誰が為のヒーローアカデミア 作:鴨の加茂
事の始まりは中国の軽慶市。
"発光する赤子"が生まれたというニュースだった!
以降、各地で「超常」は発見され、原因も判然としないまま時は流れる。
いつしか「超常」は「日常」に…。
「架空」は「現実」に!!!
世界総人口の約八割が何らかの"特異体質"である超人社会となった現在!
混乱渦巻く世の中で!
かつて誰もが空想し憧れた一つの職業が、脚光を浴びていた!!
ばばーんっ!と派手なSEと共に何処かで見た気がしなくもない映像が脳裏に浮かぶ。
「それで、ここは何処で貴方はどちら様?ってのは在り来り過ぎてもう飽きた?今更必要ないか?」
俺がそう聞くと、目の前に佇む人物がその口を開く。
「いえ、そのような事は全く無いですよ?」
これはあれだ。
よくある異世界転生。でなければ俺の厨二病が末期になり見た悪夢だろう。
「で、この流れだと俺はヒロアカの世界に転生するの?マジでなんで?」
すると女神様(仮)は驚いた表情で俺を見てくる。いや、驚きたいのはこっちだよ。
だって…
「いや確かに?俺が最後に見た作品はヒロアカだよ?だけどさぁ、ブームに乗り遅れた結果、友達に誘われて行った映画が面白くて帰りに本屋寄って1巻買って、公園のベンチで数ページ読んでた所でトラック突っ込んで来た記憶しかないんだけど!?」
そうなんだよ、俺のヒロアカ知識は数ページとダークマイトというキャラの出てくる映画1作分。齧った程度の知識はあったり人気作だけあり多少の偏見知識はあるが本当にそれだけなんだよ。
「変更って出来ますか?可能ならもう少し平和寄りな世界が良いんだけど」
「あー、そういったモノでは無いので。…きっと住めば都という物ですよ!」
個性を皆が持ってる世界で平和なわけないじゃん。何言ってるの?
「まぁいいや、それで俺の個性は?まさか無個性じゃないよな?」
「あぁ、それは大丈夫ですよ。ガチャを引けますので!」
そう言いながらガサガサと何処からか取り出した箱を漁る女神(仮)。それにしてもガチャ?俺に選択肢は全く無いのかよ…。
「なるほどなるほど。取り敢えず提供割合を見せて貰えるか?え?何?そんなものは無い?」
その後、(仮)を問い詰めた結果分かったのだが普通にそこら辺のソシャゲレベルの渋ガチャ単発で俺の運命は決まると。舐めてんのか。
「ま、まぁまぁまぁ1度引いてみましょ!そこから一緒に考えていきましょう!」
それ以外の選択肢は無いし引くけどさ、あっ。あんまり綺麗じゃない色のカプセルが出てきた。
あっ中級って書いてる。
おい、(仮)よ。今小声で「無個性じゃなくて良かった〜」って言ってるの聞こえてるからな。
どれどれ?
個性[変化]
一定範囲内の物質の状態を任意に変化させる。
つまり、固体を液体や気体に変化させたり逆も出来るって感じか?なんか微妙な個性だなぁ。
おっと、俺の苦い表情を察してか(仮)が何か唱え始めた。
「で、ではでは個性も決まりましたし転生始めますね!それじゃあまたいつか!」
あっおい。さっきガチャした後に考えようとか言っておいてよく───も────────────。
えーっと、結論言うね?
こんなよく分からん個性で今から雄英高校の入学試験だってさ。
…辞退したい。