ミチなるセカイへ!   作:もーめんど

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ミチなるセカイへ!

序章《ミチなるセカイ》

 

 

 

勇者、それは民の盾にして絶対の”味方”と定義される。

 

《ぱお~ん》

 

対して魔王、それは敵…だったり敵ではないが味方とも言い切れないモノに与えられる名称。

 

《がお~》

 

 

さて、彼らは大体のところ、強く逞しく、そして【未知なる世界】からの来訪者であるが。

 

 

「ん、なんだ?あッ!もしかしてお偉いさんデスカ!?アッ、アッ…スンマセン!ワタクシコウイウモノデス…」

 

 

ここにひとり世にも珍しい、自分は【この世界】で生まれたよ~ん♪と、うそぶく勇者が居た。

 

 

「ワタクシ、ヤマディータ・ロウデスと申します!そのう、え~と、勇者デス!お気軽にヤマダとお呼び下さい!」

 

 

けれど、こんな勇者など世界では珍しくもない、数多の勇者が居て魔王が居て、消えて生まれる。

 

 

【勇者&魔王:いっぱいいるよん、補充されるよん♪ 】

 

 

そんな世界で、たったひとり妄言を吐く勇者が居た所でな~んにも注目される要素などあるか?いや、ない!

 

子どもたちが夜毎、おふとんのなかで神話の【悪名高い四勇者】について花を咲かせるころ、

酒場で冒険者が【旅行の魔王】の乳の大きさに顔を赤らめるころ、

このヤマダは平原で、街々で、森林で、山麓で、遺跡で、

ただただ泥臭くも見栄を張って勇者の威光を振りかざし生きていたのであった。

 

そして…。

 

■◆■◆

 

「勇者様、ゼェ、ハァ…ちょっと!はやすぎますよ行軍が!」

 

「いけるいける、がんばれがんばれ!お前ならできる!

なぜというなよ、少年、お前は何者だ!?勇者のお供だろ!?

勇者のお供レムナード、お前ならできるって!

たとえ100キロンの荷物を載せた馬車カッコウマナシを引っ張っていたとしても

この超絶美麗最強のオレについて来れるはずだ!というかそれが役目だ!

無理だとしても為せば成る!う~ん、ハッピーエンドだ!」

 

「小柄なボクに無茶いわないで下さいよ~!いくらなんでもキツイですってぇ~!」

 

「Har…キツくてもやる、ソレが従者の務め。マダマダだね、レっくん」

 

「ら、ランさんが乗ってるせいで100キロンにプラス50されてる気がするんですが…」

 

「No、オトメにタイジュウのハナシは、えぬ、じぃだよ」 

 

「魔道人形が乙女なんですかぁ?…うわ、うわボクはただ疑問を口にしただけで…!」

 

「butin、、、ブレイ二回目…ガマンむよー!」

 

ゴチン★

 

■◆■◆

 

数ある勇者の末席にひとりの勇者が名を連ねてから3年後、

やかましい3人の小団が土を踏みしめるところから

この【辺境の大地テイラミス】で、数ある御伽話のそのひとつが幕が開ける。

 

「いざぁ~行かん、ミチなる~セカイへ!」

 

「勇者さまぁ!仁王立ちで大見得切ってる暇あったら助けてくださーい!」

 

「Hmm…おそい…」

 

 

☆現在のパーティー

 

勇者:ヤマディータ・ロウデス

 

お供;レムナード

 

お供②(魔道人形):ラン・ズルフィクション

 

■◆■◆

 

街道を進んで30分、ようやく都市の関所が見えてきた所で

馬車から離れて歩いていた勇者ヤマダがミギナナメ方向200メドル前を走る馬を目ざとく察知し、呟いた。

 

 

                 《ひひーん》

「あれはまさに暴れ馬だな!」

 

 

 

常人なら霞んで見えないであろう距離だが視力はこれでも2.0だからな!と両手をバッチグーする勇者の背後に何かが迫る。

 

 

「yes…そしてno、ウマの上にヒト、つまりウマonヒトーーーー」「ぶふゥ!」

 

ドンガラガッシャーン★

 

ヤマダを追って魔道人形ランがホバークラフトで魔力を噴出しながらヤマダに突っ込み、

もみくちゃになりながらふたりは状況を把握する、YESミギナナメ方向ウマonヒト。

 

「何をするんだぁラン貴重な魔力を贅沢にもそんな移動方法で消費するとはアレかバカなのかおバカさんなのか!?あのレムナードよりもなのか!?」

 

「damn…主人こそおバカ、魔道人形がヤドヌシから離れすぎると

魔力の供給が切れてうごけなくなるのは説明書に書いてある」

 

「えッ?バカはオレだったのかぁ~!?」

 

「あ~う~な~い!!!そこの人たちぃ~!どいてぇ~~!」

 

《ひひーん!》

 

栗毛のバタイがダービーもかくやという勢いでふたりの目の前に迫り、

馬上の瓶底メガネの黒髪女が叫び声を上げると勇者が一言。

 

「やれ!」

 

「いえす」

 

返事は短く、動作は大きく、ランはホバー出力を上げて目前の馬上辺りの高さまで浮き静止する。

 

「な、なに?浮いてる!?うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

馬上の女はランの左腕に腹を捕まえられる、浮いてそのまま天高く飛んだかと思うと、

逆向きに地面スレスレを急降下で飛翔するカラダ。

 

「きゃああああああっ!?」

 

「c a l l 、 レ っ く ん ウ マ つ か ま え て 」

 

 

「ちょ、ボクにそんなことたのまれてもッぬわーーーーっ!」

 

ランがいつもの調子で、むしろ調子っぱずれなほど冷静沈着に話しながら、

残った右腕でレムナードを捕まえるとランは暴れ馬に向かい飛翔する。

 

「まさか、まさかランさんッ!?ボクをあの馬の上に投下するなんて言いませんよねッ!?」

 

「mystery…レっくんどうしてわかったの?」

 

「やめて、放して下さーい!放してッ!?いや待って離さないでぇぇぇーーーッ!?」

 

「no、もうおそい」

 

無情にもレムナードの頼みによりランが右腕を放したが、馬は遥か彼方。

目測では間違いなく地面にドボンであろう着地点がレムナードを迎え入れようとしている。

 

「oh…やばい」

 

「きゃああああああ!?」

 

《イエーイ★》

 

 

死神がレムナードに鎌を下ろそうとした瞬間。

 

 

「何をしてるんだランーーーーーーーっ!?」

 

 

ランへの魔力供給が切れないようにとがむしゃらに走っていたヤマダが、

両腕でレムナードをガッシリと掴んだ。

 

 

《チッ、新鮮な魂だったのに…》

 

 

「やはりバカはお前だぁ~!ラン~!」

 

「smile…間に合ったからヨシ」

 

「何を言う!?オレがランを追いかけて居なければ間違いなくレムナードが死んでいた距離だぞ!?

オレのチカラに蘇生魔法なんてないんだぞ!?ホンキだよ!?」

 

チンケな勇者が珍しく勇者っぽいオーラを出しながら文句を垂れ流すとランに抱えられたままの瓶底メガネの女が気まずそうに挙手。

 

 

「ま、まあまあ、それもえっと、多分私があうなかったところを助けようとしてくれたからですよね?

そこまで怒らなくても…」 

 

 

当然である、自分が助けられておいて助けた人達が経緯はどうあれ仲間割れを始めるなど常人には耐えきれない、

耐えきれるならそいつは【図太すぎの勇者】あるいは【図太すぎの魔王】と言われ讃えられるであろう。

 

しかし、それが間違いだったのだ。

 

「そうだァ!そもそもお前が悪いんじゃないかッァ!このビンゾコめぇーー!」

 

「び…ビンゾコ!?わ、わたしにも名前と言うものがあるんですよ!」

 

「それにさっきから《あぶない》という単語を《あうない》といっているのは何なんだァー!歯抜けか?歯抜けなのか!?歯抜けビンゾコなのかァーー!」

 

「ぬ、抜けてませんよ歯は!これは方言みたいなものですっ!」

 

「では…間抜けなのかァー!?間抜けビンゾコなのかァッーー!」

 

「違いますーーーーーっ!」

 

ヤマディータ・ロウデスは勇者ではあるが、そのメンタルはまさに【図太すぎの勇者】であったッ!

 

「街道を歩くだけでどうしてこんなことに…もう…ボク、疲れました…」

 

ヤマダの腕の中で声を漏らすレムナード、疲労の色が浮かんだ彼の顔の向こう、

遥か高い雲の天上から天使が降りてきた気がした所でこの【暴れ馬事件】は、

女性の救出と馬の逃亡と、そしてレムナードの気絶という形で幕を閉じたのであった。

 

《ひひーん♪》

 

■◆■◆

 

 

☆現在のパーティー

 

勇者:ヤマディータ・ロウデス

 

お供;レムナード

 

お供②(魔道人形):ラン・ズルフィクション

 

new!:ビンゾコ

 

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