おまけからの更改、nルート派生。
幕開き
「うちら三人共、公安入りするとはな……」
警察学校を卒業した後、同期6人組はそれぞれ勤務先が分かれた。
「メスカルはリュウゼツランから採るお酒の総称だね! ……流石だなあメスカルさん……。
降谷さんと諸伏さんとうちは『組織』に潜入捜査をする公安勤務となり、各々がスペシャリストとして活躍をし始めた時に組織からスカウトをされるように目立つ時期をバラけさせ、無事に組織入りを果たした。
そして数年の月日が経ち、三人がコードネームを持つまでに組織からの信頼を得るまでに至った。
「スコッチ!! うちの『さすがだbot』になる必要はないねん!!」
うちはFBIの射撃訓練での成果か、ライフルのオリンピックの強化選手となり、組織では腕を買われて『スナイパーの三本指に入る』実力者として名が知れ渡った。
で、諸伏さん……スコッチはうちの弟子になってから、全肯定botのように信頼の情を示すようになってしまった。
「流石メスカル!! よっ!! 可愛いよー!! 笑って!! ウインクして!!」
降谷さん……バーボンの方は探り屋として重宝される諜報員となったけども、うちを完全に馬鹿にした態度を取るようになってしまった。
確かに成績順は降谷さんが1位、2位が伊達班長、3位がうちで……下なのは確かやけど。
「バーボン!! おちょくるな!! しばくぞ!!」
、、、
「め、メスカル……あのさ、ハニートラップの練習に付き合ってくれないか? 組織で必要になるだろ……?」
頭が痛くなってくる。
バーボン……どんだけうちを馬鹿にすれば気が済むんや。
「……あ! スケベなことしようと考えてる!! ねえスコッチ!! バーボンがハニートラップの練習したいって!!」
ライフルのポジショニング確認が終わった諸伏さんに声をかけた。
幼馴染のヒロとゼロなんやから、呆れて止めてくれるはず。
「バーボン!! ……実はオレもメスカルさんに個人的なハニートラップの練習をしてもらいたくて……」
漫画のように落ち葉の上にずっこけてしまった。
「ズコーって、スコッチもかいな!! 自分で相手見つけてきい!!」
バシンと降谷さんと諸伏さんの背中を叩いた。
「メスカル……お願いできないかな?」
「メスカルさん……」
二人は目を潤ませて屈んで上目遣いをした。
子犬みたいな演技して庇護欲を煽ってワンチャンなんかあるわけないやろ。
「捨て犬みたいな目をしても無駄や!!」
「なにかまた一人で抱えとるなバーボン……」
日々が過ぎても降谷さんは相変わらずで、いつも難しい顔をしては溜息をついていた。
「メスカル……悩みがあるんだ……相談に乗ってほしい、君だけにしか言えない」
まあ、うちと諸伏さんしか公安かつ組織の人間はおらんからな……。
うちだけってことは、ハニートラップ関係か、恋愛相談か……。
「……ええで。何でも言うてみい」
、、、
「……ってここラブホやないかーい!!」
降谷さんに腕を引かれて連れてこられたのは、どう見てもラブホテルだった。
「じゃあ、入ろうか」
何食わぬ顔で入り口まで入ろうとする背中を叩いて、反対方向に駆け出した。
「入るわけないやろがい!!」
すると組まれた腕をぎゅっと脇で締められ、入り口に引っ張れた。
「一回だけ!! 間取りと内装、盗聴や監視カメラの有無を確認してハニートラップに使えるかどうかの偵察だから!!」
そんなん別のハニトラ要員と行けや!!
「嘘を付くな嘘を!!」
──1時間後
「すみません、入るか入らないか決めてもらえませんか? 店の前で引っ張り合いされるとハッキリ言って営業妨害です」
二人して逆方向に腕を引っ張り合い膠着状態に陥っていると従業員さんから注意されてしまった。
「「すみませんでした」」
、、、
「ねえ、メスカルはずっと彼氏を作らないつもりなのかい?」
本当にしつこいな。
公安が……しかも組織の潜入捜査をしとる者が恋人作ってうつつを抜かせるわけないやろがい。
「うちの場合、国民全員が彼氏や!!」
もし恋人なんか作ったら、ウィークポイントになって利用されてしまう。
「なら僕も彼氏でしょ? ねぇ……メスカル……君が好きなんだ……お願い、僕がこんなに頼んでいるのに……僕はそんなに魅力がないかな?」
降谷さんはまた子犬の演技で顔を覗き込んだ。
「バーボン……ラブホの前で言わんかったら説得力あったな……」
この状況からして、どう考えてもヤリモクやないか。
「どうしたらいいんだよ!! 僕は君が好きだから君を抱きたいって正々堂々言っても意味ないだろ!!」
……う。
「え? ……照れてる?」
いきなり何を言うとんのや……。
「……照れてへんわ。……アホちゃう?」
耳まで真っ赤になってしまっているのが分かって恥ずかしい。
「……入ろう? ね? 優しくするから」
唇がつくくらいの距離で耳元で囁かれ、身体が熱くなってしまう。
「バーボンのアホ!! スケベ!! 入りません!! ぜーったいに入りません!!」
──3時間後
「ご利用ありがとうございましたー」
「ジェーン、どうして下を向いているの?」
最悪や……恥ずかし過ぎて死にそうや。
久しぶりの同期6人組での飲み会の席なのに、辛い。
「う、う、う……降谷さんの顔見られへんよ……」
なんであんなことして平気でいられるんや……。
「かわいい……」
降谷さんはうちの顎を引いて意地悪な笑みを浮かべた。
「うっ……やめてえな……お願いやから……」
あかん、目を見てしまったらラブホのやり取りを思い出してしまう。
「……本当にかわいいな」
顔がぐっと近づいて、息が掛かった。
「やだ……」
もう無理、耐えられへん。
「何があったんだよ!!」
ぎゅっと目を瞑ると、松田さんの叫び声が耳を劈いた。
「はぁ……降谷ちゃんに恋のレース、負けちゃったかぁ」
萩原さんの大きい溜息も聴こえてくる。
「ゼロ……」
そんで、諸伏さんのただならぬ重たい怒気を含んだ唸り声も聴こえる。
「何がって……カップルが成立したってだけだろ」
目を開けると、伊達班長が呆れ顔で苦笑いを浮かべていた。
「ああ。僕とジェーンは付き合ってるから、よろしくな」
、、、
「そういえばさ、龍絶さんって覚えてる?」
お酒が入ってくると、次第に羞恥にある程度慣れてしまった。
「覚えとるよ! あの『未来予知』した子やろ? コンビニ強盗とかトラックの暴走を当てたよなあ」
何回か絡まれたらからよう覚えとる。
「ああ、あの黒髪のボインちゃんね。俺が『11月7日に防護服を着ずに爆弾解体をして死ぬ』って予言してたなあ。ま、俺が防護服を着ないなんてあり得ねえけど」
萩原さんが薄ら笑いをするのを肘でどついた。
「何言うとんの!? うちが爆弾解体のイロハを教えとったときにタバコを吸いよったアホは何処のどいつや!!」
すると、萩原さんは力無く右手を挙げて、手首を振った。
「はいはい。愛ちゃんの厳しいご指導の賜物です」
向かいに座る松田さんは腕を組んで溜息を付いた。
「萩、爆処に入る人間が警察学校のペーペーに爆弾解体を教わるなってえの!! いい加減、愛はどっからその技術を学んだのか教えろよ!!」
……教えるわけにはいかへん。
FBI捜査官の父、ジェームス・ブラックから暗号や危険物処理、諜報の基本知識や対人戦闘訓練を受けていたことは、流石に公安の二人にも教えられへん、公安上層部とFBIしか把握しらん情報やから。
「言えへん!! で、龍絶さんがどうかしたんか?」
日本酒を片手に諸伏さんがポツリと零した。
「行方不明者届けが出たんだ。つい先日ね」
……え、そうなん?
「聞き捨てならねえな……。同じ鬼塚教場だったからな」
結局、龍絶さんは警察学校を卒業する前に『厳し過ぎる』として退校してしまってから連絡を取っていない。
そもそも、うちや女子とは連絡先を交換しとらんかった。
「つい先日って言い方……」
降谷さんが眉を顰めると、諸伏さんは続けた。
「実は、警察学校を卒業した数年前には姿をくらましていたみたいなんだけど、ご両親の意向で表沙汰にはならずに水面下で捜索はしていたみたいなんだ」
確か、名家の龍絶家のお嬢様で父親と母親は芸能界の仕事をしていた。
名誉に傷がつくような話……?
水商売か、暴力団関連のテリトリー内の話か?
「そうなん? 結構時間経っとるやん……早く見つけんと……」
連れ去りやったら、命に関わる。
「そうだね……同じ鬼塚教場だったから……。僕達も独自に捜索してみるよ」
不足分
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ちょっぴりエッチ♡なドキドキ☆が足りない
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ほのぼの日常ラブコメが足りない
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鬱が足りなすぎる
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不足はない