーマです。今回は短いです。はい。
では、どうぞ。


54話 目覚めればそこに彼女が

不意に聞こえてきた大きな物音で、目を覚ました。

俺の目の前には、その音の発信源を作ったであろう霊夢が、床に散らばっている皿の破片を、一枚一枚そっと片付けていた。

 

「・・・・・・霊夢、大丈夫か?」

 

妙な気だるさを感じながら、まだ此方に気が付いていない霊夢に話す。

 

「え、静次、おきた―――ッ!!」

 

俺が目を覚ましたのを確認した霊夢は、はっとした表情で此方を見ると、一瞬目を細めた。

皿の破片で手を切ってしまったらしい。

 

「大丈夫?」

「これくらい何とも無いわよ」

「駄目。ちょっとまってろ」

 

木製の引き出しから、香林堂で買っておいた消毒薬と絆創膏を取りだし、切ってしまった右手の中指に、消毒液をかける。そして絆創膏を貼りおえ、霊夢の方を見ると、ポカンとした表情で此方を見ていた。

 

「静次って以外とこういうの出来るんだ」

「これくらい出来なくてどうする」

「そうね」

 

クスッと笑った彼女は、絆創膏を貼った指を、左手で優しく撫でた。

 

「そういえば、静次」

「何?」

「ごめんね。昨日やりすぎちゃって」

「あぁ・・・そういえば」

 

昨日の事を思い出す。視力は悪いため、体のラインはくっきりと見えなかったが、確かに彼女のあれを見た。昨日の事を思い出すと、何だか恥ずかしくなり、彼女を真っ直ぐ見ることが出来なかった。

 

「・・・・・・あんた。何顔赤くしてんのよ」

 

五月蝿い。霊夢こそ赤くしてる癖に。

 

気まずい空気が漂い、沈黙が続く。彼女も俺も、互いに下を見てるばかりで、話が続かなかった。

 

「な、なぁ」

「何よ」

「俺の方こそ悪かった」

「べ、別に、気にしてないし」

 

互いに目が合い、俺が視線を外してしまう。どうにもこういうのは馴れてないため、どうしても上手く喋れない。

霊夢は気にしてないって言ったけど、表情が嘘だって語っている。

 

「ま、でもあれだな。霊夢のって意外と大きかったぁぁぁああっ!?」

「・・・・・・」

「真顔で腕ちぎるのやめてくれ!!痛い痛い!!」

 

あぁ、俺の二の腕が赤くなっちまってる。

しかも霊夢がそっぽ向いてるし。怒ったのかな。

 

「あの・・・・・・霊夢さん?」

「何?」

「怒ってます・・・・・・ね」

「当たり前よ」

 

さぁ、どうしましょう。取り合えず霊夢が怒ったときは、何か奢ってあげるとか、家事(料理以外)をやれば大抵機嫌が直るからな。

そういえば、皿の破片まだ片付けてなかったっけ。

 

「霊夢、皿の破片片付けておくから、ゆっくりすると良いよ」

「ええ、そうするわ。・・・・・・でも許さないわよ」

「で、では、どうすれば・・・・・・」

「そうね」

 

う~んと一つ何か考える素振りを見せた霊夢は、あっと何かを思い付いたようで、ちょっと恥ずかしそうな素振りを見せながら、俺に背を向けて、こう言った。

 

「こ、今度、里に一緒に行かない?」

「それはつまり・・・・・・何でも奢れと?」

「・・・・・・合ってるようで違う」

 

それじゃあ何だと言いたいが、それを言うより早く、霊夢は「は、早く片づけておいてよ!!」と言い、その場を早々と後にしてしまった。

 

「俺の貯金が消えませんように」

 

そんな事を願いながら、皿の破片を片づけはじめた。

 




・・・・・・本当に申し訳ありません。
何故長期休みなのに更新が全然できないんだ!!そうか!!夏の暑さのせいだ!!(白目)
では、次回
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